真実の報道神秘

権力の『おかしな政策』におかしいと報道しない日本で、一人でも『おかしい』と声を上げ、真実を追求して行きます。

2016年01月

甘利氏辞任表明も晴れない疑惑 霞が関に飛び火で一大疑獄へ

2016年1月28日 日刊ゲンダイ

甘利明経済再生担当相(66)が28日夕に内閣府で会見を行い、自らの金銭授受疑惑の責任を取って辞任すると表明した。

千葉県の建設会社側から2度にわたり現金入りの封筒を受け取ったことは認め、秘書らに「適正に処理するように」と指示していたと説明したが、問題は甘利大臣の金銭授受の有無だけではない。同日発売の週刊文春のスクープ第2弾は、甘利事務所の腐敗の実態を生々しく報じている。甘利氏への疑惑の炎は、霞が関にまで飛び火し、拡大の一途だ。

会見で甘利大臣は、大臣室などで計2回、50万円ずつ現金を受け取ったとされる疑惑について「紙袋をいただいた。のし袋が入っていたとの報告を受け、政治資金として処理するよう指示した」と説明、甘利氏自身が直接現金をスーツの内ポケットに入れたことは「本当だとしたら人間の品格を疑われる」「そんなことをするはずがない」などと否定したが、今回の疑惑で明るみに出た甘利サイドの“黒い交遊録”は簡単に消えない。

文春の第2弾記事には、告発者の録音データに基づく腐り切ったエピソードがわんさと出てくる。千葉の建設業者とURとの土地トラブルを巡る補償交渉のやりとりは、恐喝さながらだ。

「あんたたち、俺たちの顔立てるっつったよな、わかんなかったの?」

こんなヤクザ口調で、UR職員にまくし立てたのは、甘利氏の政策秘書・鈴木陵允氏だ。昨年10月27日、衆院議員会館の甘利事務所にUR総務部長と国会担当の職員を呼んで開口一番、威圧した際のセリフだ。

12月1日には、公設第1秘書の清島健一氏が、神奈川・大和市の地元事務所までURの総務部長を呼びつけた。すると、甘利氏の名前をチラつかせ、こう圧力をかけたというのだ。

「大臣もこの案件については知っているんで、こっちもちゃんと返事を返さなくちゃいけないんですよ」

文春が詳報している生々しいやりとりに、改めてア然とするのだ。甘利大臣の秘書たちの高飛車な態度は何サマのつもりなのか。しかも鈴木氏には入れ揚げた銀座のホステスがいて、読んでいるこちらが赤面するようなやりとりが出てくる。

■「汚職の構造は氷山の一角」

URだって怪しい。大臣秘書の恫喝に屈し、補償金の額を吊り上げたのなら、デタラメの極みだ。URは国交省のほぼ全額出資の組織。
今回の疑惑は、URの公金が政治家の圧力によって勝手に使われた問題でもある。

また、国交省の局長が甘利事務所から5万円の商品券をもらって、口利きに加担した疑惑も残っている。

「甘利大臣が選挙区でもない千葉県内のトラブルにクビを突っ込み、所管官庁でもない国交省傘下のURに口利きを図ったことも不可解です。うがった見方をすれば、安倍官邸と霞が関との間には、この手の利害調整の話が恒常的にはびこり、一声かければ簡単に解決できるシステムが完成しているのかもしれません。

つまり、汚職の構造は氷山の一角。安倍自民の1強体制に霞が関がなびき、現役大臣や秘書たちの便利屋まがいの“口利きビジネス″が蔓延しているのではないでしょうか」(政治評論家・山口朝雄氏)

長期政権下では必ずといっていいほど、汚職の横行などで政界は腐敗していく。釈明と大臣辞任で終わりになるわけがない。

       


ワイロより悪質甘利大臣がTPP交渉で見せた売国的妥協

2016
126日 日刊ゲンダイ


1200万円ワイロ疑惑で、辞任の甘利経再相だが、疑惑はまだある。立役者などとおだてられているTPP交渉の方である。ここでも国民の信頼を完全に裏切り、しかし、嘘をついてスットボケていたことが判明。改めて、その下劣な品性が問われている。

1200万円ワイロを報じた「週刊文春」が発売になる2日前、TPP問題を追い続ける山田正彦・元農水大臣(弁護士)が甘利大臣の売国奴的交渉を暴露した。根拠になっているのは政府文書だ。


「TPP大筋合意で安倍首相は『コメは守られた』と説明してきましたが、(大筋合意内容を説明する)政府の概要書を見ると、『関税の撤廃(第2、4条)』の項目に『(コメを含む農産品は)漸進的に関税を撤廃』と書いてあった。『関税は撤廃されなかった』という安倍政権の説明は合意内容と明らかに違う。農民はだまされたのです」(山田正彦氏)


山田氏が英語の原文に当たると、「progressively eliminate its customs duties」という文言があった。progressivelyは「漸進的」で、eliminateが「撤廃」だ。これを見たとき、山田氏は思い当たることがあったという。


「2012年1月にアメリカに行ってTPP現地調査をした時、USTR(米国通商代表部)は、概要書の内容と同じことを言っていたんです。つまり、『関税は撤廃する。コメも例外はない』と断言していたのです」(山田氏)


山田氏が話した相手はカトラー次官補だ。カトラー氏は「TPPは高いレベルで包括的、基本的にはすべての物品やサービスを交渉のテーブルに乗せる」という原則論を繰り返した。それに対し、山田氏らは「テーブルに乗せるけれども、交渉で議論をした結果、外れる余地があるのか」と質問したところ、「それはない」と言われたという。

結局、アメリカの姿勢は4年前から全く変わらなかったことになる。甘利大臣は譲歩に次ぐ譲歩を繰り返しただけのことだ。


「さらにTPPの文書を調べていくと、『7年後に再協議(再交渉)に応じなければならない』ことも記されていた。再交渉を踏まえてコメを含む全ての農産物の関税が撤廃される可能性が高いのです」


関税撤廃の時期を山田氏は「30年後」と推測する。


「アメリカ現地調査で、自動車業界や農業関係の幹部と会いましたが、『コメと自動車はセット』と言っていた。自動車の関税撤廃が30年後なので、恐らく同じ時期にコメの関税も撤廃されるとみています」


「食の安全」に関わる「遺伝子組み換え食品の表示」についても、政府の説明と公表文書(概要書)の間には大きなギャップがある。


「政府は『遺伝子組み換え食品の表示は撤廃されない』と説明していますが、表示が認められていたのは『有機農産物』だけでした。裏返して言えば、『有機農産物以外の表示は認められない』ことになる」

(山田氏)

甘利大臣という政治家、何から何まで信用できない男である。
 

8兆円の年金が消えた! 安倍政権が株価維持のため年金を株につぎ込み巨額損失なぜ誰も責任を追及しないのか

2016.01.26.
 リテラ


年明け以降、株価がジェットコースターのように乱高下している。2015年の大納会で19033円の高値をつけた日経平均は、年明け4日の大発会でいきなり582円安の18450円となり、以後、連日安値を更新し、21日にはなんと16017円と、昨年末から3000円も暴落した。
 
これが株式投資をやらない人にも他人事でないのが、年金積立基金の損得にダイレクトにつながっているからだ。18日の衆院予算委員会で民主党の山井和則議員がこの問題を取り上げ、「約4兆円くらいの年金がこの4日間で運用損になっている」と指摘した(この時点での日経平均は17697円)。野田佳彦前首相も18日に「年金積立金の目減り。たった半月で約6兆円もの年金資産が失われた恐れがある」とブログに書いた(同16995円)。
 

これはただごとではないだろう。わずか数日の間に兆単位のカネが消えているのだ。かつて第1次安倍政権の命取りになった「消えた年金」は、年金記録が消えているという話だったが、今回は虎の子の年金(現ナマ)そのものが、泡と消えているというのである。ところが、こんな大変なことなのに国民の関心はイマイチで、野党の追及も大甘なのだ。国会開会中なのだから、野党はこの問題をもっとしっかり追及するべきだ。

 
そもそも、こうなった原因はすべて安倍政権にある。安倍政権は、アベノミクスとやらの一環として「株式市場を活性化する」などという(実は嘘の)口実で、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用計画を見直した。201412月のことだ。簡単にいうと、それまでの年金運用は国債など安全な国内債券中心(約6割)で、リスクのある国内株や外国株への投資はできるだけ抑える方針だった。これを大きく変えて、株式比率(国内株、外国株)を50%まで高めることにした(この組み合わせをポートフォリオという)。いわば、ローリスク&ローリターンからハイリスク&ハイリターンへの転換だ。
 
株式への投資比率を高めたのだから、運用実績は当然、株価に左右される。このところの世界同時株安や世界同時株高に連動して、大儲けをしたり、大損をこいたりする仕組みになってしまっている。実は、GPIFは昨年10月に初めてそのことを明らかにした。同年7月〜9月期の運用で78899万円もの損を出していたことを発表したのだ。このときも、 日経平均株価は20329円(71日)から17388円(930日)と3000円近く暴落している。
 
だが、10月以降、再び株価が持ち直したため、あまり大きな話題にはならなかった。ところが今回は当時の安値をさらに下回る暴落ぶりだ。つまり、損失額は7兆円〜8兆円を軽く超えている可能性すらあるのである。もちろん、逆に値上がりすれば、その分、儲けの幅も大きくなる。だが、そもそもこんな博打場のような株式市場に国民の老後を支える年金を投じるという、極めて大事な選択について、安倍晋三首相はほとんど説明してこなかった。
 
アベノミクスの生みの親で安倍首相の経済指南役である浜田宏一・米イェール大学名誉教授がいまごろになって「(国民を)教育しなければならなかった。損をするんですよ、これだけ儲けるんだから」「損をするんですと(国民に)言っておけと、僕はいろんな人に言いました」などと言っているが、噴飯ものだ。説明など、できるわけがないのである。
 
なぜなら、一昨年のGPIFの方針転換は安倍政権の安倍政権による、安倍政権のための株価維持工作だったからだ。大手紙経済部記者が解説する。

「百歩譲って、将来の年金支給額を確保するために国民の合意を得つつ、多少リスクのある投資を進めるというなら話はまだわかるのですが、そんな志はカケラもない。あるのはひたすら、民主党政権時代より株価を高くキープすることです。

それによってアベノミクスの失敗を覆い隠す魂胆ですよ。GPIFの運用資金はおよそ135兆円あり、国内株式の投資比率を1%上げるだけで単純計算で13500万円ものマネーが株式市場に流れ込む。東証1部の1日の売買代金が2兆円〜3兆円ですから、株価への影響力の大きさがわかるでしょう。

実際、海外投資家からの売りが続いて株価が暴落すると、国内の信託銀行が買いに入って支えることが何度も繰り返されている。乱高下するのは、だからです。要は、安倍政権は国民の年金資産を博打に投じて株価を維持し、支持率をキープしているんです。ただ、こうした官製相場はいつまでも続かない。いつか必ず手痛いしっぺ返しが来るはずです」
 
そのバブル崩壊がいつになるのかは誰にもわからない。昨年9月の暴落はその後、持ち直したが、今回の暴落分が戻る保証はどこにもないのだ。22日、25日と2営業日続けて反騰したが、それでもようやく17000円台だ。そして、国民にとってなにより恐ろしいのが、この博打経済の司令塔が、経済オンチの安倍首相だということだ。
 
安倍首相はかつて「日銀がお札をグルグル刷ればデフレが解消される」と言った程度の経済認識しか持っていない。まず金持ちを儲けさせれば、やがて富の滴が底辺層にも行き渡るというありもしないトリクルダウンを本気で信じていた。主婦がパートに出れば月に25万円も稼げると思っている。そんな安倍首相は前出18日の衆議院予算委員会で、山井議員の質問に色をなしてこう答えているのだ。

「民主党政権下であった平成219月から平成249月までの累計収益額は4.1兆円だったわけでありますが、それ以降の(安倍政権下での)累積収益は今回のマイナスを含めても33兆円プラスになっているということでございまして、そこを押さえておくことが大切であろうかと思います。

年金運用というのは、ある程度、長期的なものを見ながらしっかりとどれくらい収益が上がっているかということでありまして、安倍政権下におきましては、このマイナスをもってしても33兆円プラスになっていたと、これが事実と申し上げておきたい」
 
バカも休みやすみ言って欲しい。33兆円プラスは、実は安倍首相の肝入りで運用方針が転換される201412月までの収益なのだ。アベノミクス・ポートフォリオで運用された20151月以降、同年9月まで収益は28245億円ものマイナスに陥っている。しかし、民主党議員も新聞も、そこのところはほとんど突っ込んでいない。繰り返すが、安倍首相が胸を張る33兆円のプラスは旧来のポートフォリオが生み出したもので、アベノミクス改革による収益は赤字になっているというのが事実なのだ。
 
前述のように昨年9月の底値が17388円、126日の終値が16708円。おまけにアベノミクス改革によって投資比率を増やした外国株も外国債券も昨年9月の水準を下回っている。にもかかわらず、GPIFの理事長は昨年1月、給料を6割も上げて、年収3100万円になっている。やらずぼったくりとは、このことだ。
 
年金は老後の生活を支えるまさに命の綱だ。バブル再来を期待して切った張ったの博打相場に投資した末に、何がやってくるのか。国民は、そろそろ気づいた方がいいだろう。

 

「ムサシ」を排除せよ!<日本唯一独占の選挙屋><コンピューター操作による不正選挙>

20160127日 「ジャーナリスト同盟」通信
<本澤二郎の「日本の風景」(2247)

<日本唯一独占の選挙屋>
沖縄の選挙はどうだったのか?「ムサシ」を使っていなかったのかどうか?総務省と一体となって活動する、民間の選挙屋のことである。投票用紙から開票作業まで、選挙の全てを取り仕切っている「ムサシ」に疑惑が浮上して久しい。

仮に夏の衆参同時選挙にこれが採用されると、勝敗を逆転させることも可能である。専門家が久しく指摘して点である。与野党逆転も「ムサシ」を採用すると、結果がどうなるか、専門家はやきもきしている。野党は「ムサシ」疑惑を追及して、疑惑の選挙屋を排除、不正選挙を抹殺する義務を負っていることを、あえて指摘しておきたい。

<コンピューター操作による不正選挙>

以前の開票作業は、手作業で行われていた。ところが、いつのころからか、選挙は選挙屋「ムサシ」によって、すべて処理されてきた。
 

コンピューターを導入した投開票作業である。すなわち、操作次第で勝者と敗者を逆転させることが可能なのである。コンピューターの怖いところである。「ムサシ」と政府与党の談合によって、それはいとも簡単に出来る、と専門家は指摘している。
 

アメリカでもブッシュゴアの大統領選挙で表面化して、大きな話題を提供した。同じ機器を使っているという「ムサシ」である。

<米大手資本の「ムサシ」>

数年前、専門家の指摘で多少、この怪しげな選挙屋を調べたことがある。確かに疑惑だらけの企業である。それと同時に、投開票を「ムサシ」が血税でもって請け負っている、という事実を知らない国民ばかりだということに衝撃を受けてしまった。
 

コンピューターは、確かに正確に作動するものであろうが、それゆえに操作次第で、異なった結果を、それこそ正確にはじき出すことが出来る。あらかじめ、敗者を野党統一候補に読み込ませるとどうなるのか。わかりきっているだろう。「ムサシ」を排除した従来の手作業でやればいい。遅れての開票結果でも、正確がいいに決まっている。
 
選挙が民主政治の根幹であるが、結果を逆転させることが可能な「ムサシ」は不要である。ましてや、日本を属国と認識しているワシントンの野望も、選挙操作で実現可能となるのである。
 

最近NHKが報道した記録映像によると、米CIAが反米政権を次々と崩壊させてゆく不条理な真相を明らかにしている。確か本日もNHKは再放送するはずだ。日本国民必見の記録映像である。これについて正義の元外交官の天木氏が詳しい。彼がネットで紹介している。友人が一昨日メールで知らせてくれた。
 

思うに、親米政権存続のための布陣の一つが、この「ムサシ」なのである。沖縄の宜野湾市の選挙について、再確認するといいかもしれない。選挙開票は手作業に限るのである。

<安倍家も「ムサシ」株?>

確か「ムサシ」株を、なんと安倍家も保有していた事実が発覚している。いまも保有しているかもしれない。野党は堂々と追及する責任と義務があろう。不正選挙を放置していては、何のための民意なのか。
 

民主主義の根幹が崩れ去っている日本とは、一体どんな国なのか。
「ムサシ」の株主を徹底的に洗っていくと、その正体がよりはっきりとする。
 

これまでのところ、与野党すべての政党が、このことに無関心を決め込んで、自ら墓穴を掘ってきている。いただけない。夏の選挙は、文字通り平和を愛する日本国民にとって、乾坤一擲の戦いである。
 

軍国主義の復活・戦争する日本へ舵を切るのか、それを食い止めて、アジアの平和と安定を確保する日本であり続けるか、否かの決戦である。自民党は大したことはないが、公明党創価学会の対応次第では、平和国民・アジア諸国民が敗北することになる。
 
果たして、宗教法人なのかどうか、政教分離の公明党なのか、膨大な信者からの献金の内実など、平和憲法が危機的状況のもとでは、議会での追及は信教の自由に反するとは思えないがどうか。

<深刻・重大な岐路の日本と創価学会>

池田大作氏の理念を放棄した創価学会である。政治団体として生き残るのか、それとも「平和の仏法」の教団として存続するのか。後者を選択して、政治への直接関与を止めて、信者の自由に任せるのが正しいと思うのだが。
 

日本も日本国民も重大な岐路に立たされているが、それは創価学会もまた同様なのである。池田氏の理念放棄は過ちである。アジア諸国民の切なる念願でもある。

2016年1月27日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
 

「残業代なんか払わなくていい」モラルなきブラック社労士たち

 

SPA!  2016126

 

社員を自殺に追い込んだ場合の策を指南する社労士や、成年後見人となって高齢者の虎の子を吸い上げる弁護士、大手を振って脱税指南する税理士など、モラルや法律の一線を軽々と越えて振る舞う「ブラック士業」が増えている。

「社員をうつ病にさせる方法」というブログ記事を書いた社労士が典型的だが、「あれは過激に書きすぎた感じですが、方向性自体はブラック社労士の典型といえるものです」とブラック企業問題に長らく取り組んでいるNPO法人POSSE代表の今野晴貴氏は語る。

企業に違法な入れ知恵をするブラック社労士は、社労士試験の合格者が増加した’00年前後から見られるようになったそうだ。

「企業の保険業務を担う社労士はすでにベテランでいっぱいなので、新しい人は開拓分野といえる労使紛争アドバイスのほうに流れていきました。もちろん真面目な人が大半ですが、そこに手段を選ばないブラックな人材も紛れ込んでいるんです」

それがここ数年で急増した。

「最近は、労働基準監督署が会社に来るとなったとき、『応じる必要がない』という違法な主張をしない社労士は見かけないくらいですよ(苦笑)」

では、彼らはどんな手口で稼いでいるのだろう。

「彼らは企業から顧問料を受け取れさえすればいいんです。労使間で問題が起きて自分の出番が生まれればいい。だから、『残業代なんか払わなくていい』みたいなあからさまに違法なことも平気で言うわけです」

そこで従業員が手を引けば社長に感謝されて万々歳。

 

裁判になって会社側が負けても顧問料はもらえるから問題ないというわけだ。

「どちらに転んでもオイシイんです。以前、労使紛争の話し合いの場で、相手側の社労士からこっそりと『今回も揉めてくれてありがとう』なんて言われたこともありました」

 ただ、そんな無茶なやり方では、企業側と揉めないのだろうか。

「信頼関係が崩れたとしても、彼らはいろんな会社を渡り歩くのを前提で動いているので、そこは気にする必要がないんです。だからこそ、ブログなどで過激なことを書いて経営者に検索されるようにしているわけですから。おかしなことに裁判で負けても『俺の言いたいことを言ってくれてありがとう』と感謝する社長すらいます」


浜矩子 ドアホノミクスを叱る!

サンデー毎日 20162 7日号


年初来、日経平均株価は6日連続で下落した。株高は「アベノミクス」の明白な成果とされるだけに政権に与える衝撃は大きい。昨年11月に上梓した『さらばアホノミクス』(毎日新聞出版)が話題のエコノミスト、浜矩子氏に「安倍政権とわれわれの生活」を聞いた。
 
マイナンバー導入で政府がたくらむドアホ財政再建シナリオ

浜先生は安倍晋三政権が発足した直後から「アベノミクスではなくアホノミクス」と主張してきました。どんな考えからですか。


浜 本でも冒頭で取り上げましたが、「アホノミクス」がステージ2に入り、われわれの生活はとんでもない形で振り回されることになりかねないと非常に危惧しています。
 
GDP(国内総生産)を600兆円に増やす。そのために「1億総活躍」、すなわち「1億総動員」である。そういう方向性があまりに露骨に出てきています。しかもその背景に「GDPを増やせれば国防費を増やせる」というアメリカでの発言があります(2015年4月29日、笹川平和財団米国でのスピーチ後の安倍首相の発言)。「強い日本国」の土台となる、強くて大きい経済をつくるため「総員、奮励努力せよ」と号令をかけてきたのです。憲法改正を露骨に前面に出していますが、それが「アホノミクス」の正体なのです。
 
まさしく「ドアホノミクス」は富国強兵政策であり、憲法改正を実現して目指すは大日本帝国への立ち返りである。その構図にわれわれが引きずり込まれていく。そのために出生率を上げようとまで主張しており、全く驚くべき状況になっています。

「マイナンバー」(社会保障・税番号制度における個人番号)だって、「国民に1億総活躍させるために、個々の国民をどのように活用できるか」と政府側が把握するための貴重な情報源として使われかねない。
 
差し当たってはそうでないにしろ、金融資産の中身までが捕捉されることになる(15年9月の番号法改正により、18年から銀行預金にマイナンバーを付番できるようになった)。一方で、政府債務は1000兆円を突破し、事実上、倒産していると断言していいと思います。日本銀行がせっせと国債を買って「日本国は倒産している」という事実を必死に隠蔽(いんぺい)しているわけです。しかし、日銀の資産に占める国債の比率はものすごく大きくなり、民間金融機関より日銀の方が国債を持っている。続けていけば、日銀と円に対する信認の崩壊につながり、元も子もなくなる恐れがあるのです。
 
もしそんな極限的な状況になれば、日本政府は「国民一人一人の金融資産の一定部分を国債に振り替える」というような命令を出しかねません。では、それをどうやって実行するかと考える上で、マイナンバー制度は非常に有力なツールじゃないですか。そんなおぞましいつながりも見え隠れしているのではないか。そういう観点からマイナンバーの問題を見てしまいます。
 

甘利大臣ワイロ疑惑で新証言口利きで補償金2億円増か

2016
127日 日刊ゲンダイ


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新証言が飛び出した(C)日刊ゲンダイ


 甘利明経済再生担当相のワイロ疑惑は拡大するばかり。永田町では、甘利大臣以外にも「ワイロをもらっていた大臣がいたのではないか」なんて声が飛び交い始めた。


 芋づる式で閣僚の醜聞発覚なんて事態になれば、安倍政権が吹っ飛ぶ一大疑獄事件になる。


 その発端となるかもしれない甘利大臣の疑惑について、民主党は25日、疑惑追及チームを発足させ、初会合を国会内で開いた。


 週刊文春の報道では、建設会社S興業(千葉・白井市)は13年8月、工事トラブルを巡り、独立行政法人都市再生機構(UR)から2億2000万円の補償金を受けたとされる。両者間の交渉を取り持った謝礼として、S興業の総務担当者は500万円を甘利大臣の事務所の秘書に手渡したという。


 この破格の補償金について、民主党の会合に出席した元検事の郷原信郎弁護士から、驚きの新証言が飛び出した。


「詳細は定かではありませんが、当初、URはS興業に対して2000万円の補償金を提示したといいます。それがいつの間にか2億2000万円に跳ね上がったらしい。もし、甘利大臣の事務所の口利きがあったとすれば、あっせん収賄罪に当たる可能性が出てきます」


 あっせん収賄罪は「公務員が請託を受け、他の公務員に不正な職務行為の遂行をあっせんし、見返りとして賄賂を収受・要求・約束する罪」と定められ、5年以下の懲役に処せられる。UR職員は都市再生機構法により「みなし公務員」だから、甘利大臣側がUR側に「不正な職務行為のあっせん」をして2億円も補償金を吊り上げ、500万円を受け取っていたならアウトだ。


 民主党の山井和則議員はこう言う。


「2億2000万円の補償金について、真実なら極めて悪質性が高い話です。今後、URなどにヒアリングし、事実を明らかにしていきます。関係者らを国会に参考人招致することも検討するのは言うまでもありません」


 URに「補償金吊り上げ」の件を問い合わせたが、広報担当者は「調査中」と口を閉ざしたまま。国交省の天下り団体として数千億円規模の税金が投じられてきたUR。甘利大臣と同様、頬かむりで逃げ切れると思ったら大間違いだ。

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フォードの日本撤退報道が見事に暴いたTPP交渉の売国ぶり

2016
127日 天木直人のブログ 新党憲法9条


フォード社の日本からの完全撤退を報じるきょう1月27日の東京新聞の記事は、今度のTPP交渉の売国ぶりを見事に暴いて見せてくれた。
 
さんざん報じられた今度のTPP交渉で、その交渉の中心は日米二国間交渉だった。そしてその日米二国間交渉の中でも、メディアがさかんに取り上げた項目は、農産品と並んで米国車の日本市場シェア拡大のための優遇的規制緩和策だった。
 
ところが、日本が譲歩して与えた優遇策を盛り込んだTPP協定の発効を待たずして、フォードは日本からの完全撤退を発表した。それを知った日本政府の交渉担当者は「交渉の苦労は一体なんだったのか」と徒労感をにじませていると東京新聞は書いている。
 
そこまではまだ許せる。 そんな事も分からずに交渉していたの、と交渉担当者の情報不足を叱ればいいだけだ。
 
ところが、日本政府の関係筋は次のようにも語っているというのだ。
すなわち、米国政府も、米国車の販売不振が日本の規制のせいではないことを分かっていたはずだ、欧州車は順調に輸出を伸ばしており、日本の規制が外国車に不利とはいえないからだ、と。
 
そしてさらに次の様に語っているという。
それでも米国政府が日本に強硬な姿勢を取り続けた背景には、「米国内の議員や業界の理解を得るために強い姿勢を見せ続ける必要があっただろうし、軟化する時に農産品など別の項目で日本から譲歩を引き出す狙いもあっただろう」と。
 
ここまでわかっていながら、日本は車もコメ大幅譲歩した。まさしくTPP交渉は売国的だったということだ。米国の不当な要求を知っていながら、日本の国内産業を犠牲にしてまでも米国の利益実現に協力した。
それがTPP交渉の正体だったということだ。
 
収賄疑惑に関する甘利大臣の発言はウソだらけだが、そのウソを追及して首を取る前に、TPPのウソも白状させなければいけない(了)


          

米フォードの日本撤退 TPP交渉の苦労は何だったのか
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201601/CK2016012702000125.html
2016
127日 東京新聞

 米自動車大手フォード・モーターが、年内に日本から撤退することが明らかになった。販売が伸び悩んでいるための撤退とみられるが、米国政府は米国車を売り込むため、環太平洋連携協定(TPP)交渉に絡めた日米の二国間協議で規制緩和を強く求め、日本政府も一部の規制を緩和するなど苦心の譲歩で昨年十月に合意にこぎつけたばかり。発効もしないうちの撤退劇に日本政府には「交渉の苦労は何だったのか」(交渉担当者)と徒労感もにじむ。 (吉田通夫)
 
ロイター通信によると、フォードは日本で販売店を閉鎖、高級ブランドのリンカーンも含めた自動車販売から撤退するという。
 一方、TPP交渉に関して米国は協議で、自国の排ガスや安全の基準を満たした自動車は日本の追加検査を免除するなど、日本に大幅な規制変更を強く求めた。日本側と何度も衝突して交渉が遅れる原因となったが、最終的には日本の安全基準と同じか日本より厳しい七部品(内装材など)について追加検査を免除することで折り合った。
 
このほか二〇一三年にも米国の求めに応じ、安全審査を簡単な書類で済ますことができる「輸入自動車特別取扱制度(PHP)」の対象を拡大している。
 
しかしフォードは、TPPの発効を待たずに日本撤退を決めた。日本の交渉関係筋は「苦労して知恵を出したのに」と言いつつ「米国政府も、米国車の販売不振が規制のせいでないことは分かっていたはず」と分析する。欧州車は順調に販売を伸ばしており、規制が外国車に不利とは言えないからだ。
 
日本自動車輸入組合(JAIA)によると、フォードの新車登録台数は一九九六年の二万三千二百七十三台をピークに減少。二〇一五年は四千九百六十八台にとどまった。対照的に欧州勢は堅調で、メルセデス・ベンツが六万五千百六十二台と過去最高を更新した。自動車工業会の統計でも、一四年の米国車の販売シェアが0・3%だったのに対し、欧州車は4・9%だった。
 
欧州の自動車メーカーは日本でも人気の低燃費車を開発しているためで「一四年度は輸入車の65・6%がエコカー減税の対象だったが、すべて欧州車で、米国車はゼロだった」(JAIA広報担当者)。
 

それでも米国政府が日本に強硬な姿勢をとり続けた背景について、日本の政府関係者は「米国内の議員や業界の理解を得るために強い姿勢を見せ続ける必要があっただろうし、軟化する時に農産品など別の項目で日本から譲歩を引き出す狙いもあっただろう」と語った。
 

 

甘利大臣、続投方針も「文春」が第二弾でトドメの詳細証言! 告発者は安倍首相の「桜を見る会」に参加していた

2016.01.27.
 文春の甘利大臣追及第二弾!安倍とも リテラ


先週の「週刊文春」(文藝春秋)で賄賂の告発を受けた甘利明経済再生担当相だが、明日、28日の「週刊文春」第二弾の発売を待たず、安倍政権は「続投」の方針を打ち出した。

 

実名告発の上、物的証拠もそろった決定的なスキャンダルということで、この数日は永田町でも「辞任必至」という声が大勢をしめていたが、安倍首相のツルの一声で、続投が決まったらしい。


「甘利大臣は安倍首相にとって、首相復帰の立役者のひとり。安倍首相は『甘利氏をTPPの調印式に行かせたい』の一点張りで、聞く耳を持たなかったらしい。それでとにかくぎりぎりまで甘利氏を守るということになった」

 

まったく政治の私物化もはなはだしいが、安倍首相にこの決断をさせたのは、数日前から流れていた謀略説だった。

 

実際、昨日の本サイト記事でも指摘したように、官邸と自民党はしきりに謀略説を流していた。曰く「最初から告発目的で仕掛けていた」「告発者と週刊文春がワナにはめた」「告発者は甘利事務所に恐喝を仕掛けていた」……。菅官房長官に至ってはオフレコ懇談で記者に「告発者はそのスジの人物」と明言していたという。


「さらに、一昨日くらいになると、第二弾には完全なガセ情報が含まれているという話が流れ、これを指摘すれば、一気に形勢逆転、逃げ切れるという見方に傾いた」(全国紙政治部記者)

 

だが、安倍首相や官邸はとんだ思い違いをしていたようだ。明日発売の「週刊文春」第二弾は、ガセどころか、官邸や自民党の流す謀略説を真っ向から否定し、甘利大臣にトドメを刺すような事実を指摘しているという。

 

告発者の一色氏が暴力団組員説や恐喝説に逐一、具体的な反論しているのはもちろん、甘利事務所の公設秘書らがUR(都市再生機構)に「大臣の名前を使った「恫喝」まで行なっていた事実を証明するテープを公開。

 

さらに決定的なのは、2014年、甘利大臣に50万円を渡したやりとりを第一弾よりももっと詳細に証言していることだという。

「甘利大臣側は封筒の中身を知らなかった、ということにしたがっているようですが、『文春』の第二弾では、甘利大臣に告発者が『個人的なお金ですから受け取ってください』と説明していたことを証言しているようです。当然、この部分もテープがあり、甘利大臣は言い逃れできないはずです」(週刊誌関係者)

 

しかも、この50万円受け渡しの際には、甘利大臣に告発者が直接、2回目の陳情を行なっており、これは明らかに「不正の請託」にあたる。もはやあっせん利得罪はさけられないし、場合によっては、「受託収賄罪」が成立する可能性もある。

 

さらにもうひとつ、興味深いのは、この賄賂を渡した2ヶ月後、この告発者が安倍首相の「桜を見る会」にも招待されていることだ。明日発売の「週刊文春」ではその写真も掲載されているという。

 

安倍首相が必死で甘利大臣をかばおうとしているのは、もしかしたら、こうしたつながりで自分に火の粉がかかるのを恐れているからなのか。

 

いずれにしても、こんな疑惑だらけの状況で、続投を強行するというのは信じられないが、その根本的な背景には、今のマスコミと野党の体たらくがある。


「今回の疑惑は本当に決定的で、それこそ昔なら内閣総辞職ものですよ。ところが、今は、マスコミも野党も安倍政権に完全になめられていて、大臣辞職すらさせられない。官邸はきっと、こっちが恫喝すれば、マスコミなんて黙らせることができると踏んでいるんでしょう」

(ベテラン政治部記者)

 

実際、今日の『ひるおび!』(TBS系)などでは、安倍首相の応援団である時事通信社の田崎史郎解説委員が登場し、「甘利さんは封筒に現金が入っているのを知らなかった」「TPPは甘利さんだったからまとまったとアメリカ側も思ってる。(安倍さんが)調印式に行かせてやりたいと思うのは当然」などと、政権の言い分をそのまま垂れ流していた。

 

新聞も、甘利事務所側が300万円を告発者に返却していたと報じるなど(告発者は受け取っていないと主張)、なぜか、甘利事務所に肩入れするような記事をやたら連発している。

 

だが、この決定的な疑惑で甘利大臣の続投が許されるなら、もはや、この国では、為政者がどんな不正を働いても処罰されないし指弾されないということになる。安倍政権によって、日本は政権に逆らうものだけを摘発する中国のような汚職まみれ専制国家になろうとしている。マスコミはそのことをももっと自覚すべきだろう。


NHKスペシャル「冷戦・極秘映像は語る」の衝撃

 

(天木直人氏)25th Jan 2016 


きのう1月24日の夜9時から50分間放映された
NHKスペシャル「新・映像の世紀」は多くの観点から衝撃的だった。


「冷戦・極秘映像は語る」と題するその夜の番組は、
一歩間違えば本当に米ソ核戦争が起きていた事を私に教えてくれた。ケネディ大統領に、いまなら勝てると言って広島の何十万倍の核爆弾の投下を本気で進言していたのが、あの東京大空襲、原爆投下を指揮した、「皆殺しのカーティス・ルメイ」であった事も知った。

因みに日本は佐藤政権の1964年にそのルメイに最高位の勲章を与えてる。
ケネディに原爆投下を踏みとどまらせたのは、米国のスパイだったソ連の軍人からの、ソ連は核報復する、何億の人類が犠牲になる、という極秘情報だったことも知った。

そのスパイはその後捕まってもちろん処刑されている。
衝撃的だったのは、冷戦構造の中で米国がCIAを使って次々と政権転覆を重ね、代理戦争を推進していった事をNHKが認め、それをリアルな映像で流したことだ。

臨場感を示すためと断って虐殺場面をためらいなく放映した。
そして、そのような自らの陰謀がブーメランのように跳ね返って来たのがISの出現であると締めくくっている。

衝撃の極め付きは、キューバ危機にしても、ベトナム戦争にしても、
中東の米軍作戦にしても、沖縄が常に基地になっていた事を公然と認め、放映し、沖縄に大量の核爆弾が運びこまれていた事さえも暴露したことだ。

驚くべき率直さだ。
そして、その衝撃的な番組が終わった9時50分に、NHKは速報を流した。沖縄の宜野湾市長選挙の結果、安倍政権が支援した佐喜真候補の当選が確実になったと。

これはもちろん、まったくの偶然にちがいない。
しかし、私にはNHKの国民に対する無言の語り掛けのような気がしてならなかった。

これでいいのかと。
1月24日の夜9時から放映されたNHKスペシャル「新・映像の世紀」「冷戦・極秘映像は語る」は衝撃的な番組だ。
国民必見の番組だ。日米同盟と言う名の対米従属政策が、冷戦後もなお絶対的に優先されるこの国に対し、それでいいのかと問いかけた番組である。


NHKスペシャル 新・映像の世紀「第4集 世界は秘密と嘘(うそ)に覆われた」

「ワイロは罠」と周囲は擁護甘利大臣被害者ヅラの厚顔

2016
125日 日刊ゲンダイ


まるで「被害者」だと言わんばかりだ。自民党内から、甘利経済再生相のワイロ疑惑を擁護するような発言が相次いでいることだ。
 
この週末、自民党の高村副総裁は「この事案は録音されていたり写真を撮られていたり、わなを仕掛けられた感がある。攻撃側が用意周到にストーリーを作ってきている」と唖然の発言。山東昭子参院議員も「(週刊文春に)告発した事業者のあり方も『ゲスの極み』。まさに『両成敗』という感じでたださなければ」と言った。揚げ句が、甘利氏本人まで「大臣室に秘密に録音機を持ってこられた。衝撃、ショックだ。どういう目的なんだろうか」と言って、被害者ヅラだ。
 
この背景に何があるのか。ワナとはどういうことなのか。根拠のひとつは文春に実名告発した千葉県の建設会社「S興業」の一色武氏の証拠取りの手法だろう。ワイロをねだった公設秘書らといつどこで会ったかを細かく記録し、会話を50時間以上に及び録音。渡したピン札のコピーまで取っていた。一色氏にとっては「自分を守る手段」だったかもしれないが、シロートにはマネできない完璧さだ。こんな話もある。

「この件は最初は文春ではなく東京地検特捜部に直接持ち込まれたと聞いています。ところが、話を聞いた検事は事件化に消極的だった。証拠があまりに完璧なことに加え、動機がよくわからなかったからでしょう。そうこうして特捜部が事件を寝かせているうちに大新聞の社会部にも情報が伝わった。一色氏の背景などを調べているうちに、文春のスクープが飛び出たというのです」(捜査担当記者)
 
今後、一色氏やS興業の素性を暴くような報道が出てくるかもしれないが、だったら、余計に甘利大臣の脇の甘さが問われる。2013年から2年分の甘利大臣の政治資金収支報告書を確認すると、一色武氏名義の献金が18万円あったのだ。「S興業」名義も合わせると、献金額は計394万円に上る。こういうのをズブズブの関係と言うのである。
 
政治評論家の伊藤達美氏が言う。
「私は一色武さんがどんな方か知りませんが、収支報告書の寄付者に名義がある以上、甘利さんは知らないでは済みません。2年間にわたり、18万円も献金を受けたのです。献金した人の素性を把握しておくのは政治家として当たり前のことです」
 
今さらワナも何もない。
 

甘利明TPP担当大臣(66)と秘書の金銭授受疑惑で、公設秘書二人のUR(独立行政法人都市再生機構)に対する口利きの詳細が、週刊文春の取材でわかった。

二人は、公設第一秘書の清島健一・大和事務所所長と政策秘書の鈴木陵允氏。甘利事務所側は、道路建設を巡る補償交渉を巡り、千葉県内の建設会社の総務担当者から、約1200万円にのぼる金銭や接待を受けて、URに対し、口利きを行なっていた。

週刊文春が入手した録音によれば、清島所長は、20151027日に衆院議員会館を訪れたURの総務部長と国会担当職員を、鈴木秘書が「威圧した」と語っている。

〈開口一番威圧したんですよ。私たちは、今までこれほどこじれた話なんだから、現場ではなく、ちゃんと本社に持って帰る話だろうという話をしてたんです〉

〈最初にガツンと会った瞬間に「あんたたち、俺たちの顔立てるっつったよな、わかんなかったの?」って言ったから〉

 さらに、清島所長は121日には、URの総務部長と大和事務所で面談。

〈「駄目なら駄目なりにね、なんで値段上げられないのかね」って言ったら、「そうですよね」と〉

など、URに対し補償金額の話をした上で、

〈「大臣もこの案件については知っているんで、こっちもちゃんと返事を返さなくちゃいけないんですよ」と言った〉

と、甘利大臣の関与をうかがわせる発言もしていた。

週刊文春では、甘利事務所に確認を求めたが、締め切りまでに返答はなく、URは「調査中」と回答した。

URに対する口利きの詳細が判明し、あっせん利得処罰法違反の疑いが強まったことで、甘利大臣のさらなる説明責任が求められることになる。

文/「週刊文春」編集部

ドナルド・トランプはヒトラーと同じデマゴーグ【後編】

ニューズウィーク日本版 2016127日)

 

「米国」を擬人化する一方で、イスラム教徒は傷つけても構わない「モノ」に貶める扇動技法

デマゴーグは、誤った前提に基づいて立論し、理性よりも感情に訴えるため、「多数論証」や「脅迫論証」、「人身攻撃」などの技巧に頼ることがしばしばだ。

トランプはまた、「逆言法」という修辞技法を使う。逆言法は、「それについては話したくない」と言って責任を回避しながら自分が望む話題を提起し、強調するやり方だ。

例えば、昨年121日にニューハンプシャー州でトランプは次のように語っている。「(ほかの候補者は)そろって弱く、とにかく弱い。はっきり言うとすれば、総じて弱い。ただ、それで論争になるのはいやだから、そのことは言わないようにしよう。彼らが総じて弱いということには触れないよういしよう」

トランプの究極の誤謬

では、イスラム教徒に関する2015127日のトランプの悪名高い声明に戻って分析してみよう。


さまざまな世論調査のデータを見るまでもなく、憎悪が理解を超えたものであることは誰にも明らかだ。この憎悪はどこから来て、なぜ私たちは解決を迫られているのか。この問題と、この問題がはらむ危険な脅威を、われわれがこの問題を特定し理解できるようなるまで、ジハード(聖戦)をひたすら信じて、理性を失い、人命も尊重しないような人々による残虐な攻撃に対して、米国を犠牲にすることはできない。もし私が大統領選挙に勝利すれば、われわれは「米国を再び偉大な国」にできる。


トランプはこの声明の中で、アメリカ例外論と、イスラム教徒の米国への憎悪の両方を、自明の理(議論の余地がないこと)と決めつけている。

 

トランプに言わせるば、この2点は、大衆の知恵(多数論証)に支持されており、「誰にとっても明らか」なのだ。

トランプはまた、イスラム教徒を、ジハードをひたすら信じる、憎悪でいっぱいの、人命を尊重しない人々だと定義している。トランプは、モノ(米国)を人として、人(イスラム教徒)をモノとして扱う(関係代名詞に「who」ではなく「that」を使うことでモノだとほのめかされている)方法によって、「自明の理」同士を結合し、自分の主張の根拠としている。「ジハードをひたすら信じる人々による残虐な攻撃に対して、米国を犠牲にすることはできない」

トランプの土台となる論理は、アメリカはこうしたモノの犠牲者だというものだ。モノについては、人ほど配慮する必要がない。だから、私たちがイスラム教徒を入国させないことは正当化される。

最後に、トランプは「証拠」を都合よく歪曲することを指摘しておこう。トランプによれば、アメリカに住むイスラム教徒たちへの調査結果として、「回答者の25%が、アメリカ人への暴力は正当化される」と答えたとされている。だが、この調査の出所である安全保障政策センター(CSP)は、反イスラムのシンクタンクだといわれる。

また同じ調査で、アメリカに住むイスラム教徒の61%が「預言者ムハンマド、コーラン、あるいはイスラム教信仰を侮辱した人々に対する暴力は許容できない」と回答している点に、トランプは触れていない。

 
アメリカ人への暴力をグローバル・ジハードの一環として正当化することはできないと考える人が64%に上ることにも言及していない。

残念ながら、真のデマゴーグの常として、トランプは「事実」には関心がないようだ。

Jennifer Mercieca, Associate Professor ofCommunication and Director of the Aggie Agora, Texas A&M University
This article was originally published on TheConversation. Read the original article.
ジェニファー・マルシエカ
テキサスA&M大学コミュニケーション学)

ドナルド・トランプはヒトラーと同じデマゴーグ【前編】

アメリカ例外論、多数論証、脅迫論証……トランプが駆使する扇動者の修辞学を専門家が読み解く


ニューズウィーク日本版 2016126日配信掲載)
 

ドナルド・トランプは昨年12月、イスラム教徒を入国禁止にするべきだと主張して、世界中を憤慨させた。イギリスでは、「トランプのイギリスへの入国禁止」を政府に求める請願に約50万人が署名した。アメリカでも、民主党員や共和党員、メディア、宗教団体が、そろってトランプを非難した。

しかし、最近の世論調査では、有権者の37%が、支持政党に関係なく、イスラム教徒の入国を「一時的に禁止」することに賛成した。

トランプが傲慢で怒りっぽい点には、大半の有権者が呆れている。そんなトランプが、共和党支持者のかなりの部分を押さえ、支持を固めているように見えるのはどういうことなのだろう。

トランプは一部から、デマゴーグ(扇動政治家)でありファシストだといわれている。政治評論家がトランプを歴史上の人物にたとえる場合も、出てくるのは「人種隔離を永遠に!」と叫んだ元アラバマ州知事ジョージ・ウォレスや、共産主義者を弾圧する赤狩り(レッドパージ)で知られるジョセフ・マッカーシー上院議員(当時)、さらにはヒトラーなどの偏向した人物ばかり。そんなトランプが、根強く支持され続けているのはなぜだろう。

筆者は、「アメリカ政治における修辞技法」の研究者として、トランプの修辞技法を分析することで彼の人気の一端を説明できると考えている。

デマゴーグの修辞技法

デマゴーグはギリシャ語であり、「民衆の指導者」(demos=民衆、aggos=導く者)を意味する。

 

しかし現在では、民衆の偏見を利用して、間違った主張や約束をし、理性ではなく感情に訴える議論を駆使する指導者を指す表現になっている。

トランプは、国家の危機を訴えて有権者の不安を煽り、自らを国家を救うヒーローとして位置づける。敵を打ち破り、国境を守り、「米国を再び偉大な国にする」ことができる唯一の存在というわけだ。

トランプには、そうした目標を「どのように」成し遂げるかという具体性はない。だがそれは問題にならない。巧みで自信に満ちた演説のほうがはるかに説得力があるからだ。彼は聴衆に「私を信じよ」と言う。自分は「極めて優秀だ」と約束し、予言の力があるかのように振る舞う(例:「私は9.11の攻撃を予見していた」)。

トランプは自画自賛が激しく傲慢な人物に見える。研究によると、傲慢さはしばしば、指導者を目指す者にとって最も好ましくない資質なのだが、トランプはその傲慢さがあまりに徹底しているため自信過剰ではなく本物であるかのように見える。トランプの偉大さこそがアメリカの偉大さなのだ。

従って、トランプはデマゴーグだと言って間違いないだろう。デマゴーグは、実際に実権を握ると、法律や憲法を顧みない危険がある。ヒトラーはもちろんその最悪の例だ。

驚くべきことに、トランプは自ら、自分は何者の支配も受けないと言っている。

トランプは遊説で、自分が大統領にふさわしいことを証明するために、タフなビジネスマンとしてのペルソナを強調している。

 

これは、ソーシャルメディアと長年のテレビ出演を通じて作られたものだ。そのペルソナは束縛を拒絶する。トランプは、所属する共和党にも、メディアにも、ほかの候補にも、政治的公正にも、事実にも、まさにあらゆるものに縛られていないと語る。ある意味、制御不能な指導者としての自分を、自ら演出しているのだ。

敵対者は人身攻撃

ほとんどの有権者は、「制御不能な大統領」を望まないだろう。ではなぜ、これほど多くの人たちがトランプを支持し続けているのだろう。

まず彼は、「アメリカ例外論」という神話を利用している。トランプは、アメリカを世界一の希望として描き出す。世界唯一の選ばれし国だ。そしてトランプの判断はすべて、アメリカを偉大な国にすることに向けられる。自分をアメリカという例外的な国に結びつける一方で、自分を悪く言う者を「弱虫」「でくの坊」などと呼ぶことで、批判者たちを、米国の「偉大さ」を信じず、またそれに貢献することもしない人物だと決めつけることができる。

次にトランプは、疑問を向けられ、コーナーに追い込まれないようにするため、論理的に間違った、あつれきを生む修辞技法を使う。

例えば、大衆に訴えかけやすい「多数論証」を駆使することが多い(例:「世論調査が示している」「我々はあらゆるところで勝利している」)。

対立候補がトランプの考えや立場に異議を唱えると、トランプは、議論する代わりに人身攻撃、すなわち相手の人格を批判する(典型的な批判は「でくの坊」「弱虫」「退屈」)。

 

最も悪名高いのは、共和党の最初の討論後の世論調査で支持が高まり始めた米コンピューター大手ヒューレット・パッカードの元CEO、カーリー・フィオリーナの外見を嘲笑したことだろう「あの顔を見ろ!」「あんな顔に投票するやつがいるか? 次の大統領の顔だなんて信じられるか?」

最後に、トランプの演説は「脅迫論証」、すなわち「威力に訴える論証」がちりばめられていることが多い(「私に刃向かう者はボロボロになる」)。

(後編へ続く)

 
ジェニファー・マルシエカ(テキサスA&M大学コミュニケーション学教授)

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