総選挙総括
以下は小説です。主人公は甲さんとします。甲は呆れていた。安倍政権における経済政策について、である。
アベノミクスなる珍語は、2013年頃から使われ出した。1980年代に使われた「レーガノミクス」のパクリネーミングはまあいいとして、中身は何もない。中学生程度の知性しかない安倍晋三が経済の成長戦略を思いつくわけもない。
やったことは異常なまでの金融緩和(財政ファイナンス)だけ。これはドーピングのようなもので、一時的には元気が出るかもしれないが、副作用のような代償は大きなものになる。そして、一度始めるとなかなか止められない。
特に2015年に黒田日銀が量的緩和を拡大した時には、もうこれで後戻りできなくなったと確信した。政府がどんどん赤字国債を発行し、日銀が国債をほぼ無条件に買い入れる。こんなことをやれば、財政規律は悪化し、円の価値を毀損するに決まっていると甲は確信した。
そこで、甲は円の保有は必要最小限に止め、ドル建て資産を保有するようにした。ところが、2016年の米大統領選挙でドナルド・トランプが減税や財政支出拡大を訴えて当選した。これではアメリカもインフレになるだろう。ドルの価値も下がる。
そうすれば、残るは金しかない。そう確信して保有資産の多くを金に換えた。一部はインフレによって恩恵を受けるであろう米国企業の株式である。甲は友人知人など機会があれば円よりもドルや金を保有するように勧めた。もっとも、甲がいくらそのように訴えても、聞く耳を持つ人は少なかった。自民党に投票するような愚民に円の価値が下がる意味など理解できるはずもない。
それから、5年、10年が経過し、甲は自分の確信が正しかったことを実感してい。
総選挙の結果は気に入らない。納得いかない。ただし、いくらそんなことを言っても結果を覆すことはできない。それなら、高市政権を逆利用して、自身の利益を追求するしかあるまい。
トランプの言いなりになって、アメリカから大量の兵器を買いまくり、さらには「対米80兆円投資」まで実行されようとしている。「投資」というものは、投じた資本に対して大きなリターンが得られるという見通しがあってするものである。どこかの国の大統領が他国に命じてやらせて成功するとは考えにくい。
一時的には多少の円高ということはあり得る。しかし、数年の期間で考えれば、円の価値は下がる一方と言うしかない。上記の甲さんに倣って、自身の利益を追求するしかあるまい。
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