真実の報道神秘

権力の『おかしな政策』におかしいと報道しない日本で、一人でも『おかしい』と声を上げ、真実を追求して行きます。

2014年03月

「電気が足りない」はウソでした・・・関西電力、事実上認める

 
脱原発を考えるブログより転載

 

「関電、今夏の計画停電回避へ 供給予備率をプラスと想定」(47NEWS=共同通信 328日)
http://www.47news.jp/CN/201403/CN2014032801002563.html

 関西電力は、「全原発が停止した場合の今夏の電力需給見通しに関し、供給力の余力を示す『予備率』をプラスと想定する方針を固めた」そうです。
  

「原発動かさないと電気が足りない」と主張し続けてきた電力会社、特に原子力発電依存率最大の関西電力(なお、社長の八木誠は電気事業連合会会長)が電気が足りていると言うわけですから、結局、原発を動かさなくても電気は足りているわけです。いままで、よくも大ウソを主張し続けてくれたものです。

 

なぜ今更、この大ウソを今年は変更することになったのか、もちろん、己の不徳を反省したなどというわけではありません。

関西電力が今年4月から首都圏で始めることにしている電力販売、100%子会社を通したものですが、親会社の電力が足りないのに、他地域で子会社通しなら供給できます、それも「格安で」、では、話に筋が通りません。
 

欲の皮を突っ張らせ放題突っ張らせたあげく、言ってることとやってることが食い違い、収拾がつかなくなってしまったわけです。
 金儲けしか考えていない電力会社の、原子力発電したいというわがままに、何で国民、命がけで付きあわなければならない??


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以下、コメント)--------------

関電の原発を全部止めても、余裕で首都圏に売電できる。電力不足は大ウソだったということです。小出裕章氏は、電力供給は十分余裕があります、心配ありません、とインタビューで答えていましたが、その通りでした。

 

原発を稼動しないと停電が起き、透析患者がみんな死んでしまう、とギャアギャア大騒ぎしたしたのはどこの誰か。産経新聞、おまえだ!
そういった脅迫に乗っかって、こういう主張するバカ者もいた。

「『死に直結するリスクを背負う覚悟』...あなたにありますか?」 
http://ameblo.jp/inugamiakira/entry-11313509189.html

透析、難病患者を利用した極めて悪質な脅迫である。全部、マヤカシであった。

死に直結するリスクを背負う覚悟をしてもらうのは原発推進側だ。
原発を再稼動しないと電力が不足するという脅しは、今後一切通用しないということだ。
 

48年目の真実。検察から捜査権を取り上げよ
 
日々雑感より転載2014/03/28

 

 袴田事件が48年にして再審が決定した。死刑囚として人生の大半を刑務所で過ごさなければならなかったのはなぜだろうか。 証拠採用された衣類を見れば袴田氏が犯人でないのは歴然としている。第一犯人が着用していた血染めのズボンは小さすぎて入らない。それを時間の経過により小さくなった、と検察は主張していたというから驚きだ。
 
袴田氏は捏造された証拠により味噌屋会社の専務一家4人を殺害した犯人として30歳で捕えられ、78歳の今日まで死刑囚として死刑執行の恐怖の日々を刑務所で過ごしてきた。彼の人生は「無念」の一語に尽きるだろう。 しかし、なぜこうしたことが起こったのか。あなたがある日突然、身に覚えのない冤罪で死刑判決を受け、刑務所に入れられたとしたらどうだろうか。二度とこうしたことがあってはならないが、一度としてあってはならないのも言うまでもない。
 
公訴権と捜査権を併せ持つ検察の持つ権力の余りの大きさに危惧を覚える。彼らが捜査して『コイツが犯人だ』と睨めば、何としてでも犯人に仕立て上げることは出来るだろう。証拠を捏造し、マスメディアに嘘の情報を垂れ流せば良い。
 
小沢一郎氏の場合がそうだった。取るに足らない『政治資金規正法の収支報告書』の『期ズレ』をあげつらって、さも重大事のように報道機関に捏造した情報を垂れ流した。不動産購入で手付を支払って仮登記を設定するのは『作為』の証拠のはならないし、決済時に登記をしなかったことが『操作』にも当たらないのは不動産取引にかかわる者なら常識だ。
 
しかし決済時と登記時のズレを、さも重大事であるかのように検察は指摘してマスメディアに捜査情報として横流しした。それをマスメディアは検証することもなく垂れ流して小沢一郎氏の政治家としての影響力を殺ぐために人格攻撃を三年有余に亘って執拗に続けた。そして今もマスメディア関係者たちは素知らぬ顔をして正義面でテレビに出ている。
 
検察の捜査権は取り上げるべきだ。彼らに捜査権がある限り、意図した捜査がなされ、自分たちの意図に沿わない事実が見つかれば無視し、意図したストーリーに合致する証拠が見つからなければ捏造しかねない。それが人間というものだ。検察官はスーパーヒーローではなく、ただの法律知識を普通の人よりほんの少しだけ頭に詰め込んだ人に過ぎない。だから検察上層部から指示されれば手柄を上げたい欲求に駆られたり、自分たちの見当違いを屁理屈をくっつけて補強したり証拠を捏造したりすることもありうるだろう。だから検察から捜査権を取り上げるべきだ。
 
あくまでも捜査は警察が行い、検察は警察が持ち込んだ証拠を基に合理性と法に照らし合わせた事実だけで公訴すべきだ。公訴権だけを検察権力とすれば、検察は証拠を捏造する必要がない。犯人逮捕が自分たちの手柄とならないから、マスメディアを操って正義のヒーローになる必要もない。
 
いや、この世に正義のヒーローはテレビや映画の世界だけでたくさんだ。淡々と警察が悪党を逮捕し、検察が法に照らし証拠を調べて公訴すれば良い。検察の変な正義のヒーロー演技のために、社会から抹殺され人生の48年間を死刑の恐怖にさらされるとは想像するだけでゾッとする。
 
 

脱原発世田谷区長 区営発電所推進で「電力の地域独占崩れる」

 

NEWS ポストセブン 328
 

およそ8700平方メートルの土地一面に1680枚もの太陽光パネルがずらりと並ぶ。
 今年31日、神奈川県三浦市の高台に開設された「世田谷区みうら太陽光発電所」。今後、ソーラーパワーを用いて一般家庭130世帯が1年に使う電力に相当する448300kwを発電する予定だ。
 
この事業を行うのは一般企業ではなく、東京都世田谷区。自治体が区営発電所を持つ理由を保坂展人・世田谷区長に聞いた。

 

「私が20114月に『原発依存の社会からの転換』を公約にして世田谷区長に立候補したきっかけは福島原発事故でした。福島で発電した電気を無尽蔵に使ってきた東京23区の中で、世田谷区は88万人という最大の人口です。世田谷で脱原発を実践してみせれば、ここから社会全体の流れを変えられるんじゃないかと考えたんです。そのひとつとして、区で持っていた三浦市の土地に発電所を作りました」(保坂区長)
 
世田谷区は、「みうら太陽光発電所」で作った電気を、競争入札で応札した民間電力会社に売り、収入を再生可能エネルギー普及のため活用する。

「今後は福島県や群馬県など、日本各地で再生可能エネルギーを用いて作った電力を世田谷区内で使う地域間連携をさらに強めたい。そうすれば電力会社の地域独占が崩れるはずです」(保坂区長)
 
また世田谷区は「電力の地産地消」を目指し、区民の住宅や事業用建物に国の補助金を使って廉価な太陽光パネルを設置する「世田谷ヤネルギー」プランや区が使う電力の競争入札などを推進する。

「区役所で利用する電気を競争入札したら、東電から買うより年間1億円以上安くなりました。こうした新電力の利用もどんどん進めていきます。原発に頼る社会を一日でも早く脱出したいという消費者が非常に多いので、今後はさらに再生可能エネルギー事業者を盛り上げていきたい」(保坂区長)
 
世田谷発の再生可能エネルギー革命が進行している。
 

「彼は小沢一郎の無罪が確定した後も執拗に批判していた。説明責任はどうする?猪瀬は辞めたよ:二見伸明氏」


2014/3/27 晴耕雨読より転載


東日本大震災の被災地で自治体による復興用地の所得が難航してる問題で「『用地取得特措法で』復興迅速化へ日弁連が意見書」(毎日24日)。


生活の党はすでに「東日本大震災復興特別区域法の一部改正案」をとりまとめ、他党の協力を得て議員立法で国会に提出する方針だ。方向は日弁連と同じだ。生活の党案では住宅再建を円滑に進めるために土地収用の対象を50戸から5戸まで要件緩和することや権利調整等がまだでも工事に着手することを容易にする改正も盛り込んである。

これで新しい街つくりの阻害要因はなくなる。安倍総理の月一回の東北巡業は否定しないが、復旧復興には関係なしだ。

24日、「東日本大震災復興特別区域法の一部改正案」を「他党の協力を得て国会に提出する」とツイッターしたが、今日、民主、みんな、結いとの4党共同で国会に提出した。維新、社民、共産も賛成のようだ。
びっくりした自公は同じような法案を提出するとのこと。

山椒は小粒でもぴりっと辛い。
渡辺喜実君、ちょっと説明してもらおうかね。
化粧品大手DHCから8億円借りた件について。
朝日新聞の取材に対し吉田会長は渡辺氏の個人口座に振り込んだことを認めたうえで「選挙に必要な資金との認識だった」と語った。
数日前の時点で貸付残高は55千万円だそうだ。

なんか猪瀬に似ているな
渡辺氏の121216日時点の資産報告書では借入金の残高は25千万円で、吉田会長の話とは食い違っている。事と次第によっては政治資金規正法、公選法違反に発展するかもしれない。

彼は小沢一郎の無罪が確定した後も執拗に批判していた。
説明責任はどうする?猪瀬は辞めたよ。
 

本物は?安倍詐欺師を伝える東京新聞、福島甲状腺がん多発を伝えるテレ朝。

 

ハイヒール女の痛快日記2014.03/27 

 

はじめまして!東京ルミックスです。
ハイヒールより好きなものはごちそうさん!?!


東京新聞の広告面はハッキリ言って超一流企業が少ない。広告面だけ見れば超ローカルの地方新聞のようだ。逆に言えばそれが勲章かもしれない。確かに関東ブロック紙なのだが、記事内容は朝毎読よりは遥かにリベラルだ。一流企業の広告出向が少ないのは体制や企業に媚びないからだと思う。


今日の朝刊も、安倍の原発輸出意欲衰えずとある。


安倍首相がハーグで開催された核安全保障サミットで、原発セールスを展開した。カザフスタンのナザルバエフ大統領との会談で「原発事故の経験を踏まえた安全性の高い技術の提供など、支援できる可能性がある」と表明。大統領は高い関心を示した。フランスのオランド大統領との会談では「原子力やハイテク分野での産業協力を進展させたい」と提案。大統領からは「日仏の原子炉の第三国への輸出を進展させたい」と賛同を得た。


福島原発事故の原因究明や処理が終わっておらず、日本の原発は安全だとの主張には疑問が残る。


他の新聞は信用ならないので東京新聞しか購読してないが、ここまでシビアに本当のことを書いてる新聞はないはずだ。安倍の無責任極まりない行動は到底許されない。最早、正真正銘の詐欺師だ!日本人なら誰でもわかるでしょ。何が福島原発事故の経験を生かした安全性の高い技術の提供だ!福島原発はほぼ毎日の如くトラブルが発生して、途轍もない莫大な量の放射能を撒き散らしているのだ。日本人の命さえ危うい超綱渡り状態なのだ。


その殺人マシーンを海外に売る安倍は犯罪者だ!しかも、福島原発事故を商売道具に使っているのだ。


かたやテレビ朝日だが、日刊ゲンダイによると、報道ステーションは「福島の33人の子供が甲状腺がんになっている」というタブー視されてる事実を大々的に特集。甲状腺がんと診断された母親に古舘伊知郎氏自らインタビューし、さらにチェルノブイリとの比較やがんの疑いのある子供への、


福島県立医大の対応についてもキッチリ苦言を呈した。


私は実際には報ステを見ていないが、本来であればこんなことは普通であってマスコミとして当然でしょう。何故、甲状腺がんがタブーなのだろう。不思議じゃない?報道しない方が異常であって、殊更褒める方が可笑しいでしょ。それだけマスコミが御用マスコミ化してしまってる証拠だ。安倍首相が甥っ子を、フジテレビの日枝に頼み込み入社させ、


バーターとして、笑っていいともに出演して支持率のアップを図ったのだ。


体制とマスコミのあってはならない、ナアナアの構図が出来上がっているのだ。新聞マスコミは「社会の木鐸であれ」と言う言葉はとうの昔に死語になり、社会に警告を発し啓蒙する機関なぞほぼ皆無と言っていい。東京新聞と、ほんの一握りの正義感の強いフリーのジャーナリストが個人レベルで、体制と対峙して頑張ってるだけでしょ。


日刊ゲンダイ評では、古舘キャスターは2年前の原発事故特別番組で「圧力がかかって番組を切られても本望」と語ったとあるが、まあ、通常の彼から推測すると口先だけだと思う。万が一、古舘がそのつもりでもテレ朝自体は遥か昔から御用マスコミそのものである。親会社である朝日新聞の広告面を見ればすぐ分かる。


東京新聞と間逆だ。超一流企業の広告が華やかに咲き誇っている!

 

 
植草一秀の『知られざる真実』より転載2014326

日本政治の転落は、2009年に誕生した鳩山由紀夫政権が既得権益の総攻撃を受けて破壊されたところから始まっている。

第二次大戦後、日本は新生の道を歩むはずだった。GHQは徹底した日本民主化の方針を示した。1947年に新しい憲法が施行され、総選挙が実施されて、片山哲内閣が樹立された。新生日本にふさわしい門出であった。GHQは徹底した民主化方針を示し、財閥解体・農地解放・労働組合育成などの諸改革を断行した。さらに、NHKの抜本改革にも着手した。NHKを政治権力から切り離し、民主的な組織に衣替えをさせようとした。

ところが、この「民主化」が中断され、逆に「非民主化」に舵が切られたのである。背景は米ソ冷戦の始動である。米国の対日占領政策の基本は「民主化」から「反共化」に転換し、「民主化」路線は「非民主化」路線に転換された。同時に日本は「独立」の道を閉ざされ、「対米隷属」の道を進むことを強制された「非民主化」、「対米隷属」の路線を敷いたのが吉田茂内閣である。

吉田茂氏はまさに「対米隷属の父」である。片山哲、芦田均、重光葵、鳩山一郎、石橋湛山など、対米隷属の路線に抵抗を示した指導者は存在したが、日本を支配し続けた米国と米国に隷属する日本人が、これらの人々を排斥した。その流れが、60年間も維持されたのである。


2009年9月に樹立された鳩山由紀夫政権は、この歴史に終止符を打つ、画期的な意義を有する政権であった。
米国・官僚・大資本による日本支配の構造を打破すること。これが鳩山由紀夫政権が目指した方向であった。この政権樹立を牽引したのが、鳩山由紀夫氏と小沢一郎氏であった。この政権が延命し、2010年7月参院選を勝利していれば、新生日本が花開いたはずである。


しかし、その道は破壊された。米官業のトライアングルは、小沢-鳩山政権の安定化を阻止するべく、総力戦を展開した。そのために実行したのが、人物破壊工作である。小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏を標的とした人物破壊工作が実行された。私に対する人物破壊工作も、基本的にこの系譜に属するものである。

小沢氏と鳩山氏に対する人物破壊工作を実行する際に、素材として用いられたのが「政治とカネ」の問題である。鳩山由紀夫氏は、鳩山一族の財産を政治活動に投入したことに関する問題だった。鳩山家が投入した政治資金の出処を第三者名で届けたことが問題とされた。しかし、資金の本質は、自己資金を政治活動に投入したというものであり、「私腹を肥やす」こととは正反対の、「身銭を切る」活動が問題とされたものであった。


小沢一郎氏の問題は、まさに、重箱の隅を突くような、些末な問題であった。
未来産業研究会、新政治問題研究会という、二つの政治団体からの政治献金を事実通りに収支報告書に記載して提出したことが、「虚偽記載」だとされた事案である。


多くの政治家資金管理団体が、まったく同じ事務処理をしたが、なぜか、小沢氏の資金管理団体だけが違法行為として摘発された。
これが「西松事件」と呼ばれた事案である。もうひとつの問題は、2004年10月に代金決済があり、2005年1月に移転登記が行われた世田谷不動産の取得に関する収支報告が2005年の報告書に記載されたことが、やはり「虚偽記載」だとされた事案である。

世間ではこの事案を「陸山会事件」と称している。小沢氏の事務所では司法書士に確認の上、2005年の収支報告書に記載して報告したのであり、およそ違法行為とはほど遠い事案である。しかし、メディアがこの事案を、最大級の悪質政治資金事件として大報道したために、日本政治が転覆された。これらの謀略工作によって、小沢-鳩山政権は破壊され、その後に、既得権に寝返った菅直人政権、野田佳彦政権が樹立され、さらに、現在の安倍晋三旧政復古政権が生み出されたのである。「日本の喪失」と言って間違いのない、大損失が生み出されたのである。


いま問題とされている、猪瀬直樹氏の「政治とカネ」の問題、渡辺喜美氏の「政治とカネ」の問題と比較して、鳩山氏や小沢氏の問題は、塵のようなものである。
猪瀬氏の問題は、限りなく「収賄」、「裏金受領」という実質的な犯罪行為と言えるものであり、渡辺氏の問題も、まだ事実関係が明かでない部分があるが、伝えられていることがらが事実とすれば、重大な巨額の「裏金受領問題」である。


日本政治が歪んでいるのは、ものごとの重大性、悪質性判断が、事実に基かず、政治的魂胆によって決定されていることによっている。
これでは、日本は暗黒の世であり続けてしまう。
 

藤巻健史 「日銀が国債を買えばいい」 ねずみ講と同じ?

 

週刊朝日より転載  2014328日号


伝説のディーラー藤巻健史氏は、今後国債の買い手がいなくなることをこう危惧している。

*  *  *
 35日の参議院予算委員会で麻生太郎財務相に質問した。質疑のなかで財務相は、「これだけ大量に国債を発行しているのに、長期金利が低位安定している。この理由を説明できた経済学者は一人もいない。日本国債には借用があるのだから、今後とも国債発行に関しては心配していない」と言った。
 
経済学者には難しくても、元ディーラーの私なら簡単に説明できる。日本銀行が大量に国債を買っているからだ。マネタリーベース(日銀が供給する通貨量)270兆円を達成するために、2012年末に89兆円だった長期国債の保有を今年末までに190兆円に増やそうとしている。2年間で100兆円の買い出動だ。
 
新年度予算案は例年どおり40兆円を超える赤字である。誰かが、この穴埋めに発行される40兆円分の国債を「買い増し」してくれなければならない。国債の保有者が「売らない」だけではだめなのだ。新しい借金分を誰かが「買い増し」してくれなければならない。この買い増し役を日銀が引き受けているということだ。
 
しかし、日銀が、その買い増し役を降りる今年末以降が心配だ。誰が買ってくれるのだろう? マーケットは先を読むから、危機はもっと早いかもしれない。「日銀がさらに国債を買い増せばいい」と安易に考えてほしくない。「日銀が買い続ける限り債券価格は下がらない(=金利は上がらず、低位安定する)。だから安全だ」との考えは、「国民の財産がすべてねずみ講にシフトするまで、ねずみ講は破綻しない」との主張と同じだ。
 

逃げる外国人投資家なりふり構わぬ安倍政権の窮余の策


日刊ゲンダイ2014324

 

先週、明らかになった外国人投資家の巨額の日本株売り。今月9~15日の週に海外の投資家が日本株を1兆924億円も売り越したのだが、これはリーマン・ショック後で最大、世界的に株価が大暴落した1987年のブラックマンデーに並ぶ規模だ。

「外国人投資家は昨年だけで15兆円を買い越していた。4月からの消費税増税で日本の景気が悪くなるのは確実だから、ここで売りに転じて利益を確定させようということです。また、安倍首相が経済重視の姿勢から、集団的自衛権などの安全保障政策に力を入れる方針に転じたことも大きな売り要因になっている。外国人投資家にとって、周辺国との緊張を高める右翼路線がカントリーリスクになっているのです」(東海東京証券チーフエコノミスト・斎藤満氏)


アベノミクス相場を支えてきた外国人投資家に逃げられたら、株価頼みの政権はオシマイだ。今後、外国人好みの政策を打ち出して、なりふり構わぬ「PKO」に走るとみられている。PKO(Price Keeping Operation)とは、国連平和維持活動をもじったもので、政府による株価維持政策のこと。さっそく、菅官房長官は19日の経済財政諮問会議で、法人実効税率の引き下げについて「来年から取り組むべきだ」と踏み込んだ。しかし、その日の夕方、ロイター通信は「日本株への資金流入が逆流、外国人はアベノミクスの約束に疑い」と書いていた。

法人減税 追加緩和 雇用改革 年金基金投入……

「法人減税は代わりの財源をどこから持ってくるのかという問題があって、外国人投資家の間でも実現性が疑問視されている。海外の投資家を呼び戻すため、もっと分かりやすい刺激策があります。例えば、追加の金融緩和。マーケットが追加緩和を期待しているのは間違いない。もう一段の円安が進めば、為替差益で業績が良くなる輸出企業が買われるでしょう。3・5兆円という日銀のETF買いの枠をさらに拡大することも考えられます。あとは、特区を中心とした規制改革で、企業活動を後押しする政策をどれだけ出してくるかです」(ロータス投資研究所代表の中西文行氏)


企業の収益率を上げるのに手っ取り早いのは人件費のカットだ。昨年来、産業競争力会議などが「雇用の流動化」を進めるのに躍起だが、株価維持のため、雇用が犠牲にされるのか。安倍政権が原発再稼働に前のめりなのも、企業の利益率を上げることしか考えていないからだ。

「安倍首相が、株価維持が最重要と考えているのなら、目減りするリスクを顧みずに、年金基金などの公的資金を株式市場につぎ込むことも考えられます」(斎藤満氏=前出)

どれも庶民には何のメリットもない。日銀や公的資金が買い支えて無理やり株価を維持するくらいなら、いまや「カントリーリスク」と化した安倍が辞めるのが一番の株価対策になるのでは?

 
晴耕雨読より転載2014/3/23 
 
ある日、ツイッターを見ていたら、こんなことを書いている方がいた。発電の為に避難計画しなきゃいけない原発。ばか丸出し。その通りだと思った。で、返信した。ほんとうに、逃げ道を作らなきゃ発電できないシステムって、根本から間違えていますよね。
 

避難計画がなければ電気を作ってはいけないのが原発というシステム。それだけ原発が危険だと、政府も電力会社も官僚たちも自治体も認めている、ということだ。原発では、いつ、避難しなければならないような過酷事故が起きるか分からない。しかし、多分、いつかは起きるだろう。だから、住民の避難路を確保し、移動手段をきちんと確認しておかなければならない。アメリカでは、建設が完成していながら、避難計画がズサンだったために結局、廃炉に追い込まれた原発さえある。
 

ところが日本では、避難計画がきちんと策定されていないにもかかわらず、再稼働のための安全審査を申請する原発があとを絶たない。しかも、厳しい安全審査をしなければならない立場の原子力規制委員会の田中俊一委員長の発言は、まことにあやふやなのだ。 310日の参院予算委員会で、社民党福島瑞穂議員の質問に、田中委員長の答弁は揺れ続けた。こんな具合だ。
 
「規制基準と防災は車の両輪です」。しかし「新規制基準への適合審査は規制委の所管ですが、防災・避難計画の所管は内閣府原子力災害対策室、策定・実行は自治体の仕事です」と、逃げを打つ。また「住民が安心できなければ、再稼働には結びつかない」と言いながら「(規制委は)避難計画の実効性があるかどうかを言う立場にはありません」と、答えをはぐらかす。(社民党HPより)
 
考えてみれば、これは恐ろしい発言だ。結局、「住民避難など知ったことか、それは規制委には関係ない。各自治体で勝手にやりなさい」という態度である。それではいったい何のために、規制委は存在するのか。では、原発立地自治体や周辺自治体の住民避難計画はどうなっているのだろうか? 朝日新聞デジタル(311日配信)が、そのひどい実態の一端を明らかにしている。


避難計画、4割が未整備   原発30キロ圏首長アンケート  

原発事故を想定した自治体の避難計画づくりが遅れている。朝日新聞は原発から30キロ圏内の21道府県と134市町村の首長にアンケートを実施。それによると、4割の市町村で計画ができていない。つくった市町村でも実効性に不安を抱える。安倍晋三首相は「安全が確保された原発は再稼働する」としているが、地元の備えは整っていない。アンケートでは、市町村に求められている避難計画を、51市町村が策定できていないと答えた。全国16原発でみると、東通(青森)、女川(宮城)、福島第二、東海第二(茨城)、柏崎刈羽(新潟)、浜岡(静岡)、敦賀(福井)、美浜(同)、大飯(同)、高浜(同)の計10原発(計32基)で30キロ圏の市町村の計画がそろっていない。(略)
 

避難計画を「策定した」「年度内に策定見通し」と答えたのは計81市町村。泊原発(北海道泊村)の30キロ圏内にある北海道積丹町は昨年、計画をまとめた。だが松井秀紀町長は「この計画で本当に住民の命を守れるのか」と不安を隠さない。
 

切り立った半島の海沿いに集落が分散する町では、1本の国道が唯一の避難路だが、落石でしばしば交通止めになる。昨年10月、住民が孤立したとの想定で実施した防災訓練では、海上保安庁の巡視艇で避難する予定だったが、波が高く、中止になった。(略)
 

これが実態なのだ。机上で作った計画など、実際にうまくゆくのかどうか誰にも分からない。この記事では、ほかの例も多く挙げている。壱岐島では、玄海原発から30キロ圏の境界線が島を分断する。避難計画では圏内の島民は車で島の北部へ逃げる手はずだが、実際には「対象島民を線引きするのは難しい」として、全島避難も考えているという。しかし、島内には使える大型船は6隻のみ。これでは全島避難は難しい。
 

さらに、93万人が30キロ圏内に住む東海第二原発では、2009年に茨城県が自家用車避難の地域防災訓練を実施。ところが原発周辺が大渋滞。県が昨年発表した試算では、5キロ圏の9割の住民が県外に出るのに15時間かかるという。しかも30キロ圏内の14市町村のうち、13の自治体がいまも避難計画を策定できていない。
 

これが、住民避難の実態なのだ。国も各自治体も電力会社も電事連も経産省も国交省も原子力規制委員会も、ましてや安倍首相も、こんな避難計画のズサンな実態を知りながら、それでも再稼働へ邁進しようとしている。
 

東京新聞(32日付)の記事を見てみよう。


再稼働容認 2割 
原発30キロ圏内 同意不要に不満

 全国の原発の半径30キロ圏にある百五十六自治体のうち、原子力規制委員会が審査を終えれば原発の再稼働を「容認する」と答えたのは、条件付きを含めても約二割の三十七自治体にとどまることが一日、共同通信社のアンケートで分かった。「判断できない」との回答も約四割の六十六自治体に上っており、再稼働に向けた手続きは難航しそうだ。(略)
 

事故時の住民避難を尋ねたところ「どちらかといえば難しい」を含めて、半数近い七十二自治体が困難とし、避難への準備が整わない実態も明らかになった。(略)
 

「容認」は十三自治体、「条件付き容認」は二十四自治体に対し、「容認しない」は三十二自治体だった。(略)
 

これらのアンケートをみる限り、住民の逃げ道はまだ確保されていないというしかない。地震や津波のほかに、悪天候下で大きな事故が起きた場合、過疎地の半島の突端などにある原発周辺から、住民はどうやって避難すればいいのか。海が荒れていれば、船も使えない。
 

この冬は、記録的な大雪だった。もし、あのような大雪の中で重大な原発事故が起きたら、住民はどうしようもないだろう。現役官僚が書いたとして話題になったベストセラー小説『原発ホワイトアウト』(若杉冽、講談社)にも、大雪の中で原子炉がメルトダウンする様子が描かれている。新崎原発(柏崎刈羽原発がモデル?)が、雪の中で陸の孤島と化し、除雪車も動かせず、ついに最悪の事態を迎える……。原子力ムラの人々は「悪天候のもとでは原発事故は起きない」とでも言うつもりなのだろうか。
 

小説には、新潟県の泉田裕彦知事をモデルにしたらしい新崎県の伊豆田知事という人物も登場するが、実際の泉田知事は、住民無視の再稼働には強く反対している。 こんな状況の中で、規制委は川内原発(鹿児島)の安全審査を最優先で行うことを決めた。 想定する最大級の揺れを示す「基準地震動」を、九州電力がこれまでの想定の540ガル(ガルは揺れの勢いを表す加速度の単位)を620ガルに引き上げたからだという。また、最大津波の「基準津波」も、取水口付近での3.5メートルを5メートルに引き上げたことも評価したという。
 

どうにも合点がいかない。数字上の操作だけで、なぜ安全審査を優先できるのだろうか。どうも、この規制委の態度軟化の裏には自民党筋からの強い圧力があるらしい。少し古いが、朝日新聞(228日付)の記事が、その圧力のすごさを垣間見せている。


町村氏「規制委、常識外れ」
原発安全審査、長すぎると批判

 自民党の町村信孝元官房長官は27日の派閥会合で、原子力規制委員会について「ちょっと常識から外れているのではないか」と述べ、原発の安全審査に時間がかかりすぎだと批判した。茂木敏充経済産業相も18日の閣議会見で規制委に苦言を呈しており、独立性が重んじられる規制委への圧力となりかねない。
 

町村氏は「いつ原発が再稼働できるのかはっきりしないので(電力)会社の存立が危なくなっている」と述べた。安全審査中の原発の再稼働時期が見通せないことが不満のようだ。(略)
 

同記事は「圧力となりかねない」と書いているが、これはまさに圧力以外の何物でもない。しかも町村氏は「会社の存立が危ない」とまで言っている。安全性よりも電力会社の存立のほうが、町村氏にとっては重要なのだ。こんな露骨な電力会社擁護を平気で口走る。政治家というよりは、電力会社の使い走りというほうが相応しいだろう。
 安倍を筆頭に、財界のパシリのような政治家たちばかりが跋扈するのが、悲しいかな、現在の政界の有り様だろう。

 
繰り返すけれど、「住民避難を考えなければならない発電システム」というのは、やはりおかしい。平気でそれを再稼働させようとしている人々も、やはりどこかおかしい。おかしいと思わない人がたくさん存在するこの世の中も、おかしい。
 

アメリカが介入した国で平和になったのは日本とドイツ 他の国すべて崩壊

世相を斬る あいば達也より転載(2014/3/23
 

以下は、シュトゥットガルト在住の川口マーン恵美氏のコラムだが、日本のあらゆる識者面した人々よりも、冷静に、且つ皮肉な観察眼で、ウクライナ問題を解説している。筆者の言い分も含まれている。ただ、彼女の方がよりニュートラルな立ち位置で解説している。本日は、このコラムを転載することで、ウクライナ問題がどのようなものか、そして、プーチンが悪いのか、欧米陣営が理不尽なのか、日本の人々に考えて貰うことにする。

プーチンのことを好きだとか嫌いだとか、そう云う情緒的立場を捨て、自分がロシアの立場であったら、EUやアメリカのウクライナ介入の強引さを理解してもらえるだろう。自分たちの都合上の理由で、正義が裏にも表にもなるようなジャッジしかできないアメリカに、これ以上世界の警察をやらせておくことは、危険すぎるのである。喧嘩を仕掛けてきたのはアメリカのマケインとヌーランド、そしてEUだ。その手法も短絡的で、腰が座らないチャチャな介入で、本気度さえ疑ってしまう。安倍に塩を送るのも癪だが、日本はロシアとの距離感を見誤らないことだ。


 
≪ 「ロシアが悪い、プーチンが悪い」は本当か!? クリミア編入騒動で浮き彫りになる西側の傲慢とダブルスタンダード

ウクライナについての報道を見ていると、おかしなことばかりだ。ドイツのニュースはクリミア情勢一色で、欧米が対ロシア制裁に踏み切り、さらに日本がその列に加わったということまで逐一報道された。日本の動向をここまで仔細に取り上げるのは、珍しいことだ。
 

ドイツメディアの論調では、ロシアはウクライナの主権を踏みにじり、侵略し、国際法を破ったので、厳しく制裁しなければいけないという。独シュタイ ンマイヤー外相は、「今になって既存の国境を変更するというのは、信じられない事態であり、これが認められるなら、将来、エンドレスの紛争があちこちで始まることになる」と言った。
 

この主張、「ロシアが悪い、プーチンが悪い」というのは、アメリカの言い分の通りで、それにEUが追随している状況だ。そして日本も同様に、17 日、やはりロシア非難に加わった。ただ、EUも日本も、ロシアとは持ちつ持たれつの状態を保ちたいさまざまな事情があるので、諸手を挙げて制裁に加わって いるわけではないだろう。

そもそも疑問符だらけのウクライナ暫定政権

さて私は、プーチン大統領のしていることが良いとは思わないが、アメリカよりずっと悪いとも思わない。どちらかと言うと、アメリカの方が独善的なの ではないか。今まで、他国の主権を侵して出兵し、民主主義政権を樹立するという大義名分のもと、実際には治まっていた国を内乱状態に陥れてきたのは、他でもないアメリカなのだ。
 

イラクでも、リビアでも、シリアでも、アフガニスタンでもそうだった。アメリカが介入した国で、平和になった国は、日本とドイツ以外どこにもない。 ユーゴスラビアを粉々にしたのもアメリカだ。これが民主化とは、冗談にもほどがある。アメリカが軍事介入をする理由はただ一つ、これらの国の政権がアメリカの利害に反する行動をとっていたからだ。民主主義とは関係ない。去年、ウクライナで民主化運動と称する暴動が起こったのも、元はといえば、アメリカの意向からだ。ひいては、それに与したEUのせいでもある。それは次のような経過をたどった。
 

11月、EUは、EUへの加盟を餌に、ウクライナのヤヌコーヴィチ大統領に、その条件となる協定への署名を迫った。まず、これがあまりにも稚拙だ。 ロシアを完全に無視して、ウクライナをEUに引き入れようとする計画が上手くいくはずがない。ロシアはそもそも近い将来、EUに対抗するため、周辺国を統 合して、非関税の通商同盟を作り上げようとしている。そのときには、ウクライナが重要なカギとなる。つまり、ウクライナがEUに入り、NATOに加盟させられるのを、ロシアが指をくわえて見ているはずはない。そんなことをすれば、通商同盟はおろか、ロシアそのものが、早晩、消えてしまいかねない。
 

そうでなくても、昨今のEUの東方拡大には、プーチン大統領は腹立たしい思いを堪えていたはずだ。そのうえ、隣国のウクライナまでEUのテリトリー となれば、喉元にナイフを突きつけられたようなもので、プーチン大統領としては追い詰められた気がしたに違いない。だから打開策として、ロシアはウクライナのヤヌコーヴィチ大統領にもっとおいしい条件を提供して、とりあえず、ウクライナのEU接近を防いだのだった。
 

しかし、それを見たアメリカとEUは、プーチンの追いつめられた気持ちを理解しないまま、去年の暮れ、キエフの反政府グループをけしかけ、抗議デモ をひねり出した。デモは次第にエスカレートして、誰かがどこからかデモ隊に対して発砲し、死者が出る事態になった。この狙撃は、反政府側の自作自演だったという有力な説もある。
 

いずれにしても、今では、一連の反政府デモにはアメリカの大々的な支援がなされており、しかも、そのおかげで出来た現在のウクライナ暫定政権は、民主主義などとはあまり縁のない、疑問符のいっぱい付いた政権であるという印象が強まってきた。それでも、アメリカもEUも、この疑問符のいっぱい付いた政権を直ちに合法と認めている。一方、プーチン大統領は、この政権の正統性を認めず、クーデターと見做しているが、私には、こちらのほうがまともな見方に思えてならない。

国際政治の檜舞台への復活を試みるプーチン大統領

 さて、しかし、このあと起こったことが、またよくわからない。ロシアは、クリミア半島に軍を進め、元々ロシア寄りだったクリミアの自治政府がウクライナからの独立を宣言し、挙句の果て、国民投票でロシア編入を決めてしまったのだが、これが電光石火の勢いだ。16日に国民投票が行われ、17日には、すでにロシアの通貨、モスクワ時間、そしてロシアの社会福祉システムが速やかに導入され得るための話し合いが進んでいるという。
 

そうこうするうちに、ウクライナの東部、南部の、やはりロシア系住民の多い地域が、我も我もとロシア帰属の希望を表明し始めた。第2、第3のクリミ アが出そうな勢いだ。実際問題として、クリミアは特殊な地形なので、これらの地域も配下におさめなければ、水、電気、ガスの供給が滞るらしい。つまり、ロシアにしてみれば、最初から、クリミアの併合だけでなく、ウクライナの東部、南部地方の分離も計画に含まれていた可能性が高い。
 

プーチン大統領は、これまでのアメリカとEUの正義をかざしたやり方に腹を据えかねていた。アメリカが次に触手を伸ばすのはウクライナであろうこと も、おそらくわかっていたのだろう。今回の事態は、そうなったときのための反撃シナリオとしてすでに用意されており、プーチン大統領は機を見ていたのではないか。すると、案の定、アメリカとEUがウクライナに介入した。ロシアにとって機は熟した。
 

国民投票からわずか2日後の18日、プーチン大統領は、正式にクリミア自治共和国編入の条約に署名した。プーチン大統領によれば、クリミアはロシア の不可分な領土であり、1954年、当時のフルシチョフ書記長がクリミアをウクライナに割譲したのは誤りだった。そして、今、このソ連時代の歴史的な誤り がようやく修正されたということになる。
 

彼は、「西側は、ひどく稚拙で、荒っぽいやり方で最後の一線を越えた」と非難し、「彼らは、我々が国際法に違反したと言っているようだが、アメリカ が国際法のことを思い出したのは幸いなことだ」と皮肉ってもいる。また、「キエフで政権にいる人々は、ネオナチと反セミティスト」であると言い、さらに、「ロシアがドイツの再統一を支援したことをドイツ人は忘れていないだろうから、今回のロシアの再統一をドイツが一番よく理解し、支援してくれるだろう」と引導を渡している。
 

EUに押され、縮小していたロシア。しかし、今、プーチン大統領はそれを挽回し、国際政治の檜舞台への復活を試みているように見える。一方、アメリカやEUは、クリミアはもちろん、国境線の引き直しなど一切認めない。しかし、コソボのセルビアからの独立や、東チモールのインドネシ ア(正確にはポルトガル?)からの独立では、セルビアやインドネシアの主権は顧みなかったのに、今回だけウクライナの主権を取り沙汰するのは、考えてみればおかしな話だ。自分の都合のいい時は認め、悪い時は非難するというのは、もう通用しないのではないか。プーチン大統領の言い分を聞くと、西側の傲慢やダブルスタンダードが白日の下に晒されたような感じさえ受ける。
 

さらにおかしいと思うのは、ドイツのメディアだ。今回の一連の事件について、「ロシアの侵略」、「ウクライナの主権蹂躙」と非難しているのに、そこ で使われている映像はといえば、どれもこれも、独立を祝い、狂喜しているクリミアの住民の姿ばかりなのだ。ロシア政府にお金を貰ってやらせられているようにも見えない。「これで祖国に戻れる」という人々の感動がはっきりと伝わってくる。幸せそうな群衆に向かって「独立おめでとう!」と言いたくなるほどだ。
 

もしも、クリミアのこの動きを非難したいのなら、なぜ、25%いるウクライナ系住民の悲しんでいる姿、あるいは、5%いるやはり反ロシアのクリミアタタール人の怒っている姿を映さないのか。メディアの意図がよくわからない。さて、日本はどうすべきか? 国際法上の原則を明確に述べることは重要だ。また、アメリカやEUと足並みをそろえることも重要だが、やり過ぎない方がいい。ロシアとのパイプは、いずれ日本にとって重要なものになるだろうから、ロシアを敵に回すことはない。

 

そもそもEUが派手に宣伝している対ロシア制裁は、ポーズだけの可能性も高い。ドイツもフランスも伝統的にはロシアに近い。ソ連時代は敵対していたこともあったが、今のロシアに対して、多くのドイツ人はそれほどの嫌悪感を持ってはいない。ドイツはエネルギーでロシアに依存しているし、投資も多いので、経済界は制裁には大反対だ。メルケル首相は、個人的にロシア嫌いであるようだが、 シュタインマイヤー外相が、そのうちロシアとEUの仲介役を買って出ることはあり得るだろう。日本はアメリカやEUのせいで独自のロシアカードを失ってしまわないよう、気を付けた方が良い。
 

不気味なのは、アメリカ軍が兵力をポーランドや黒海に集結させ始めていることだ。世界のあちこちで戦争を仕掛けてきたのはアメリカだから油断は禁物。一番避けたいシナリオは、アメリカが何らかの理由をこじつけて軍事介入し、アメリカの軍需産業が大儲けすることだ。(注:筆者が勝手に太字に)
 

そして、もう一つ心配なのは、ウクライナの核武装。ソ連時代、ウクライナには大量の核兵器が配備されていた。ソ連崩壊のとき、それらはすべて廃棄さ れたが、これから核武装に走る可能性もある。現在、ウクライナは破産状態にあるが、あの北朝鮮でも核を開発できるのだから、油断はならない。しかもウクライナは世界4番目の武器輸出国である(2012年)。
 

いずれにしても、黒海周辺はきな臭く、ウクライナの運命はまだまだわからない。≫(現代ビジネス:ニッポンと世界:川口マーン恵美「シュトゥットガルト通信」

反安倍首相の論客が干される TV局が官邸の監視にビビる現状


週刊ポスト2014328日号より転載


NHKについては、安倍晋三首相肝いりで籾井勝人・新会長が就任以来、番組内容が政権寄りに偏っていることが取り沙汰されてきた。最近のニュースでは、野党の質問より安倍首相の答弁の時間が圧倒的に長いのが定番化しており、なかには首相の答弁だけで構成されていた日もあった。

 
森喜朗・元首相が浅田真央選手について「あの娘、大事な時には必ず転ぶんですよね」と発言したことをNHKだけが取り上げようとしなかったりといった、放送内容をめぐる「異変」も起きている。NHKが着実に「安倍色」に染まりつつあるなか、実は他の民放でも官邸の影響力は強まっている。その証拠に、ニュース番組やワイドショーから、反安倍派のコメンテーターが次々と外されているのだ。

「テレビ朝日系『ワイド!スクランブル』では、この4月、古賀茂明氏やなかにし礼氏などの反安倍派の論客がレギュラーから外されることになった」(テレ朝関係者)
 
古賀氏を直撃すると、「外されたのは事実だが、出演者は全員見直しだと聞いている」とのことだった。政府の原発再稼働などに反対する古賀氏のレギュラー出演は、関西ローカルの朝日放送だけになる。
 反安倍的な主張によってニュース番組から外された人はほかにもいる。経済アナリストの森永卓郎氏もそのひとりだ。

「一部で、『森永卓郎はビビッてニュースやワイドショーに出ない』という指摘が出ていたんですが、それは事実ではなく、テレビの方が使ってくれないということなんです。バラエティ番組には出ているので、露出は減っていないのですが、間違いなく、ニュースやワイドショーには使ってもらえなくなっている。
 
例えば今後の景気について私は、『4月から奈落の底になる』とずっと言い続けてきました。が、そうした見解は、テレビは一切取り上げてくれない。放送されているのを見ると、ベアが次々に行なわれているので、景気も明るい兆しが出ているというふうな内容にしたがっていることがよく分かります。
 
結局、はっきりモノを言う人間を使わなくなったのでしょう。その結果、当たり障りのない人がコメンテーターに選ばれるようになったわけです」
 いまやどの番組を見ても、NHK同様、安倍政権側の言い分をストレートに垂れ流すだけ。しかし、それには事情があった。

「数字がちょっとでも違ったり、首相の発言のニュアンスの微妙な違いだけでも『そういう言い方はしていない』と官邸サイドからクレームが入る。首相本人が話しているVTRでも、『なんでこの部分をカットしたのか』とまでいってくることも」(民放ディレクター)
 安倍官邸の監視の目にテレビ局側がビビッているわけだ。
 

プーチン「クリミアはコソボと同じ。西側諸国自ら作ったルールブックを勝手に書き換えるな」 

 

ロシア・トゥデイ2014.03.18 より転載


クリミアのウクライナからの分離は、コソボのセルビアからの分離と全く同じだ。もしそれを否定するのなら、いかなる議論も、コソボ独立において適用された西側諸国自ら作ったルールをねじ曲げることになる、とウラジミール・プーチン大統領は述べた。

プーチンが、ロシア議会にクリミア併合の条約を採択するように通告したとき、上の発言があった。発言の中で、コソボは特別なケースで、独立へのいかなる動きも正当化できないという、アメリカ政府の主張に意義を唱えた。

「我々の西側のパートナーは自らコソボの先例を作った。クリミアでのケースと全く同じ状況で、西側は、コソボのセルビアからの独立を合法だと認めた。そして、一方的に独立を通告するだけで、政府からの許可も必要ないというルールである。」とプーチンは、国際司法裁判所での裁決を紐解きながら述べた。

「これは彼らが書いたルールで、世界に宣言したもので、みんなはそのルールに従ってきた。そして、今、彼らは、(その自ら作ったルールを無視して)文句を言っている。それは、なぜなのか?」とプーチンは問いかけた。

プーチンはコソボ紛争はバルカン戦争やユーゴスラビア内戦で多くの犠牲者がでたから特例であるという議論を退けた。「もはや、ダブルスタンダードにもなっていない議論だ。」とプーチンは言った。「人を惑わす、悪辣な、そして幼稚なある種の皮肉のようなものだ。ある日、白かったものが次の日には黒になるように、誰一人、彼の利益に報いるものを捻じ曲げられことなどできないんだから。」

大統領は、ロシアがウクライナで国際法を侵害しているとの主張も退けた。「そうですね。彼らに『国際法というものがある』ということを思い出させることができただけでも良かった。どうも有難う。永遠にその存在に気づかないよりも、それは良かった。」と述べた。そして、(ウクライナ本土にて)国際法を侵害するようなことは一切無いと付け加えた。

実際、国際法を遵守してきたのは、ロシアである。そして、一方で西側諸国はそれらを侵害し続けてきた。クリミアに関するあらゆる状況は、数十年の間の出来事(イラク戦争など)の過程を広い範囲で反映している。

「アメリカをはじめとする西側諸国は、外交政策を実践する上において、国際ルールに則るというより、力の論理にしたがうことを是としてきた。アメリカは、一国例外主義を信奉していて、世界の運命は自分たちに託されていて、自分たちがいつも正しいと信じている」と非難した。

この法の統治を無視するという態度は1999年のユーゴスラビアを例に取ると分かりやすい。NATOは、国連安保理の決議なしにユーゴを爆撃した、とロシア大統領は述べた。アフガン戦争、イラク戦争も同様で、リビアでは安保理決議を捻じ曲げた。安保理がリビアに飛行禁止区域を設定する一方、NATOは、リビアを降伏するまで爆撃した。
 

野田佳彦よ、他人の無分別言動を非難する前に、己の無分別政策の恥を知れ!


世相を斬る あいば達也より転載 20140318

 

野田佳彦などと云う政治家は、未だ生きていたのだ。とっくの昔にふなっしーのメリケン袋の中に入っているものとばかり思っていた。イヤハヤ、お見逸れいたしました、永田町にまだおいでとは。何々日米関係に「きしみ」だと?籾井も衛藤も口先男だし、内閣総理大臣になって、国家を路頭に迷わす心配はない。それよりも、石原慎太郎のアジテートに過剰反応して、尖閣を国有化したツケがどれ程のものか、自ら顧みたことはないのかね?

 

日本のナショナリズム心理に火をつけたのが、誰あろう「野田佳彦」その人である事実から、目を背けるおつもりか?前原の粛々と逮捕起訴などは、子供の火遊びで済む話だが、日本の総理が、懸案の地を国有化した出来事が、中国のナショナリズムに油を注ぎ、条件反射のように、わが国の日陰者であったナショナリストや無知この上ない吹き上がり右翼らに、チャンスを与えたのだ。何を、すっとぼけたことを独白している。お前が、日陰者右翼を目覚めさせた張本人だよ。

 

その勢いに背中を押され、2チャンネルの住民のチアに奮い立ったのが、誰あろう安倍晋三君だよ。彼としても、日陰者で僻みをエネルギーとして溜め込んでいた感情劣化右翼のチアを無視することは出来ない。理屈の上で、マズいことは知っていても、己の情緒が不安定になることは下痢腹を悪化させ、総理でいられなくなるわけだから、理屈抜きに、彼らを永遠の応援母体にせざるを得ないのだ。つまり、安倍晋三及びそれに群がる人物の中に、安倍の情緒を満たす人々が必要不可欠という事になる。その安倍に塩を送ったのも、アンタ、野田佳彦なんだよ。

 
アンタのブログでいう処の、反米ナショナリズムは拙いが、反中ナショナリズムは、まことに結構と、暗に語っているようにも感じられる。敢えて、反米ナショナリズムと名指しする以上、そういう意味が含まれるのだろう。ナショナリズムなんてものは、相手によって善悪が決まるものでもあるまいに、野田にとって、反米ナショナリズムが突出して「看過できない」と云う言となるようだ。本当に、無教養なドジョウ男だ。メリケン袋の中に身を隠しても、ドジョウの臭いまでは消せない。


 無分別言動で日米にきしみ=野田前首相

 民主党の野田佳彦前首相は17日付の自身のブログで、日米関係に「きしみ」が生じているとの認識を示した上で、「原因は官邸やNHK幹部らによる無思慮・無分別な言動だ。反米ナショナリズムを助長するものもあり、看過できない」と指摘し、衛藤晟一首相補佐官らの言動を厳しく批判した。

 
4月のオバマ米大統領訪日に関しては「実学重視の大統領と個人的な美学に流されがちな安倍晋三首相との相性が心配」としながらも、「互いに大局観を見失わなければ、個人的信頼関係も深めることができるだろう」と記した。 (時事通信)
 

集団的自衛権の憲法解釈も変更を視野に、着々とアイヒマンのような凡庸な悪が、粛々と法制局内で、ことを運んでいるそうだ。遅滞なく資料提出が出来るように鋭意努力しているという。マスメディアは、自民党総務会開催を大げさに取り上げるが、今や竹光を腰にぶら下げる貧乏浪人の寄合のようなもの、愚痴をこぼしの会だと言えるだろう。今や、自民党の政治家は悪の凡庸で、エクスキューズするアイヒマン集団のようである。

 
対ロ制裁で、安倍政権は悩んでいるようだ。アメリカとある程度歩調を合わせないと拙いのだが、言いなりになるわけにも行かない。一番安倍の存在を高く評価してくれている(表向きでも)世界の政治家は、プーチンが筆頭である。情緒的にはプーチンと組みたい。プーチンと話をしている間は、お腹の存在さえ忘れるくらいだ。しかし、官邸では、菅官房長官までオバマと歩調を合わせないと、エライことになる、と脅す始末。靖国上の暴挙は、一切無理ですよ、と諭されている。折角、愚か者のフライングで、米国離れの機運が生まれそうだったのに、どうも思い通りには行かないようだ()
 
しかし、ロシアに一定の配慮姿勢も打ち出さないのは、将来的に禍根を残す可能性もある。オバマからも蔑まれ、プーチンを怒らせたのでは、世界のリーダー全員から、G8構成国最低の政治家と言われそうである。ロシアも外され、うっかりするとG6なんて事にもなりかねない。ヤケクソで中国を仲間に引き込み、NewG3なんてのはどうだろう?クリミアをウクライナから引き剥がすよりも、国際的問題にはならないが?賛成しそうな国民は、何パーセントいるだろう?多分、筆者含め数人だろうか()

それでも、考えることは自由である。まぁ、今週中のプーチンの意思表示を聞いた後からの、安倍政権の制裁がどのようなものか、愉しみに注目しておく。中国威嚇論を本当に信じている人々が多いのには、筆者には理解不可能だ。ジョセフ・ナイの言説を信じているのだろう。
 

河野談話をめぐる安倍首相と朴韓国大統領の攻防は勝負あった

2014
0316日 天木直人のブログより転載


 河野談話見直し否定を国会で明言した安倍首相に対し、朴韓国大統領がこれを評価したと韓国の大統領府報道官が明らかにしたらしい。米国務省報道官も歓迎の意向を表明したという。きょう3月16日の各紙が一斉に報じた。

 これで勝負あった。もはや安倍首相は二度と河野談話見直しを口にすることは出来ない。それを行ったら、今度こそ日韓関係は修復不能になり、米国の安倍首相に対する不信は決定的になる。これを要するに河野談話をめぐる安倍首相と朴大統領の攻防は安倍首相の敗北に終わったということだ。しかもこれは安倍首相にとってさらなる敗北の始まりに過ぎない。韓国は靖国参拝を含め安倍首相の歴史認識の誤りの修正を求めてくる。そして、安倍首相が自らの歴史認識を認めない限り、少なくともそれを封印しないかぎり、日韓関係の真の改善は望めない。無理して首脳会談が出来たとしてもその後が続かない。

 しかしさすがに安倍首相は自らの歴史認識の誤りを認めるわけにはいかないだろう。それを認めれば安倍首相はたちどころに存在価値がなくなる。「戦後レジームのチェンジ」を唱えない安倍首相など、もはや何の意味もない政治家となるからだ。

 かくして安倍首相は追い込まれることになる。しかし安倍首相は最後は対米従属となるだろう。安倍首相を支持してきた者たちは最後はあっさり裏切られることになるだろう(了)
 

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