真実の報道神秘

権力の『おかしな政策』におかしいと報道しない日本で、一人でも『おかしい』と声を上げ、真実を追求して行きます。

2018年06月

「多様な働かせ方を強要できる法制度」が成立&「レイプされることは女性の落ち度」(杉田水脈)と詩織さんを貶める女性議員の存在もまた「Japan's Secret Shame(日本の秘められた恥)」なのだ!!

くろねこの短語 2018/6/30

過労死遺族が見つめる中で、高度プロフェッショナル制度(=残業代ゼロ)を含む「働かせ方改悪」法案が成立。ペテン総理は、「多様な働き方を可能にする法制度」とうそぶくも、実際は「多様な働かせ方を可能にする法制度」なのは明らかだ。
 
とりあえず年収規定があるとはいうものの、そんなものはは政令で引き下げが可能なんだから、いずれ運用範囲は拡大されていく。「小さく生んで大きく育てる」のがこうした国民に負担を課すのが狙いの法案の常套手段ですからね。
 
こんな法案の採決に同意した国民民主は、どう取り繕うと維新と同じく自民党の補完勢力ってことだ。それにしても、支持率0%の政党が、なんの因果か参議院では野党第一党ってところに、とてつもない矛盾を感じる今日この頃なのだ。

 
ところで、元TBS社員・山口ノリマキによる準強姦事件について、BBC放送が詩織さんへのインタビーを含めたドキュメンタリー「Japan's Secret Shame(日本の秘められた恥)」を放送。

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なんと、この番組の中で、自民党のネトウヨ頭の杉田水脈シェンシェイが、詩織さんへのセカンドレイプまがいの発言を連発してくれちゃってます。

(これより引用)
番組の取材に対し杉田議員は、伊藤氏には「女として落ち度があった」と語った。「男性の前でそれだけ(お酒を)飲んで、記憶をなくして」、「社会に出てきて女性として働いているのであれば、嫌な人からも声をかけられるし、それをきっちり断るのもスキルの一つ」と杉田議員は話している。

議員はさらに、「男性は悪くないと司法判断が下っているのにそれを疑うのは、日本の司法への侮辱だ」と断言。伊藤氏が「嘘の主張をしたがために」、山口氏とその家族に誹謗中傷や脅迫のメールや電話が殺到したのだと強調し、「こういうのは男性のほうがひどい被害をこうむっているのではないかと思う」と述べた。
(引用終わり)
 
まさに「女性の敵は女」ってことを教えてくれる発言だ。こういう政治屋の存在もまた、「Japan's Secret Shame(日本の秘められた恥)」なのだろう。


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TBSはこれでもかつての社員の犯罪に沈黙を続けるつもりか。「やってる感」だけで自己満足してないで、そろそろ泥もかぶってみませんか、金平さん!!

「日本の秘められた恥」  伊藤詩織氏のドキュメンタリーをBBCが放送
 (BBC NEWS JAPAN) 2018年06月29日



True Vision


BBCは28日夜、強姦されたと名乗りを上げて話題になった伊藤詩織氏を取材した「Japan's Secret Shame(日本の秘められた恥)」を放送した。約1時間に及ぶ番組は、伊藤氏本人のほか、支援と批判の双方の意見を取り上げながら、日本の司法や警察、政府の対応などの問題に深く切り込んだ。制作会社「True Vision」が数カ月にわたり密着取材したドキュメンタリーを、BBCの英国向けテレビチャンネルBBC Twoが放送した。

番組では複数の専門家が、日本の男性優位社会では、被害者がなかなか声を上げにくい状況があると指摘した。伊藤氏はその状況で敢えて被害届を出し、さらには顔と名前を出して記者会見した数少ない日本人女性だ。

伊藤氏は2015年4月に著名ジャーナリストの山口敬之氏に強姦されたと、警察に被害届を出した。最初の記者会見を開いたのは、2年後の2017年5月。山口氏の逮捕令状が出たにもかかわらず逮捕が見送られ、証拠不十分で不起訴処分となったことへの不服を検察審査会に申し立てたという発表だった。

番組は、伊藤氏が「すごい飲み方」で泥酔して吐いた、ホテルでのその後の性行為は同意の上でのことだった――という山口氏の主張や反論とあわせて、伊藤氏自身が語る2015年4月の経緯を、現場となった都内のすし店やホテルの映像などを差し挟みながら、詳細に紹介した。当時以来初めて現場のホテルを訪れた伊藤氏が、こわばった表情でホテルを見上げた後にしゃがみこみ、「これ以上ここにはいられない」と足早に立ち去る姿も映している。

ニューヨークでジャーナリズムを学んでいた伊藤氏は2013年秋、当時TBSワシントン支局長だった山口氏とアルバイト先のバーで知り合った。インターンの機会がないか問い合わせると、山口氏からプロデューサーの職を提供できるので就労ビザについて帰国中に相談しようと呼び出しがあったという。

日本酒を少し飲むと「気分が悪くなり、トイレで意識を失った(中略)激しい痛みで目が覚めた。最初に口にしたのは『痛い』だったかもしれない。それでも止めてくれなかった」と語る伊藤氏は、その後、ベッドの上で山口氏に覆いかぶさられ息が出来なくなった際に「これでおしまいだ、ここで死ぬんだと思った」と涙を流して語った。さらには、抵抗する自分に山口氏が「合格だよ」と告げたのだとも話した。


首相に近い人物


番組では山口氏について、事件当時は日本の有名テレビ局のワシントン支局長で、安倍晋三首相を好意的に描いた人物伝の著者だと紹介した。伊藤氏と山口氏を取材した記事を昨年12月に発表した米紙ニューヨーク・タイムズのモトコ・リッチ東京支局長は、山口氏と安倍首相の近い関係から「この事件に政治的介入があったと考えられている」と話した。

山口氏は疑惑を全て否定している。番組は、山口氏が出演したネット座談会を紹介。山口氏はそこで、伊藤氏が泥酔していたため仕方なく宿泊先のホテルへ招いたと話した。また番組は、性行為はあったが合意の上だったという同氏の主張も伝えている。

番組はその上で、日本の刑法では合意の有無は強姦の要件に含まれていないと説明。暴力や脅迫があったと証明しなければ日本では強姦とは認められないことにも言及し、性暴力の被害者の多くが実際には恐怖で身がすくんで抵抗できず、助けを呼ぶこともできないことにも触れた。合意のない性行為はたとえ知人相手でも強姦なのだという、欧米では徐々に常識となりつつある考え方について、日本の大学生が教わったことがないというやりとりも紹介した。

また、日本の強姦罪(現・強制性交等罪)は2017年の法改正まで100年以上変わらず、強姦は窃盗より刑罰が軽かったなど、日本社会で性暴力が軽視されてきたことも法律の専門家などのコメントを通じて語った。


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番組はさらに、日本で性暴力の被害者が事件後にいかに苦しむかも、伊藤氏や、伊藤氏が訪問した別の日本人女性を通じて紹介した。

伊藤氏は番組で、都内唯一の性暴力被害者の支援センターを訪問した。自分の被害直後に電話をしたが、直接来なければ相談を受け付けられないと言われた場所だという。番組によると、この被害者支援センターは東京都の人口1300万人に対して担当者が2人体制と人員不足が目立ち、暴行直後に法医学的証拠を残すための「レイプキット」も提供できていない。

番組はこのほか、警察の問題にも触れている。日本の警察における女性警官の割合はわずか8%で、伊藤氏が事件直後に被害届を出した際も男性警官に被害の詳細を証言しなくてはならなかったこと、複数の男性警官の前で警察署内の道場のマットに横になり、等身大の人形相手に事件を再現させられたことなどが取り上げられた。

「男性警官が人形を私の上に乗せて上下に動かし、こういう様子だったのかなどと確認された」と伊藤氏は話し、番組は、警察のこの捜査手法をセカンドレイプだと非難する声もあると指摘した。


女としての落ち度


2017年5月、伊藤氏は検察審査会に不服を申し立てるとともに、記者会見でこの事実を公表した。それ以降、伊藤氏がソーシャルメディアなどで激しい中傷や非難を受け続けていることや、伊藤氏の家族も中傷にさらされていることなども、番組は紹介した。伊藤氏が簡易版の盗聴探知機を買い求め、自宅内を調べてみる様子も映し出した。

一方で番組は山口氏を擁護する人物として、自民党の杉田水脈議員を取材した。杉田議員は、ネット座談会などで伊藤氏を強く批判している。

番組の取材に対し杉田議員は、伊藤氏には「女として落ち度があった」と語った。

「男性の前でそれだけ(お酒を)飲んで、記憶をなくして」、「社会に出てきて女性として働いているのであれば、嫌な人からも声をかけられるし、それをきっちり断るのもスキルの一つ」と杉田議員は話している。議員はさらに、「男性は悪くないと司法判断が下っているのにそれを疑うのは、日本の司法への侮辱だ」と断言。伊藤氏が「嘘の主張をしたがために」、山口氏とその家族に誹謗中傷や脅迫のメールや電話が殺到したのだと強調し、「こういうのは男性のほうがひどい被害をこうむっているのではないかと思う」と述べた。

番組はその一方で、山口氏と安倍首相との関わりから、野党議員の一部が警察捜査を疑問視して超党派で「『準強姦事件逮捕状執行停止問題』を検証する会」を立ち上げたことも触れた。野党議員が国会で安倍首相に、逮捕中止について知っていたかと質問し、首相が個別案件について知る立場にないと反論する映像も紹介した。


「黙っているよりはずっといい」


個別案件ではなく、日本政府の性暴力対策全般について、番組は指摘を重ねた。

政府は昨年、初となる性犯罪・性暴力被害者支援交付金を設置し、今年度は1億8700万円を振り向けると発表した。しかし番組によると、日本の半分の人口しかない英国では、被害者基金の予算はその40倍だという。

日本政府は2020年までに各都道府県に最低1カ所の支援センターを設置する方針だが、20万人当たり1カ所という世界基準に沿うならば、日本には635カ所必要になる。

伊藤氏が内閣府男女共同参画局を訪ね、これについて質問すると、内閣府の職員は「検証が必要だろうと思う」と答えた。

2017年9月に検察審査会が山口氏を不起訴相当としたため、山口氏の刑事責任を問うことは不可能になったことも、番組ははっきりと伝えた。不起訴相当の知らせを受けた伊藤氏や家族の反応、その後さらに民事訴訟で損害賠償を求めていく様子も伝えている。

それでも、昨年秋に米映画プロデューサー、ハービー・ワインスティーン被告(強姦および性的暴行罪で逮捕・起訴)への告発から広がった「#MeToo(私も)」運動を機に、伊藤氏への支持が日本国内でも広がったことを番組は説明。伊藤氏も変化を感じていると番組で話した。

「何か動きを起こせば波が起こる(中略)良い波も悪い波も来るが、黙っているよりはずっといい」






放送後の反響


番組が放送されると、ツイッター上ではハッシュタグ「#japanssecretshame」を使った感想が次々と書き込まれた。

英ウスタシャー在住のローナ・ハントさんは、「女性として、そして引退した警官として、ショックで呆然としている。詩織、あなたは本当の英雄 #JapansSecretShame」とツイートした。

ロンドン在住の「paulusthewoodgnome」さんは、「強姦に対する日本社会の態度は本当に気がかりだ。伊藤詩織のような人がほかにどれだけいるのか。自分と自分を襲った人間にしか知られていない状態で。ほぼ全方面から見下されながら、詩織は実に勇敢で品位にあふれている。素晴らしい」と書いた。

アイルランド・ダブリン在住のルーシー・ホワイトさんは、「私の『ぜったい行きたい』リストから、日本はいきなり外れてしまった。#JapansSecretShameを見ているけど、性的暴行を軽くあしらう態度にぞっとしている。警察に女性は8%しかいなくて、強姦被害者が訴え出ると、等身大の人形で事件を再現しなくてはならない」と書いた。

アイルランド在住のシネイド・スミスさんは、「#JapansSecretShameを見ている。ショックだし、ものすごく心が痛い。何がいやだって、女性が女性を攻撃してること。被害者を支えるんじゃなくて、女性が彼女を責めてる……。犯罪を犯した男を責めなさいよ!」と書いた。

英無料夕刊紙イブニング・スタンダードも番組を取り上げ、「自分たちの居場所から、#MeTooは世界の先進国ならどこでも同じようなインパクトがあったと思い込むのは簡単だ。とんでもない。この番組によると日本では、昨年10月に暴露されたハービー・ワインスティーンの件への反応は『ひっそりとした』ものだった」と書いた。記事はさらに、無実を主張する山口氏が「詩織さんは酔っ払っていたと言う。まるでそれで十分、正当化されるとでもいうように」と書き、「負担も大きいが、声を上げることは沈黙させられるよりも良かったと(番組で伊藤氏は)結論する。彼女に耳を傾けよう」と結んでいる。

英紙ガーディアンも番組のレビューを掲載。「Japan's Secret Shameは、見るのがとても大変なドキュメンタリーだ。痛ましく、不愉快で、動揺させられる。このドキュメンタリーはそれに加えて、勇敢で必要な、極めて重要な作品だ。プロデューサー兼監督のエリカ・ジェンキン氏が、細心の注意と静かな怒りを込めて作ったもので、女性への暴力や構造的な不平等、差別といった大きな話題を、もっと小規模で個人的な物語に焦点を当てて描いている」と紹介した。


(編集部注――日本では「ワインスタイン」と表記されることの多いワインスティーン被告の名前は、本人や複数の関係者の発音に沿って表記しています)

打つ手のない安倍拉致外交にトドメを刺したポンぺオ発言

2018-06-28 天木直人のブログ

きょう発売の週刊文春(7月5日号)で、飯島勲内閣参与がメディアを叱っている。米朝首脳会談の後は日朝首脳会談だと言わんばかりに報道しているが、はっきり言っていばらの道だと。

北朝鮮から見て日本は外されている国だと。さすがに小泉訪朝の時の秘書官だけはある。北朝鮮の事がよく分かっているのだ。おりから北朝鮮の安倍批判が激しさを増している。

国営放送が拉致問題は解決済みだと流したと思ったら、ついに6月26日に北朝鮮大使がジュネーブで開かれた軍縮会議の演説の中で、日本は米朝首脳会談合意後の作業に口を挟むな、と批判したというのだ。

ついに、拉致問題にとどまらず、朝鮮半島の非核化交渉に、無関係な日本はでしゃばるなとまで言うようになった。こんな北朝鮮と拉致問題についての首脳会談などあり得ない。

そう思っていたら、ポンペオ米国務長官が米国のテレビインタビュー(MSNBC)で語ったという。

北朝鮮の非核化が米国の最優先課題であり、人権問題に対処するのは非核化実現後になると。北朝鮮の非核化に成功すれば、北朝鮮だけでなく世界の人権問題を改善させるより大きな可能性が生まれるだろうと。

これは安倍首相の拉致外交にトドメを刺す言葉だ。なぜならば非核化交渉は長期戦になるからだ。少なくともトランプ政権が終るまで終わらない。

トランプ大統領の後押しなしに、安倍首相が北朝鮮と拉致交渉をして成果が得られるはずがない。見ているがいい。このポンぺオ発言を境にして安倍首相は拉致外交を語らなくなるだろう。

もっともさんざん拉致問題を騒いだおかげで内閣支持率は上がった。これ以上騒ぐ必要はもはやなくなったのである。これからは、騒げば騒ぐほどボロが出る。

果たして拉致被害者家族は、このポンぺオ発言をどういう思いで聞いただろうか(了)

北の人権問題は非核化達成後に 米国務長官見通し
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201806/CK2018062502000116.html
2018年6月25日 東京新聞

【ワシントン=共同】ポンペオ米国務長官は、米朝首脳会談で完全非核化に合意したが、北朝鮮の人権問題が置き去りになったとの指摘に関し、北朝鮮非核化が米国の最優先課題で、人権問題に本格的に対処するのは非核化実現後になるとの見通しを示した。二十三日放映のMSNBCテレビのインタビューで語った。

ポンペオ氏は「金正恩朝鮮労働党委員長や父、祖父は過去何十年も、核計画で体制の安定と安全が得られると信じてきたが、われわれはその考えをひっくり返した」と指摘。「核兵器はかえって体制への脅威となり、核放棄が北朝鮮の明るい未来への道だと金氏を説得できた」と述べた。

さらに「北朝鮮が検証を受けながら完全非核化し、米国が安全を保証する取引」の合意に向け米朝が協議中だと説明。北朝鮮が核放棄を約束してはほごにしてきた過去の交渉と「今回は恐らく違う」と非核化実現に自信を示した。

トランプ政権が人権問題を重視する立場は変わらないとしながらも「米国への最大の脅威である北朝鮮の核が、真っ先に対処するべき課題だ」と述べた。

「高プロ」採決させた国民民主に「裏切り者」の罵声

2018年6月28日  田中龍作ジャーナル

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 国民民主党の街宣車前には、市民たちが立ちはだかりプラカードを掲げて抗議した。=28日夕、東京駅丸の内北口 撮影:筆者=

高プロという名の過労死促進法案を盛り込んだ「働き方改革(働かせ方改悪)」法案が、28日夕、参院厚労委員会で採決された。サッカーW杯日本戦にぶつけた与党もアクドイが、採決に同意した国民民主党もお粗末だ。

国民民主党が毎週木曜夕方、都内で行う街頭宣伝には、同党の政治姿勢に反発を強める市民たちが抗議に詰めかけた。通勤の人々からも激しいヤジと怒号が飛んだ。

都内の中高一貫校で非常勤教師を務める男性(30代)は、学校からの帰りだ。非常勤であるため給料は授業の分しか出ない。テストの採点、テスト問題作成などはサービス残業だ。無賃金で深夜まで働くことも珍しくない。

「労働者に死ねっていうのかよ?」「止めなかったクセに何言ってんだよ」「裏切り者」「自民党だろ、お前ら」・・・非常勤講師はノドが潰れるほどの大声で怒鳴り続けた。

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 「カネと時間を返せ」「共産党は戦ってるぞ」・・・非常勤教師の男性は国民民主党に対して全身全霊で怒りを表していた。=28日夕、東京駅丸の内北口 撮影:筆者=

高プロに一貫して反対してきた法政大学の上西充子教授が、国民民主党の街頭演説を知り、東京駅頭に駆け付けた。泉健太議員が対応した。

「採決に同意したのは1つでも付帯決議を取り付けるため。より激しいほうが確かに野党らしい、そうでない方は裏切り者になっちゃう」。泉議員は市民たちから批判されて苦しい胸の裡を明かした。だが、事ここに及んでは説得力を欠くという他ない。

道路の向こう側からはひっきりなしに「裏切り者」、「ボケー」と罵声があがる。「野党に共同歩調を取ってもらいたかったという意思表示なんですよ」。上西教授は抗議の人々を代表するかのように言った。

「立法事実がない、質疑にきちんと答えられてない。ここで採決に賛成するのは、やはり野党としてあり得ない」。いくら話をしてもラチの開かない国民民主党に落胆の表情を隠せないまま、上西教授は東京駅を後にして、国会前に帰っていった。

与党の「強行採決」にさせなかった国民民主党の罪は重い。

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 「強行採決で何が取れるのか?」という泉健太議員に上西教授は、「付帯決議に何を求めるのか?」と応じた。歩調を乱した国民民主党への不信感は大きかった。=28日夕、東京駅丸の内北口 撮影:筆者=

  〜終わり~

「精神科医に拳銃を」放言の医師は安倍首相の“お友達”

20180627

 

“類は友を呼ぶ”ということなのか。全国の精神科病院でつくる公益社団法人「日本精神科病院協会」の山崎学会長(77)が機関誌で「精神科医に拳銃を」と発言していた問題で、協会は患者団体の抗議を受け、「今後気をつける」と釈明した。実は、山崎会長は過去にも“問題発言”を連発。しかも、安倍首相とはガッチリと肩を組み合うほどの“お友達”関係にあるのだから驚きだ。

ことの発端は、山崎会長が協会機関誌「日本精神科病院協会雑誌」の5月号で、〈(患者対応のため)精神科医に拳銃を持たせてくれ〉という部下の医師の発言を引用したことだ。今月21日、患者団体の抗議を受け、協会は〈不快な思いをされた方がいたのであれば、今後は気をつけたい〉と回答していた。

その山崎会長は、2016年5月号では〈アジアでこんなこと〉なる記事を執筆。山崎会長が院長を務める病院の精神神経科医師による〈朝鮮民族にはDSM―Ⅳ認定の『火病』(ファビョン)という、怒りを抑えることができなくなって暴れまわるという精神病があり〉などといった調査結果を引用した上で、〈僕の結論は、日本に生まれてよかったな、ということでありました〉と「ヘイトスピーチ」と取られかねない主張を展開している。

〈日本人洗脳計画〉と題した15年9月号の記事では、戦後日本でGHQが占領政策の一環として行ったといわれる「戦争についての罪悪感を日本人の心に植えつけるための宣伝計画(WGIP)」を紹介。当時、国会で審議中の安保法をめぐって、〈左翼は安保法案を戦争法案と位置付け、軍靴の響き、徴兵制復活と陳腐な表現で騒ぎ立てる〉などと偏った“持論”を披歴している。記事中では、名指しで野党議員を猛批判してもいるのだ。

これらの記事は全て、「精神科医に拳銃を」報道が出て以降、公式ホームページから削除された。全国1200超の医療機関が会員として所属する公益社団法人のトップが、まるで“ネトウヨ”のような主張を機関誌で展開しているのだから驚きだ。山崎会長の機関誌での発言について、協会に見解を求めたが、担当者は「事実確認に時間がかかる」と返答を避けた。

そんな山崎会長だが、実は、「首相動静」に度々登場。安倍首相とは“お友達”関係にあるのだ。


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例えば、16年7月22日の首相動静によると、安倍首相は午後7時29分、別荘付近の山梨県内富士河口湖町にある中華料理店で山崎会長と会食。翌23日には、山中湖村のゴルフ場で共にラウンドしている。山崎会長は23日付のフェイスブックに、安倍首相と笑顔で肩を組む写真を投稿。

写真には〈2016 07 22〉と日付が記されている。ちなみに、首相動静によると、22日午前、安倍首相は同じゴルフ場で“腹心の友”である加計孝太郎理事長とゴルフに興じている。つまり、安倍首相にとって山崎会長は、休暇を共に過ごす、加計理事長並みの“お友達”というわけだ。

同年9月2日には、山崎会長が春の叙勲で「旭日重光章」を受章したことを受け、安倍首相は都内ホテル宴会場で開催された「お祝いの会」に出席し、挨拶しているほどだ。

森友問題では、戦前の教育指針だった「教育勅語」を礼賛する籠池前理事長が安倍夫妻に接近。加計問題でも、加計理事長は右翼組織「日本会議」の別動隊といわれる「教科書改善の会」に名を連ねている。その上、懇意にしている重鎮精神科医まで「韓国ヘイト」に「戦争法礼賛」である。安倍首相はこの際、“お友達関係”を一から見直
した方がいい。

なぜ自民は安倍を辞めさせない なぜ野党は麻生を辞めさたい?

世相を斬る あいば達也 2018/06/29

本日は多忙につき、山下祐介氏の安倍首相とモリカケ問題についての論考を掲載しておく。同氏の考えは、自民党に、安倍晋三に、厳しいようで、実は優しい判断のようだが、同氏の考えは、やはり学者の域を出ず、どこか生煮えな感じを持った。無論、各部の指摘には、成るほどと思える面もあるが、野党に対して、根本的に冷ややかだ。この同氏への反論は後日語ることにする。

≪ 安倍政権が「終わる瞬間」はいつなのか?
~森友調査報告書を精読する 区切りがついた、わけがない
山下祐介(首都大学東京教授・社会学者)

■財務省「森友事件文書改ざん報告書」を読む
平成3064日、財務省による森友学園問題をめぐる公文書改ざんに関する調査報告書が公表された。その数日前の531日には大阪地検特捜部がこの問題について財務省職員らの不起訴処分を発表している。

:これらにより、森友問題については一つの区切りがついた。一応、そういうことになっているようだ。
:また加計問題についても619日、ついに渦中の加計孝太郎理事長が記者会見を行った。この会見のあり方には批判が高まっているが、加計氏の答弁でやはり安倍総理の関与はなかったことが裏付けられたと、官邸ではそういうふうに進めたいようだ。
:当然、これらの問題に対し野党からは反論の声が続いている。
:とはいえ、これまでを超えるような新たな事実が暴露されない限り、もうこれ以上、状況が変わることはなさそうだ。そしてすでに新しい事実はつきたかのようにも見える。
:だが、これでモリカケ問題は決着ということでよいのだろうか。
:いや、これほどまでに色々なことが明らかになっているのに、なぜモリカケ問題がいつまでも問題ではないことになっていくのか。このことをあらためてよく考えてみたいと思う。
:まずは財務省による「森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書」をどう位置づけるか、今一度そこから検討してみたい。
:というのも、この報告書については「内部調査の限界」が強く指摘され、問題を起こした財務相自身の調査では何も明らかにならない――と、そういう否定的な面ばかりが強調されたような気がするからだ。
:だが、あらためて読んでみると、この報告書には内部調査だからこその自己批判がかなり色濃く潜んでおり、財務省の立場からすればかなり踏み込んだ表現になっていることをもっと評価した方がよいように思える。
:そういう文脈で読むことでこそ、この問題を含めたモリカケ問題の本質が理解できてくるような気がするからだ。
:財務省の報告書は、財務省のホームページに全文が掲げられており、誰でも読むことができる。
:まずはこれまで、公式には「文書書き換え」と表現してきたものが、ここでははっきりと「改ざん」という言葉で表現されている。恥ずべき「改ざん」を財務省が認めたのである。
:また、佐川理財局長なのか誰の指示なのかは明確にはなっていないものの、かなり手の込んだ複数人数による組織的な文書の改ざん、事実の隠蔽が確認されている。
:そしてそこには少なからぬ職員の抵抗(とくに近畿財務局)があったことも明確に記されている。
:なにより、2017217日の安倍晋三首相の国会での発言をきっかけに、ものごとが発したことを財務省が認めた。
:報告書の15頁に「平成29217日(金)の衆議院予算委員会における内閣総理大臣の上記答弁以降」様々な作業が開始されたと明確に記されているのである。
:そしてこの日に安倍総理が行った発言こそ、「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」というものであった。

■ふつうに読めば総理の「関わり」はある
:この最後の点について、その後の麻生太郎財務大臣の国会答弁では、「総理答弁が問題行為のきっかけになったとは考えていない」と安倍総理や昭恵夫人の関係を否定してきた(65日衆議院財政金融委員会)。
:しかし素直に報告書を読めば、この文書の書き手が改ざんのきっかけをこの発言においているのは明らかだ。そう読まない方がおかしいだろう。
:公文書の中に首相夫人である安倍昭恵氏の名前があり、それを表に出さないよう隠したのが改ざん事件の核心であることを財務省が認めている。
:こんなところに安倍昭恵夫人が登場していなければ、公文書改ざんなどという異常事態は生じなかったし、国会の空転などということもおきなかったと。
:安倍総理はむろん、依然として自身の「関わり」を否定している。
:しかし「関わり」という意味では、この報告書では明確に首相夫人との関係が確認されており、どう読んでも、森友学園問題をめぐる財務省文書改ざん事件に安倍首相との関わりがないとはいえない内容になっている。この事実を、私たちはこの文書からしっかりと拾い上げなくてはいけない。
:ある土地取引の案件に、首相夫人が強く肩入れをはじめた。それもその学校当時者が夫人との関係を強調するにとどまらず、夫人との親しげな写真を示された上に、夫人付の職員から具体的な問い合わせまであった――このことが財務省の仕事を混乱させたことを財務相自身が認めているのである。
:この責任は財務省にあるとはいえまい。たとえ悪気はなくとも、夫人が「李下に冠を正す」から、官僚たちの文書改ざんなどというおかしなことが起きるのである。
:安倍総理には、総理として官僚装置を適切に動かしていく重大な責任がある。にもかかわらず、そこに不用意に夫人を近づけた(夫人が近づいた?)ことで生じた問題だ。
:首相には明らかに関わりがあり、責任がある。財務省では一人が亡くなり、各方面から有能といわれた官僚が一人(二人?)、この件で辞めているのである。
:「関わりはなかった」ではすまない。報告書はそのことを、今の財務省の立場上、可能な限りの記述で国民にうったえているように筆者には見えるのだ。
:念のために述べておけば、この報告書は、森友学園が購入した土地の価格算定については何の検証も行っていない。
:そしてこの土地取引の不当な値引き疑惑については大阪地検特捜部が立件をあきらめたのだから、法的には問題はないのかもしれない(ただし検察審議会での審議は残っている)。
:しかし、たとえそうだとしても、財務省という我々国民にとって大切な精密装置に異常な作動を引き起こしたという現実は重く残る。
619日には会計検査院がこの改ざんについて検査院法違反であるとの経過報告も出した。総理はその責任を避けては通れないはずだ。

■加計問題「新しい獣医学部の考えはいいね」の波紋
:とはいえ、森友問題については、この先を突き詰めてもこれ以上の話は出ないのかもしれない。財務省理財局内でも明確な指示がなく、「空気」で物事が進んだということだから、首相からの指示もなかったのだろう。
:そして森友学園では元理事長の籠池泰典氏が詐欺罪等で起訴され、長期拘束の憂き目にもあい、学校建設も挫折することとなったのだから、国民としてはひとまずよしとしよう。
:問題はやはり、すでにこの4月に開学してしまった加計学園の獣医学部の方が大きいだろう。
:そしてお友達としては、籠池氏とは比較にならないほど安倍総理と加計学園理事長の加計孝太郎氏は親しいのであり、度重なる二人の会合の記録が残っていて、つねにゴルフや会食をともにしている普通ではない仲なのである。
:しかもこのところわかってきたことには、加計学園側では、愛媛県と今治市に加計理事長と安倍総理の架空の面談までもちだし、総理が「新しい獣医大学の考えはいいね」と言ったという作り話までしたのだという。
:愛媛県の文書に残っているこの打ち合わせ内容が、学園の事務局長によれば「その場の雰囲気で、ふと思ったことを言った」ものなのだそうで、このことを加計孝太郎理事長も会見で確認し、「これから気をつけます」と述べている。自身の監督責任も認めて、給与の一部自主返納までするのだという。この件もまた、どう転んでも安倍総理には分の悪い話だ。
2015225日に総理が加計孝太郎氏と会って話をしていたとすれば大問題だが、事務局長がいうとおり加計学園が愛媛県や今治市にそんな嘘を言っていたのだとしたら、それはそれでやはり大問題だからだ。首相の友人がまさに友人であることを利用して「何かを成し遂げよう」としたことになる。
:そして愛媛県の記録によれば、加計氏はこのときすでに愛媛県などよりずっと政権にアクセス可能な立場にいたことも明らかだから、その嘘は単なる弾みの言葉ではすまない作用を愛媛県や今治市に及ぼし、結果として96億円もの交付金が動いたことになろう。
:友人である加計孝太郎氏(ないしはその部下)が、首相との仲を利用して愛媛県や今治市を騙し、内閣府や首相官邸に入り込み、自分たちの利益になるよう画策した。
:たとえ本人が知らないことであっても、そんなところに友人を近づけることを許したということにおいて、首相には十分に責任があるわけである。
:すでに加計学園は開校し、新入生が勉学をはじめている。他方で同様に獣医学部開設を企画していた京都産業大学は開校できなかった。
:加計学園が開学でき、京都産業大学が開学できなかった経緯には、「いいね」の話から数ヵ月後の630日に閣議決定された獣医学部新設の4条件が深く関わっているとも報道されている。
:この一連の流れを見て、「安倍総理のお友達だから利権を得られたのだ」と思わない方が無理というものだ。
:このプロセスは周到に積み上げられたようだから、法的には問題はないようにできているようだ。だが、政治的には問題がないとはいえまい。その決定には少なくとも総理がらみの「嘘」が紛れ込んでいるのだから。

■どちらかが嘘をついている
:だがどうもみんながおかしいと思っているのは、やはり安倍首相が2017724日に国会で行った答弁なのである。
:報道によればこの間、加計理事長と食事やゴルフをともにしているにもかかわらず(「安倍晋三首相と加計孝太郎氏、食事やゴルフ14回 「食事代、先方が支払うこともあった」安倍首相」ハフポスト日本版、2017724日付)、加計学園が国家戦略特区に応募しているのをずっと知らなかったのだという。:そして、2017120日、国家戦略特区の事業者として加計学園が認められたときに、はじめて応募を知ったのだという。
:あまりにも不自然である。
:先の加計学園事務長のいう「その場の雰囲気で、ふと思ったことを言った」というコメントは、安倍総理のこの発言とつじつまを合わせようとするさらなる嘘に違いないと多くの人が思うのは当然だろう。
:そもそも120日、総理はその事実をどのように知ったというのだろうか。
:誰かが「加計さん通りましたよ」とでもいったのだろうか。
:あるいは決裁文書の中に「加計学園」があったのを見つけたのだろうか。その時、驚いた総理の反応をまわりはどう受け止めたのだろう。
:「なんだ、加計君だったのか。ははは。知らなかったよ」とでも言ってなければおかしいはずだ。誰かそれを証言してくれるのだろうか。
:ふつうであればこの事件は、まわりの親しい誰かが「お前、本当は知ってたんだろう。いい加減なことをいうなよ」と言ってそれでおしまいの話である。
:だが、それを誰もいわない。本人が嘘を認めればよいように思うが、国会の答弁で総理が嘘をついていたとなれば大問題だ。簡単には認めることはできまい。
:もちろんこの国の総理が嘘をついているとは思いたくない。
:だがもはや安倍首相か、加計孝太郎氏(および加計学園)かのどちらかが嘘をついていることになっており、そのどちらに転んでも安倍首相には責任が帰着する。いったいこの先どうするつもりなのだろうか。

■安倍政権を支えるものとは?
:ここまでの議論をまとめればこういうことだ。
:森友と加計の二つの事件をめぐって安倍総理の政治責任は明らかである。
:法的に問題はなくとも――いやそうであればこそ――政治的には問題がある。政治はこういう点で清潔でなければならない。総理はあまりにも脇が甘すぎる。
:これではこの先何が起きるかわからない。
:多くの人がそういっているように、森友事件は「安倍総理夫人が関係しているのは明白」である。
:また加計問題も「総理との特別な関係をその友人(ないしはその部下)が利用したことは明白」だ。
:この不都合な真実を安倍総理が認めないから、国会がいつまでも空転しつづけているのである。
:しばしばこの問題、これを追及する野党に批判が及ぶが、「いつまでモリカケやっているのだ」という批判はどう考えてもおかしいだろう。
:というのも、すでにもう事実は明らかだからだ。その明らかとなっている事実を、総理が認めないから、いつまでたっても話が終わらないのである。
:とはいえ野党は野党で、例えば森友問題については麻生財務大臣の責任追及にばかり矛先を向けたことから、なかなか国民の支持が得られなくなったようにも思う。この戦略に多くの国民が苛立ちを覚えたのは事実だろう。
:森友も加計も、いずれも麻生太郎財務大臣からはじまったものではない。財務省の監督責任はあるにしても、すべての原因は安倍総理にある。
:むしろこの件でクリーンな麻生大臣を悪者にし、責任をとらせようとする野党の戦略こそが、安倍内閣の支持率低下を押しとどめているかもしれない。
:問題は安倍総理であり、あるいはその周辺にある。総理のまわりに嘘が渦巻いている。財務省も、加計学園も、そしておそらく内閣府まで。そしてそのすべての発端は安倍総理にある。
:筆者から見れば麻生大臣はその意味で潔癖であり、見方を変えればそれが今の政権を維持している最大の楯なのであろう。
:他方で、その楯をつぶせば安倍内閣は終わりと見て執拗に狙っているのが野党の戦略ということなのだろうか。
:とはいえ事実、一見強靱に見える安倍内閣も、実態は首の皮一枚でつながっているのではある。それは麻生大臣の辞任で即崩壊するものだから、野党も麻生大臣の責任追及をひたすら狙ったのだろう。
:いや、脆いということでは実は、加計孝太郎氏や安倍昭恵夫人、場合によっては昭恵夫人付であった谷査恵子氏の証人喚問が実現しただけで、その証人喚問の実施を待たずして安倍内閣は総辞職するはずだ。
:事実、619日の加計孝太郎氏の記者会見は、とても国会の質疑にたえられるようなものではなかった。

■重要な二つの問い
:さて、こうしてみればこれらの事件の本当の核心は、安倍総理が森友事件に直接関わっているかとか、加計学園の獣医学部設置を総理が事前に知っていたかということではない。
:国民のほとんどがわかっているように、森友事件に安倍夫人は関わっており、獣医学部の新設においても総理と友人とのただならぬ仲が関わっているのである。
:首相の直接的な「関わり」は実際には小さくても、夫人や友人は明確に関わっており、「関わり」はなかったとはいえないものである。
:しかも加計問題ではだれかが嘘をついており、それを確認する場が野党からも、メディアからも、国民からも求められている。
:そしてそれを確認する場ができた瞬間に、おそらく安倍内閣はおわる――すでにそこまで追い詰められてはいるわけだ。
:だとすれば、問いは二つになる。
:なにゆえ、そこまで追い詰められているのにもかかわらず、安倍首相は自己の政権に固執するのか。これが第一の問いだ。
:そして第二に、もっと重要な問いがある。 :本来であれば総辞職すべきような案件が山積みになっているのにもかかわらず、なぜまわりは総理に「もうやめたらよかろう」と後押しせず、いつまでもこれを守ろうとするのかである。後編ではこの二つの問いについて、さらに考えてみたい。 ≫(前編:終わり)

≪「事実を頑なに認めない」安倍総理を支える力の正体
モリカケ問題を再考する

■真実は明らかなのに、総理だけが認めない
:前編「安倍政権が『終わる瞬間』はいつなのか?~森友調査報告書を精読する」で確認したように、モリカケ(森友学園、加計学園)問題は、構造としてはいずれも、安倍総理のまわりの人物が政府案件に関わっている事実が明らかとなっているのにもかかわらず、本人だけが一人、「真実は明らか」だと無関係を装っていることにつきる。
:私も含め、国民のみなが「まさか」と最初は思ったが、これだけ色々なことが次々とあがってくると、もはや安倍総理が「関係ない」と論証することの方が難しい。
:一国の首相が、嘘や言い逃れを繰り返しているとしか思えない事態が生じており、冷静に見れば、あとは総理が認めるかどうかというところまできている。
:あまりに粘るので、私たちもだんだんと「もういいんじゃないか」と、そういう感じになっているが、現実はそういうことだ。ふつうはあきらめるものを、ただしつこく粘っているのにすぎない。
:もちろん法的には問題はないのだろう。しかし実際に総理の「関わり」はあるので、次々と新しい事実が発覚し、消しても消しても何度でも火の手があがるのであった。
:これでは国会はいつまで経っても正常化しない。総理は早く事態を収拾しなくてはならない。
:この二つの事件、安倍総理はもちろん、自分で「こうしろ」などと直接の指示はしていないのだろう。 :しかし法的に問題がないから、政治責任が問われないことにはなるまい。法を作るのは国会である。
:その国会議員であり、行政府の長でもある内閣総理大臣が、自分だけが知る法の抜け穴を知り合いだけ通していたのだとしたら、ゆゆしき問題だからだ。
:こんな問題が発覚すれば、国会の運営などまともにやれるはずがない。
:総理が言っているのはこういうことだ。
:「私は潔白だ。色んなことは出てきたけど、みなさんは信じてくれるよね」と。
:ある種の甘えのような、そういうメッセージになっている。
:だが例えば2015225日に総理が加計理事長と会い、「そういう獣医学部はいいね」といったという話も、総理は明確にその会見を否定できないままだ。
:本当に会っていないなら、この日の自身の記録を公開して「こういうスケジュールでした」とか、あるいは友人である加計氏の方のスケジュールを出してもらって「この日は彼は東京に行っていない」とか、そういう対応ができるはずだ。
:そういうこともしないで、ただ「私を信じろ」という方が無理な話なのである。
:とはいえ、「甘え」はやはり、甘えさせる者がいるから生じるのでもあった。
:では何が総理のこの甘えを実現させているのか。後編ではこの問題について考えてみよう。

■なぜ安倍総理は政権の継続に固執するのか
:まずは前編の最後に示した一つ目の問い、なぜここまで安倍首相は自己の政権に固執するのかについて考えてみよう。もしかするとこれが最大の謎かもしれない。
:安倍政権で成し遂げたこととは何か。 :考えてみればどうにも見あたらない。何を目指しているのか、それもよくわからない。 だとすればこういうことなのかもしれない。
:このままではアベノミクスは失敗でおわる。東日本大震災の復興も失敗した。地方創生もおかしなことになっている。 :色んなことをやったが、結局長くやっただけでみなうまくはいっていない。総理はそれに対して未練があるのではないか。
:だが私は思う。総理は十分すぎるとほどやった。小泉純一郎政権をこえ、歴代の名だたる首相よりもずっと長く政権を安定的に保ったではないか。
:心残りの憲法改正もこのままでは形だけになる。本当にこの国のことを考えるのなら、後輩に任せて外から見守る、そういう立場になった方がよいはずだ。
:そして別に総理さえ辞める覚悟を決めれば、今退いても、ちっとも恥にはならない条件は揃っているのである。
:あとはまわりがしっかりと「もうやめた方がいい」と後押しすれば、その花道は用意されるはずだ。なぜそれを自民党はできないのか。
:前編の最後に示した第二の問い、なぜまわりはこんな内閣をいつまでも担いでいるのかに入っていこう。

■自民党はなぜ安倍政権を退陣に追い込まないのか
:いま冷静に見て、日本の政治も行政もまともに回っていないのは明らかである。
:いったんこの流れを止めて体制を整え、真っ当なものに変える必要がある。
:そして現政権ではもはやそれはのぞめないのだから、現在の首相の任期が切れる際に潔く勇退してもらい、新しい体制で立て直すのが政府自民党の本来のつとめだろう。
:総理をきちんとまわりが説得し、総理を辞めさせる責任がある。
:だが、その本来のつとめを果たさずに、自民党の政治家たちが安倍内閣とつかず離れずにいる理由は何だろうか。
:それはやはり選挙だろう。
:選挙を戦うにあたって、安倍総理を立てるのがよいのか、下ろすのがよいのか、自民党の議員たちは、ただそれだけの計算をしてものごとを考えているように見える。
:実際、安倍内閣の支持率が下がっているとはいえ、それでもなお30パーセントを超えているのだ。安倍内閣にはまだついていくだけの価値はある。
:他方で安倍氏を下ろせば、ここまでかばってきた自民党全体にとばっちりが及ぶだろう。
:もはや安倍政権という御輿を下ろすに下ろせなくなってもいる。
:「もうやめたらよかろう」と、言いたくても言えなくしてしまったのは、自民党自身なのである。
:選挙を政治家が気にするのは当然じゃないかと、人は思うかもしれない。むろん選挙に通ってはじめて政治家になれるのだから、ある意味ではその通りだ。
:だが、選挙は政治を実現するための手段であって、選挙が目的であってはならない。
:あるべき政治家とは、あるべき政策、あるべき社会の姿を掲げ、その理念に国民に賛同してもらい、自分の力で選挙に勝って、その政治意志を実現していく、そういうものでなくてはならないはずだ。
:そして政党というものも、あくまでそうした政治家の意志を政策へとつないでいくための手段なのである。
:良いか悪いかは別として、例えば2007年の衆院選・郵政選挙がそうだった。
:あれから10年経って、政治と選挙の関係がまったく逆転してしまっている。
:選挙に勝つことが優先され、次の選挙に勝てるかどうかだけを気にして政策が選ばれている。
:そして政党も、そうした選挙に勝てる(負けない)政策を取捨選択する機関と化し、個々の政治家の思いや意志とは別に、政党議員は選挙を牛耳る幹部が選択した政策にただ従うだけのマシンと化してしまっている。
:筆者はこれを異様な状態だと分析する。
:事実、この数年、安倍内閣で見てきたのは、政策が適正に議論できなくなっている国会や政党の姿ではなかったか。みなだんまりを決め、言いたいこと言った者がいじめられ、権力の外へと追いやられていく。
:政党から排除されればもはや次の公認はえられないのだから、個々の議員としては政党に従わざるを得ないのだろうが、それでは何のための政党なのか。事態が選挙を通じて逆立ちしてしまっている。
:選挙ばかりを気にしているのは自民党だけではない。
:野党もまたいつも選挙を気にしており、今回のモリカケ問題の追及でも急な解散をどこかでおそれ、次の選挙にこの案件が有利に作用するのか、不利になるのかを極度に気にしているようだ。
:もっとも、私にはどうしても、ここまでの事態に陥っているのはやはり野党の責任よりも、与党自民党の責任が大きいように思える。
:例えば昨年(2017年)10月の衆院選のようなやり方が、「すべては選挙」の政治をつくってきたように感じるのだ。
:政治を本来動かすべきは選挙ではない。選挙が終わったあとの議会であり、そこで行われる政策の議論であるべきだ。
:そして政策の採用も、選挙結果による数の論理ではなく、集められた政治家たちのきめ細かな議論の積み重ねで進められねばならないはずだ。
:自民党が、遮二無二選挙に勝つことだけを優先するやり方を採用したことが、結果として政治を、選挙に勝てるかどうかだけを軸にしたプロセスに転換してしまった。
:その選挙を牛耳るトップに安倍総理がいる。 :次の選挙に勝つか負けるか、そのために「アベ」というカードを残すか捨てるか。
:政策や政治のためではなく、まして国民のためでもなく、自らの政治生命の持続可能性のためだけに、目を凝らしてじっと様子をうかがっているのが、今の自民党の議員の現実の姿にほかならない。
:だがこれこそ政治の腐敗と言うべきものではないか。

■なぜ国民は安倍政権を支持するのか
:いま述べたことは、この国の国民のかなりの人々が同感できるものと思う。
:ならば選挙で自民党ではなく、国民が野党に投票すればよさそうなものである。
:だが現実にはそういうことは起きていない。それはなぜなのだろうか。なぜ国民はこんな自民党を許し、安倍総理に甘いのか。次にこの問いを突き詰めてみよう。
:まず自民党や安倍政権への支持だが、国民の支持はそんなに肯定的なものではないことは、識者の見解が一致するところである。
:国民が思っているのはこういうことのようだ。
:「今の自民党は信頼できないが、かといって今の野党では政権を任せられない」と。そして多分こうも思っているのだ。「安倍政権は疑わしいが、他に任せるよりはましだろう」と。
:実際にやってみなければわからないが、昨年10月の衆院選の結果を見ても、いま再び選挙をすれば、やはり自民党が圧勝するのではないか。
:だが、この国民と安倍政権の奇妙な信頼関係こそが、安倍総理の甘えを許し、モリカケ問題のような事態を生じさせた原因なのである。
:安倍総理の自信、国民への甘えは、国民自身がもたらしているものだ。そして事実、こうした不祥事が次々と生じてもなお総理の自信が揺るがないのは、それを支える国民の支持が依然としてある――そういう総理の読みが、ある程度現実を正しくとらえたものだからなのだろう。
:そして自民党が安倍政権を下ろせないのもそこにつきるというべきだ。総理は明らかにおかしいが、ついていた方が選挙は安泰だと。
:もちろん、安倍一強をもたらした背景には、政権が獲得した人事権(内閣人事局)や、小選挙区制の弊害などもあろう。正確にいえば、これらの改革が国民意識の変化と相乗的に影響して、こんな奇態な政権が実現してしまったのに違いない。
:そして、こうした安倍一強体制を実現させるような政治改革・選挙改革がなぜ導入されたのかを考えたとき、どうも次のような皮肉な結論にたどりつくのである。
:本来、これらの様々な政治・行政改革が目指したのは、小さな政府、二大政党、政治主導という理想だった。
:それは、自民党と対等にやりあい、しばしばその力をしのぐ、そういうもう一つの政党を生み出すためであった。 :具体的には、旧民主党が自民党に変わって政権を担当し運営し、そのことによって一大政党による支配を脱した政治過程の理想状態をもたらすためのものだった。
:ところが現実は、いったんは政権交代を実現しながらも、結果としては目標を大きく外れ、二大政党どころか、自民党の一強政治が出現した。
:しかもそれは政党内の議論さえ否定する、集権的な選挙ブレーン政治へと転換して、政治・政策の極端な劣化が生じてしまったのである。
:政策の劣化とまでいうと、多くの人たちの反感を買うかもしれない。
:しかし例えば現実に、東日本大震災・原発事故の被災地の復興や、地方創生の現場では、そうした劣化が止まらなくなっている。
:復興政策については拙著(『「復興」が奪う地域の未来』岩波書店)に、また地域政策の現状については、近著(『「都市の正義」が地方を壊す 地方創生の隘路を抜けて』PHP新書)にもまとめたのでぜひご参照頂きたい。
:そして政策の劣化はこうした地域政策にとどまらず、多くの識者が述べているように、国防にも労働政策にも現れている。
:安倍政権の政策の柱であるアベノミクスももはやその失敗は明らかであり、国民が感じているほどにはこの政権の成果は評価されていないのだ。

■みな自民党が好きなのだ
:だが、こうした政治の劣化、政策の劣化にもかかわらず、国民はなぜこんな自民党を支持し、安倍政権を支持しつづけるのか。 :私はこう見る。
:みんな、この国の国民は、自民党が好きなのだ。
:自民党は、55年体制以来、この国を支えつづけた政党であり、もはやこの国そのものと言っていい存在だ。
:誤解を恐れずにいえば、戦艦大和のようなものである。
:戦争は嫌いでも、戦艦大和はこの国を象徴するものであり、プライドでもあり、否定できないものだ。 :だからそれに対し、民主党など新たな政党が出てきても、「それはちょっと違うよね」、「偉そうに、何様のつもりだ」と、どうもそういう感覚が出てきてしまうようなのだ。
:しかもそこに、2010年代には国民の間で妙な不安が広がってしまい、寄らば大樹の陰で、自民党への奇妙な信頼感が醸成されてしまった。
:そこには2011年東日本大震災・福島第一原発事故の影響もある。当時の民主党政権に震災・原発事故の責任が押しつけられ、その反動で自民支持が潜在的に強まってしまった可能性さえある。
:それゆえ、自民党以外の政党は今、基本的には自民党には勝てない。
:政策の良し悪しではない。その人の政治的資質でもない。ある意味で、自民党ではなければ選挙に負けるのだ。ともかく、選挙に勝つためには自民党から出る方が絶対的に有利なのである。
:それに対し、自民党自身が多様な考えを包摂し、自由な議論を実現し、また「おかしなものはおかしい」という清廉さをしっかりと保っている限りは、政治はおかしなものにはならない。
:しかしそれが、二大政党制を目指すべく取り入れた改革によって自民党自身にも変質をもたらし、異論を廃し、執行部の命令に逆らえないような絶対的体制が作り出されてしまった。
:国民が思っているよりも根深いところで、自民党の自由や民主主義は硬直してしまっているのである。
:だが国民はそれに気付かず、選挙を通じて繰り返しこの体制を支持しつづけてきた。そうしたいびつな政治過程が展開した果てに、モリカケ問題のようなものが現れたとみることができる。

■次の政権が担わねばならないこと
:こうした日本の政治の頂点にいるのが安倍総理である。
:そしてこの安倍晋三氏こそ、政界のサラブレットであり、血筋の通った人物なのであった。
:日本国民の一番好きそうな人物。頼っていれば安心だと思える人物。それが安倍総理だというわけである。 :だから、そんな人が嘘をつくはずがないし、清廉潔白だとみな思っている。
:いや事実、本人自身は清廉潔白なのだろう。少なくとも昨年のある国会答弁の時点までは。
:だが、決定的権力を握るリーダーほど、気をつけなければならない能力に、どうも欠けていたのだろう。
:それは、事実を誇大化したり、勝手に忖度をして、権力を権力者の意志とは別のものに利用しようとする悪者を見抜き、権力の暴走を未然に阻止する能力である。
:権力は、善いものだけでなく、悪いものを引き寄せる。むしろ悪いものの方がより集まってくる。権力が強大化すればするほど、そうした悪い勢力を適切に見抜き、悪い力が政治や行政に入り込むのを止める力を強めなくてはならない。
:おそらくそうした力に乏しいことが、こんな結果を生んだのだ。
:それでもまだ幸い夫人や無二の親友など、暴走は最も近しい人の近辺にとどまっている。そして個人的に見れば、夫人にも加計氏にもそこまで根深い悪意はないと私は思う。
:政治・政策の劣化や行政の暴走が生じていても、事態はまだ最悪までには至っていない。安部総理には、自分が犯した失敗を、まだ未然のところで防ぐチャンスが残されている。
:だが、総理を支える自民党も、国民も、総理におもねるだけで、総理のために本当に必要なことをやってくれる気配はない。なすべき決定は総理自身がせねばならないが、総理には自分の間違いを認める度量はないようだ。
:事態はこのまま悪化の一途をたどるだろう。

■政治行政のバランスを取り戻すには
:他方で私たちが、そして政治が、総理が、なすべきことははっきりしている。
:それは、モリカケ問題がなぜ起きたのかを徹底的に掘り下げ、調査していくことである。すでにそれはメディアや多くの識者が言い続けていることであった。
:だがその際、私たちは次のことに留意しなければならない。
:大事なことは、調査をして新たな事実が出てくることではない。
:すでに出てきた事実だけで十分に事態は深刻なのであり、その事実を――一切それを認めない政権とは別のところで、しかも法的問題としてではなく政治的責任の問題として――国民全体の公益性の側から正当に分析し、取り扱うことが大切なのである。それは当然、国政調査権を活用した国会主導の調査委員会という形になるはずだ。
:そしておそらく森友事件よりも加計問題の方が根深く深刻であり、またこれらの事件を"政治的に"追及するためには、安倍昭恵夫人(さらには谷査恵子氏)と加計孝太郎氏の国会証人喚問が不可欠だから、それが実現した時点で安倍内閣は総辞職し、事件は別の段階に入っていくことになろう。
:逆にいえば、安倍政権を後生大事に有り難がり、いつまでも守りつづける国民と自民党が、問題を長引かせている原因なのである。結局そこに行き着くことになる。
:今のままでは国民にとって良いことにはならない。政治も行政もあきらかに暴走をはじめている。強行採決が常態化するなど、絶対にあってはならないことだ。
:まずは起きている現実を自民党(および公明党)がはやく直視し、受け入れることが必要だ。選挙に勝つとか負けるとかそういうことではなく、政治を正常なものに戻す責務が与党にはある。これ以上この状態をつづけてはいけない。
:そして国民も起きている事態を素直に受け入れ、事実に目をきちんと向けなくてはならない。一人ひとりがつくる世論こそが政治の清潔さを保つ絶対条件なのである。
:このまま放っておいては、政治・行政の暴走は止まらなくなるかもしれない。一見安定しているように見えるかもしれないが、安倍政権が続く以上、このリスクがありつづけることを国民は認識しておかなくてはならない。

■誤った決定をしていくことで訪れる未来
:いま国会の国政調査権にもとづいた徹底した調査を行うことが必要だと述べた。
:とはいえ筆者は、いまのままの体制で調査を行うことには、かえって事態をこじれさせるかもしれないという危惧も抱いている。
:調査は、適正な調査体制に基づいて行われねばならない。その際、政治と行政の関係性が重要だと筆者は見る。
:そもそも政治主導が行き過ぎたために起きた暴走の一角がモリカケ問題なのである(本誌拙稿「森友文書改ざん問題、財務省を暴走させた『圧力』の正体」も参照)。
:それを政治(国会)自身が自分で調査するのでは、ここでも財務省が財務省の調査をしたのと同様に、内部調査の限界が露呈することになるだろう。
:外部委員を組み込んだ適正な調査体制の設計こそが――もしそうした調査委員会が実現するのなら――求められるのである。
:というのも、今回のモリカケ問題をめぐる与野党の攻防をめぐって、筆者には非常に気になる点がもう一つ見えたからである。
:本稿の前編は、財務省による森友問題の文書改ざんに関する調査報告書(「森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書」)を読み解くことから論をはじめた。その分析の中で一つ言い残したことがある。
:それは、政権や与党以上に、財務省職員たちが野党議員たちの追求を必要以上に怖れている姿であった。
:例えば、報告書の11頁にはこんな記載がある。
:「当時、国会議員のほか、一部政党において本省理財局等からヒアリングを行うための会議が繰り返し開催されており、さらに同政党の国会議員団は、森友学園に売り払われた国有地を平成29221日(火)に視察することとなった」と。
:どうも、こうした野党の動きに過剰反応したこともまた、文書改ざんに至る重要な原因となっていたようなのである。そうした記載が報告書の随所に現れている。
:文書改ざんを生み出した""は、与党からだけでなく野党からも感じていたように読み取れるのである。:わが国の行政と政治のバランスは、すでに相当おかしなものになっているようだ。
:今回のモリカケ問題でも、野党ヒアリングの様子がテレビ中継されたが、あの時の国会議員と各省庁職員とのやりとりを見ていて違和感を覚えた国民は少なくないだろう。
:ではどんな関係が適切なのか。
:両事件の調査には、そこまで踏み込んだ検証が必要なのだと付け加えておきたい。
:現在の政治・行政・国民のバランスがこのままである限り、今後何が起きるのか分からない。今回の事件を、私たちはしっかりと反省材料として活用しなくてはならない。
:それは、言い方を変えれば、当分の間、私たちは「改革」というものをストップし、重大な案件を政治的に決定することをいったん放棄することでもある。
:世界に取り残されても、まずはこの国の内部構造を立て直さなければならない。でなければ、私たちは何をやってもこの先、誤った決定をしていくことになるだろう。
:今私たちはそうした国家としての機能不全の状態に陥っている――このことを自覚する必要があると警告することで、この稿を終えておく。
後編:終わり ≫(現代ビジネス:政治・山下祐介首都大学東京教授)

国民民主の裏切りで高プロ制度採決! そりゃあ、安倍晋三との討論後に党首が笑って握手するはずだ!!

 くろねこの短語 2018/6/29

日本が1次リーグ突破! 後半にボールを回しての時間稼ぎに批判もあるようだけど、これも決勝リーグ進出するための戦術のひとつってことなのだろう。ルール違反しているわけではないから、ようするにそうした姑息な手段が好きか嫌いかってことだ。
 
そんなことより、野党の森友・加計学園疑獄追求を、もっと他に大切な法案審議があるって批判していたメディアは、いまやすっかり俄かサッカーファンとなってはしゃぎまくっとります。その隙を突いて、高度プロフェッショナル制度(=残業代ゼロ)が国民民主の採決同意という裏切りもあって、すんなりと参議院厚生労働委員会で可決されちまいました。なんて様だ!



【報ステ】異例の“強行採決”…働き方改革法案20180628houdoustation
 それにしても、国民民主の正体見たりってことで、採決後の丸の内での国民民主の街宣では、聴衆から「裏切り者」の声が投げつけられたってね。党首の腰抜け玉木君は「野党を分断してはならない」って言い訳してるようだが、前回の党首討論でペテン総理と握手しちゃうような奴ですからね。ハッキリ言って、「野党分断」のために動いているのは明らかですね。

 
もともと信頼されていないところにきてのこの裏切りは、国民民主の存在理由そのものを否定することにつながったことは間違いない。いずれ消えてなくなることだろう。

3年前の記録は残存か加計理事長「謝罪会見」のウソ発覚

20180628

 

「記録を調べたところ、3年前のことで記憶にもないし、記録にもなかった」――。

大阪北部地震とサッカーのW杯に国民の注目が集まる最中に謝罪会見を開いて「卑怯者」との声が続出した学校法人「加計学園」(岡山市)の加計孝太郎理事長。愛媛・今治市の獣医学部新設をめぐり、愛媛県作成の文書に記されていた<2015年2月25日の安倍首相との面会>を否定し、こうスットボケていたが、これが“ウソ”だったのではないか、との疑惑が浮上した。

加計理事長の“ウソ会見”がささやかれるキッカケは、ノンフィクション作家の森功氏が昨年5月、<安倍首相 「腹心の友」の商魂>と題した記事を月刊「文芸春秋」に掲載したことにさかのぼる。

この記事に対し、加計学園はすぐに反応。発売1週間後に森氏に対してファクス4枚の「通知書」を送り付け、猛抗議したのである。加計学園が噛みついたのは、ざっと次のくだりだった。

<二〇一四年三月十三日、岡山理科大学を運営する学校法人「加計学園」理事長の加計孝太郎(65)がそこを訪ねた。獣医師会会長の蔵内勇夫(63)と会の事務局を預かる顧問の北村直人(69)だ>

<加計は午前中に獣医師会との面談を終え、午後になって霞が関に向かう>

<当日の午後、加計たちはその足で文科大臣(当時)の下村博文のもとを訪ねている>

森氏によると、加計の「通知書」では<(獣医師会との)面会の約束は17時><下村文科大臣と面談した事実もない>と記載され、それを裏付ける“証拠”として<16時13分に東京駅に新幹線で到着><待たせていた車両で獣医師会に向かい、17時に訪問><面会は15分程度で終了><面会終了後に羽田空港から飛行機で帰路についた>といった加計理事長の詳細なスケジュールが示されていたという。

つまり、当然と言えば当然なのだが、加計学園では理事長のスケジュールはきちんと管理され、記録は保存されていたのだ。さらに「通知書」には面談の中身まで細かく記してあったという。

「獣医師会との面談には、加計理事長と長男で副理事長の役氏、学園関係者が同席していました。北村顧問は役氏を次男の悟氏と勘違いしていたらしく、通知書には、その時の北村氏の勘違いを振り返って指摘するような部分もありました。そんな細かなやりとりまで覚えているのであれば、裏を返せば、ちゃんと記録を残しているということ。2014年3月13日の行動や面談の内容が細かく示されていたのに、翌15年の2月25日の記録が残っていないというのは考えにくい」(森功氏)

いやはや、やはり類は友を呼ぶと言うのか、“ウソ友”の安倍首相とソックリだ。安倍首相との面会を否定するなら、加計学園が当日の理事長のスケジュール記録を明らかにするべきだろう。安倍首相と同じように、ひたすらシラを切り続けていれば、世間はニタニタ顔の事務局長が勝手に突っ走った、と信じるとでも思っているのか。

あらためて加計学園に当時の理事長の詳細スケジュールを明らかにする気がないのか質問状を送ったが、相変わらずナシのつぶて。安倍首相の周りの官僚や取り巻きには、ウソつきと記憶喪失者しかいない。

悲惨な党首討論。世の中には何を言っても無駄って輩が時たまいる。それが総理大臣ってところにこの国の最大の悲劇がある&新宿区が議会に諮らずデモ規制強化&細野豪志、5000万円借り入れで政界追放の危機!

 くろねこの短語 2018/6/28

何度も書くけど、「無学者、論に負けず」とはよく言ったもので、昨日の党首討論はペテン総理がいかにひとでなしかということを世間に晒してくれちゃいました。

フランケン岡田君との討論では、制限時間の通告を無視してデレデレと話続けるという傍若無人ぶりを発揮。討論時間終了後にフランケン岡田君が「良心の呵責を感じないのか」と問いただすと、なんと「やっぱり岡田さん、ルールは守らないと」ときたもんだ。

テメーのことは棚に上げての恥知らずな言動には、もはや総理大臣というよりも人としてどうなのよってレベルなんだね。それにしても、党首討論で捨てぜりふ吐くとはねえ。
 
さらに、エダノンに対しては、前回の党首討論の折に「歴史的な使命は終わった」と批判されたことへの意趣返しなのだろう、まんま「党首討論の歴史的使命は終わってしまった」って嫌味をひけらかす有様だ。



党首討論20180627   
 
「どういう育ち方をしたら、安倍総理みたいな人間になるのだろうか。安倍総理の最大の強みは、倫理や道徳心を全く持っていないことにある。国民にとっては戦慄の危機だ」って安倍国難論の小西君がツイートしていたのもむべなるかなってことだ。

 
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世の中には何を言っても無駄って輩が時たまいるものだが、それが総理大臣っところにこの国の最大の悲劇があるのだろう。
 
ところで、新宿区がデモ規制強化のために、集合場所に使用できる公園を4ケ所から1ケ所に減らすってね。しかも、議会に諮らず、区長と職員だけで決めたそうだ。この規制を主導したみどり土木部の部長は「私自身、住んでいる家の近くの公園に警官がしょっちゅう来て、デモがあるのは嫌だ」って答弁している。憲法遵守義務がありすべての奉仕者である公務員としての立場は忘れちゃってるね。なんと薄汚い発言だろう。
 
公園が使えなくなることで、路上でデモの待ち合わせをして、変にうろついたりすると、改悪された都の迷惑防止条例とのセットで、逮捕されかねませんよ。

 
最後に、モナ細野が選挙中に5000万円の借り入れをしていたことが発覚。「個人として借り入れしたけど返却した」って言い訳しいるようだが、これって獅子頭・猪瀬君が都知事選の際に徳州会から借り入れしたのとまったく同じ仕組みなんだね。獅子頭は罰金刑くらったけど、モナ細野もタダじゃすみませんよ。

日本は進行形で変わっている 果たして、どういう国になるのか

世相を斬る あいば達也 2018/06/28

日本は大枠で、欧米文化圏の仲間として生きようとしてきた。このことは、イデオロギー上の問題はあるだろうが、多くの日本人が、敗戦の痛手と日本国憲法の下、概ね賛同してきた。日本の場合、この欧米文化国家であるために、米国の庇護の下で、その仲間入りを果たしたのは事実だろう。そして、繁栄もしてきている。しかし、戦後70年以上を経過した今、盤石に思えた欧米文化圏(日米同盟文化圏)は制度疲労を起こしているような兆候をみせている。

東西冷戦後の時代は、当初、平和的方向に向かっていたが、イデオロギーの二項対立という均衡が崩れたことで、欧米文化圏の“独り勝ち”と思われた世界の流れは一時のことで、次第に競争者を失った世界は混沌と云う時代の流れを鮮明にしてゆく。このような世界の流れを「Gゼロ」等と呼ばれる現象までおきたわけだが、そこまでフラットな世界が現れているわけではないが、幾つかのブロックが流動的性格を抱えて、今にあるとみて良いだろう。

幾つかのブロックをみると、欧米文化圏が米国とEUと云う、共通の価値と異なる価値の分裂が次第に起きているのが昨今であり、この分裂は、東欧文化圏(ロシア中心)巻き込み、50年後には様変わりしている予感さえおぼえさせる複雑さを見せている。次のブロックが中国を中心としたユーラシア文化圏の再登場である。このユーラシア文化圏には、中東文化圏(イスラム文化圏)が個別の文化圏勢力として、破壊と再生を繰り返しながらも存在をアピールしている。この文化圏にもう一つ加えておけば、日本・朝鮮半島・台湾・ASEANと云う文化圏も視野に入れておくべきだろう。

このような世界の流れを自覚している日本人がどの位存在するのか筆者は知らない。欧米文化圏、特にアメリカ文化圏の中で自分達は生きていると云う自覚のある人がどの位存在するのかも知らない。もしかすると、日本列島と云う特別な文化圏で、特別に生きていていると思っている人もいるだろう。日米同盟の所為で、さまざまな問題を抱えるが、概ね安全に、将来的にも生存出来る国と、なんとなく感じている人が多いのかもしれない。

しかし、日本という国のかたち(国体)が、現状維持で済まされる可能性は低いだろう。たしかに、島国なのだから、孤島のように生存することは可能なようにも思える。少なくとも、陸続きの脅威がないのはたしかである。ミサイル時代だから、陸続きであっても関係ないとは云うものの、海は充分な要塞になるわけで、他勢力が侵攻してくる意味で要塞になる。しかし、前述したように流動性のある世界の流れの中で、日本は極端に日米同盟固定化の強い国になっている。

この米国に従順に応じることで、日本の国体が維持されているのは事実は、強く認識する必要が、今まで以上に求められている時代なのはたしかだ。しかし、日本の政治外交を見る限り、アメリカの浮き沈みに応じて、その運命が左右されている環境は、小泉政権と安倍政権で強まった。このまま行くと、世界の流れにおいて、「蚊帳の外」のような国家になる確率は高まっている。

日本の国体は隅々まで、アメリカの要望なのか忖度なのか、嬉々として破壊の方向に激走している。アメリカの大統領が変わるたびに、その風向きに合わせて国体を変化させ、どこに権力があるのか、判断がつかない政治外交が目まぐるしく進捗している。アメリカが絶対的力を持っていて、世界に逆らうものが存在しない時代なら、それも、一つの選択に違いないが、今のアメリカには、世界のあらゆる勢力を屈服させる切り札を持っていない。

その証拠と云うわけではない、中国・習近平体制は、あきらかに米中大国と云う意識下で、ものごとを着々と進めている。ロシア・プーチンも、ウクライナ、シリアにおいて、アメリカと引けを取らない闘いを挑んでいる。EUの仏や独も、独自の価値観において、アメリカに異を唱えている。中東の各国も、親米、反米と云う構図で闘いを挑んでいる。英国はEUから離脱し、英米と云う関係性の維持を試みているようだが、将来的には反ドイツと云う図式が再来する可能性を秘めている。

このような世界的状況にも関わらず、我が国は、ひたすら、自由主義なグローバル経済システムの強化に向かって驀進中である。各省庁から出されている行政上の指針をみても、日本独自の「社会的共通資本」の解体と云う共通項で統一されている。各省庁が個別に行っているので、一つ一つには、大きな違和感がなく、徐々にと云うスピード配分も巧妙なため、多くの国民が気づかない範囲で、滿汐のようにジワジワと国民を、アメリカにおける「移民」のような存在にしようと試みている。

いわゆるオーウェルの1984年問題である。俗に言えば“ゆで蛙問題”と言ってもいいのだろう。日本人が、知らないうちに、皆保険はなくなり、混合診療は明確になり、外国系保険会社に加入していないと大病に罹っても碌な治療を受けられなく可能性はおおいにある。移民は、外国人労働者関連の法律が改正されるたびに、日本の移民政策導入は明確になり、日本人は外国人労働者と競合を余儀なくされるだろう。正社員の待遇は、非正規社員の水準に引き下げられ、逆転現象も不思議ではなくなる時代は、もう目の前だ。

民に任せることは、ことごとく民営化され、地方自治体の民営化まで出現するかもしれなくなる。国体の多くのものが民営化されることで、公共性の観念は希薄化して、営利目的が鮮明になり、弱者の切り捨ては拍車が掛かる日本が誕生する。古き良き日本を知っている人間から見れば、これは気が狂うほど腹立たしい現実だが、現在の20代30代にとっては、それほど違和感を覚えずに受け入れる国体なのかもしれない。

おそらく、現在の安倍政権に一定の支持が集まる要因は、アメリカによる支配と云う大枠から、日本は抜け出せないのだから、そういう脱力感があるのだろう。まぁ、流されてでも生き延びていれば、封建制度における農民のように、いつの日か復活しないものでもないで、団塊世代がとやかく言う必要もないのかもしれない。特に、安倍政権になって日本売りは本格化してきているが、安倍三選はかなりの確度で現実化してきた。まぁ、それも悪くはない。来年の、統一地方選や参議院選が、石破や小泉進次郎政権になっているよりも、野党連合政権が誕生する可能性はあるのだから、安倍三選は、野党のつけ込みどころでもある。最後の〆が永田町話になった点はお許し願おう。


遠のく日朝会談…北は安倍首相を“蚊帳の外”“卑しい”と批判

2018年6月26日 日刊ゲンダイ
 
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2004年以来となる日朝首脳会談の実現を模索する安倍首相の足元を見透かすように、北朝鮮がアベ批判を強めている。朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が週末にかけて立て続けに論評を掲載。ボルテージは上がりっ放しだ。このままでは、会談実現は遠のくばかりだ。

労働新聞が21日付で掲載したのが、〈蚊帳の外から抜け出そうという術策〉と題した論評だ。米朝首脳会談が行われた12日、来日したマレーシアのマハティール首相やラオスのトンルン首相に対し、安倍首相が対北圧力への協調を求めたと言及。〈蚊帳の外に置かれている者の卑しい物乞い行為だ〉〈不安感に襲われた安倍は、朝鮮半島情勢を悪化させようという不純な策動に東南アジア諸国を引き込もうと愚かに画策している〉と断じる一方、安倍政権が配備を急ぐ「イージス・アショア」もこうヤリ玉に挙げた。

〈日本の防衛相は、ミサイル迎撃システムを拡張すると発表しながら、良い方向に流れている朝鮮半島の雰囲気に冷や水を浴びせている〉

昨年11月に初来日したトランプ米大統領から「バイ・アメリカン」と迫られ、北朝鮮の脅威を理由に購入を前倒しした陸上配備型のミサイル迎撃システムだ。1基1000億円弱で、搭載に向けて日米で共同開発中の新型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」4発と関連装備品は計約150億円。2基で2000億円もする代物である。米朝対話が進む中、配備予定地の秋田と山口からもその必要性を疑問視する声が上がる。そして、安倍政権のやり方をこう総括していた。

〈安倍勢力の総的目標は、日本を戦争国家にすることである。今まで日本は周辺情勢、特に朝鮮半島情勢悪化を口実に、武力増強に拍車をかけ、軍事訓練を頻繁に行ってきた。侵略戦争に出られる準備をほとんど整えた日本に今残っているのは、現行憲法を書き換え、法的名分を作ることだけである。だから、朝鮮半島情勢緩和ではなく、激化を望んでいる〉

指摘はごもっともで、子細に分析したものである。元韓国国防省北朝鮮情報分析官の高永テツ氏(拓大主任研究員)はこう言う。

「北朝鮮は米国との融和ムードに水を差し、足を引っ張ろうとする安倍政権にイラ立ちを募らせています。金正恩党委員長と本気で向き合う覚悟があるのなら、刺激するような態度は改めろ、というメッセージだと受け取るべきでしょう」

22日付の〈日本は誠実に過去を清算せよ〉と題した論評も痛烈だった。従軍慰安婦に関する日韓合意を巡り、日本の反対にもかかわらず、少女像が米議会で巡回展示されたことに言及。〈「合意」なるものを前面に掲げて、凶悪非道な性奴隷犯罪が全部清算されたかのように宣伝している〉と非難し、〈過去の罪悪を率直に認めて徹底的に賠償することだけが、日本が生きる道である〉と主張した。

拉致問題の解決を前面に押し出す安倍政権にまたもクギを刺してきたわけである。

「外交というものは血こそ流さないものの、頭脳を駆使する戦争です。国民感情を考えれば、日本が拉致問題を最重要課題とするのは理解できますが、国際社会が大きく動く局面では、世論の反発を恐れず、本音を隠す外交の知恵を絞った方がいい」(高永テツ氏=前出)

事態を1ミリも進展させず、“拉致の安倍”で高ようじだった
ツケが一気に回ってきた。 

室井佑月が元官僚の古賀茂明に聞く!「なぜ佐川氏や柳瀬氏ら官僚は安倍首相をかばい続けるのか」

2018.06.26 室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第10回ゲスト 

古賀茂明(前編) 室井佑月が古賀茂明に「官僚の忖度」を聞く リテラ
    
財務省による森友文書改ざん、加計「首相案件」文書と、決定的な不正が次々と発覚したのに、いまも権力の椅子に座り続けている安倍首相。こんなことが許されているのは、疑惑のキーマンだった佐川宣寿・財務省前理財局長や柳瀬唯夫・元首相秘書官ら官僚が、自分に責任を被せられてもなお、「安倍首相からの指示はない」とかばい続けたからだ。

「なぜ官僚たちは、自分たちがこんなに追い詰められても安倍首相をかばい続けるの? 安倍ちゃんなんて、自分たちよりずっと頭も悪いのになんでへこへこ言うことを聞いてるの?」 
 
こんな疑問を抱いた室井が、今回、「教えを乞いたい」と対談相手に指名したのは古賀茂明氏。周知のように、古賀氏は経済産業省の元エリート官僚でありながら、退官後は政治権力や官僚の失政、腐敗を徹底批判し続けている稀有な存在だ。安倍政権に対してもその対米追従政策や原発政策を真っ向から批判し、官邸からの“圧力”で『報道ステーション』(テレビ朝日)のコメンテーターを降板させられた。

「古賀さんなら、霞が関の不可解な言動の理由を一切の忖度なく、解説してくれるよ、きっと」そう期待して対談に臨んだ室井だったが、実際、古賀氏からは、佐川氏や柳瀬氏ら官僚に対する的確な分析はもちろん、「安倍さんはものすごく怖い人なんです」という安倍政治の本質をつく指摘も飛び出した。
 
いったい安倍首相の「ものすごい怖さ」の正体とはなんなのか。戦慄さえおぼえるような対談、まずは前編からお届けしよう。
(編集部)

●新宿の焼き鳥屋で「I am not ABE」と言ったら、「イエーイ!」と盛り上がった!

室井 昨日、新宿の焼き鳥屋で飲んでいたら、隣に韓国語を喋っている2人組がいて。それで「文在寅大統領は、弱腰とか言われたり、日本ではあまりいいように報道されないけど、どんな悪口を言われても東アジアの平和のためにちゃんとやって立派だと思いました」と日本語で言ったら、たぶん半分だけ伝わって。最後に「I am not ABE」と言ったら、「イエーイ!」と盛り上がりました。古賀さんの「I'm not ABE」運動は続いています。でも、古賀さんって変わってますよね。官僚だったのに反権力で安倍さんを一貫して批判して。ってか、今日ぜひ聞きたかったのはなぜ森友加計問題で安倍首相は追い詰められたはずなのに佐川さん(宣寿・財務省前理財局長)や柳瀬さん(唯夫・元首相秘書官)たち官僚はなぜあんなに必死こいて安倍さんをかばうのか、忖度するのか。元官僚の古賀さんにぜひその心理分析を教えて欲しいんです。

古賀 それにはまず安倍首相の特異性から語らなければならないでしょうね。安倍さんは“目を合わせてはいけない”というたぐいの人なんです。たとえば、街に暴力団がやってきて「俺が仕切るぞ。逆らったらただじゃおかねえからな」という怖い顔をしていたとします。しかし、みかじめ料を払っておけば難癖もつけられないし、この前まであった喧嘩やゴタゴタもなくなる。商売が順調にできるようになったなと町人は錯覚するわけです。ただ、安倍さんが「この店、俺のものにしたいな」「ここに何か作りたいな」となったとき、「そんなのはダメです!」と反対したり抵抗する人がいると、バッサリやられる。だからなるべく、安倍さんとは目を合わせたくない。官僚もそうした安倍首相の特殊体質を熟知しているんです。そもそも安倍首相と闘おうなんて思っている官僚はいないと思いますよ。

室井 安倍首相は官僚にとっては、怖いヤクザみたいなもんなのか。でも、闘おうという官僚がいないなんて。

古賀 そもそも政治家は官僚から見ると“使うもの”なんだから。

室井 でも第二次安倍政権発足以降、「安倍政権がやりすぎたから俺たちがやっつけないと」と思わないんですか。

古賀 もともと官僚は、正義を実現しようだなんて思っていませんから。正義のためじゃなく、自分たち、または自分の省庁の利益のために働いているんです。

●「優秀な俺が、タダ同然で働いてやってる」!? 古賀茂明が分析する官僚たちの本音

室井 素朴な疑問なんですけど、官僚って本来、国のため、国民のために働くものでしょ? 官僚自身にそういう意識はないんですか?

古賀 大義名分として表向きはあるし、みんな「自分は国のために働いている」と信じていますけど、でもそれは嘘です。自分でそう信じようとしているけれど、自分たちが本当は何を求め、考えているのかちゃんと自覚できてない。そして本当はみんな、自分のために働いている。

室井 じゃあ公務員の中で、自衛隊の人が一番純粋かもしれませんね。国のためって思っていそうですもの。

古賀 役人を理解するには3つのタイプを分けて考えるとわかりやすいでしょう。ひとつは、消防士型。たとえば自衛隊だと「統合幕僚長になりたい」という野心がある人もいるだろうけど、消防士にそういうのはあまりない。「消防士になって偉くなりたい」「消防士になって金儲けしたい」という人はいないでしょ? 彼らに「火の中に飛び込んで、火を消して、何が嬉しいの?」と聞くと、「それで人の命を助けたり、家を守ったことで感謝されることが嬉しい」と。これが公務員の原点なんです。金や名誉、地位のためでもなく、「ただ国民・市民のために働きたい」というのが働く動機です。そういう人が報酬として何を求めるのかというと、「ありがとう」の言葉で、こういう公務員は市民から「困っているんです。助けてください」というお願いがあると、一生懸命考える。

室井 そんな人たちに私たちの血税、給料をあげたいです。

古賀 役所の窓口の人や、派出所のおまわりさんでもそうですよね。そういう人がいたら本当に市民は助かります。2つめは、中央エリート官僚型です。その典型が財務省のキャリア官僚です。なぜ公務員になったのか。それは「自分が一番優秀で頭がいいことを証明したい」から。小さいときからずっと、小学校で1番、中学校で1番で、高校も優秀な成績で、東大法学部に入れて勉強して優秀な成績を修めて、一番難しそうな「財務省に行くか」と。それで「財務省に入ったら次官を目指すぞ」というタイプです。そういう人たちは、給料は外資系のコンサルタント会社に行ったほうが高いですが、それよりも「すごーい!」と言ってもらうことが嬉しいんです。それが報酬なんです。上から目線でいられれば嬉しいし、「自分が一番」という思いが強烈だから、「自分たちはタダ働きしている」と思っています。

室井 は?

古賀 要するに、「俺たちは一番優秀で、こんなに国のために働いてやっているのに給料は安い」「だから天下りがあって当たり前だ」と。逆に「天下りをなくせという方がおかしい」と、それは不公平だ、という考え方です。特に財務省は強烈で「天下りは自分たちの権利」という感じなんですね。だから市民が「あれやってください」「これやってくれないと困ります」と来ると、どう思うかというと、「タカリだ」「またたかってきた」という思考回路になる。俺たちはこんなにいろいろ考えて、難しいことも調整してやっているのに、それでも、まだ、あれが欲しいとか言うのか!またタカってくるのか! と。

室井 でも柳瀬さんや、佐川さんは正義や真実解明ではなく、自分のために国会で堂々と嘘をついたってことですか? 

古賀 官僚はみんなそう思ってますよ。そして、「よくそんな細かいことでぐちゃぐちゃ言ってくるよな」という気持ちが根底にあると思います。「こんなことくらい別にどうってことないよ」と。それは麻生さん(太郎・財務相)も同じでしょう。

室井 わたしたちの税金で食わせてもらっているという感覚はないんですか?
エリート官僚は上から目線で国民を見下してるってことですよね。

古賀 そうです。こんな安月給で働いて「やってる」、という感覚だから、ありがたいなんてこれっぽっちも思っていないですよ。こんなはした金でこれだけ働かされて。俺たちがちょっと本気になればどれだけもらえると思っているんだ、と。

室井 こっちからすると、はぁ!?って言いたくなりますよね。「ありがとうございます」と思うのが普通なのに、「働いてやってる」って。じゃあ3つ目は?

古賀 凡人型です。なぜ公務員になったかというと「食いっぱぐれがないから」。このタイプは多くて、一番大事なのは安定した収入と天下りが確保されていること。そこしか関心がない。

●古賀茂明「安倍さんはものすごく怖い人物。執念深くて残虐」

室井 なんか普通の人や民間のサラリーマンと感覚が違いますね。

古賀 だから面倒なトラブルからは逃げるし、新しいことには関わりたくない。財務省の文書改ざんにしても、官僚からみると、「情報は国民のもの」ではなく「俺たちのもの」なんです。

室井 だから、モリカケでも、安倍さんをかばうという以上に、自己保身なんですね。国民なんてみんなバカなんだから、情報を与えてもしょうがないって意識が。ムカムカしてきた。

古賀 国民に情報を与えることは「危ない」とさえ思っているのでしょう。危険物だと。●●●に刃物、みたいな(笑)。

室井 安倍さんのほうが危険物だと思いますけど。しかも柳瀬さんや佐川さんって、みんな一生懸命勉強して東大を出て官僚になり偉くなった人でしょ。それなのに生まれた家柄だけで首相になった安倍さんのコマ、いいなりになって悲しいと思わないんですか?

古賀 確かに柳瀬くんも佐川くんも着々と上り詰めてきた。だけど、ここで安倍さんに逆らったらどうなるかというと、すべてが潰えてしまうわけです。次の人事で「あなたは勇退です」と簡単に切られる。いや、それで済めばまだいいけど。というのも安倍さんはものすごく怖い人物なんです。執念深くて残虐。これが安倍政権の異常性です。

室井 ……古賀さん、それを知っていて歯向かったんですか……!? テレビの生放送(『報道ステーション』)で「Iam not ABE」って……。それとも、歯向かってから残虐だと知ったんですか?

古賀 そうですね。安倍さんの残虐性は最近わかったかもしれない。

室井 怖い! ちょっと、この対談、やめようかな。

ポスト「モリカケ」か? 安倍首相に浮上したもう一つの「重大疑惑」

2018年06月26日 <取材・文/山岡俊介>HARBOR BUSINESS Online

モリカケ問題追及が行き詰るなか、ポストモリカケといってもいい重大疑惑が浮上して来た。

しかも、モリカケ問題はあくまで官僚の忖度で、安倍晋三首相との関係は間接的とも見られるなか、このポストモリカケは安倍首相が少なくとも途中から直接かつ主体的に関与している可能性が高いのだ。

入手した「3枚の文書」

このポストモリカケの重大疑惑とは、筆者がスクープしたものである。安倍氏の地元、山口県下関市で99年4月にあった市長選に関し、地元の安倍事務所が反社会勢力にも通じる小山佐市氏(80)なる地元ブローカーにライバル候補に対する選挙妨害を頼んだというものだ。

選挙妨害の見返りが小山氏には約束されていたようだが、安倍事務所側はこれを反故に。これに怒った小山氏が、塀の中で知り合ったお隣、福岡県北九州市に本部を置く指定暴力団「工藤会」組長らと組んで、安倍氏の下関市内の自宅などに火炎ビンを投げ入れ、小山氏は非現住建造物放火未遂容疑などで懲役13年の実刑に問われた。その小山氏が今年2月、満期出所。この5月に筆者に連絡して来たことに始まる。

もっとも、この選挙妨害疑惑、小山氏らが逮捕された03年11月以降、選挙絡みのようだとは大マスコミでも報じられた。しかし曖昧なものだったし、いずれにしろ、小山氏の逆恨みとされた。

ところが、今回、筆者は小山氏に接触するなかで、安倍事務所が選挙妨害を頼んでいたと思わないわけにはいかない3枚の証拠文書を入手した。

この文書とは、当時、地元安倍事務所の筆頭秘書だった竹田力氏(元山口県警警視)が、小山氏側と交し、署名・捺印したもの。それぞれ前述99年4月の市長選挙後の同年6月17日、6月22日、7月13日の日付が入っている。

最大の注目点は、まず1枚目では、小山氏が選挙妨害の見返りに安倍氏側に対し、懇意にしていた元市長の面倒を見ること、市内計画道路の変更(小山氏は地上げ屋で、誘致するスーパーの利権絡みのことから)などを要求していたことがわかる。さらに小山氏は選挙妨害の件で安倍氏との1対1の面会を要求。これに対し、筆頭秘書の前出・竹田氏は計画道路変更は難しいが、元市長の件は安倍氏に連絡したところ小山氏、元市長と3人で話し合いし、最大限努力したいといっていると回答。さらに「古賀潰し(=文書の記載。選挙妨害)の件も安倍氏に報告済みで、安倍氏は小山氏と話をしたいといっているとの回答もしているのだ。

2枚目は、1枚目に記された小山氏の安倍氏との面談要求が通り、99年7月3日午前10時からにスケジュールが決まったので、申し訳ないが、地元の安倍事務所にお越し下さいという内容だ。

そして3枚目は、予定通り安倍氏との面談を受け、「双方一切他言しない事、約束した」(文書より)として、(1)元市長の件は、本人から依頼あれば誠意を持って話を聞く、(2)「古賀問題」(選挙妨害のこと。1枚目の「古賀潰し」から言葉が代わる)については安倍氏、小山氏の1対1面談でいろいろ話がされたが、安倍氏より話し合いをするように指示を受けている。今後、双方弁護士を入れて解決に向け最大限努力しますと記されている。

以上、これら記載を見ると、少なくとも安倍氏は選挙後ほどなく、筆頭秘書・竹田氏の報告で選挙妨害の件を知り、しかしこれを咎めるどころか、実行役の小山氏と直に会い、見返りを与える代わりに、「一切他言しない事」と約束を交わせ隠蔽を図ったというのが、普通の解釈というものではないだろうか。

ここで筆者が強調したいのは、安倍氏がこうした行動に出たのは、単に地元市長選絡みで自分の国家老といってもいい江島潔氏(現・参議院議員)を再選させたかったに止まらず、安倍氏自身、この選挙妨害したと思われる相手に危機感を持ち、その相手の政治生命を絶ちたかったと思われる節があることだ。

握りつぶされた「約束」

前述の「古賀潰し」、「古賀問題」の記載にあるように、その相手とは古賀敬章氏を指す。古賀氏は93年7月の衆議院選挙で当時の新生党から出馬し初当選。しかし、再選を目指した96年10月の選挙では落選している。

この間、選挙制度が中選挙区制(山口1区。定員4人)から小選挙区制(山口4区)に替わり安倍氏との一騎打ちになったためだ。しかし、それでも古賀氏は安倍氏の約9万3000票に対し約6万票と善戦。

「これに安倍は脅威を感じた。古賀も自宅は下関市。もし、山口県最大の同市長になられ、2期ほど務めて利権を安倍から奪取した上で再度、衆議院選挙に出られたら、ヘタをしたら自分が負ける可能性もあると」(地元事情通)

しかも、その選挙妨害は、拉致問題に引っ掛けてか、「古賀は朝鮮人。もし当選したら、下関市は“金王朝”になってしまう」というビラを撒くなど虚偽(古賀氏は在日ではない)かつ差別・偏見に満ち満ちたものだった。

ところが、安倍氏側は約束を反故にしただけでなく、一転、“密談”の翌月、すなわち99年8月30日、小山氏は、そもそも選挙妨害を直に依頼したと見られる佐伯伸之秘書(当時)に対する300万円の恐喝事件で逮捕される。

誌面の制限上、詳細は触れられないが、筆者が入手した300万円の領収証(絵画購入名目)の宛名は佐伯秘書とは別人で、この事件は小山氏をデッチ上げ逮捕し塀のなかにいれることで口封じしようとした疑惑がある。さすがに余りに強引過ぎたからではないか。小山氏は結局、起訴猶予になり、この件では服役するに至らなかった。

それでもこの間、水面下で小山氏は約束の実行を何度も迫ったようだ。しかし、安倍氏側は完全拒否。ついにブチ切れた小山氏は、前述のように工藤会側と組んで火炎ビンを安倍氏自宅に投げ込んだとして(実際は安倍事務所も入れて計5度)、03年11月、逮捕となるのだ(罪に問われていないが、この間、江島市長の公用車のフロントガラスが割られるなどの事件も起きていた)。

ただし、小山氏は逮捕され、13年の懲役に問われる(一審。控訴、上告するも棄却に)も、自身、「双方一切他言しないこと事」の約束を守り通したようで、公判において、前出の3枚の文書の存在が明るみに出ることはなかった。

しかしながら、共同通信がどこからかその存在を聞きつけ、安倍第1次政権が発足する06年、記事にしようとしたことがあった。しかしいまふうにいえば、上層部の安倍氏に対する忖度の結果、記事は出なかった(参照:「共同通信が握りつぶした安倍スキャンダル」。『現代』06年12月号。著者は魚住昭と青木理両氏)。

真相を明らかにすべき

筆者がここでいいたいのは、その事実からも、この重大疑惑の信ぴょう性は高いということだ。

さらにいえば、当時の共同通信がどれだけ真相に迫っていたかは不明ながら(小山氏は当時、共同の記者が面会に来たことは認めるも取材拒否。文書は渡していないという)、今回、明らかになった事実などからすれば、その真相が当時、大手マスコミに出ていれば、首相退任どころか、代議士辞任もあり得、いまのように安倍氏が首相に返り咲くなんてことはあり得なかっただろう。

それはそうだろう。選挙妨害は、特に政治家にあっては自身もその洗礼を受けるだけに、その公平性を歪める、なおさら重大な犯罪だ。いまとなっては法的には時効だろうが、政治家としての資質上、倫理的にも時効などあろうはずもなく、事実だとすれば許されるものではない。

まして今回の重大疑惑においては、その選挙妨害手法におけるヘイトぶり、デッチ上げ逮捕疑惑、その他にも小山氏の言によれば放火未遂事件においては、工藤会側と共謀したとする日時、小山氏は旧知の警官と会っていたアリバイがあるが上層部が圧力をかけてその警官に証言させなかった、なんという疑惑さえもあるというのだ。

以上のようなことから、筆者はモリカケ問題より重大疑惑と思うのだが、筆者が配信しているニュースサイト「アクセスジャーナル」でこの疑惑を6月9日から連載開始。真っ先に3つの証拠文書を掲載、安倍氏と小山氏が一緒の写真、獄中から小山氏が安倍首相に出して手紙などの物証も転載するも、まったくというほど大手マスコミから反応はない。

ある永田町事情通によれば、「安倍3選が既定路線。3選無しならやるが、勝ち馬を叩くバカはいない」結果という。しかし、安倍氏の首相以前、政治家としての資質が問われる重大疑惑であり、いま首相なら、なおさらその真相をハッキリさせるのが第4の権力ともいわれるマスコミの使命ではないのか。

<取材・文/山岡俊介>
やまおかしゅんすけ●『噂の真相』の意志を継ぐタブー無し有料WEBマガジン「アクセスジャーナル」編集長。上場企業、政治家、暴力団、芸能界から反原発まで幅広くネタを日々配信中。

子どもを産まない方が幸せは勝手な考え(二階)子育てが困難な社会にしたのは自民党だろう&経団連会長から高プロ制導入すべきとの意見をいただいた(安倍)何をかいわんや&安倍晋三に反社会勢力がらみの新たな疑惑?

 くろねこの短語 2018/6/27

耳を疑うような発言を近頃の政治屋は性懲りもなく繰り返してくれるんだが、土建政治の無能幹事長・二階君がやらかしてくれました。
「この頃、子どもを産まない方が幸せに(生活が)送れるのではないかと勝手なことを考えて(いる人がいる)」
 
「この国の一員として、みんなが幸せになるためには、子供もたくさん産んで、国も栄え、発展していく方向へ行くようにしようじゃないか」
 
おい、大丈夫か。病院行くか・・・ってなもんです。まさに、「二人して 五人育てて 一人前」「生んで殖やして育てて皇楯」という戦前戦中の国策スローガンそのままなんだね。なんとも時代錯誤な政治感覚だよね。
 
そもそも、誰もが子供を生み育てられる環境を整えるのが政治家の仕事だろう。子育てに不安を抱かざるを得ない社会にしたのは、自民党の戦後政治の結果じゃないのか。産まないんじゃない、産めないんだ! それを、「子育てしないのは非国民」みたいなことを口走るんだから、開いた口がふさがりませんよ、ったく。
 
さらに、「今は食べるのに困る家はない。こんなに素晴らしい、幸せな国はない」なんてことも言ってくれちゃってるんだが、おい、子供貧困率が13.9%もあって、7人に1人の子供が貧困に喘いでいるのを分かって言ってるのか!ま、「政治=利権」の土建政治屋にいまさら何を言っても糠に釘だろうけどさ。

 
ところで、国会だ。高度プロフェッショナル制度(=残業代ゼロ)がいかにいかがわしい法案かってことは、そもそも基本となるデータが改竄されていたことで証明されちゃってる。そこにもってきて、ペテン総理からこんな発言が飛び出した。

これは、「この期に及んでなお、労働者のニーズがあると答弁するのか?」という野党議員の質問への答弁で、「適用を望む企業や従業員が多いから導入するというものではなくて、多様で柔軟な働き方の選択肢として整備するものであります」

「経団連会長等の経営団体の代表からは高度プロフェッショナル制度の導入をすべきとのご意見を頂いておりまして、傘下の企業の要望がある事を前提にご意見を頂いたものと理解をしているところであります」 だとさ。凄いよね。「経団連の要望があったから」って自白しちゃってます。もうこの一言で高プロ制度は働かせ改革ってことがバレちゃってます。
 
「労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を推進するため」という法案提出の理由にも明らかに反しているんだね。
 
ああ、それなのに、新聞・TVはサッカー、サツカー、またサッカー。大宅壮一の「一億総白痴化」はまだ生きているってことだ。

 
最後に、前々から噂になっていたペテン総理と反社会勢力との関係について、なかなか興味深い証拠が出てきているらしい。これが事実なら森友・加計学園疑獄どころじゃない、日本政治史最大のスキャンダルになるのだが・・・!?

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