柿沢議員逮捕 選挙不正の疑惑解明を
2023年12月29日 北海道新聞
東京地検特捜部はきのう、4月の東京都江東区長選を巡る公選法違反容疑で、自民党を離党した前法務副大臣の柿沢未途衆院議員と秘書4人を逮捕した。区長選前に江東区議らに渡した現金に、柿沢容疑者が支援した木村弥生前区長を当選させるために買収する意図が含まれていたと判断した。
票をカネで買うような行為は選挙の公平性、公正性をゆがめ、民主主義の土台を崩す。選挙不正の疑惑解明に向け、検察は捜査を尽くしてもらいたい。法秩序の維持を担う法務副大臣だった柿沢容疑者が法を逸脱した疑いを持たれ、政治不信を広げた責任は極めて重い。
議員を辞職した上で、自ら国民の前で事実を説明すべきだ。自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件の捜査も進み、「政治とカネ」の問題は底なしの様相だ。不祥事の連鎖を断ち切る改革が急務である。
柿沢容疑者の逮捕容疑は木村氏を当選させる目的で区議らに現金計約260万円を提供するなどした疑いだ。区長選期間中に木村氏への投票を呼びかける有料のインターネット広告を動画サイトに約38万円で掲載させた疑いも含まれる。
区長選は保守分裂の争いとなり、激しい選挙戦が展開された。江東区を選挙区とする東京15区選出の柿沢容疑者が自身に近い木村氏を区長に据えることで基盤強化を図ろうと、なり振り構わぬ戦術を採用したのではないか。
関係者によると、柿沢容疑者は特捜部の任意聴取に、現金配布について「区長選と同日程で実施された区議選の陣中見舞い」と説明し、買収容疑を否定していた。現金を受け取った区議の一部は特捜部の事情聴取に対し、区長選での支援を求める趣旨が含まれていたと供述しているとされる。
区長選の情勢を考えても「陣中見舞い」との説明はにわかに信じがたい。金銭授受の背景を徹底的に調べる必要がある。柿沢容疑者は有料ネット広告の掲載についても、違法性の認識がなかったと釈明しているという。
国会議員が公選法の規定を理解していないとすれば、お粗末と言うほかない。岸田文雄首相は不祥事で政務三役や自民党幹部が辞任する度に「任命責任」を口にしながら、本人に説明を指示することもなく、放置してきた。責任をどう果たすか、行動で示してもらいたい。
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