高橋洋一 飯田浩司
- このバカたちによると、「円安は日本に有利」だそうだ。
「円安は日本に有利」を解説 高橋氏「円安の方が経済成長、GDPが伸びる」 青山氏「国内生産した方が競争力がある」(夕刊フジ) - Yahoo!ニュース
高橋氏は「円安の何が悪いの?」「経済学で言うと、自国通貨安は『近隣窮乏化政策』というもので、自国はいいけど他国は悪くなる状況。普通は他国から文句が出るが、いまは文句が来ないのでラッキーだ」と語り、今の状況は「日本に有利」と指摘しました。
高橋氏はさらに、円安の方が経済成長する、GDP(国内総生産)が伸びると言いました。なぜなら、「円安では輸出関連が有利になって、輸入関連が不利になる。(内需中心の輸入関連企業と比べ)世界で競争する輸出関連の方がエクセレント・カンパニー(=超優良企業)が多い。差し引きすると、総合的にプラスになる。だから、どこの国も実は自国通貨安の方がGDPは伸びる」。
高橋は立派なご学歴だそうだ。しかし、「日本、スゴイ!」、「安倍さんはとても有能なリーダー」、こんなインチキを続けていると、自分に自分が洗脳される。自分で自分をごまかしているうちに、本当に頭脳が劣化するように思えてならない。
円安は輸出企業にとってはメリットがあるが、国全体ではマイナスの方が大きい。日本から出ていった企業の生産拠点が、円安だからといってそんな簡単に日本に戻れるわけがないだろう。出ていく時代だって、10年、20年、30年かかって海外に工場が移転していったのだ。
一方、燃料資源や穀物類など食糧の輸入は止められない。1億ドル分の石油を買い付けるとすれば、以前なら100億円をドルに替えればよかったものが、150億円をドルに替えねばならない。
円安 → さらに多くの円をドルに換金して輸入 → 円売り圧力が拡大 → さらに円安 → さらに多くの円をドルに換金して・・・・
毎日新聞がまともな記事を出している。ここに出てくる小林氏などがエコノミスト、高橋なんぞエセノミストと呼ぶが妥当である。
貿易赤字拡大、皮肉な実態 「有利」なはずの円安に追い詰められ | 毎日新聞 (mainichi.jp)
円安の連鎖、マイナスのサイクルが起きるリスクは極めて高い。これと円安による輸出拡大とどちらの勢いが強いのか?少なくとも、楽観できる状況であるわけがない。最悪の場合、円安は止まらないと多くの人々が諦めれば、預貯金を解約しドルや金に替える動きが加速する。そうなれば、ますます円安は止まらなくなる。経済の歴史において、管理通貨制度における通貨価値の暴落は決して少なくはない。
こんな高橋の楽観論を無批判に転載する飯田浩司とやらも、おめでたい奴である。だったら、ドル売り円買いで市場介入した政府日銀を批判してみろと言いたい。ただし、飯田の論に一つだけ違う理由で同意できる部分がある。「円安は経済安保上望ましい」という件である。
円安がどんどん進めば、日本国内の資産は叩き売りとなる。不動産や日本企業の株式が中国系資本などに買われれば、中国からミサイルが飛んでくるリスクはどんどん下がるだろう。中国脅威論は不要になる。よかったね。