相次ぐ林野火災 未然防止へ対策徹底を


2026
52日 北海道新聞


大規模な林野火災が相次いでいる。岩手県大槌町では1600ヘクタール超の山林が焼け、平成以降では国内2番目の焼失面積となった。北海道内でも根室市の原野で火事が起き、人や家屋の被害はなかったが、2000年以降の道内で最大規模となった。

 
道内の過去10年間の林野火災は36月に全件数の9割が集中する。雪解けを迎え、ごみ焼きなど屋外の火気使用が増えるためとみられる。
 林野火災は地形の状況などから消火が難しい場合がある。強風も重なると延焼は拡大する。

 
温暖化の影響で火災が起きやすくなっているとの指摘もある。ささいな火の不始末で、家屋が燃えたり、人的被害が出たりすることは何としても避けたい。未然防止のため屋外での火の使用に一層注意を払いたい。

 
大槌町では、乾燥状態や強風に加え、油分の多いマツなどの針葉樹林といった悪条件が重なった。火災は斜面を下るように燃え広がった。住宅への延焼阻止に注力したものの、家屋など8棟の建物が燃えた。

 
大槌町の対応は、平成以降最悪の被害となった昨年の岩手県大船渡市の火災の教訓を踏まえている。国も林野火災注意報・警報を新設した。乾燥状態と強風が重なると自治体が警報を発令し、屋外での火の使用を禁止する。防火を徹底するためだ。

 
根室の火災では原野328ヘクタールが焼けた。十勝管内池田町でも山林約60ヘクタールが焼け、1人がけがをした。春先は空気が乾燥し、出火の危険性が高い時期であることを忘れてはならない。
 林野火災は消防車の放水が届かなかったり、全体像が把握しづらかったりして消火が難しい。根室の現場では十数の機関が活動し、北海道、自衛隊のヘリコプターが空中消火も行った。早期鎮圧には地上、空中双方からの的確な消火が鍵となる。

 
関係機関が連携し、ヘリの出動や消防隊の増援などで早期に態勢を増強することが肝要だ。国もドローンの活用など消火の新技術開発を推進するべきだ。
 消防庁や道は、林野火災の原因は人的要因が多いとみる。たき火や枯れ草などを焼く火入れ、たばこの投げ捨てなどだ。クマよけのための花火や爆竹も火種になる。不適切な火気使用をしないよう心がけたい。

 
大規模な林野火災は欧州や米国など世界各地で起きている。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書は温暖化が関係しているとの見方を示す。緑の焼失は二酸化炭素を大量排出する。防火は環境保護の上でも重要となる。