真実の報道神秘

権力の『おかしな政策』におかしいと報道しない日本で、一人でも『おかしい』と声を上げ、真実を追求して行きます。

2016年05月

オバマ広島訪問の一方で安倍首相の冷淡!原爆養護ホーム訪問をドタキャンして散髪と歯医者へ行っていた

2016.05.29.
 安倍が原爆被爆者訪問をやめて散髪に  リテラ


本サイトでは昨日、オバマの歴史的広島訪問の立役者は自分だと言わんばかりの安倍首相が、そのじつ、まったく広島のことなど一顧だにしてこなかったことを紹介した。それは、2014年の「原爆の日」を迎えた広島で、昨年とほぼ同じコピペ演説を披露し批判を浴びたのに、いけしゃあしゃあと長崎でもコピペのままだったこと。被爆者たちから起こっていた集団的自衛権行使容認への批判の声に対し、「見解の相違ですね」の一言で切って捨てたことなどだ。
 
いずれも安倍首相がいかに広島・長崎という被爆地、そして被爆した人たちをないがしろにしてきたかを証明する話だが、じつはもうひとつ、安倍首相の被爆地への冷淡さを浮き彫りにするエピソードがある。
 
それは、安倍首相が被爆した人たちの暮らす原爆養護ホームの訪問をサボっていたという問題だ。
 
毎年86日と89日、総理大臣はそれぞれ広島と長崎で行われる式典に出席するだけでなく、それぞれの地にある原爆養護ホームを訪問することが慣例になっている。だが、安倍首相は総理大臣に返り咲いた2013年の訪問を最後に、2014年、2015年と訪問を行っていない。
 
しかも、2014年の場合、当初は行く予定だったのを急遽取りやめている。事実、訪問が予定されていた原爆養護ホーム「矢野おりづる園」の当日のブログには、こう綴られている。

〈当初、安倍晋三首相も来訪の予定でしたが、スケジュールの都合で急遽帰京となり、国務大臣お二人での慰問となりました〉
 
突然、予定を変更するとは、なにか緊急で東京に戻らざるを得ない大きな問題でもあったのか。そう思い、当時の首相動静を調べてみたのだが、安倍首相は驚きの行動を行っていた。
 
まず、安倍首相は東京に戻るなり、安倍首相は議員会館内の歯科診療室に直行。さらに夕方には、行きつけにしている青山の美容室でヘアカットをしている。つまり安倍首相は、原爆養護ホームへの訪問をドタキャンして、歯の治療や散髪をしていたのだ。
 
同年の長崎も同様だ。原爆養護ホームを訪問することなく帰京すると、一旦、渋谷の私邸に戻り、その後すぐ別荘のある山梨へ。そして、大学時代の同窓生たちとともに炭火焼き料理を楽しんでいる。
 
……歯科医院や美容室に行くことも、同窓生との宴会も、別にいつだってできることだ。どう考えても、年に1度、広島と長崎の原爆養護ホームに出向いて、被爆者と対話をし、現状を実際に見て知るという総理の大切な任務をドタキャンしてまで優先させることとではない。というよりも、被爆者をバカにするにも程があるだろう。
 

さらに、前述したように、原爆投下から70年という節目を迎えた昨年も、安倍首相は広島・長崎の原爆養護ホーム訪問を行っていない。ではその日、安倍首相はなにをしていたか。6日は帰京すると取り巻きの大臣たちと会い、夜はお気に入りのホテル・アンダーズ東京の51階にある「アンダーズタヴァン」で高級ヨーロッパ料理に舌鼓。9日は羽田空港から私邸へ直帰している。

 
夜景をバックにディナーを優雅に楽しむ余裕があり、ましてやとっとと家に帰るくらいなら、総理は被爆者とふれあう時間をもつべきだ。しかし、どうしてこの人にはそれができないのだろうか。
 
つまるところ、安倍首相にとっては、広島と長崎の被爆者たちからあがる戦争への懸念や平和を訴える声が、自分の足を引っ張っているとでも思っているのではないか。実際、安倍首相を支持する極右たちは「広島や長崎の式典出席者は動員された左翼ばかり」などと喧伝し、安倍首相と一体化している極右団体・日本会議にいたっては、昨年、原爆の日に合わせて広島で「反核平和70年の失敗」という信じがたい講演会まで開催している。
 
自国で起こった悲惨な過去に向き合うことさえできない人間が、「積極的平和主義」を語る。まったく呆れてものも言えないが、国民を、そして被爆した人びとを侮蔑する行為は、いいかげんやめていただきたい。
 

<米大統領広島訪問>平岡・元広島市長「何をしに来たのか」

 

527 22:34 毎日新聞


元広島市長の平岡敬氏(88)に聞く

 
オバマ大統領は再び「核兵器のない世界」に言及したが、手放しで喜んではいけない。米国が「原爆投下は正しかった」という姿勢を崩していないからだ。原爆投下を正当化する限り、「核兵器をまた使ってもいい」となりかねない。私たちは広島の原爆慰霊碑の前で「過ちは繰り返しませぬ」と誓ってきた。原爆を使った過ちを認めないのなら、何をしに広島に来たのかと言いたい。
 
日米両政府が言う「未来志向」は、過去に目をつぶるという意味に感じる。これを認めてしまうと、広島が米国を許したことになってしまう。広島は日本政府の方針とは違い、「原爆投下の責任を問う」という立場を堅持してきた。今、世界の潮流は「核兵器は非人道的で残虐な大量破壊兵器」という認識だ。それはヒロシマ・ナガサキの経験から来ている。覆すようなことはしてはいけない。
 
「謝罪を求めない」というのも、無残に殺された死者に失礼だ。本当に悔しくつらい思いで死んでいった者を冒とくする言葉を使うべきではない。広島市長と広島県知事も謝罪不要と表明したのは、残念でならない。米国に「二度と使わない」と誓わせ、核兵器廃絶が実現して初めて、死者は安らかに眠れる。
 
オバマ大統領は2009年にプラハで演説した後、核関連予算を増額した。核兵器の近代化、つまり新しい兵器の開発に予算をつぎ込んでいる。CTBT(核実験全面禁止条約)の批准もせず、言葉だけに終わった印象がある。だからこそ、今回の発言の後、どのような行動をするか見極めないといけない。
 
広島は大統領の花道を飾る「貸座敷」ではない。核兵器廃絶を誓う場所だ。大統領のレガシー(遺産)作りや中国を意識した日米同盟強化を誇示するパフォーマンスの場に利用されたらかなわない。【聞き手・寺岡俊】


◇◇◇
形式論理的にいえば、2つの筋道しかない。オバマにせよ誰にせよ言えたことは2つのどちらかでしかなかったはずだ。


核兵器は「非人道的で残虐」だから、将来に向かっては廃棄すべきだし、過去においても、それを広島・長崎にたいして用いたことは過っていた。それを認め謝罪する。か、さもなければ、核兵器は場合によっては有用・必要なものだ。広島・長崎にたいして用いたことは正しかったし、必要ならば今後もつかうことがある。このどちらかだ。


それを、オバマは実質的には、
『核兵器は「非人道的で残虐」だ。それでも、それを広島・長崎にたいして用いたことは正しかったし、今後も朝鮮・中国・ロシア(ロシアは欧米から見れば半アジアだ)、イラン・シリア・イスラム教徒どもに対してはつかうこともある。』と言っているに等しいし、日本の多くの「識者」・評論家・政治家どもはそれを容認しているのだ。


これではまるで、『核兵器は非人道的(=人間にたいして用いてはならないもの)だが、日本人・アジア人種・イスラム教徒はこの「人間」のうちには入らない』、と言っているようなものだ。


(なお、これはもちろん、オバマ氏の個人的な誠意や信念の問題ではない。)
 

環境汚染の恐れ 知られざる「リニア新幹線」の危ない計画
 

週刊女性  2016527

 

JR東海が計画するリニア中央新幹線。超強力な電動磁石で車体を10センチ浮上させ、時速500キロで、2027年に品川駅から名古屋駅までを40分で、 '45年には新大阪駅までを67分で結ぶ。「夢の超特急」と期待する人は多い。

一方、計画沿線周辺の住民は「不安だ」と声をあげている。時速500キロの実現には直線走行が必要なため、名古屋までの286キロのうち86%は地下トンネルだ。

その長大なトンネル工事で発生する膨大な残土を運ぶダンプカーが地域を10年間も走ること、地下水脈を断ち切ることでの水枯れ、ウランを掘り出す可能性。そして事故対策の不備。だが、いずれの問題にもJR東海は「影響は小さい」「今後検討する」と公表するだけで今年、いよいよ本格着工するかもしれない。

■乗客まかせの安全管理と対策

「お客さま同士で助け合っていただきます」

JR
東海のこの回答に、会場からため息が漏れた。

市民団体『リニア新幹線沿線住民ネットワーク』の天野捷一共同代表は、リニアが抱える問題のひとつとして安全対策の不備を訴える。

「例えば、長大な地下トンネルでリニアが緊急停止する。このとき、全車両1000人の乗客を数人の乗務員でどう避難誘導するかまったくわからないんです」

JR
東海のホームページを見ると、都市部ではトンネルを円形に掘りその下半分を避難路とする。また、ルート沿いには平均5キロ間隔で枝道状に非常口が建設され、都市部の非常口にはエレベーターが設置される。だが、山間部ではどう避難誘導されるのか。これをある住民説明会で問われたとき、JR東海の回答が冒頭に書いたことだ。

こんな事故があった。'1543日、北海道と青森県を結ぶ青函トンネルで、6両編成の特急のモーター付近から煙が発生し、列車は旧竜飛海底駅から1キロ先で緊急停車した。

幸い、青函トンネルには避難専用路があり、同駅には地上へのケーブルカーが設置されていた。この好条件でも、5人の乗務員が124人の乗客を避難させるのに6時間弱もかかったのだ。

「リニアの場合、山間部にはケーブルカーもエレベーターもない。高齢者も子どもも障がい者も、暗い地下を何キロも歩くしかない。やっと地上に出ても、そこは真冬の山岳地帯かもしれない。どう安全誘導するのでしょう」(天野さん)

確かに「客同士の助け合い」は必要だ。だが私たちが知りたいのは、それを前提にするのではなく、脱出が容易な地上走行が極めて少ない本計画での具体的な避難方法だ。ホームページには山間部での避難には保守用通路を使うと書いてあるだけで、防寒具や食料の装備、災害弱者への移動補助などの言及がない。

■リニアのルートと交差する日本最長の断層

また天野さんが疑問に思うのは「リニアは地震に強いのか」ということだ。

調べてみると、'11414日に国土交通省での有識者による『鉄道部会・中央新幹線小委員会』でのリニアの耐震議論は劣悪だった。

 

審議時間わずか15分。リニアは、側壁と車体との間で、電磁力の互いに引き合う力・反発する力の作用で浮上と推進をする。地震時も、その磁力バネの特性で車体は側壁に衝突しない……との理由で、耐震性にお墨つきを与えていた。

「リニアが通過する南アルプスはふだんでも地滑りを起こし、地震で大崩壊する可能性がある。東日本大震災の翌月の議論とは思えません」(天野さん)

ちなみに、4月の熊本地震の震源は日本最長の断層『中央構造線』だが、この断層は長野県にまで及び、リニアのルートと交差する。天野さんは「熊本の断層地震を教訓とし、リニア計画を見直すべき」と主張する。

■ウラン被ばくに電磁波のリスクも

岐阜県で恐れられているのは、リニア工事でウランが掘り出されないかである。

ウランは、原子が崩壊しながらいろいろな放射性物質に姿を変えるが、危険なのは、肺がんを引き起こす気体の放射性物質ラドンだ。実際に1960年代、岡山県と鳥取県にまたがる人形峠でのウラン採掘では多くの労働者が亡くなった。

岐阜県東濃地区は日本最大のウラン鉱床地帯だ。リニアはその地下を走る。そこにウランはないのか。この不安から216日、市民団体『春日井リニアを問う会』の川本正彦代表が現地で放射線測定を実施した。

まず向かったのはリニアルートの“品川駅から245キロ地点”。ここで放射線測定器をセットすると、その最高値に参加者は「おおっ」と声を上げた。

 

毎時0.341マイクロシーベルト。

全国平均の約8倍だ。さらに驚いたのが、同地点の34キロ南、過去にウラン採掘を行った月吉鉱床の数地点で測定したら、値がいずれも0.3マイクロシーベルト以下だった。リニアルートのほうが高い。

JR東海は、リニアルートはウラン鉱床を回避していると明言します。根拠は、『動力炉・核燃料開発事業団』(現・日本原子力研究開発機構。以下、機構)'88年に出した『日本のウラン資源』という文献だけ。今回の結果は私たちの不安を裏づけました」
私は、東濃地区でボーリング調査を行っていた機構の一組織、東濃地科学センター(岐阜県瑞浪市)に、東濃でのウランの存在はすべて把握しているかと尋ねたことがある。以下の回答を得た。

「地下がどんな地層かは掘ってみなければわかりません」

トンネル工事で防護マスクの隙間からラドンを吸い込む作業員が数年後に肺がんを発病。排出されたウラン残土からは降雨のたびにウランが周辺土壌に拡散。この最悪のシミュレーションは非現実的だろうか。

■膨大な残土を運ぶダンプカーが1分間に3台ペースで10年間も走り回る

リニアは、'97年から操業している山梨県のリニア実験線(42.8キロ)が営業本線も兼ねるため、実質的に7分の1は完成している。この実験線は、さまざまな問題を引き起こしてきた。

実験線でも8割以上が地下トンネルだが、トンネル工事は各地の地下水脈を断ち切り、集落の簡易水道の水源である沢や川を枯らした。

 

例えば上野原市の“棚の入沢”は、かつてはヤマメやイワナの宝庫だったが、今は1滴の水も流れない草原と化した。また、トンネル工事で排出された残土は大きな谷を埋め立てた。

問題は、今後の工事で約5700万立方メートルという東京ドーム約50個分もの膨大な残土が排出されるが、それだけの残土を運ぶためのダンプカーが都会でも集落でも朝から晩まで10年間も走り回ることだ。

特に長野県大鹿村では1日最大1736台もの工事用車両が村を走ると予測されている。1分間に3台ペースの車列からは排気ガス、泥はね、土ぼこり、騒音、振動が絶えず、母親たちは子どもの交通事故を心配する。

だが、JR東海は「騒音予測は69デシベル。基準の70デシベルを下回っています」と回答。これに憤る住民は少なくない。

100万ボルトの超高圧線が自宅近くを通るとしたら

さらにリニアは沿線住民だけの問題ではない。リニアを動かすための高圧線が「どこか」を通るからだ。

リニアは従来の新幹線の3倍以上の電力を消費するが、実験線での電源は東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)。そこから実験線近くの変電所まで、日本初の50万ボルト(設計は100万ボルト)という超高圧電流が送られた。

100
万ボルトの超高圧線の場合、200メートル離れても磁界値は4ミリガウスを示すというが、その値は電磁波を疫学研究した国立環境研究所の故・兜真徳研究員が「小児白血病の発病率が2.73倍、小児脳腫瘍は10.6倍になる」と結論づけた数値だ。

 

この研究はWHO(世界保健機関)でも高い評価を得た。

日本にも経済制裁? 米為替「新ルール」の中身

 

PRESIDENTOnline  2016530()

 

■日本が「監視リスト」入りした意味

ゴールデンウィーク突入直前の429日(米国時間)、米財務省から半年に1回の為替報告書(FOREIGN EXCHANGE POLICIES OF MAJOR TRADINGPARTNERS OF THE UNITED STATES が公表された。筆者がかつて外国為替市場で実際に取引をしていた時には、必読の報告書だった。というのも、最新のデータを織り込んで、各国の為替政策のスタンスに対する米国の見解が端的に把握できるからだ。

以前は、公表となると国内の主要メディア等でもそれなりに取り沙汰されていた記憶がある。ところがここ数年、その内容がアベノミクスに対してかなり否定的となってくるに連れ、国内での報道の頻度が下がってきた感は否めない。さすがに日本が「監視リスト」入りしたことで、いかに都合が悪くとも今度ばかりは無視できなかったのだろう。

米財務省は各国の為替政策が公正か否かを客観的に判断するため、今年2月にオバマ大統領が署名、成立した「貿易促進法2015」を元に、貿易収支・経常収支・為替介入の3つの項目からなる新基準を採用した。すべて抵触すればスリー・ストライクとなり「為替操作国」と認定される。

となれば米国からの制裁措置をも視野に入れる必要に迫られるのだが、この度の報告書で該当国なし。今回「監視リスト」入りした中国、日本、韓国、台湾、ドイツは3項目中2つに抵触してツー・アウトの状況だ。

 

報告書の概要はすでに各紙で伝えられている通りだが、それ以外の詳細部分について目を向けてみたい。

■常連中国に次いで2番目に日本が挙げられた

まず、報告書の公表は2016429日(現地時間)であり、ドル円の為替レートはすでに110円を割った水準だった。報告書は基本的には15年下半期から163月末時点までのデータを元に分析したものだが、この間のドル円レートと言えば125円台から110円台へと急激に円高方向へと動いた時期と重なる。今年1月に入って日銀のマイナス金利導入発表以降の急激な円高方向へのシフトも踏まえた上で、一連の動きに関して、

Japanese authorities characterized exchange ratemovements asquite roughand said that they continue to watch the foreign exchange marketwith a sense of tension,

and …… act appropriately if that becomes necessary.”(1718p

(日本当局は為替レートの動きは「かなり荒っぽい」と特徴づけ、「緊張感を持って相場を見続ける……必要になった場合の適切な行動をする。」と発言している)

と日本側の発言を引用した直後に

Treasury assesses that current conditions in thedollar-yen foreign exchange market are orderly,18p

(米財務省は現状のドル円の為替市場は秩序だっていると評価している)

と行き過ぎたドル高からの水準訂正を是認。

 

日本の当局の発言に釘を刺した形となっているのが象徴的でもある。

「監視リスト」入りした各国だが、報告書での掲載順にChina,Japan, Korea, Taiwan, and Germanyとなっている。最初の4カ国までを見ればアルファベット順かと思うのだが、最後にドイツが登場するため、別の思惑があっての列挙というのがわかる。中国は過去十数年、経済制裁の対象となる「為替操作国」までになることはないにしても、寸前の段階であり、この報告書では毎回のように名指しされる言わば常連だ。というわけで、中国の名前が筆頭に挙がっても何ら驚くには値しないのだが、その中国に次いで2番目に登場したのが日本となれば、この位置関係をどう捉えるかで報告書の見方も変わってこよう。

日本経済に関する具体的な記述としては下記の評価が登場する。

Demand also remains weak in Japan, withconsumption especially hit hard following the April 2014 hike in theconsumption tax.3p

(日本の需要は弱いままであり、14 4月からの消費税増税以降、特に消費に打撃がある。)

■巨額の外貨準備が各国の内需を低迷させる

以前の寄稿(414日付)で各国の税制に関して直接口出しをすればそれは過剰な内政干渉にあたるとしたが、米財務省もご多分に漏れず、増税による日本経済の深刻な打撃については言及していても、増税見送りすべしといった踏み込んだ表現は避けている。

 

たとえ本音が日本の内需拡大に直結する減税であっても、だ。というのも、各国の国内需要の弱さは米国の経済成長の足手まといとなってきた、との文脈の中で上記の指摘がなされているからだ。

15年後半から163月末まではドル高・新興国通貨安が進んだ時期でもある。各国はそれに対応すべく、ドル売り・新興国通貨買い介入を実施したわけだが、ドル売りをする際には各国はそれぞれが保有するドルの外貨準備を取り崩し、そのドルを売った相対で自国通貨買いをすることになる。結果、各国の外準は著しく減少する。


今回の新基準の1つに設けられた為替介入の項目に関わることであるが、巨額の外貨準備の存在は各国の需要低迷の要因の1つと米財務省は考えている向きがある(この点については、今年3月に国際金融経済分析会合に招致されたスティグリッツ教授の「需要を縮小させる外貨準備の積み立ての必要性を減らす」べきとする資料なども参考になろう)。

本来、国内で循環すべき資金が外貨準備として自国外に滞留すれば(ドルの外貨準備なら米国債あるいはFRBの当座預金となる)、その分内需が低迷する。世界総需要のマイナス要因は所得格差と外貨準備高需要であることは「国連報告」でも指摘されており、外貨準備高を生きたお金として活用できるような資金循環をつくりだす必要性が問われている。

国際収支不均衡の結果としての外準の存在があり、外準の存在自体が問題というよりSDRのような活用方法が求められている現在、GDP28.7%と突出した外貨準備をすでに保有する日本が、漫然とドル買い為替介入を実施しさらに外貨を増やす⇒スリー・ストライクとなる行動はそもそも取りにくい。ちなみに、対GDP比における外貨準備の比率は中国30.8%、ユーロ圏2.1%、英国3.5%、カナダ4.5%となっている。

現状が果たして円高水準と言い切れるのか、目先のドル円レートの動きに惑わされることなく日本の実体経済や国際収支の不均衡を鑑みた上での適正なドル円レートについて考える際、今回の米財務省の新基準は1つの示唆ともなろう。

経済評論家・大阪経済大学客員教授 岩本沙弓=文

サミットで恥をかく安倍晋三、オバマの真似をする!

2016-05-28   simatyan2のブログ

伊勢志摩サミットは成果がなかった、というよりG7首脳各国が安倍首相の考えに賛同しない、恥をかくだけのサミットだったようです。
安倍首相が強引に、「リーマン・ショック前に似ている。 だから財政出動が必要」と持って行こうとしたのに対し、フランスのオランド大統領が「今は危機ではない」
との認識を示したほか、イギリスのキャメロン英首相が「危機とは言えない」と反論し、ドイツのメルケル首相も、カナダのトルドー首相も安倍首相には同調しなかったのです。

これを図とグラフにすると下のようになります。

ロンドン在住国際ジャーナリストの木村正人氏によると、
「そもそもヨーロッパで、アベノミクスはまったく評価されていません。英国は大胆な金融緩和と徹底した緊縮財政を実行し、ドイツはユーロ安などによって、経常収支も財政収支も黒字です。

それに較べて、経済が上向かない日本のことは、衰退していく先進国
とみなしているのです」
だそうですね。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48765?page=3

安倍首相のリーマンショック並みの危機という警告に、世界の首脳は誰も同意しなかった
World leaders disagree on Abe's Lehman shock scare warning
http://www.thetimes.co.uk/article/world-leaders-disagree-on-shinzo-abes-economic-gloom-wn5bqkjwk

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事 「世界経済は08年のような危機にはない」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL27HQK_X20C16A5000000/?dg=1

経済危機にはない、2008年は真の危機だった=フランス大統領
http://jp.reuters.com/article/hollande-idJPKCN0YI0QW?il=0

消費増税を延期するためにリーマンショック並みの危機的状況としたかった
http://www.bbc.com/news/business-36395963

つまり今回の伊勢志摩サミットをまとめると、
安倍首相「リーマンショック前に似てる」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS26H4M_W6A520C1MM8000

一部首脳が疑問視し宣言の文言を調整
http://this.kiji.is/108474571446273526

G7宣言「世界経済の回復は継続しているが、ばらつきがある」

http://www.fastpic.jp/images.php?file=9168960437.jpg

となります。

しかし、わが国の大本営発表一位のサンケイ新聞は、
「怯える習近平主席 G7が中国に鉄槌、AIIBにも打撃」
http://www.sankei.com/world/news/160527/wor1605270003-n1.html

というような北朝鮮丸出しの報道をしています。
また安倍晋三首相は首相で、オバマ大統領とそっくりなポーズを真似て上機嫌ですね。

国会で野党に突っ込まれた時は「経済は回復している」と主張しながら、サミットではリーマン級の低迷と言っている時点で論理破綻しています。
世界の中心で、アベノミクスをさ叫ぶも相手にされず、パナマ文書で1国だけ対処しない国となった日本。

今回はオバマ大統領の広島訪問だけで救われた安倍晋三でした。

伊勢志摩サミットが、一足飛びに安倍政権に晩秋をもたらす

2016.05.27 カレイドスコープ


    (画像のソース:官邸ホームページ)

このサミットを境に、日本のメディアの論調が大きく変わるはず。
日本の頭の破滅的に悪いマスコミ坊やたちも、欧米メディアの意思がよく分かったのではないだろうか。

「リーマンショック直前と同じ」で経済馬鹿をさらす安倍晋三と閣僚たち

2日間のG7伊勢志摩サミットが終わりました。
参加したG7首脳のうち、ファーストレディー同伴で参加したのは半分。もちろん、今回もオバマはミシェル夫人を本国に置いたままです。

これらの写真は、中国で縫製されたスーツを着せられたマネキンを並べて撮ったようなチープさが漂っています。

ここにズラリと並んでいるのは、西側の新世界秩序(NWO)の指導者たちですが、こうして眺めてみると、一般企業の課長クラスのサラリーマンと大差ないと感じてしまうのは私だけではないでしょう。どの“マネキン”も精彩を欠いています。

彼らには、政治リーダーとしての権限を与えられていません。それは、見せかけです。

彼らの背後には、それぞれ世界の真の超権力者、グローバル・エリートたちが控えており、それは同じ人々なのです。

ここには、東の世界秩序のプーチンや習近平はいません。これは、単なる西側NWOの同窓会です。

予想に反して地元からは大ブーイング。
それどころか、またまた大失態を演じてしまった日本のトップに、賢明な国民は、もはや成す術もなく下を向いて顔を赤らめるばかりです。

26日夕方、現地で行われた記者会見で、安倍首相は円卓を囲んでの世界経済を討議するセッションで、コモディティーの値動きを示したグラフを持ち出して、「2014年以降55%下落しており、リーマン・ショック直前と同じ様相を呈している」と、現在の世界経済が危機的状況にあるとの認識を示して各国首脳に同意を求めました。

その場にいた記者のうち、何人が、この微妙な空気感を感じ取ったでしょう。

安倍首相としては、日米の持つ危機感を欧州勢にも共有してほしかったと同時に、何より夏の参院選をにらんでの消費税・再増税延期の正当性をアピールすることが狙いだったわけですが、欧州勢は、いっせいに興ざめ。

さらに、この記者会見後、安倍首相は二度目の大失態をやらかして恥の上塗りをやってしまったのです。

記者団に向けて、「アベノミクス『三本の矢』を世界に展開する」と息巻いたのはいいが、外国人記者は、まさに“どっちらけ”。
さすがの安倍内閣のプロパガンダ新聞・産経も、それ以上、何も書けないとばかり、サラッと流して終わり。

この会見の後、「アベノミクスが失敗したことは、世界共通の認識になっている。いまさら、何を言いたいのでしょう」と、アメリカの主流メディアの外国人記者が放った辛口のコメントをそのまま放送する日本のテレビ局は、世界的に潮目が反転したことを悟ったのでしょう、少しはお利口さんになったようです。

さて、この状況を、どう分析しますか?

テレビ、新聞の報道からは何も分かりません。心の目で見ることです。

つまり、安倍首相は、IOCの総会で「アンダー・コントロール」と大嘘を言っただけでなく、今度もG7という晴れの舞台で世界中に大嘘をついてしまったのです。

もっとも、今度は「嘘を言わされてしまった」というのが正しい。

これには、若干の説明が必要です。

始まりは、今年3月に行われた国際金融経済分析会合にジョセフ・スティグリッツとポール・クルーグマンの二人のノーベル経済学賞を受賞した経済学者を呼んだことです。

安倍プロパガンダ新聞は、この二人が「来年4月の消費税増税を延期すべきであると提言した」と報じていますが、これは真っ赤な嘘です。

少なくとも、スティグリッツ教授は消費税問題には触れず、「(アベノミクスの間違いを認めて)アベノミクスを停止し、経済政策を180度転換することによって、次のG7サミットで主導権を取るべきである」と安倍首相と官邸の側近たちに強く進言したのです。

安倍官邸は、この時点ですでに、10%の消費税引き上げを延期する算段であったわけですが、それをすんなり表明してしまえば、2014年11月に「アベノミクス解散」と銘打って、消費増税先送りを延期した根拠が根底から崩れ去ってしまいます。

そうすれば、有権者をまたまた騙したことになってしまうので、安倍内閣の存在理由を喪失するどころか、存在そのものが「悪」とされてしまうからです。そのために、有権者の目をそらすために、二人の経済学者を利用しようとしたのです。

しかし、二人は、消費税より、むしろ「アベノミクスの失敗」について言及したのです。

マスコミの手のひら返しは、いつも見事です。
「幻の三本の矢」、続いて「新・三本の矢」については、今後、報道に力が入らないでしょう。アメリカの主流メディアの外国人記者が言ったように、最初から「存在しない」のですから。

つまり、安倍首相は、スティグリッツ教授の進言である「アベノミクスを撤回する」ことをしない代わりに、消費増税の再延期を選択したのです。
アベノミクスを撤回してしまえば、安倍政権の、それこそアイデンティティーを喪失してしまいかねないからです。

といって、先の衆院解散総選挙で国民に嘘を吐いたことが確定してしまうので、野党連合からは内閣不信任案を出されてしまいます。

自民党の国対は、野党が内閣不信任案を提出すれば、衆参同日選挙に打って出ると、準備不足の野党連合を脅していますが、それこそ、自民・公明の公党としての矜持を自ら捨て去る行為であって、今度こそ、自公は単なる「ならず者集団」に成り下がって国民から見捨てられるでしょう。

第一、この状況で衆院も解散するとなれば、自公は大幅に議席を減らすことが明らかですから、あえて破滅的なリスクを冒す理由がないのです。これは、自公のタチの悪い恫喝です。

いよいよ、大嘘連発によって自らを窮地に追い込んでしまった安倍内閣が取った最後の手段が、「リーマン前に似ている」です。

サミット討議で首相「リーマンショック前と似た状況」

しかし、これほどの致命的な舌禍はないでしょう。海外メディアは非難轟々です。

というのは、安倍首相は、またまた大嘘を吐いただけでなく、自身が本物の馬鹿であることを世界中に晒してしまったのです。

チャートから分かるように、WTI原油先物指数も、銅先物も、大豆先物も、金価格と銀価格以外は、すべてリーマンショックと同時か、その直後から暴落しているのです。

リーマン前に兆候が表れていたら、あれほど大きな経済災害は起きなかったのです。経済のいろはも知らない、ということを世界中に宣伝しているようなものなのです。そんな首相が、いくらアベノミクスといったところで、新たな投資資金を呼び込めますか? ということ。安倍首相は自爆してしまったのです。

ただし、と銀が経済崩壊に強いというのは、今度も証明されました。

安倍晋三より数段頭のキレる他のG7首脳の前で、とんでもない醜態を平気で晒すことができるのは、安倍晋三という人間が破滅的に頭が悪いからだけでなく、彼の側近が安倍に恥をかかせて、この政権を終わらせようと画策していることを示しています。

安倍首相は、ポール・クルーグマン教授からの内々の提言によって、世界金融恐慌を防ぐためにドイツのメルケルに財政出動するよう促して欧州を救うよう進言してきましたが、当のメルケルは、どこふく風。ドイツは財政出動などしません。

今度のG7で、それがはっきり出てしまったのです。
安倍・オバマ・無理心中グループと、ポーカーフェイスの欧州勢。

【日・米】と【欧州】の二極のうち、【日・米】の経済指標を見れば明らかにバブル崩壊前夜であることは確実なことですが、彼らグローバル・エリートからあてがわれた、つるしのスーツを着せられたマネキンたちの狙いは、世界の経済を崩壊させて、新世界秩序を打ち立てることなのですから、本音で語るはずがないのです。

一人馬鹿をやらされて、ひとり日本を破滅に追いやる安倍晋三という人が、これほど哀れに見えたことはないのです。

それでも馬鹿は馬鹿なりに、ずる賢さは天下一品!
「消費増税を断行するかどうかは、夏の参院選までに明確にする」と言いながら、この男の命令に屈した年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による無謀な年金資金の運用によって、私たちの年金が破壊されてしまったのです。

その莫大な損失額を選挙前に公表すれば、自公の大敗は確定的になるので、選挙が終わった7月29日までは発表しないと言っています。

この男は、政治家などトンデモ、もはや人間失格です。

それでも、安倍擁護に必死な寿司トモ・田崎史郎、報道ステーションで沖縄で起こった女性殺人事件を日米同盟にとってブレーキになる、と恥ずかしげもなく言った愚劣な後藤謙次、この事件を「最悪のタイミングで起きた」と冷酷な視線を投げかけた岡本行夫ら、人間のクズたちも、間もなくこの国から駆逐される日がやってくるでしょう。

それが安倍晋三の御本尊、CFRの“ご意思”だからですよ。安倍晋三は、箸にも棒にもかからない・・・

NYタイムズが「安倍は広島の平和の教訓に反している」、ガーディアンは「安倍がオバマ訪問を右翼的に利用」と本質喝破

2016.05.29. オバマ訪広でNYTが安倍の右翼性批判 リテラ

オバマ大統領の広島訪問で、米大統領による初の被爆地訪問を達成させたと、安倍首相は鼻高々のようだ。そして、メディアや世論にも「安倍首相はよくやった」という空気が広がっている。
 
だが、欧米のメディアはまったくちがう反応を見せている。といっても、ナショナリスティックな立場からオバマの訪問そのものを否定しているわけではない。彼らが問題にしているのは、そうではなく、日本のリーダーのほう。安倍首相がこのオバマ訪問とまったく逆の本質をもっていると指摘しているのだ。

たとえば米紙「ニューヨーク・タイムズ」(電子版)は5月26日付で、「日本のリーダーは広島の平和の教訓をほとんど活かすつもりがない」(Japan’s Leader Has Little Use for Hiroshima’s Lessons of Pacifism)という見出しで報じた。
 
記事では、戦後日本が憲法9条と日米同盟のもとで平和主義をとってきたと述べ、独自の軍隊をもち国際的により大きな役割を担う「普通の国」に変えようという安倍首相の路線は、原爆ドームに象徴されるメッセージ、すなわち、広島の慰霊碑の石碑に刻まれた「過ちは繰返しませぬから」の言葉に反している、と伝えられている。
 
また、安倍首相が強行した安保法制や、武器輸出の推進に触れて、こうした日本の変化はオバマ政権からは歓迎されたが、同時に、安倍首相の動静はいまだ日本による占領や植民地支配の記憶が生々しく残るアジア諸国、とりわけ中国に不安をもたらしてきた、と記す。
 
つまり、ニューヨーク・タイムズは、オバマの広島訪問をコーディネートしたと自慢げになっている安倍首相の政治的方針は、実のところ平和憲法の根幹である9条を形骸化し、また明らかな軍事的増長を見せていることに懸念を示しているのだ。そして、そのなかで最も強い安倍批判と言えるのが、記事の最後を、市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」共同代表である森瀧春子氏によるコメントで締めていることだ。森瀧春子氏の父親の故・市郎氏は広島で被爆し右目を失明、戦後、核廃絶と平和活動に従事してきた。
 
春子氏は、オバマ大統領の広島訪問を受け入れつつも、原爆投下は誤りだったと言ってほしいとニューヨーク・タイムズに語る。そして、最も残念なのは、オバマの訪広で安倍首相までもが脚光を浴びて、広島の物語る歴史の教訓が蝕まれてしまうことだと言う。

「私はオバマ大統領には会いたい。けれども、その隣に安倍首相が立つ姿を見たくはない。広島の記憶を、利用してほしくはないのです」
 
日本を文字通りの“戦争のできる国”に変えようと躍起になっている安倍首相が、ヒロシマを政治利用している。ニューヨーク・タイムズの記事は、そのことを強く印象付けるものだ。
 
このように安倍政権の本質を伝える海外メディアは、ニューヨーク・タイムズだけではない。英紙「ガーディアン」もまた手厳しい。
 
5月27日付電子版では、ロンドン大学SOAS・ジャパンリサーチセンターのシニアフェローであるマーティン・スミス氏が英報道局「Sky News」に語ったコメントを引用し、「オバマが謝罪しなかったことは、安倍政権の右翼志向を推し進めるのに利用されるでしょう。そして、むしろ東アジアでの日本の軍事的役割を強化し、1930年代から40年代に起こったことを忘却したい、いや、否定したいと思っている支配者層を後押しことになるのでないか」と指摘している。
 
また、前大阪市長の橋下徹氏が、今月12日にこうツイートしたことも批判的に紹介している。

〈今回のオバマ大統領の広島訪問の最大の効果は、今後日本が中国・韓国に対して謝罪をしなくてもよくなること。過去の戦争について謝罪は不要。これをアメリカが示す。朝日や毎日その一派の自称インテリはもう終わり。安倍首相の大勝利だね〉
 
オバマ大統領は原爆投下という自国の行為に謝罪をしておらず、そこは厳しく批判されるべきだが、一方で、被爆地を訪れ、被爆者の目をまっすぐ見て、その言葉に真剣に耳を澄まし、抱擁した。
 
本当なら、安倍首相もこの姿勢にならい、ナヌムの家や、南京大虐殺記念館を訪ね、戦争根絶のために過去の教訓を学ぶと宣言すべきだろう。
 
ところが、平和憲法を破壊しようと企む安倍政権と、改憲勢力として足並みをそろえる橋下氏のおおさか維新の会はそれを、グロテスクな歴史修正主義、戦争国家づくりに利用しようとしている。
 
そして、欧米メディアはこれを見抜いて、率直に報じているのだ。これは「安倍首相はよくやった」との声で溢れかえっている日本国内とは対照的だ。
 
この国は被爆国であると同時に、侵略国家だ。だからこそ、世界に向け、声を大にして戦争反対を発信し続けなければならない。戦前・戦中日本の無謬性を主張し続け、戦後日本の非戦の誓いを骨抜きにし、憲法や非核三原則をひっくり返そうとしている安倍政権に騙されてはならない。

首相の指南役 浜田教授がGPIF株投資「大損」の仰天発言

2016年1月19日 日刊ゲンダイ

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アベノミクスの“生みの親”浜田宏一名誉教授までも…(C)日刊ゲンダイ

アベノミクスの“生みの親”とされる浜田宏一・米エール大名誉教授の仰天発言に激震が走っている。浜田教授はテレビ番組で、公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が資産構成を見直し、国内株などの投資比率を引き上げたことに対し、年金資産が“大損”する可能性を認めたのだ。

発言が飛び出したのは、16日のTBS「報道特集」。6日連続で下落した日経平均株価の異常事態を受け、GPIFの損失リスクに対する感想を問われた浜田教授はこう言い放った。

〈(国民を)教育しなければいけなかった。損をするんですよ、これだけ儲けるんだから(と)〉

〈損をするんですよと(国民に)言っておけと、僕はいろんな人に言いました〉

浜田教授といえば、安倍政権の内閣官房参与として、アベノミクスなどの経済政策を助言してきた中心人物だ。改憲しか頭にない経済オンチの安倍首相の指南役と言ってもいい。その浜田教授がGPIFの運用構成見直しについて〈損する〉とハッキリ認識し、さらに〈損をすると言っておけ〉と忠告していたというのだ。そして、浜田教授はこう続けていた。

〈でも(政府側は)それはとてもおっかなくて、そういうことは言えないと〉

つまり、浜田教授が「ハイリスク・ハイリターン」について国民に説明しろ、と指摘していたにもかかわらず、安倍政権は頬かむりしたワケだ。安倍首相は12日の衆院予算委で、株価下落に伴うGPIFの影響について「年金財政上、必要な年金積立金を下回るリスクは少なくなった」なんて強弁していたが、国民を愚弄するにもホドがある。

GPIFは2015年7~9月期に年金資産を約8兆円もパーにしている。年明けから続く足元の株安傾向に歯止めがかからなければ、損失規模は膨らむ一方だ。経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言う。

「竹中平蔵氏が『トリクルダウンは起きない』と発言したことにも驚きましたが、浜田教授の発言も他人事のよう。そろってアベノミクスの旗振り役を担ってきた中心人物じゃないですか。そのアベノミクスは破綻したと言っていい。その責任はどうなったのでしょうか。難破船から我先に逃げ出すような無責任な発言にはガッカリします」

 地獄の釜の中を見るような日が迫っている。

日本人は知らない原爆投下の真実
 
広島・長崎の悲劇は繰り返されてはならない。一瞬にして数十万の命を奪い、また生き残った人達もその後凄惨な人生を送ることとなった行為は正当化されるものではない。
 

「繰り返されてはならない」であって「繰り返してはならない」ではない。
日本人の発言としては「繰り返されてはならない」が適切であると思うがいかがだろうか。

 
戦争をおこさない、あるいは参戦しない、ということに関しては「繰り返してはならない」という強い決意に同意だ。しかしながら広島・長崎の被爆は、日本が第二次世界大戦に参戦したから引き起こされた悲劇ではない。参戦したから原爆を落とされたという因果応報的な自虐史観はいかがなものかと思う。
 
日本には元々第二次世界大戦を戦い抜く力はなく早く終戦させたかった。戦争を終結させるために原爆投下は必要ではなかったことは明らかだった。
 

終戦後、GHQ占領の元でアメリカのためだけの資本主義、民主主義教育体制が構築され日本人は自虐史観を持つよう洗脳されてきた。勝てば官軍、負ければ賊軍。勝ったアメリカが正で、負けた日本は悪なのか?

欧米諸国の侵略・略奪植民地主義から日本やアジア諸国を守ろうとし命を落としていった先祖達は悪で、原爆を落としたアメリカが正義なのか!アメリカに押し付けられた価値観ではなく、日本人は自らの文化、歴史に誇りを持って良いと思う。
 
今、世界で戦争や紛争が起こると「人道的」という言葉がよく使われる。「人道的」とは人が人としてどうあるべきかを問う言葉だと思う。人が人であるならば、「人道的」という概念は太古の昔から変わっていないはずだが、どうやらこの言葉は欧米諸国の都合によって使い分けられているようだ。日本人はもちろん人間なのだが、欧米の一部のものたちはそうは思っていない。人間以下の動物と思っているわけだから、人道的という概念も日本人に対しては適用されないというわけだ。
 
アメリカは自国民に対しプルトニウムを投与するという人体実験を国家プロジェクトとして行っていた国である。人間以下の日本人を原爆の実験台にすることに何のためらいもなかったのだ。
 
最新の調査によると、アメリカ政府は1943年5月という早い時点で「対日投下」を決定し、原爆使用を来たるべき戦後の原子力開発競争において、アメリカがとりわけソ連に対していかに優位を確保していくかを中心に議論していたことが判明している。
 

大戦中、アメリカとソ連は同じ陣営に属してはいたが、戦後の世界再建に向けてにらみ合っていた。ともに増大する軍事的脅威に危機感を感じ取っていた。ソ連はヨーロッパ戦線でベルリンを陥落し、東ヨーロッパの大部分を手中に収めるにまで至っており、アメリカと対等の席につくはずであった。ところが、原子爆弾という切り札によってソ連の優位は崩れ、アメリカに交渉のイニシアティブを握られてしまったのである。
原子爆弾は「対ソ外交」を有利に運ぶ上で、効果的な材料だったのである。


「マンハッタン計画」に携わったユダヤ人科学者の中で、もっとも反日強硬派だったのはフォン・ノイマンだろう。彼は日本人を蔑視し、京都を原爆の最初の血祭りにあげるべきだと主張。京都が日本国民にとって深い文化的意義をもっていたというまさにその理由によって、京都の破壊を求めていたのである。

 
しかし、ヘンリー・スチムソン陸軍長官の反対によって、京都は原爆のターゲットから外された。彼は、京都の代わりに長崎の追加を指示したのである(1945年7月22日)。
 
一般に、この時にスチムソンが京都を原爆のターゲットから外した理由として、「スチムソンは京都が歴史のある都市であることを理解していたから」という美談で語られる場合があるが、だまされてはいけない。この美談は、戦後、GHQがお涙頂戴好きの日本人を洗脳する為に、意図的に流したニセ情報である。
 
アメリカ軍部の一部は京都を原爆投下目標とすることを諦めず、空襲を実施しなかった。原爆投下後に原爆の影響を正確に把握するため、空襲が禁止されていたのである。京都が最後まで空襲されなかったのは、原爆投下の前に日本が降伏したからにすぎない。
 
スチムソン以外にも、「京都を戦果から救った恩人」と言われるアメリカ人が何人かいるが、すべて何の根拠もない流言に過ぎないのだ。詳しくは吉田守男著『日本の古都はなぜ空襲を免れたか』(朝日文庫)を読んで欲しい。当時のアメリカ政府は、日本の文化遺産を根こそぎ破壊することに、なんのためらいもなかったのである。


ところで、「マンハッタン計画」をスタートさせたフランクリン・ルーズベルト大統領は、日本人を劣等人種として激しく差別していたことで知られている。一般のアメリカ人の間にも、日本人に対する人種差別意識が蔓延していた。

 

当時のアメリカの雑誌にはこう書かれていた。
「アメリカ人はドイツ人を憎むことを学ばなければならないが、日本人に対しては憎しみが自然と湧いてくる。これはかつてインディアンたちと戦ったときと同様に自然なものだ。」「普通の日本人は知性が低く、無知である。たぶん人間なのだろうが、人間であることを示すような点はどこにもない。」

 

当時、トマス・ブレーミー将軍も、こう演説していた。
「諸君らが闘っているのは奇妙な人種である。人間と猿の中間にあると言っていい。文明存続のために我々は最後まで戦いぬかねばならない。日本人を根絶しなければならない!」

 
ところで、「強制収容所」といえば、真っ先にナチスを思い浮かべる人は多いと思うが、第二次世界大戦中、自由と民主主義の国、アメリカ合衆国にも「強制収容所」があった。それも日本人と日系人専用のもので、約12万人もの民間人が財産と市民権を奪われて、カリフォルニア州からルイジアナ州までに広がる10数ヶ所の強制収容所に収容されたのである。
 
このアメリカの日系人に対する強制収容政策の裏には、白人の有色人種に対する人種的偏見や差別意識があったことは明らかである。(この時期、同じ敵国であったドイツ系・イタリア系のアメリカ人は「お構いなし」の状態だった)。
 
この日系人強制収容政策の最高責任者は、前出のヘンリー・スチムソン陸軍長官である。彼は太平洋戦争と原爆を語る上で、非常に重要な人物だ。
 
彼は、セオドア・ルーズベルト大統領の時代に政権に入り、以後、1950年に死ぬまで、7人のアメリカ大統領に仕えたことで知られている。第二次世界大戦中は、「マンハッタン計画」の最高責任者を務め、広島と長崎への原爆使用を決定した。
 
それ以前に、彼は、ロンドン海軍軍縮会議においてアメリカ代表団議長として、また、フーバー政権の国務長官として、日本海軍力の制限のために中心的に働いた。さらに、フランクリン・ルーズベルト政権においては、経済封鎖によって日本を窮地に追い込み、真珠湾攻撃へと駆り立て、ついに、アメリカを太平洋戦争に参加させた張本人である。
 
ルーズベルト大統領が急死すると、彼はトルーマン大統領の背後で、実質的にアメリカの戦争を指揮した。(トルーマンはスチムソンを全面的に信頼した)。
 
戦争が終わると、スチムソンは、原爆投下に対する批判を抑えるために、「原爆投下によって、戦争を早く終わらせ、100万人のアメリカ兵の生命が救われた」と発言(1947年2月)。これが原爆使用正当化の定説となった。(「原爆神話」の誕生)。


一般のアメリカ人に、なぜアメリカが広島と長崎に原爆を落としたのかを尋ねれば、たいていの人はこう答えるであろう。「アメリカ軍の日本上陸により、多くの犠牲者を出すことを避けるためであった。原爆を落とさなければもっと大きな悲劇を生んでいたであろう」と。

 
しかし、この言説を鵜呑みにしてはならない。「当時、原爆投下以外にも日本への本土上陸を阻止する方法があったことは識者の間ではすでに常識となっており、トルーマンも彼の顧問もそれを知っていた」という事実があるからである。これは、アメリカ原子力規制委員会の主任歴史家であるサミュエル・ウォーカーの言葉である。
 
1946年実施の戦略投爆調査の結論も、「原爆が投下されなくても、またソ連が宣戦布告しなかったとしても、さらには日本上陸を考えなくとも、1945年12月31日までには確実に、そしておそらく1945年11月1日までには、日本は降伏していたであろう」として、先の歴史家サミュエル・ウォーカーと同じ結論を示している。
 
1989年に公開された、陸軍省諜報部による1946年の最高機密調査では、「日本の降伏に原爆はほとんど関係がなかった」という大胆な結論が出されている。そして第二次世界大戦終結の決定的要因はソ連の宣戦布告であったとされ、アメリカの大規模な日本侵略が行なわれることはなかったであろうと記されている。
 
つまり、「日本を降伏に追い込んだのは、原爆の使用ではなく、ソ連の参戦であるといっても過言ではない」というのが同調査の結論であった。また、スタンフォード大学の歴史家バートン・バーンスタイン教授によれば、統合参謀本部の諮問グループ、統合戦争計画委員会は当時、ソ連が宣戦布告しない場合でも、九州への上陸だけで戦争を終結できるであろうと結論づけていたのだ。
 
ヨーロッパのアメリカ軍司令官アイゼンハワー将軍は、スチムソン陸軍長官から計画を報告された時のことをこう記している。
 
「彼の報告を聞いているうちに、暗い気持ちになった。私は彼に深い不安を伝えた。まず、日本はすでに敗北しており、原爆は全く必要ないということ、次にアメリカ人の命を救う手段として、もはや不要ともいえる兵器を使用することで国際世論に衝撃を与えることは避けるべきだと伝えた。」
 
アイゼンハワーの見解は「日本はできる限り体面を損なわない降伏の方法を模索している。恐ろしい兵器で日本に打撃を与える必要はもはやない」というものであったのだ。
 
現在では、原爆は恐らく戦争を長引かせ、アメリカ兵の命を救うどころか、奪ったと信じる歴史家もいる。なぜなら、国務次官ジョセフ・グルーは、1945年5月には降伏条件を変えるだけで戦争は終結すると大統領に進言しており、また大統領は原爆が完成するまで明らかにそれを引き延ばしたからである。
 
タフツ大学の歴史家マーティン・シャーウィンは、「トルーマン大統領がジョセフ・グルーの助言を受けていれば、アメリカ兵、日本人の犠牲者の数は大幅に削減されたことであろう」と語っている。
 
スチムソン陸軍長官もまた後になって、「歴史の中で、アメリカは降伏の条件を延期したことによって戦争を長引かせた」としている。
 
結局、アメリカ政府が日本に対して原爆を使用したのは、先に触れたように、戦争を早期に終結させるためではなく、戦後の対ソ外交を有利に運ぶ上で、効果的な材料だったためである。
 
アメリカ政府は1943年5月という早い時点で「対日投下」を決定し、原爆使用を来たるべき戦後の原子力開発競争において、アメリカがとりわけソ連に対していかに優位を確保していくかを中心に議論していたのだ。
 
大戦末期、米軍幹部の間では、原爆を投下しなくてもいずれ日本は力尽きるという予想が大勢をしめていた。しかし、トルーマン大統領は、ソ連の対日参戦で日本が降伏する前に、原爆という圧倒的なインパクトのある兵器を投入することで、日本にとどめを刺したのはソ連ではなく原爆、というイメージを全世界に与えようとしたのだ。


「原爆ホロコースト」に重大な責任がある人物を挙げるなら、その筆頭は、直接ゴーサインを出したトルーマン大統領だろう。「原爆の誕生」自体は、当時の「原子物理学」発展の流れにおいて避けられなかったとしても、原爆の「実戦使用」に関しては、彼個人の「政治的な判断」で避けようと思えば避けられたのだ。(原爆は作った人よりも使う人に問題があると思う)。

 
しかし彼は、原爆を使わずに戦争を終わらせるなどとは考えもしなかった。彼は誕生したばかりの超兵器=原爆を使用したくてたまらなかった。人間のいない荒野で爆発させるのではなく、人間が密集する大都市の上で爆発させて、その破壊力を試してみたい気持ちに駆られていたのだ。人体実験をしたかったのだ。
 

彼は日本から提示された降伏条件をはねつけ、日本への原爆投下を命じた。しかも無警告で。2発も。そうしたうえでその降伏条件を認めたのだった。彼は自分の行動を正当化するために、「原爆投下により100万のアメリカ兵の生命が救われた」とする「原爆神話」を積極的に広めた張本人でもある。

「原爆ホロコースト」の実態より


広島大学の名誉教授である芝田進午氏は、原爆の対日使用は「人体実験」だったとして、1994年に次のように述べている。

 
「広島・長崎への原爆攻撃の目的は何だったのか。1つには戦後世界でのアメリカの覇権確立である。そしてもう1つは、原爆の効果を知るための無数の人間への『人体実験』である。
だからこそ、占領後にアメリカ軍が行なったことは、
第1に、原爆の惨状についての報道を禁止し、『人体実験』についての情報を独占することだった。
 
第2に、史上前例のない火傷、放射能障害の治療方法を必死に工夫していた広島・長崎の医者たちに治療方法の発表と交流を禁止するとともに、死没被爆者のケロイドの皮膚や臓器や生存被爆者の血液やカルテを没収することだった。
 
第3に、日本政府をして国際赤十字からの医薬品の支援申し出を拒否させることだった。たしかに、『実験動物』を治療するのでは『実験』にならない。そこでアメリカ軍は全力を尽くして被爆治療を妨害したのである。
 
第4に、被爆者を『治療』せず『実験動物』のように観察するABCC(原爆障害調査委員会と訳されたアメリカ軍施設)を広島・長崎に設置することであった。加害者が被害者を観察するというその目的自体が被爆者への人権蹂躙ではなかったか。」


広島で女学生(14歳)のときに原爆にあい、現在も原爆後遺症で苦しむ詩人の橋爪文さんは、「ABCC」(原爆傷害調査委員会と訳されたアメリカ軍施設)について、次のような恐ろしい事実を述べている。まさにアメリカがやったことは、「人体実験」だったといえよう。

 
「私は広島の生き残りのひとりです。 〈中略〉 ここで、ひとつ触れたいことは『ABCC』についてです。これは日本でもほとんど知らされていないことですが、戦後広島に進駐してきたアメリカは、すぐに、死の街広島を一望のもとに見下ろす丘の上に『原爆傷害調査委員会』(通称ABCC)を設置して放射能の影響調査に乗り出しました。そして地を這って生きている私たち生存者を連行し、私たちの身体からなけなしの血液を採り、傷やケロイドの写真、成長期の子どもたちの乳房や体毛の発育状態、また、被爆者が死亡するとその臓器の摘出など、さまざまな調査、記録を行ないました。
 
その際私たちは人間としてではなく、単なる調査研究用の物体として扱われました。治療は全く受けませんでした。そればかりでなく、アメリカはそれら調査、記録を独占するために、外部からの広島、長崎への入市を禁止し、国際的支援も妨害し、一切の原爆報道を禁止しました。日本政府もそれに協力しました。こうして私たちは内外から隔離された状態の下で、何の援護も受けず放置され、放射能被害の実験対象として調査、監視、記録をされたのでした。
 
しかもそれは戦争が終わった後で行なわれた事実なのです。私たちは焼け跡の草をむしり、雨水を飲んで飢えをしのぎ、傷は自然治癒にまかせるほかありませんでした。あれから50年、『ABCC』は現在、日米共同の『放射線影響研究所』となっていますが、私たちはいまも追跡調査をされています。
 

このように原爆は人体実験であり、戦後のアメリカの利を確立するための暴挙だったにもかかわらず、原爆投下によって大戦が終結し、米日の多くの生命が救われたという大義名分にすりかえられました。このことによって核兵器の判断に大きな過ちが生じたと私は思っています。」

「原爆ホロコースト」の実態より


アメリカは人口の多い全国の64都市を戦略爆撃していることも忘れてはならない。
東京大空襲では一夜にして10万人以上の民間人が焼き殺された。広島・長崎は戦略爆撃、無差別空襲の極みとも言えよう。日本人はとてつもなく徹底的に、、、虐殺された。これを戦争犯罪と言わずして何と言うべきか。全ての犠牲者の御霊が安らかに眠らむことを願います。
 

 

歴史の大逆転<G7キリスト者首脳の伊勢神宮参拝><政教分離を放棄したG7首脳>

 
<本澤二郎の「日本の風景」(2368)
20160527日 「ジャーナリスト同盟」通信

G7キリスト者首脳の伊勢神宮参拝>
今回の伊勢志摩サミットは、中国叩き以外に目立った内容はなかったが、日本の極右・宗教イデオロギーから分析すると、多大な悪しき成果があった。そう、歴史の大逆転である。G7首脳は、日本を除くと、キリスト教徒らである。彼らをまんまと、戦争神社・伊勢神宮に参拝させることに成功した点にある。

<政教分離を放棄したG7首脳>

政教分離は、近代国家の基本原則である。かりそめにも、これに抵触することは許されない。明白な憲法違反である。
 

それを安倍・自公内閣は、見事に違反した。極右にとって、これほどの快挙はない。愚かなG7首脳であることを露呈したものだ。イソップ物語の世界が、5月26日に現出した。肝心の世界経済その他の懸案事項が山積みしてる中で、同日の午前中をかけて日程化、具体化した。欧米先進国首脳が、日本外交当局の用意した罠にはまったことになる。

<国家神道の本山>

筆者を含め国家神道に対する知識は不足しているが、戦前のあの過酷で、不自由な日本社会を律していたのが、国家神道である。国家神道を抜きに、日本の軍国主義も侵略戦争も想定できない。
 

それゆえに占領軍は、敗戦後の対日政策において、信教の自由を保障し、国家神道を廃止した。言及するまでもなく、伊勢神宮が、神である天皇の意思を体現して、侵略と植民地政策を推進・祈る本陣だった。
 

そこに安倍は、G7首脳を参拝させるために、何度も足を運んでいる。「あっぱれ!心臓」である。「いずれ田布施に心臓神社が建立されるかもしれない」といった冗談も聞こえてきそうだ。

<侵略戦争の司令塔>

歴史を知らない、歴史を学んでいない日本人は、筆者だけではあるまい。筆者は、10年ほど前に「橋のない川」(住井すゑ著)を読んだ。人権派弁護士の遠藤順子さんに薦められたものだ。
 

天皇制国家主義の時代を、小説の形式で見事にえぐった、戦後最高の文学作品でもある。日本の歴史や文学を研究するためには、必読の本であろう。異様な天皇制国家主義に反吐が出るだろうが、日本人は読まねばならない。
 

戦後でも、小説風にまとめないと表現できない日本に、驚かされたものだ。靖国だけではない。国家神道が、戦争遂行の震源地であった。伊勢神宮はその司令塔であった。そこへと日本政府は、総力を挙げて欧米の首脳を参拝させたのである。「日本は天皇中心の神の国」という異様な宗教イデオロギーを、世界に示したことなのだ。キリスト教も形無しであろう。

<神社本庁・日本会議は感涙!>

振り返って、国家神道から一つの宗教法人に格下げされ、神社本庁として生き延びた原始的宗教は、戦後も天皇家の宗教ゆえに存続してきた。しかし、復活することを放棄することはなかった。
 

自民党右翼勢力と連携して、勢力の温存と再興を期してきた。彼らは靖国に合祀されている戦死者の遺族をテコにして、靖国の国家護持運動を繰り広げた。しかし、まともな当時の野党と言論界が反対して成功しなかった。
 

いま安倍内閣が誕生すると、財閥を巻き込んで秘密結社・日本会議を本格的に浮上させて、国会議員から地方議員へと組織拡大、憲法破壊運動に率先して取り組んでいる。
 

その先頭に「田布施」の心臓を押し立てて、国政・外交権を壟断して突っ走っている。祭政一致の国家神道復活にかけている!その成果が今回のG7を悪用して、悪しき成果を挙げたことになる。感涙する日本会議・神社本庁であろう。

<次回は靖国サミット?>

伊勢で味をしめた右翼の中には「次回は靖国サミットだ」という冗談も飛び出しているという。問題は、政教分離違反・戦前回帰・歴史の大逆転を、真正面から報道できない新聞テレビにある。この3年ほど神社礼賛報道が、茶の間にがんがん入っていることに、気付いている日本人は少ない。
 

「たかが神社」と侮ってはならない。戦争には宗教がからむ。宗教を利用して殺し合いは行われている。心臓内閣の宗教利用は異常である。

<外務省工作資金に興味津々>

欧米のG7担当の官僚が、伊勢神宮を知らないはずはない。靖国と同列であることを知っている。それでいて、なぜ易々と訪問という名の神宮参拝を受け入れたのか。
 

ここでも買収が行われたはずである。東京五輪も金で買収した心臓内閣である。外務省の官房機密費では不足したであろう。せめて朝日や赤旗には指摘してもらいたかった。悔やまれる。

<潘基文・国連事務総長は回避>

さすがに、次期韓国大統領と名指しされている潘基文・国連事務総長は、わざと日本入国を遅らせて、神宮参拝を回避した。もし、のこのことG7首脳に歩調を合わせていれば、大統領の芽は消えてしまったろう。
 

愚民は亡ぶ!

2016年5月27日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
 

「原発広告」の欺瞞を元博報堂の営業マンが激白 『原発プロパガンダ』の著者・本間龍氏に聞く

2016
525日 週刊ダイヤモンド


5
14日、政府の原子力規制委員会によって廃炉も含めた運転主体の見直しを勧告されていた高速増殖炉「もんじゅ」(福井県)が、一転して存続される方針になったことが明らかになった。


未だ2011311日の東日本大震災に起因する東京電力福島第一原発の事故が収束していない中で、なぜ安倍晋三首相は原発の再稼働を急ぐのか。だが、その前にポスト福島原発の時代を生きる日本人が知っておくべき問題がある。

過去約40年間にわたって続けられてきた「原発広告」という産業界でも例を見ない特殊な世界だ。再稼働を見据えて2015年の夏頃から復活した原発広告とは何か。その歴史と構造的な諸問題に詳しい本間龍氏に話を聞いた。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部池冨 仁)


──
この4月下旬に出版した『原発プロパガンダ』は、東京や大阪などの大型書店の新書部門ランキングでベスト10に入るなど好調です。近年の出版業界では、「原発関連本は売れない」ということが定説になりつつありますが、今回、あえて新書という形態で出したことに理由はあるのですか。


やはり、手に取りやすい新書という形態で出すことにより、できるだけ多くの人に読んでほしいという思いがありました。2011311日の東日本大震災以降、非常にたくさんの原発関連本が出版されました。ただ、その多くは内容がやや専門的だったり、価格も2000円以上だったりするなど、よほどの関心がなければ、一般の人が「ちょっと勉強してみよう」とはならないと思うのです。


そこで、2012年に『電通と原発報道』を出版してから書き続けてきたことのエッセンスを抜き出し、全体的に情報をアップデートした上で、価格も800円台と安く、かつ23時間で読める凝縮版を出すことにより、もっとすそ野を広げたいと考えました。内容は、過去の『原発広告』『原発広告と地方紙』とかぶる部分もあります。しかしながら、初めて自らの意思で原発広告の問題に接してみようと思う人にとっては、これ以上はないほどコンパクトにまとまっていると自負しています。図表や経年データにも力を入れました。

これまで私の本は、大手広告代理店とメディアの関係における諸問題を衝くものが多かったことからか、新聞の日曜版の中面にある書評欄では黙殺されてきました。例えば、『電通と原発報道』などは、実際に読んでくれた人の評価は高く、今でも少しずつ売れ続けていますが、どうやら私の本は新聞社における書評掲載基準に抵触するようでして(苦笑)。それでも、ジャーナリストの鎌田慧さんや、文芸評論家の斎藤美奈子さんが、自分が新聞紙面で持つ書評コラムの中で取り上げてくれました。ありがたいことです。

今回の『原発プロパガンダ』は、書評欄でこそ紹介されていませんが、大型書店の新書部門ランキングの紹介という形で書評欄の一角に掲載されました。それだけでも驚きですが、知ってもらうということでは一歩前進と言えます。


──
改めてお聞きしますが、本間さんが使っている「原発広告」、「原発プロパガンダ」とは、どのような現象を指しているのですか。


1960
年代後半から電源の立地地域で始まった原発広告は、80年代に入ってから広告技術の進化によって大きく発展する。イラストや写真が多用されるようになり、より親近感を持たせる手法が増えていく。90年代には完成の域に達した Photo:亜紀書房


端的に申し上げると、原発広告は原子力発電を推進する広告です。

例えば、これまで、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などのメディアで「原発は日本のエネルギーの約3割を担っています」「二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーです」などの耳触りのよいフレーズとともに流されてきた大量の広告やテレビCMのことです。原発プロパガンダとは、広告の在り様を第2次世界大戦中のナチス・ドイツ(193345年)が注力していた特定の主義・主張に関する政治的な宣伝活動(宣伝工作)になぞらえた造語です。

ナチスと聞くとぎょっとする人もいると思いますが、理由があります。過去40年間続いてきた原発の安全神話キャンペーンなどは、正にプロパガンダだからです。戦後の日本で最も成功したプロパガンダであると言ってもよいでしょう。なぜなら、20113月に東京電力の福島第一原発で事故が起こるまでは、国民は何となしに原発の必要性を受け入れていたからです。もちろん、昔から原発を支持しない人はたくさん存在しましたが、世の中のマジョリティである一般の人たちが事の本質に目を向けることがなかった(疑問を抱かない状態を維持し続けた)という意味で、産官学が一体となって進めてきた安全神話キャンペーンは、プロパガンダとして大成功だったわけです。

原発プロパガンダは、一方的な主張を流し続けることにより国民を洗脳してミスリードしてきたことから、大きな危険性を孕んでいるものなのです。


電力業界は膨大な広告費で
 メディアの自主規制を醸成


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世の中には、ありとあらゆる種類の広告があります。その中で、いわゆる原発広告が特異な点を挙げるとすると、どのようなものがありますか。


広告というものは、ジャンルによって独特な表現や決まり事があるのですが、すべての広告に共通して誰もが守らなければならない鉄則があります。

それは、「嘘を書かない」ということです。通常は、広告を出すスポンサー、スポンサーの意を受けて各種メディアの枠を押さえて広告を製作する代理店、最終的に広告が掲載されるメディアまで、この鉄則に従っています。

ところが、原発広告は騙しでした。私の本では、過去の事例(広告の現物)を引用して解説していますが、原発を正当化する広告は嘘と欺瞞に満ちていました。例えば、「原子力発電は絶対に事故を起こしません」「万一、事故が起きても、放射性物質を外に漏らすことはありません」などと言い続けてきました。結果論とはいえ、これらは嘘でした。広告業界内には、原発広告を疑問視する向きもありましたが、クライアント(得意先)の批判はできません。


「讀賣新聞は、相対的に原発広告の復活が早かった。創業者の正力松太郎(18851969)が原子力発電の父1人だったとはいえ、自社の編集委員がコーディネーターを務めたシンポジウムを記事風広告に仕立てているものが多々ある」 Photo by S.Y.


原発広告は、原発の黎明期に立地地域を対象とした賛助広告としてスタートしましたが、後に原発推進側による意見広告としての性格を強めていきました。歴史を調べてみると、最初は官民でおっかなびっくり原発を進めていたことが分かります。そして、日本各地で原発の数が増えていったことから、立地地域ばかりでなく、全国を対象とした広告が増えました。同時多発的に、全国各地で増えました。産官学による安全神話キャンペーンは、1978年に米スリーマイル島原発事故、86年のチェルノブイリ原発事故などの世界的な大惨事が起こる度に、広告出稿量が激増しました。これは経年データで見れば、一目瞭然です。

とりわけ、90年代に入ってバブル経済が崩壊してからは、電力会社もしくは電力関連団体はが付くスポンサーとして、代理店やメディアから頼られる存在になりました。知名度のある堅い会社であり、巨額の広告費を落としてくれるばかりか、まったく値引きを要求しない稀有な発注主だったからです。


となると、電力会社などのスポンサーのために、知力と体力をフル稼働させて原発広告を製作し続けてきた電通や博報堂などの大手広告代理店は、結果として嘘を拡散する原発プロパガンダに加担したことになります。広告を載せてきたメディアも、ある種の先棒担ぎをしたとの誹りは免れません。そうなっていたのは、(1)スポンサー → (2)代理店 →(3)メディアとお金が流れていくサイクルが順調に回っていたからであり、実際には誰も困らなかったからです。


──
大事な話なので、もう少し詳しくお願いします。誰も困らなかったというのは、どういうことですか。


少し詳しく説明しますと、本来であれば、地域独占の業態である電力会社は、一般消費者に向けた広告を出す必要はないのです。単純化して言えば、自動車メーカーや家電メーカーは、広告を通してその商品やサービスを消費者に認知してもらい、買ってもらうために広告を出稿しています。その点、電力会社や電力関連団体は、どうでしょうか。消費者が原発を買うことは不可能です。

原発広告の目的は、一般消費者に向けたイメージ広告のようでありながら、原発に対するメディアの批判的な意見を封じ込めるために、広告費という形に変えて賄賂を渡すことにありました。言い方は悪いですが、事実上の買収です。長年にわたって巨額の広告費を投下し続けた結果、こうした構造が出来上がりました。私の本で詳しく解説していますが、その網羅性は圧倒的で盤石なものでした。電力業界は、この構造を逆手に取ったのです。原発に関して、都合の悪い記事を書いたメディアに対しては、さまざまな手段で圧力をかけました。

しかも、直接その記事を書いた記者に対して圧力をかけるのではなく、立場の弱い広告部の担当者などに圧力をかけるのです。当然ながら、電通や博報堂の担当営業マンは、電力業界にとって都合の悪い記事の扱いが小さくなるようにお願いに走り回ります。扱いが小さくなるというのは、例えば朝刊の一面にデカデカと出るのではなく、夕刊の社会面に回してもらうなどの工作活動です。いつもうまく行くわけではありませんが、うまく行けば「よくやった!」と担当営業マンの評価が上がるのです。それも、仕事の範囲内だからです。

その一方で、広告代理店を介さず、直接、記者に対する抗議行動に出ることで知られていたのが業界団体の電気事業連合会(電事連)で、都合の悪い記事を書いた新聞・雑誌の記者や原発に否定的なテレビ番組を製作したスタッフを更迭するよう圧力をかけるということもしていました。「電力業界はどんな些細な間違いでも見逃さずに文句を言ってくる」「広告出稿の引き上げをにおわせる」ことでアンタッチャブルな空気を醸成し、それがメディア内での自主規制につながりました。電力業界は、そうして強大な力を持つようになったのです。

民間企業との最大の違いは、電力会社は「総括原価方式」といって、広告費までが原価に含まれる点で、最終的に電気料金に上乗せして回収できました。総括原価方式があったからこそ、関東のローカル企業に過ぎない東京電力が、年間269億円(2010年度)もの広告費が使えたのです。この金額は全国的にビジネスを展開するトヨタ自動車やパナソニックなどが並ぶ「日本の大企業が1年間に使った広告費のランキング」でも、ベスト10に入るほどの規模でした。

少し前の朝日新聞の調査ですが、1970年から2011年までの42年間で、日本の電力会社9社が使った普及開発関係費(広告・宣伝費)は、24000億円にのぼります。これ以外にも、業界団体の電事連は年間866億円(2010年度)もの広告・宣伝費を使っていました。その規模感たるや、世界にも例がありません。


電通、博報堂、ADKは
 揃って原発推進側


──
ところで、一口に原子力ムラといっても、メーカーなど数多くの関係者が関わっています。外側から、その全体像をつかむことは非常に難しい。


はい。いわゆる原子力ムラも、電力会社とその周辺の関係者だけではなく、実際にはたくさんの人たちが関わっています。

私の『原発プロパガンダ』の巻末には、日本で原子力基本法が施行された1956年(昭和31年)に設立された日本原子力産業協会(旧日本原子力産業会議)の会員をリストアップしています。言うなれば、現在の日本における原発推進側の民間企業が集結する一般社団法人です。構成メンバーを見ると、原子力ムラなるものは、電力会社とその周辺に限った話ではないことを痛感します。

ポスト福島原発の時代を生きる現役世代には、原産協のリストを一度はチェックしてほしいです。一見、原発とは関係ありそうにない日本を代表する一流企業が参加しています。商社や金融機関も入っています。私は陰謀論に与する者ではありませんが、原産協に集まっている企業を眺めていると、得体の知れない巨大な帝国が形成されているかのように感じます。「えっ?あの企業もか!」とびっくりするほど、さまざまなジャンルの企業が関与しています。


──
そう言えば、以前から電通は原産協の会員でしたが、14年になって博報堂とADK(アサツー・デイ・ケイ)が加入しました。


そうなのです。私の古巣の博報堂は、電通が主導して消費者金融やパチンコのテレビCMを実現した際にも、「儲かるからといって博報堂はそこまではやらない」というスタンスでしたが、原発に関してはもう一歩踏み込んで関与する判断になったようです。なぜ、福島第一原発で事故が起きた後に原産協に入るのか理解に苦しみます。「博報堂よ、どうしちゃったの?」という感じです。

私は、博報堂とADKの広報部に問い合わせてみました。両社とも「情報収集のため」ということでしたが、そんなことはない。おそらく、風評被害対策などの復興関連の受注を当て込んでいるのでしょう。実際、広告代理店はそれらの仕事を受注しているからです。しかしながら、博報堂という会社が傾いたわけでもないのに、なぜ多くの国民を不安のドン底に陥れた原発推進側の仕事を取りに行くのか。仕事の規模としては、1990年代前半に博報堂が電通から取り扱いを全面的に奪い取った日産自動車の仕事のほうが圧倒的に大きいのです。

どうして博報堂は原発推進側に回るのか。あまり深く考えることなく原産協に入ったのでしょうが、将来的なイメージダウンが本当に心配です。


原発の再稼働の動きの中で
 NPOの立ち上げも考える


──
原発広告に関する調査では、本間さんが第一人者になります。そもそも、本間さんは、どのような経緯で原発問題に関心を持ったのですか。


博報堂に在籍していた頃から、私は原発問題に関心を持っておりましたので、独立系のシンクタンクである原子力資料情報室の個人会員になっていました。きっかけは、1986年のチェルノブイリ原発事故でした。その後、「朝まで生テレビ!」で反原発の立場から論陣を張っていた物理学者・核科学者の高木仁三郎さん(1938年~2000年)が鋭い質問を繰り返していたのに対し、原発推進側の電力会社の人たちがまともに答えられない状況を見ました。堂々と質問に答えない電力会社は「何か隠しているな」としか思えませんでした。私は、高木さんの言うことのほうが筋は通っていると感じましたので、高木さんが中心になって設立していた原子力資料情報室の会員になりました。今でも会員を続けています。

原発広告については、博報堂に勤務していた頃から、私は「おかしいな」とは考えていました。北陸支社勤務時代は、北陸電力の担当を断ったこともあります。

当時の社内には、原発に関して明確な意思表示をする者はほとんどおらず、「原発?いいんじゃないか」という感じでした。というのも、原発広告は、あくまで数多ある仕事のうちの一つに過ぎず、原発をめぐる問題について考える暇もないほど忙しかったからです。広告マンは、クライアントのありとあらゆる要望や難問を解決するために持てる能力を総動員して臨みます。ですから、原発広告は、社内ではそれほど大きな関心が払われていなかったのです。


──5
年前に東日本大震災と東電の福島第一原発事故が起きてから、それまで原発推進側の企業のホームページなどで誇らしげに掲載されていた原発広告はいっせいに削除されました。今では、かつて世の中にそういうものが存在していた事実を知らない人がいるほど、なかったことになっています。


だからこそ、後の世代のためにも記録に残しておく必要があります。大げさではなく、原発広告は世界でも見られない醜悪な事例です。もう、2度と福島第一原発事故を起こさないためにも、誰かが整理・分類しなければなりません。

東電の福島第一原発事故で、国土の一部が半永久的に失われたのですから、決して風化させてはいけない。今日、安倍晋三首相は、原発の再稼働を急いでいますが、その前に、立ち止まってじっくり向き合うべき現実があるはずです。今も10万人の被災者が家に戻ることができないのに、どうして再稼働なのか。

福島第一原発事故では、誰も責任を問われず、訴追されていないのです。あれだけの大惨事を引き起こしながら、責任の所在がうやむやになっているという大問題が残っています。根本的におかしい。もとより地震大国の日本で、再び原発事故が起きたら、国が破滅してしまうでしょう。国策と言いながら、原発のゴミである放射性廃棄物の処分問題も、まったく解決していないままです。

現在、ある大学の先生と組んで原発広告をデータベース化する計画を進めています。具体的に詰めていくのはこれからですが、最終的には誰でも見られるような使い勝手のよいデータベースにしたい。過去の事例と現在進行中の事例を扱います。これまでは私1人、または国際環境NGO(非政府組織)のグリーンピース・ジャパンのスタッフなどに手伝ってもらいましたが、網羅的かつ徹底的なものにするためには、もう少し組織的に進めたい。原発広告の問題を専門に扱うNPO(非営利組織)も立ち上げる予定で動いています。

原発広告は、15年の夏頃から、復活してきました。今では、かつてのように「原発は絶対安全です」とは言えなくなっていますが、再稼働の動きに合わせるように、被災者の神経を逆なでする原発広告が登場しています。私は、電通や博報堂が潰れても構わないと言っているのではありません。広告代理店には、広告を通して、世の中を楽しくするという役割があります。だから、もうちょっと真剣に考えるべきだと訴えたいのです。これからもツイッターやフェイスブックなどのSNSを使って、原発広告の問題点を指摘していきます。

ほんま・りゅう
著述家。1962年、英国生まれ。獨協大学法学部を卒業後、文具メーカーのぺんてるを経て、大手広告代理店の博報堂に中途入社。北陸支社や本社で約18年間、営業に従事する。2006年に退職後、博報堂在職中に発生した損失補てんにまつわる詐欺容疑で逮捕・起訴され、栃木県の黒羽刑務所に約1年間服役した。その後、著述活動を開始する。著書・共著に『電通と原発報道――巨大広告主と大手広告代理店によるメディア支配のしくみ』『だれがタブーをつくるのか――原発広告・報道を通して日本人の良心を問う』『原発広告』『原発広告と地方紙――原発立地県の報道姿勢』(いずれも亜紀書房)などがある。16年4月には、10冊目となる『原発プロパガンダ』(岩波書店)を上梓した。 Photo by Shinichi Yokoyama

 

サミットの成果は、首相が自らひねり出した
 
東洋経済オンライン 20160529日掲載)
 

伊勢志摩サミットが終わった。祖父が長崎で被爆した筆者としては、サミットより、オバマ大統領の広島訪問の方が、個人的には感慨を覚えるが、ほとんどの方が、特に経済政策面では、サミットで大いに成果があったとは感じにくいのではないだろうか。

安倍首相は、日本がリーダーシップをとって、財政政策により世界経済浮揚に立ち向かう、という形づくりをしたかったものと推察される。しかし、「主要な一次産品市況が55%下落し、リーマンショック時なみのレベルだ」というグラフについては、「今はリーマンショック並みの危機だとは思えない」という異論が出たようであるし、財政出動については、1週間前のG7財務相・中央銀行総裁会議と同様に、やりたい国が勝手にやればよい、という方向性となった。

安倍首相は、「威勢」よくサミットに臨んだが、経済政策面では「しま」った、という結果ではないか。「伊勢」「志摩」だけに。

■見えてきた2本立ての経済対策

ただ、安倍首相の狙いが、参加各国の同意を心底得ることであったとは思えないし、その必要もなかったのだろう。サミットに関係なく、足元の国内景気はぱっとしないし、7月の参院選もある。リーマンショック並みの危機に陥る可能性があると日本側から一方的に説明し、(他国は同意しないかもしれない)財政政策について、日本側から一方的に打ち出すべきだと宣言した。自分でひねり出したお手盛り感のあるサミットの成果をもって、6月初の国会会期末直後とも見込まれている、経済対策の発表を打ち出す、ということなのだろう。

 

つまり、各国首脳が「今の世界経済がクライシスだ、というのは、安倍首相くらいです、危機のわけがない」と言っても、安倍首相は聞きわけがないのである。

当面の経済対策は、ざっくりと2本立てにまとめられる。選挙やサミットとは関係なく、いわゆる「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基本方針2016)が、518日の経済財政諮問会議ですでにまとめられているが、これが31日の閣議で決定される。このなかでは、GDP600兆円の目標のもと、東日本大震災からの復興、子育て支援、介護支援(介護離職者の解消)、生産性向上策(教育、研究開発投資等)、観光の基幹産業化や攻めの農林水産業の展開、東京五輪・TPP等への対応、地方創生などが盛り込まれている。

 
また、同じく31日には、産業競争力会議が19日に素案をまとめた、成長戦略も閣議決定される見通しだ。こちらでは、フィンテック、人工知能、自動運転、ドローンといった、成長が期待できる分野の支援など、個別産業にかかわるものが多く含まれている。この骨太の方針と成長戦略は、密接に関係しており、これらがまず1つ目の政策の塊だ。
もう一つは、61日、サミットを受けた形での経済政策が発表されると見込まれることだ。ここで、消費増税を再延期する、あるいは第二次補正予算の金額や方向性を概ねどのようなものにする、といった大枠が打ち出されるだろう。別の注目点として、衆院解散を行なうのであれば、61日の国会会期末が最終期限となる。
ただ、市場においては、消費増税を予定通り行うと考えている投資家はほとんどいないし、経済対策が何も出てこないと見込んでいる投資家もいない。述べてきたような景気対策が打ち出されることは、出ないよりは経済にプラスだろうが、一気に景気を躍進させ、株価を爆発的に押し上げるような経済対策は、ない。

良く言えば、地に足ついた相場展開に
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国内株価は、経済対策をみて期待先行で一気に走る、というより、対策の長期的な効果も含めて、最終的にマクロ経済や個々の企業業績がどうなるのかをじっくり見極めながら、そろりそろりと進んでいく展開が続くだろう。期待より現実、悪く言えば懐疑的で、良く言えば地に足が着いた、相場展開が見込まれる。
特に、「期待」「夢」といった言葉が飛び交うことが常となってきたマザーズ市場においては、アキュセラやそーせいグループといった銘柄の株価が潰れてきており、思惑に賭けるといった個人投資家の心意気に、冷水が浴びせられた状況だ。銘柄選びで、専門家からあーせい、こーせいと言われても、個人投資家の物色意欲は盛り上がりにくい。市場心理には慎重さが勝り、出来高が盛り上がらないなか、株価は、しばらくは動きの乏しいことになりそうだ。
今週の展望を考えよう。63日(金)には、米国で5月分の雇用統計の発表が控えている。この週末の雇用統計への注目度は、日頃以上に高まるだろう。というのは、527日(金)にイエレン連銀議長が「米経済は改善しており、数カ月内に利上げするのが適切だろう」と述べたこともあって、614(火)~15日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、利上げがあるかどうかについて、世界の株式市場や為替市場の関心が一段と高まってきているからだ。このため、「様子見屋さん」が様子見材料を仕入れるには、事欠かない状況だ。
国内株価の基調としては、経済対策の発表や株価水準全般の割安さもあって、上昇方向を予想するが、そのなかで今週の日経平均は、様子見気分が強く、出来高を伴う急伸は難しいと考える。具体的なレンジとして16700円~17300円を予想する。
 

河合弘之「川内原発を直ちに停止せよ」より
『月刊日本』6月号


<川内原発を直ちに停止せよ>

―― 河合さんは熊本地震の発生から数日後、原子力規制委員会を訪れ、川内原発停止の申し入れを行っています。


【河合】 まず結論として、政府と九州電力は直ちに川内原発を止めるべきです。川内原発は中央構造線(本州から九州を横断する巨大な断層)を掠めるところに建っており、実際に近くで地震も起こっています。今でも余震が続いていることを考えれば、原発事故の危険性が高まっていることは誰の目にも明らかです。
 
ところが、九電は未だに「大丈夫だ」と言っています。彼らは火山の異常を察知した場合には、空振りも覚悟で原発を止めて使用済み核燃料を運び出すと言っているのに、地震の場合は本当に危なくなるまで止めないと言っているのです。矛盾していると言わざるを得ません。

―― 福島第一原発事故の際には、免震重要棟が事故対応の拠点となりました。免震重要棟は免震構造を持っているため、緊急時にも対応することができます。しかし、川内原発には免震重要棟がありません。


【河合】 原子力規制委員会は、再稼働の要件として「免震重要棟など耐震性のあるものを設置する」と定めています。そのため、九電は川内原発再稼働の許可を求める際に、免震重要棟を作ることを約束しました。ところが、彼らは再稼働後に、免震重要棟の建設をやめると言い出したのです。これは約束違反ですし、一種の騙しです。
 
彼らが免震重要棟の建設をやめた理由は、単純にお金がかかるからです。確かに免震重要棟の設置にはうんとお金がかかります。しかし、それなら最初から約束などしなければよかったのです。
 
規制委員会も規制委員会です。騙されて怒らないなんて、どうかしています。彼らは馬鹿にされているんですよ。ここで規制委員会が怒らなければ、電力会社は今後も同じ手を使うはずです。

―― もし九電が免震重要棟の設置を約束しなければ、川内原発を再稼働できなかった可能性はありますか。


【河合】 あると思いますね。少なくとも再稼働は大幅に遅れたんじゃないですか。

―― 九電が約束を反故にしてまで川内原発を再稼働した理由は何だとお考えですか。


【河合】 それは結局、自分たちの利益のためです。川内原発の1号機と2号機を両方とも止めてしまうと、九電は1日当たり3億円の損をすると言われています。そのような状況が続けば、株主に配当することが難しくなってしまいます。彼らはわずか数万人の株主の利益と1億3千万人の日本国民の利益を天秤にかけ、たとえ国民に危険が及ぶ可能性があったとしても自分たちや株主の利益を優先することにしたのです。とんでもない意思決定だと思います。
 
最近の日本では「今だけ金だけ自分だけ」という風潮が強くなっています。その風潮が最も凝縮した形で表れたのが、九電による川内原発の再稼働なのです。まさに悪しき資本主義の病理と言えます。


<司法そのものを否定する裁判所>

―― 鹿児島県は川内原発の事故を想定して避難計画を策定しています。しかし、この避難計画は杜撰だと批判されています。


【河合】 鹿児島県の避難計画には実効性がありません。例えば、この避難計画では主にバスに乗って避難することが想定されています。とすると、原発事故が起きて放射能漏れが生じた場合、バスの運転手は放射線量の高いところに突っ込んでいかなければならないということになります。軍隊じゃないのに、そんなこと誰が命令できるのでしょうか。たとえ社長から頼まれたとしても、従業員にはそれに従う義務はありません。
 
また、この避難計画では、車を持っている人たちは自家用車で避難するように定められています。しかし、皆が自家用車で避難すれば、あっという間に渋滞になります。実際、福島第一原発事故の時も大変な渋滞が生じました。そもそも熊本地震を見れば明らかなように、地震が起きれば道路が寸断されたり、橋が落ちたりする可能性もあります。車で逃げられるという保証はどこにもありません。

―― 熊本地震に先立つ4月6日に、河合さんも弁護団として関わった川内原発の運転差し止めを求めた即時抗告審について、福岡高裁宮崎支部は申し立てを棄却する決定を出しました。しかし、この決定は、周辺自治体が策定した避難計画の杜撰さなどについては認めています。


【河合】 さすがの福岡高裁宮崎支部も、こちらの立証の分厚い部分については認めざるを得なかったということでしょう。あの決定は避難計画について、「避難計画がなければ原発は停止しなければならない。また、仮に避難計画があったとしても、それが無いと同じくらい杜撰ならば停止しなければならない。しかし、現在の避難計画は、存在しないのと同じくらい酷いものとまでは言えない」といったことを述べています。こちらの主張をある程度認めながらも、屁理屈をつけて向こうを勝たせているのです。
 
また、火山については、「火山の噴火時期などを予測することはできないので、噴火が予想可能であることを前提とした『火山評価影響ガイド』は無効である」としています。「火山評価影響ガイド」とは、規制委員会が策定したガイドラインのことです。「火山評価影響ガイド」を無効とするなら、それに基づいて許可された再稼働も無効のはずです。ところが、裁判所は「桜島や阿蘇など個別の火山を見ると、4050年以内に噴火するという予測を住民側は立証していない」として、再稼働を認めたのです。
 

しかし、この決定は矛盾しています。火山の噴火は予測できないから「火山評価影響ガイド」は無効だとしているのに、その一方で4050年以内に火山が噴火するという予測は立たないので再稼働してもよいとするのでは、論理的整合性がとれません。(以下略) 

 

安倍首相のサミット発言「リーマンショック級の危機」に世界中から失笑!仏「ル・モンド」は「安倍のお騒がせ発言」と

2016.05.27.
 安倍首相のサミット発言に「ル・モンド」が  リテラ


日本の安倍晋三首相のデマ発言が世界の失笑を買っている。たとえば、フランスの高級紙「ル・モンド」は、26日夕方、こんな見出しの記事を掲載した。

「安倍晋三の無根拠なお騒がせ発言がG7を仰天させた」
これはもちろん、伊勢志摩サミットの世界経済に関する討議での発言を指してのものだ。安倍首相は、この会議でいきなりこう切り出した。
「みなさん、世界経済はいま、不透明感が増大し、さまざまな下振れリスクを抱えています。このリスクから目をそらしてはいけません」
 
そして、「リーマンショック直前の洞爺湖サミットでは危機を防ぐことができなかった。私は、その轍を踏みたくない」と言って、各国首脳に4枚のペーパーを配った。そこには商品価格や新興国経済に関する指標が示されていて、各ページごとにいちいち「リーマンショック」という文字が書かれていた。安倍はこのペーパーをもとに、世界経済の現状は「リーマンショック前の状況とそっくりだ」と言い、各国が揃っての一斉財政出動を促したのだ。
 
エネルギーや食品など世界の商品価格がリーマン危機の直前と同じく「55%下落」している。新興国・途上国の経済指標の伸び率、資金流入、成長率予測の推移もリーマン危機の前後と似ている。安倍は、これをもって「政策対応を誤ると通常の景気循環を超えて危機に陥るリスクがある」と警告したのである。
 
たしかに新興国は厳しい状況にあり、世界経済の先行きに「下振れリスク」があるのは事実だ。日本も場合によっては、財政出動も必要かもしれない。しかし、都合のいい指標だけをかき集めて、世界経済全体が「リーマンショック級の緊急事態」というのは、明らかに事実ではない。安倍はそんなデマの扇動をサミットという舞台でやってしまったのだ。
 いったいなぜか。それは、参院選を前に、いよいよ明らかになってきたアベノミクスの失敗を隠すためだ。日本経済が円高・株安で息切れしているのは、明らかにアベノミクスという政策の失敗であり、世界経済が不透明だからではない。しかし、それを認めたくないために、世界経済のせいだとアピールしているのだ。
 
さらにもうひとつ、消費税増税延期の大義名分にするという目的もある。安倍首相が消費増税延期を決断したのは、参院選で改憲に必要な3分の2を確保するためだ。つまり、改憲という政治的野望のために消費税増税をあきらめた。しかし、そうは言えない。何しろ、安倍は先の増税見送り以降、ずっと「リーマンショック級の経済危機が起きない限りもう消費税延期はない」と言い続けてきた。だから、サミットを利用して、無理やり「リーマンショック級の事態が起きている」ということを喧伝しようとしたのだ。
 
だからこそ、海外メディアはあきれ返り、名指しで安倍発言に冷水を浴びせかけたのだろう。
 
いや、メディアだけではない。実はマスコミはあまり報じていないが、各国首脳はそのトンチンカンな主張に困惑を隠さなかったという。それでも、フランスのオランド大統領をはじめ複数の首脳は大人の対応で表立った批判は控えたが、ドイツのメルケル首相やイギリスのキャメロン首相は「世界経済は安定成長への兆しをみせている」と安倍発言をバッサリ切り捨てた。
 
また、安倍が事前に各国を回って根回ししていたにもかかわらず、キャメロン首相は「財政出動は各国の事情に応じてやればいい」と従来からの姿勢を一歩たりとも譲らず、オバマ米大統領も、「各国がそれぞれの必要性と余力に基づき成長を加速することに注力する」と、各国の独自判断を強調した。
 
27日付の日本経済新聞によれば、そもそも安倍が配ったペーパーについては自民党執行部内からも「世界からどんな反応が出るか心配だ」との声が漏れていたという。その心配は的中したというわけだ。
 
しかし、これはあくまで海外での話だ。このサミットという場所でのトンデモデマ発言について、日本国内のマスコミからはほとんど批判が聞かれない。それどころか、「消費増税延期という結論は与野党同じなんだから、野党がサミットの安倍発言を批判するのはおかしい」などと言っているテレビ番組まであった。
 
こいつらはいったいどこまで安倍政権に尻尾をふるのか。
たしかに、筆者も消費増税は延期すべきだと考えるし(むしろ5%に戻して、法人税と所得税の累進課税を強化すべきだ)、ノーベル賞を受賞したアメリカの経済学者・ジョセフ・スティグリッツやトマ・ピケティらの言う、社会保障や福祉への財政出動を推し進めることが格差是正と経済活性化につながるという主張には強く賛同する。
 
しかし、それとこれとは別だ。安倍政権は、選挙対策で消費税減税を先送りにしているだけで、格差是正は露ほども考えていない。しかも、自分が公言した「消費税増税延期はしない」という言葉を選挙のために平気で破り、さらにそれをごまかすために、国際社会の重要な会議を利用した。普通なら「日本のトップが恥ずかしいことをするな」と厳しい批判の声があがって当然だろう。
 
ところが、こんなデマ首相をメディアは擁護し、世論も支持しているのだ。息をするように嘘をつく首相を長くのさばらせた結果、もしかしたら、日本という国全体が国際的信用なんて一顧だにしない恥知らずな国になりつつあるということなのか。
 

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