きょう投開票 権利と責任かみしめて


2026
28日 北海道新聞


衆院選はきょうが投票日だ。議会制民主主義の根幹をなすのが選挙である。結果次第で国政の方向性が決まり、一人一人の暮らしを左右する。

 
選挙はそれほどに大切だ。しかし今回、突然の衆院解散で真冬の超短期決戦となった。雪の影響で候補者のポスター掲示板は減り、街頭演説の中止も見られた。有権者が判断材料を得る機会が損なわれたと言える。

 
高市早苗首相による衆院解散の是非は選挙後も問われよう。
首相は解散を表明した会見で「高市早苗が首相で良いのかどうか、国民に決めていただく」と主張したが、肝心なのは政治姿勢や掲げた政策の中身だ。

 
自身が挑戦したいという「国論を二分する政策」もはっきりせず、何を問いたいのか、具体的な論点は定まらなかった。
交流サイト(SNS)では真偽不明の情報や、人工知能(AI)で作られた政治家の偽動画が拡散した。正確な情報を基に責任ある1票を投じたい。

 
物価高対策が注目されたが、与野党がほぼそろって消費税の減税か廃止を掲げたことで争点とはならず、財源もあいまいなままだった。これでは有権者受けを狙ったポピュリズム(大衆迎合主義)だったと見られても仕方あるまい。

 
SNSなどをきっかけに政治に関心を持つ人が増えている。ただ政治家をいわゆる「推し」の相手と見るのは危うい。全てを委任すれば、権力者の暴走を招きかねない。信頼たり得る人物なのか、資質と言動を常にチェックすべき対象だ。

 
選挙権を得た若者たちに考えてほしい。性自認や婚姻のあり方など、個人的な悩みが社会制度に起因することも多い。解決するには、主権者として政治に参加し動かすしかない。
外国人への規制強化が論点の一つとなった。日本で暮らす外国籍の人には選挙権がない。納税の義務を果たしていてもだ。選挙で意思表示できない人たちを標的にするかのような議論は排外主義につながりかねない。

 
生活の不安や不満の矛先が、弱い立場の人たちに向かっていないか、一人一人が顧みる必要があるのではないか。
連立政権の枠組みが変わって初の選挙となり、道内の多くの選挙区で接戦となっている。

 
投じる1票は重い。棄権は多数派への白紙委任と見なされてしまうことを心に留めたい。選挙権を行使できる権利と責任をかみしめたい。
悪天候が続く。投票所に足を運ぶ際は、くれぐれも安全に気を付けてほしい。