http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20140423-00034734/
2014年4月23日 江川 紹子 | ジャーナリスト
続いて弁護人の反対尋問。
平成25年1月1日は勤務日ではなかった。最初に連絡があったのは、朝9時頃。デスク主任の菊池警部補から電話がかかってきて、「こういうメールが来ているから、もしかして行くことになるかもしれないから準備をしておいて下さい」とのことだった。スノーボードに使うウエアの上下を来ていった。
現地に到着したのは2時30分頃。
1月の捜索について、1月中に作成された報告書は存在しない。すぐに報告書を作らなかったのは、捜査の舞台が江の島に移行して、容疑者が浮上し、逮捕、再逮捕とめまぐるしく動いて手が回らなかったから。上司から催促されたこともない。
1月の捜索の後は、いたずらだったのかもしれないな、という気持ちが少しあった。
金子警視との雑談は、犯人逮捕の後、2月、3月とちょこちょこ何度か。
5月に行った4人のうち、有賀警部補は神奈川県警。地面を掘ったのは村田警備補で、私はすぐ横で見ていた。出てくるかどうかは、五分五分と思っていた。
1月には台座の下の支柱は見えなかったが、5月の時点では、風で土が削られたのか、見える状況になっていた。
(1月の捜索の時の掘削状況は報告書に写真が添付されているが、5月については写真が載っていないのは)5月16日の捜索の掘削状況の写真はおそらくない。元旦と違って、(捜索は)一瞬で終わってしまったので、掘削している状況を撮れなかった。
ビニル袋が二重になっているのを写真に撮るとどうなるか、という検証はしていない。
三重の案件が終わって、物品の捜査班になり、犯人が送ってきたUSBメモリの写真を持って秋葉原に行き、同じ製品を探したことがある。すぐに見つかった。シリコンパワージャパンの製品で、容量は2GB,4GB,8GB,16GB、32GBの5種類。写真を見ると、一桁であることは分かるので、2,4,8のどれか。2GBは1年以上に生産が終わっているので、4GBか8GBの可能性があると思っていたが、実際に出てきたのは8GBで容量も矛盾しない、ということになった。
USBメモリが見つかったのは、台座から19センチ、地表から3センチ下のところ。
(300万円の懸賞金がついたので、元日の捜索後にたくさんの人が三角点台座付近を掘ったということを知っているかどうか聞かれて)そういう話は、私は聞いていません。
片山氏と弁護人は…
雲取山USBメモリのビニール袋のファスナーの色が違う件に関する警察官証言について、片山氏は公判後の記者会見で、「ビニル袋が二重という新しいことを言い出した。(5月16日は)一瞬で出てきたので掘削の課程が写せなかったというのも、わざとらしい」と述べた。
また、主任弁護人の佐藤博史弁護士は「警察はシロのための捜査(片山氏がシロである可能性を調べる捜査)をやっていない」と批判した。
ビニル袋問題については、古野証人が言うようにビニル袋を二重にしたら、犯人が送り付けたような写真になるのかどうかの検討が必要だろう。
傍聴券を巡って
ところで、このところ法廷では空席が目立つ。この日も、開廷時に一般傍聴席の約4割にあたる16席の空席があった。
一方で、今も傍聴希望者は一般傍聴席の数より多く、傍聴券を得るために抽選を行う状況が続いている。傍聴席は、検察が3席の特別傍聴席を確保しているほか、報道用記者席がその日の希望に応じて設けられ、それ以外が一般傍聴席となる。この日は一般傍聴席38席。傍聴券を求めて並んだのは、94人。当選者は、当選番号のついた整理券を、法廷に入る手前で傍聴券に交換してもらう。
裁判所の担当者のメモでは、配布した傍聴券は23枚という。つまり、抽選に当たった人のうち、15人は傍聴券をもらっていない。傍聴を希望しているのに外れて傍聴できない人がいる一方で、せっかく当選したのに傍聴券ももらわずに帰ってしまう人がいるわけだ。
一番の原因として考えられるのは、現在でも警察が多くの警察官を動員していることだ。そのまとめ役になっていると思われる男性に聞いてみると、警察には特別傍聴席が与えられていないので、傍聴券を確保して裁判を傍聴し、報告をする必要がある、とのこと。警視庁本部は東京地裁の斜め前にあるという”地の利”もあって、確実に傍聴券を得るために、多くの警察官を動員しているのだろう(ちなみにマスメディアは、初公判の時には法廷画家を入れるために記者クラブの記者が傍聴券の抽選に参加したが、現在は参加していない)。
しかし、必要枚数より余分に当たったからといって、担当者以外の警察官は自分の仕事もあるだろうし、傍聴するわけではない。そのため、毎回、傍聴券を無駄にしてしまうことになるのだろう。
本当は、裁判所が、開廷から30分とか1時間しても傍聴券に交換しない整理券は無効とみなし、残った傍聴券は法廷前(もしくは事務室前)で先着順に交付するなど、柔軟な対応をしてくれれば済む話だ。けれども、国民へのサービスにはまるで関心のない裁判所には、そのような柔軟な対応はなかなか期待できない。
そこで、警察に期待したい。必要枚数以上に当たった場合は、その場にいる傍聴を希望するけれど外れてしまった人に譲るなど、柔軟な対応を検討したらどうだろう。警察も、他の人の傍聴の機会を奪ってしまうことは、本意ではないはずだ。
コメント