関西テレビが、先日の岩井志麻子の発言についてヘイトと受け取られかねない発言を編集せずに放送した問題で、同社は22日昼の番組冒頭で謝罪した。番組の責任者や局の責任者ではなく、なぜ関アナが頭を下げるのか。謝罪も釈明もないよりはマシだが、やはりおかしい。
バカを斬る刀 2019-06-22
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190622-00000020-mai-soci
関西テレビ(大阪市)が5月18日放送のバラエティー番組「胸いっぱいサミット!」で、作家の岩井志麻子氏の「(韓国人は)手首切るブスみたいなもん」とヘイトと受け取られかねない発言を編集せずに放送した問題で、同社は22日昼の番組冒頭で謝罪した。
番組では、同局の関純子アナウンサーが白い背景の前に立ち「当初、その発言には差別的な意図はないと考え放送しました。その後、社内で議論した結果、視聴者の皆さまへの配慮が足りず、心情を傷つけてしまう可能性のある表現であり、そのまま放送するという判断は誤りだとの結論に至りました」と経緯を説明。「真摯(しんし)に反省し、視聴者のみなさまにおわび申し上げます」と謝罪した。その後、画面は生放送スタジオに切り替わった。
謝罪も釈明もないよりはマシだが、やはりおかしい。
①番組の責任者や局の責任者ではなく、なぜ関アナが頭を下げるのか。「局を代表して」ということかもしれぬが、上の者が汚れ仕事を下に押し付けているようにしか思えない。
②発言をした岩井志麻子、隣で大笑いしてはやし立てるかのような態度であった千原せいじ、今後また番組に出演させるのか。本人たちに謝罪の意思があるのかないのか、その辺りがまったく不明である。
③謝罪、釈明しながら、本日の出演者の一人はかの醜悪レイシスト竹田恒泰である。レイシストがお好き?そこは変わらないか。
④局のHP、番組HPには謝罪も釈明も一切ない。
この件については、毎日新聞に妥当な批判記事が出ていたので、貼っておきます。
https://mainichi.jp/articles/20190617/k00/00m/040/268000c?inb=ys
作家で在日コリアンの人権問題などにも詳しい若一光司さんはたまたま番組を視聴し、「収録・編集された番組でこのような内容が流されたことに衝撃を覚えた」という。「今回の発言は韓国人に対してだけでなく、『ブス』と呼ばれて傷ついてきた人たちや、リストカットを繰り返してしまう人たちに対する、二重三重の差別と侮蔑を含んでいる」と憤り、「常習的なリストカットで苦しんでいる人たちの現実についても誤解と偏見を生じさせる発言だった」と指摘する。
「胸いっぱいサミット!」のように時事問題をテーマにしたバラエティー番組は多く、制作現場には、他番組との差別化を図ろうと過激な内容を求めてしまいがちな土壌がある。しかし、今回の番組は収録番組だった。
若一さんは「現場ではその場の勢いやウケ狙いで不穏当な発言が飛び出すこともあるだろうが、編集でカットできるのだから最大の責任は出演者ではなく制作陣にある。編集に関わったスタッフの誰か一人が人権意識を持って声を上げていればこうはならなかったはずだ」と話す。
影山貴彦・同志社女子大教授(メディアエンターテインメント論)も「差別をあおるような発言を編集せずにそのまま放送したことはこの上なく残念だ。バラエティーだから多少の過激な発言は許されるという問題ではなく、人権に対して全社的な意識改革が必要だ」と話す。
影山氏はさらに「読売テレビの不適切放送と相次いだ。個々のテレビ局だけの問題でなく業界全体の認識が欠けていると言わざるを得ない」と放送業界全般のチェック体制や人権意識にも疑問を呈する。
読売テレビ、関西テレビ、続いたのは偶然か?