福島甲状腺がん 世界最速最悪レベル チェルノブイリを超えた
2013/11/26 日刊ゲンダイ
放射能による健康被害が深刻だ。福島の子どもの甲状腺がんが世界最速、最悪レベルで進んでいる。 今月中旬、「県民健康管理調査」検討委員会が、福島第1原発事故発生当時に18歳以下だった子どもの甲状腺検査の結果を発表した。それによると、検査を受けた22万人のうち、59人に甲状腺がんやその疑いがあったという。一般的に小児甲状腺がんは100万人あたり1~3人といわれているから、とんでもない数字だ。
権力の『おかしな政策』におかしいと報道しない日本で、一人でも『おかしい』と声を上げ、真実を追求して行きます。
福島甲状腺がん 世界最速最悪レベル チェルノブイリを超えた
2013/11/26 日刊ゲンダイ
放射能による健康被害が深刻だ。福島の子どもの甲状腺がんが世界最速、最悪レベルで進んでいる。 今月中旬、「県民健康管理調査」検討委員会が、福島第1原発事故発生当時に18歳以下だった子どもの甲状腺検査の結果を発表した。それによると、検査を受けた22万人のうち、59人に甲状腺がんやその疑いがあったという。一般的に小児甲状腺がんは100万人あたり1~3人といわれているから、とんでもない数字だ。
(日刊ゲンダイ2013/11/26)
どういう政治家が情報を隠したがるのか。悪いことをしているヤツか、頭の悪いヤツである。「特定秘密保護法案」の成立を強行しようとしている安倍政権はどっちなのか、それとも両方を兼ね備えているのか。
頭脳明晰なら、相手と意見が違っても、自分の考えの正しさを国民に説明し、納得させる自信を持っている。一方、頭の悪いトップは、議論をすると次々にボロをだしてしまうから、情報を秘密にし、さらにメディアを抑え込みたがる。NHKの人事に介入した安倍首相は、そのケースにピタリと当てはまるように思えてならない。
情報さえ封じてしまえば、どんなに頭が悪かろうが、失政つづきだろうが、政権は永遠にもつ。実際、安倍首相は原発事故収拾を含めて失政続きである。安倍首相が自画自賛している「株高」も、FRBの金融緩和頼みに過ぎない。景気も公共事業依存である。恐らく、アベノミクスが破綻した時、メディアが批判しないようにしたいのだろう。
日本の失われた20年の大きな特徴は、誰も責任を取らなかったことだ。責任を取ろうとしないトップが次に考えることは、批判を封じ込むことである。安倍政権が推し進めている「特定秘密保護法案」にも、ピタリと当てはまる。
この法案には、「その他」というただし書きが36カ所もあり、何でも「秘密」にできてしまう。メディアは「不当な取材をしない限り処罰されない」としているが、なにが「不当」なのか定義もない。しかも、政府が「秘密」と指定した情報にアクセスしようと相談しただけで、一般市民まで、共謀罪、扇動罪を適用されてしまう。安倍政権は、アメリカに電話を盗聴されても抗議のひとつもしないのに、市民は監視の対象にするのだ。
遅ればせながら、野党の民主党は、「秘密」を外交と国際テロに限定し、政府が「秘密」と指定した情報が妥当かどうか判断する第三者機関のメンバーを国会で選ぶという対案を提出した。ところが、安倍政権は、こうした最低限の修正案さえ拒否している。安倍首相は日本を「秘密警察国家」にしたいのだろうか。実際、小池百合子にいたっては首相動静さえ「秘密」にすべきだと主張している。それでは、北朝鮮と同じではないか。
習近平無条件降伏 防空識別圏に米軍がB52を飛ばした重大意味
(日刊ゲンダイ2013/11/28)
習近平は真っ青に違いない。中国が設定した「防空識別圏」に対し、米国が予想以上に強硬姿勢を強めているからだ。ケリー国務長官とヘーゲル国防長官が非難声明を出したのに続き、26日は「B52戦略爆撃機」2機を事前通告なく、1時間にわたり防空圏を飛行させた。
中国は「指示に従わなければ緊急措置を取る」と宣言していたのに、指をくわえて黙っているしかなかった。
「米軍がB52を中国の防空圏内に飛ばしたのは、特別な意味がある。挑発とか威嚇といったレベルではなく、『こら習近平、指を詰めろ』くらいの強烈なメッセージと捉えるべきです。国防総省は『当初から予定していた』と説明しましたが、あれはウソでしょう。米軍が通常の飛行訓練に使用するのは戦闘機や哨戒機です。核兵器を搭載できる戦略爆撃機を飛ばすことはめったにない。核兵器が搭載できるB52は開発から半世紀以上経った今も、評価が高い。パイロットも空軍の超エリートで、その気になればいつでも中国本土を火の海にできます。人民解放軍はそれを重々承知だから手も足も出せなかったのでしょう」(軍事ジャーナリストの世良光弘氏)
それにしても、米国がすぐさま動いたのはなぜか。過去の台湾海峡や北朝鮮などの例をみても、これまで米国は口先の非難でお茶を濁してきた。それに、オバマ政権は中国との共存を目指す「新たな大国」の構築を模索していたはずだ。
どうやら、中国が「防空識別圏」を設定したことに、さすがに「中国を甘く見すぎた」「ここでガツンとやっておかないとヤバイ」と危機感を強めたらしい。
「米国が激怒したのは、中国が尖閣諸島の上空に防空識別圏を設定したからではなく、第2次世界大戦後に米軍が設定したラインを中国が勝手に変更しようとしたからでしょう。黙認すれば東アジアにおける米国の権益が危うくなる。日本のためでも、安倍政権のためでもなく、自分たちの利権を荒らそうとした中国に対して怒ったのです」(世良光弘氏)
しかし、繰り返し防空圏を飛行されたら、中国も黙っていられなくなるのではないか。米中対立がエスカレートしたら危険だ。
(日刊ゲンダイ2013/11/26)
希代の悪法、秘密保護法案がきょう(26日)午前の衆院特別委で強行採決され、賛成多数で可決した。午後にも衆院を通過する見通しだ。今頃になって大マスコミは、この法案の危険性について反対キャンペーンを張っているが、あまりにも遅すぎるというものだ。
安倍首相がこの悪法を国会に提出する意向を表明したのは、半年以上も前、4月16日の衆院予算委なのである。そこで、安倍は「日本が秘密保全法制を整備していないことに不安を持つ国がある。法案を速やかに取りまとめ、早期に国会に提出できるように努力したい」と“宣言”した。法案の骨格はとっくの昔にできていて、その危険性は弁護士らが早くから指摘していた。
それから7カ月間――大マスコミが法案の危うさを徹底的に暴き、国民に周知させ、憲法無視の悪法を葬り去るためのキャンペーンを張れば、事態は変わったはずなのだ。
ところが、大新聞が社説やコラムで異議を唱え出したのは、安倍政権が法案を閣議決定した10月25日以降だ。参院選の結果、自民党が衆参両院で圧倒的多数を握った後である。
巨大与党に1カ月だけ歯向かったって、しょせん「無駄な抵抗」に終わってしまう。そんなことはメディアだって百も承知だろうから、今さらながらの反対キャンペーンは、罪逃れのアリバイ工作みたいなものだ。
◇本気ならなぜ参院選前に反対しないのか
本気でメディアが秘密保護法案に反対するのなら、参院選の前にキャンペーンを張り、安倍政権の「きな臭さ」を連日、ぶっ叩けばよかった。そうすれば参院選の結果だって、どうなっていたか分からないのに、なーんにも書かなかった。
「アベノミクスの信任投票」という自民の選挙キャンペーンを垂れ流し、危険な法案の中身や、それを出すことで、いよいよ、日米で戦争を始めようとしている安倍の真意を暴かなかった。それが今日の事態を招いたのである。神戸女学院大名誉教授の内田樹氏(フランス現代思想)はこう指摘する。
「参院選前にメディアは『経済最優先』を掲げ、盛んに『ねじれの解消』を繰り返していました。二院制とは、一度の選挙で多数派を形成した政党の『暴走』を抑制するためのシステムです。『衆参ねじれ』こそ二院制の本質なのに、メディアは『決められる政治』や『効率化』を執拗に迫り、ねじれを異常事態に仕立て上げた。自民党の衆参両院の圧倒的議席は、メディアの勝利でもある。その結果、安倍政権が危険な法案を国会に出してきた。メディアはこの責任を今こそ、思い知るべきです」
安倍政権の暴走に手を貸しておきながら、今さら「各論反対」もないだろう。先週20日に著名ジャーナリストらが秘密保護法に反対する集会を開いていたが、衆院採決の1週間前に怒りの声を上げても「時すでに遅し」である。
◇国民が鼻白む腰抜けメディアの「知る権利」
最新の世論調査でも、秘密保護法案に「反対」する人は50%にとどまっている。「廃案にすべき」は2割にも満たない。この法案の恐ろしさを知れば、反対が7割、8割に達してもおかしくないのだが、世論の盛り上がりはいまひとつだ。
「その理由には、メディアの追及が遅すぎて国民に法案の危険性が浸透していないこともありますが、多くの国民にすれば、この法案が成立したって『今までと同じ』『何も困らない』というムードです。その発想の根底には、国民の拭いがたいメディア不信が横たわっていると思います」(元NHK政治部記者でジャーナリストの川崎泰資氏)
いくら大マスコミが「取材の自由が制限される」「知る権利が奪われる」と騒いだところで、「今さら何?」というのが国民の本音だ。なにしろ、この国のメディアは国民の知る権利のために体を張ってきたことなんて、ありゃしないのだ。だから、大マスコミがいくら「取材が制限される」と騒いでも、国民はシラ~ッとしてしまう。「もともと権力の走狗じゃないか」で終わりである。
その証拠に、マスコミが国家の秘密を暴き、弾圧された例として出てくるのは、西山事件だけだ。あれは40年も前の話だ。その時だって当時のメディアは「知る権利」への圧力を問題にしなかった。外務省の女性職員と「情を通じて」情報を収集した西山の手法を問題視、スキャンダルとして騒ぎ立てた。政府も米国も「シメシメ」だったに違いない。
そんな腰抜けメディアが「知る権利」をふりかざし、したり顔で秘密保護法の問題点を指摘しても国民は「どうでもいいよ」になってしまう。
かくて、危険な法案への反対は広がらず、安倍の暴走はますますエスカレートしていくわけだ。
「知る権利のためなら徹底的に戦う。その姿勢が日本と欧米メディアの決定的な違いです。米政府の違法な国民監視を暴露した元CIA職員のスノーデン氏や、それをスクープした英紙ガーディアンの姿勢を見れば、つくづく彼我の違いを痛感させられます。彼らは知る権利を脅かす勢力に対し、いかなる圧力にも屈せず、訴追すら恐れない。知る権利が自由と民主社会を守る上で、いかに大事かを歴史や文化を通じて肌で知っているからです。日本メディアの姿勢とは大違いで、この国には守るべき民主主義が存在しないのではないか、とすら思えてきます」(川崎泰資氏=前出)
秘密保護法についても海外メディアの方が、よほど危機感を募らせている。日本外国特派員協会は会長名で〈法案は報道の自由および民主主義の根幹を脅かす悪法であり、撤回、または大幅修正を強く求める〉と表明。NYタイムズも先月の社説で、〈市民の自由を傷つける〉と安倍政権を批判した。
一方、日本新聞協会が公表する「『特定秘密の保護に関する法律案』に対する意見書」の中身といえば、〈正当な取材が運用次第では漏洩の『教唆』『そそのかし』と判断され、罪に問われかねないという懸念はなくならない〉と、奥歯にモノが挟まったような言い回しである。
◇そして治安維持法のような狂気が吹き荒れる
先週の反対集会で、ジャーナリストの田原総一朗氏はこんなエピソードを披露していた。
「『(法案反対の)呼びかけ人になって欲しい』と頼んだら、10人以上のキャスターが『全く賛成なのだけれども、名前は出さないで欲しい』と言ってきた。個人情報保護法のときとは大違いだ」
同じ集会で、日経新聞元論説主幹で客員コラムニストの田勢康弘氏はこう言っていた。
「新聞もテレビも、いかに首相はじめ重要閣僚を自社に呼ぶのかを考えている。その結果が権力監視を弱めたのではないか。自らも反省をしながらそう思っています」
この言葉に今のメディアのすべてが凝縮されているのではないか。大メディアにとっては、時の政権に取り入ることが大事で、根底にあるのは権力との「お友達感覚」だ。だから、平気で権力者とメディアのトップが飯を食ったり、ゴルフをしたりする。西山事件のように権力の虎の尾さえ踏まなければ、秘密保護法成立後も「お友達」が自分たちの仕事を制限することはない。そう思っているのだろうし、つまり、秘密を暴くつもりなんて、そもそもないのだ。だから、大マスコミの法案反対には鼻白む。単なるジェスチャーにしか見えないのだ。前出の内田樹氏はこう言った。
「メディアも民主主義をないがしろにする共犯者にしか見えません。安倍政権が目指しているのは、経済成長最優先の国づくりです。スピード感が求められる経済活動にとって、妥協と調整を重ねる『熟議の民主主義』はもってのほか。そんな発想です。この先、国民は経済優先か民主主義かを迫られ、経済優先に従わない“反政府勢力”は抑圧されていく。そのための『凶器』に位置づけられるのが秘密保護法で、運用次第でかつての治安維持法のような『狂気』が吹き荒れかねません。そう危惧していたら、一部メディアは『きな臭い法案審議より経済政策を優先すべき』という理由で法案に反対していました。彼らも安倍政権と同じで、民主主義よりも経済効率なのです」
効率を優先していけば、独裁主義に行きつく。もちろん、米国べったりも加速する。地球の裏側まで出かけていって、米国と一緒に戦争し、1%の富裕層だけが得をし、99%は抑圧され、物を言えば捕まる世界。大マスコミの堕落によって、そんな世界がもうそこに来ている。
「米中開戦」必至「防空識別圏」で「虎の尾」踏んだ中国の誤算
(日刊ゲンダイ2013/11/26)
中国が尖閣諸島上空を含む空域に設定した「防空識別圏」に日米韓が強く反発していることに対し、中国側が対応をエスカレートさせている。軍機関紙「解放軍報」はきのう(25日)、「中国軍の決意を見くびってはいけない」と発表。軍事衝突も辞さない構えを鮮明にした。
国土の領空外に設ける「防空識別圏」。日本では圏内に入った不審機に対し、自衛隊が緊急発進(スクランブル)で警告を発している。中国が今回、「防空識別圏」を決めたことで、今後は日中双方の主張が重なる圏域でのスクランブルが激増するとみられる。「過去最高レベルの緊張」(防衛省関係者)との声も漏れ始める中、「日中戦争」がいつ起きてもおかしくない状況だ。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「一触即発の事態になりつつある」と言い、こう続ける。
「今でも中国は無人機などを頻繁に日本の領空内に飛ばし、“小競り合い”の状態だが、今後はこれに攻撃機が加わる可能性があります。そうなると自衛隊機もロックオンされかねません」
日本の防衛予算の2倍以上、11兆円の国防費を計上している中国。艦艇数は1080隻、戦闘機数は2070機と日本の戦力の5~8倍も保有する。性能はともかく、大量の兵器を持っていることが強硬姿勢を招いている。だが、「中国は今回、大きな失敗をした」とみるのは軍事ジャーナリストの神浦元彰氏だ。
「中国が公表した『防空識別圏』内には、米軍が射爆場で使っている島も含まれています。訓練中の米軍機はロックオンされたら必ず反撃します。中国は対日強硬路線を打ち出すことで、自国民に広がる政権批判をかわそうとしたのでしょう。その結果、米軍にケンカを売ったわけです」
日本の対応は常に慎重だし、それを知っているから中国も挑発を続けている。だが、そこに米国が加われば何もナシでは済まない。中国は巻き込む必要のない国を巻き込んだ。こうなると「日中開戦」よりも「米中開戦」の方が現実味を帯びてくる。習近平は「虎の尾」を踏んだようだ。
陽光堂主人の読書日記より転載 2013-11-25
simatyan2のブログより転載 2013-11-24
22日、国連人権理事会のフランク・ラ・ルー特別報告者(グアテマラ、
表現の自由担当)が、日本の特定秘密保護法案について
との懸念を表明し日本政府に透明性の確保を要請したそうです。
国連人権高等弁務官事務所(本部スイス・ジュネーブ)が報道声明で
発表しています。
http://www.lifeshot.jp/files/photos/1306059992/1385277823_o.jpg
http://mainichi.jp/select/news/20131123k0000m030094000c.html
また、この国連が懸念を表明した同じ22日、児童書専門の出版社からも反対の声が上がっています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131122/t10013250901000.html
「子どもたちは自由に流通する情報を、みずから選び取る経験を通して
成長していく。今回の法案は、国が見せてよい情報と見せてはいけない情報を選別する、息苦しい社会への第一歩になってしまうのではないか」とも話しています。
現職知事よりヤバイ徳田虎雄&石原慎太郎の親密すぎる関係
(日刊ゲンダイ2013/11/25)
猪瀬都知事以上に徳洲会とズブズブだったのは前任者、日本維新の会の石原慎太郎共同代表(81)だ。
石原と徳洲会の徳田虎雄前理事長は、自他ともに認める「盟友」。99年3月、石原が都知事選に出馬表明する前夜に都内のホテルで会っていた相手も虎雄だ。
“密談”をスクープした「FRIDAY」の取材に、虎雄は「出馬会見の前に話がしたいというから、急きょ、奄美大島から飛んできた」と話していた。
虎雄は石原新党構想を盛んに訴えていたこともある。次男の毅衆院議員が03年に盛大な結婚式を挙げた時も石原は主賓として招かれた。
「石原都政1期目の99年に、都内で初の徳洲会グループの病院を武蔵村山市に招致することが決まりました。しかし、02年に誘致反対の市長が当選して、計画は頓挫。徳洲会が建設予定地を昭島市に変更して申請すると、都は地元医師会の反対を押し切って、早々に開設を許可しました」(都議会関係者)
その石原から、猪瀬は後援会組織や献金団体、人脈など、丸ごと引き継いでいた。都選管の資料によると、12年に猪瀬の資金管理団体に寄付した16団体のうち、都医師政治連盟など10団体が、その前年に石原の資金管理団体に献金していた。10団体の寄付総額は1723万円で、全体の95%に当たる。
「石原さんは1人2万円の会費で知事を囲む昼食会の集金システムも継承させています」(前出の都議会関係者)
猪瀬は昨年11月の都知事選立候補挨拶が、虎雄との「初対面」だったと説明している。
「石原氏も都知事選の前には虎雄氏に会っていました。3期目の都知事選を目前に控えた07年春にも、神奈川県葉山町の医療施設で闘病中だった虎雄氏を見舞っています。正確な病状を知らなかった石原氏は、難病で不随状態になった虎雄氏の姿を見て、泣き崩れてしまったそうです。
それほど、2人の関係は深かった。問題になっている猪瀬知事の5000万円も、石原氏の後継者だからということで、虎雄氏が用立てたのでしょう」(「トラオ~徳田虎雄 不随の病院王」の著者でジャーナリストの青木理氏)
石原人脈によって窮地に立たされた猪瀬は「とんだトバッチリ」と思っているかもしれないが、有権者はどう感じるか……。
猪瀬東京都知事の5000万円報道と小沢氏の「政治とカネ」報道とは均衡を逸していないか。
http://km2295.iza.ne.jp/blog/entry/3223981/
2013/11/25 小沢氏は実態のない水谷建設からの政治献金5000万円で元秘書が強引に罪に問われようとした。その授受の創作芝居をテレビで「再現ビデオ」として放映までされて「クロ」との印象作りにマスメディアは躍起になって火のない所に煙を必死になって立てた。
しかし実態のない現金授受はついに立件されず、訴因から消えてなくなった。しかしマスメディアが小沢氏に対して報じた数限りない「政治とカネ」プロパガンダをマスメディアは国民と小沢氏に謝罪することもなく、テレビなどで口をきわめて小沢氏を罵った評論家たちも素知らぬ顔をして未だに出続けている。
一方、猪瀬氏の5000万円は実態のあるカネだ。猪瀬氏がいかに説明しようと、実態のあるカネが消えることはない。短期的に借りたと猪瀬氏が強弁しようと、借用書や金銭消費契約書などはおろか、念書や覚書などの走り書きの一通として存在しない5000万円もの「借入金」がこの世にあるはずがない。
よしんば借入金だとして、去年十二月に実施された総選挙と同時選挙となったと知事選挙に出馬した猪瀬氏がその一月前の11月に借り入れた5000万円の目的が選挙資金だったことは疑いようがない。それとも他に説明できる合理的な理由、たとえばマンション購入だとかといった事実がなければ下手な言い訳はしない方が良い。既に動かし難い過去の出来事だ。今更どのように言い繕うと真実を隠すことは不可能だ。
選挙絡みの借入金だとしたら、昨年12月までを会計年度とした2012年度政治資金収支報告書に「借入金」として記載がなければならない。たとえ猪瀬氏が個人的に徳田氏から借り入れたとしても、選挙資金への使途目的だったとしたら収支報告書に書き入れて選挙管理委員会に報告しなければならない。
酷税に泣く庶民、大儲けの安倍一派それが秘密保護法成立以後のこの国の姿となる
(日刊ゲンダイ2013/11/22)
「これだけの重要法案なのに与党がいないじゃないか」
秘密保護法案を取り扱う衆院の特別委員会で、あまりに空席が目立つことから、民主党議員がこう声を荒らげるシーンがあったが、国民だってこう叫びたくなる。
「野党だって、いないじゃないか!」
みんなの党に続き、日本維新の会も与党に寝返り、秘密保護法の修正協議で合意してしまったのである。
合意の中身は法案の根幹には触れない微修正にとどまり、両党が時の政権にスリ寄った形だ。これで与党が強行採決するシーンもなく、週明けにも法案は楽々、衆院を通過してしまうことになる。
衆参のねじれが失われている今の国会では、参院は衆院のカーボンコピーだから、希代の悪法が今国会中に成立してしまうのは確実だ。
こんな法案が施行されれば、民主主義の根幹である「知る権利」は風前のともしびとなる。政府は不都合な情報を勝手に「秘密」に指定し、それが「秘密」か、「秘密」じゃないかも「秘密」にしてしまう。国民はその「秘密」を探ろうとすれば、牢獄にブチ込まれる恐れがある。
だからこそ、この法案には世論の6割が反対し、「慎重審議」を求める声が8割を超えているのである。言論に携わる著名人たちも立ち上がり、反対は国民運動となりつつあるが、安倍政権は無視だ。数の力にまかせて、突っ走り、そんな権力の横暴に野党は抵抗するどころか、競うように補完勢力に堕しているありさまだ。
つくづく、ヒドイ政治状況だが、こうして野党が与党の数の力に屈すれば、事実上の大政翼賛会になってしまう。民主主義は機能しなくなり、それこそ時の政権はやりたい放題で、どんな法案も通ってしまう。
◇希代の悪法の成立で永久政権が誕生する
すでに安倍政権は秘密保護法よりも、数段ヤバイ法案を来年の通常国会に提出しようと準備中だ。平和憲法をないがしろにする「国家安全保障基本法」の準備を着々と進めているし、「共謀罪の創設」を盛り込んだ組織犯罪処罰法の改正案も恐怖だ。テロ集団などによる組織犯罪の未然防止がうたい文句だが、「組織犯罪」の定義が曖昧で、捜査当局のサジ加減でどうにでもなる。最高刑はナント、死刑だ。
平成の治安維持法みたいなものだが、安倍政権はオリンピック開催を口実にゴリ押しする気だ。「国際テロ対策の必要性が強まった」として、強行突破の腹積もりだ。
自民党政権は過去3度も共謀罪の創設法案を国会に提出したが、いずれも野党の猛反発に遭って廃案となった。しかし、今の政治状況は全く違う。野党が与党の補完勢力となって、危険な法案であればあるほど、すり寄って、恩を売ろうとしているのだから、どうにもならない。
「時の政権に歯向かえば拘束されてしまうかもしれない。そんな法律がいくつもできれば、野党やメディアは今以上に萎縮し、政権になびいていくでしょう。時の権力者の政権基盤は盤石となり、事実上の独裁政権ができてしまう。そうなると、その政権に不都合な情報も出てこなくなる。野党は消滅同然になり、メディアもコントロールされてしまう。こんな状況では、いくら選挙があると言っても勝負にならない。永久に自民党政権が続くことになりかねませんよ」(立正大教授・金子勝氏=憲法)
それなのに、庶民はあまりにも鈍感だ。「もともと自民党の一党支配だった」「前と変わらないだろ」と、ニヒルに構えているのかもしれないが、とんでもない思い違いだ。
安倍自民の独裁が続けば何が起こるか。階級固定化社会になるのである。
◇国家の奴隷にならなければ生き残れない社会
自民党の一党支配が続けば、この国の支配層も永遠に安泰だ。権力に群がり、利権をむさぼり、自分たちさえオイシイ思いができればいい。そんな腐り切った連中が安堵して、政官財癒着のトライアングルを堅持する。その結果、ますますデタラメ政治がはびこることになる。
この国に15年以上もデフレ不況が蔓延しているのは、誰のせいなのか。どうして国の借金は1000兆円まで膨らみ、財政難に陥ったのか。社会保障の財源が不足しているのはなぜか。どれもこれも全部、現在の支配層の責任だ。
それでも自民党独裁が続けば、彼らは責任をとるどころか、永久に支配の座に居座ってしまう。失政の責任はウヤムヤにされ、一時逃れの弥縫策でゴマカす政治になってしまう。
そうやって、借金が膨らみ、経済が疲弊し、構造的に行き詰まった現状がますます泥沼化するわけだ。
典型的な例が、エネルギー政策だ。脱原発の世論を無視して、原発再稼働に突っ走り、「除染だ、汚染水対策だ」と国費をバンバンつぎ込もうとしている。もちろん、目的は東電救済であり、融資している銀行を救うことにある。その代償はいずれ税負担となって、国民にはね返ってくるのだが、損害はそれにとどまらない。いつまでも原発に頼ったところで未来はないのに、新エネルギーへの投資、開発がてんで進まなくなるのである。
「世界のトレンドは再生エネルギーの実用化に傾いています。それこそ成長戦略の柱となり得るのに、安倍政権は経産省の振り付け通りに原発輸出を成長戦略に据えている。経産省、電力会社、自民党の鉄のトライアングルが続く限り、日本は世界の潮流に取り残されてしまいます」(政治評論家・本澤二郎氏)
きのう関連法案が衆院を通過した「国家戦略特区」だって、喜ぶのは外資系企業や一握りの大企業だけだ。サラリーマンは「雇用流動化」の旗印の下、労働規制を歪められ、限定正社員などクビを切りやすい立場に落とされてしまう。
図に乗る安倍政権は「国土強靭化だ、五輪インフラ整備だ」と公共事業に湯水のごとく税金をタレ流し、大手ゼネコンを喜ばせている。予算を差配する官僚の権限は拡大し、政治家のあっせん、口利きの出番も増える。見返りはもちろん、企業献金で、安倍一派はウハウハだろう。こうして政官財の「鉄の結束」はますます強固になり、腐敗は複合的に広がっていくことになるのである。
◇ここで抵抗しなければ将来に禍根を残す
本来、日本の財政再建は待ったなしだ。借金大国が大盤振る舞いを続ければ、財源の底が尽きるのは自明の理だ。
「そのためにも税の山分けに群がる支配層が代わらなければ、この国の財政は立て直せないのです。政官財の癒着構造の上に乗った政権が永久に続けば、税金が不足するたび、庶民に増税を押し付け、社会保障はカットされます。一方、大企業は内部留保を260兆円もため込んでいる。庶民は過酷な税負担に泣き、支配層の高笑いが続くのです」(本澤二郎氏=前出)
酷税に苦しむ庶民が怒りの声を上げ、安倍政権を倒そうとしても、希代の悪法の成立後では時すでに遅しだ。
「政権に歯向かえば、どのような仕打ちが待っているか分かりません。国家の奴隷にならなければ生きることすら許されない社会が迫っている。抵抗するなら、今しかない。今は民主政治の剣が峰だけではなく、国民の暮らしにとっても分水嶺なのです」(金子勝氏=前出)
国民生活が第一か、それとも支配層第一か。既得権益の打破か、政官財の利権維持か。雇用者の暮らしか、大企業の利益か――。日本の将来を選択する上で、ここが正念場だ。庶民がニヒルを決め込んでいたら、未来はない。
世相を斬る あいば達也より転載
各地で、秘密保護法案に対する市民の反対集会が盛り上がっている。しかし、安倍ファシズム政権の進撃をとめるには、あまりにも遅すぎる対応だったろう。逆に言うならば、このような国民の抵抗や文化人らの反発があることを想定した上で、拙速と批難されても構わない、秘密裏にと言われても構わない腹で、スケジュールが綿密に組まれたのだろう。まさに公安的スケジュールの組み方である。
この法案を国会で通過させない方法は、あまり残されていない。100万人集会で、国会を包囲するとか、集会の騒乱で市民側に死者が出るとか、そのような世界世論を喚起するような出来事でもない限り、阻止の方法がない。我が国の世論だけでは、到底安倍ファシズム政権の横暴を阻止出来ないのが現実だ。しかし、いまだに法案の実態解明が曖昧なままであり、どこの馬の骨かも判らないわけだから、市民側も、どこまで危険なものか、肌感覚を共有するに至っていないと思われる。
そして、この暗黒国家法が市民の生活に、どのように牙を剥き、現実的被害者が、どのように出てくるかなどは、行政官僚らの裁量に委ねられるわけだから、論理的な法律の瑕疵を具体的に指摘し難い部分がある。様々な推量から(多くは正しい推量なのだが)問題点を指摘する以外に、現時点で、市民側の不利益を、市民側に充分に知らせるツールが欠けている。それこそが、この法案の暗黒度を示しているわけだ。どうして、こんな政権に国民は政治を委ねてしまったのか、今さら言っても仕方のないことだが、理屈は別にして、管理暗黒国家は着々と、その基盤を構築している。
Nシステム、監視カメラ、マイナンバー法、日本版NSC、秘密保護法、教育への国家の関与度、国民投票法等々、独裁軍事国家、国民監視国家にひた走っている姿は明確だ。しかし、これらの多くが、安倍晋三ひとりで為されたものでないことを考えると、国民や国会とは異なる組織により、着々と積み上げられてきた陰謀だと認識するほうが妥当だ。犯人は、米軍とタッグを組んだ外務省と、警察検察機構全体だろう。そして、安倍晋三によって全貌が見えてきたとも言える。正直、どのような対抗手段が国民の側に残されているか、考えるだけでも、呆然となる。
こうなると、最低限の公職選挙法が生きていて、民主主義が機能しているのなら、3年を切った次の国政選挙で、自民党を下野させる以外に手段は殆ど残されていない。巷では、国政選挙における不正疑惑も取り沙汰されているが、それはさておき、国民の側は、自民党を下野させることに全力を挙げるのが、唯一の残された道である。マスメディアが煽り立てた、衆参ネジレが問題だといった問題も、実はそれこそが、官僚や政治の暴走を防ぐ、最良の選択だったのである。論者やマスメディアの言うことは、本当に当てにならない。
そして、自民党を下野させ、安倍晋三、菅官房長官、石破幹事長。そして官邸で指揮命令している官僚ども。この法案に、悪化する修正を加えて参画した渡辺喜美や橋下徹等々を秘密漏えい罪で、警察に逮捕させることに夢を託すような気分になってくる。テメェらの作った悪法で、ひっ括られるのだから、まさに本望と云うものだ。まったく無力のように見える、国民の側にも、いざとなれば、このような復讐の手段が残されている事を、唯一の愉しみにでもしないと、生きていても気分が悪い(笑)。何処が政権を取っても構わないが、自民党を下野させることが、国民の喫緊の課題だと、本日現在考える。否、憤怒の中で感じているだけだが……。
2013年11月20日付のBusiness Jurnal、「ディズニーランド食品偽装はなぜ批判されない?巧妙手法とマスコミタブー、ディズニー信仰」という重大な記事が出ている。
http://biz-journal.jp/2013/11/post_3384.html
このタイトルを見るだけでお分かりのように、ディズニーランドの食品偽装がどうして批判の対象とならないのかということを考察した記事である。
記事の要旨は、阪急阪神ホテルズが食材の誤表記を発表したことに端を発する食品偽装問題は多くのホテルや百貨店で同様の発覚が相次ぎ、大きな社会問題となっていた。ところが重大な事実として、マスコミが騒然としたこの食品偽装は、実は阪急ホテルズ問題が発覚する5か月前に東京ディズニーランドが発火点となっていた。
(引用開始)
まず、5月17日、ディズニー施設内のレストラン「キャプテンフックス・ギャレー」で、値段が安く冷凍食品などに使われていることでも知られる紅ズワイガニを、高級食材の「ズワイガニ」として販売していたことを発表。さらに30日、今度は東京ディズニーリゾートの3つのホテルで、ブラックタイガーを「車エビ」、和牛を「国産牛」、国産鶏を「地鶏」などと偽装表示していたことを発表した。
偽装表示をしていたホテルは「東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ」「ディズニーアンバサダーホテル」「東京ディズニーランドホテル」で、いずれもディズニーの運営会社オリエンタルランドが100パーセント出資しており、事実上はディズニーの直営といってもいい施設だ。そして、ディズニーのこの偽造表示発覚を受けて、阪急が社内調査をした結果、偽装表示が判明。大きな騒ぎになったのである。
(引用終了)
このように、食品偽装の発端となっていたのは東京ディズニーランドの飲食店だった。
続いてBusiness Jurnalさんは言う。マスコミは東京ディズニーランドの件に対してはほとんど沈黙しながら、阪急ホテルズを徹底的に叩いた。客に対する対応も、阪急ホテルズは社長が謝罪会見を開き全額返金を打ち出したのに対し、東京ディズニーランドは一律1000円の返金でお茶を濁すという誠意のないものだったという。
本来は阪急ホテルズの前に東京ディズニーランドがマスコミに総がかりで袋叩きに遭うはずだが、どういうわけか東京ディズニーランドの食品偽装の件は完全に黙視されていたのである。マスコミによるこの極端な報道落差について、Business Jurnalさんは東京ディズニーランドがマスコミタブーとなっていることと、日本人の中にある“ディズニー信仰”を理由として挙げている。詳しいことは記事をご覧になっていただきたい。
食品偽装の件におけるマスコミ取り扱いの極端な差異については、Business Jurnalさんが書いた通りだと思う。
かつての東京電力のように、東京ディズニーランドが民放各局や大新聞の超有力なスポンサーであるという事実も大きいだろう。
そこで神州の泉はもう少しこの問題を別角度から掘り下げてみる。東京ディズニーランドが“マスコミタブー”と化しているのは、東京ディズニーランドが治外法権のアメリカそのものだからだ。それは表面上は日本の法が及ぶのであるが、事実上は日米暗黙の了解でこのテーマパークがほとんど別格扱いになっているという意味である。
東京ディズニーランドはただのテーマパーク、遊園地ではなく、娯楽ジャンルの対日進出として戦勝国特権を振りかざした別格扱いの企業なのであり、本質は米軍基地と同じである。
オリエンタルランドが介在しているが、これはアメリカ・ディズニーの直営会社である。
日本領土内における米軍基地やアメリカ大使館と同様に、東京ディズニーランドはほぼ治外法権のアメリカ領域なのである。例えば、米軍横田基地の関東地方の制空権を見るまでもなく、戦後のアメリカは戦勝国特権を振りかざして宗主国の横暴を日本国内で行使し続けている。(日米地位協定が最高峰)これは軍事や国際政治に限らず、アメリカの企業にもそっくり当てはまるのである。ここは非常に重要なポイントである。
廃案にするしか道はない 特定秘密保護法案(北海道新聞社説)
政府が指定した機密の漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法案をめぐる自民、公明両党と日本維新の会、みんなの党との修正協議が合意し、法案は4党の賛成で26日にも衆院通過、今国会で成立の見通しとなった。修正はわずかで、法案の骨格は全く変わっておらず、政府が恣意(しい)的に秘密の範囲を広げて国民の「知る権利」や報道の自由を侵害する恐れが極めて強い。
安倍晋三政権が外交・安全保障の司令塔と位置づける日本版「国家安全保障会議(NSC)」創設法案も週明けに参院本会議で採決され、与党と民主党などの賛成多数で可決、成立する見通しだ。秘密保護法まで成立すれば、国の命運を左右するような重要方針が国民の知らないうちにNSCで秘密裏に決められてしまう恐れがある。
国民主権や基本的人権の尊重という憲法の原則を踏みにじる秘密保護法の成立が、将来に禍根を残すのは間違いない。国民の懸念を真摯(しんし)に受け止め、速やかに廃案にすべきだ。
■名ばかりの修正決着
維新との修正協議では、原案で定めがなかった特定秘密の指定期間の上限を60年とした。期間が長すぎる上、7項目にわたる幅広い例外を設けている。政府の判断次第で永久に秘密にしておけることに変わりはない。また付則で、5年間、特定秘密を保有しない省庁は指定権利を失うとしたが、省庁側が権利を守るため不要な秘密指定をする可能性が高い。しかも、指定の必要が生じた場合は指定機関に復帰もできる。
みんなとの協議では、「首相の第三者機関的観点からの関与を明確にする」として、首相が閣僚に対し、特定秘密の指定や解除を適切に行っているかを監視し、改善を指示できる指揮監督権を明示した。だが、閣僚を率いる首相が「第三者機関的観点」に立てるはずはなく、数十万件に上るとみられる秘密を首相1人でチェックするのは物理的にも不可能だ。いずれも修正の名に値しない。
■国会や司法にも影響
法案は知る権利や報道の自由侵害以外にも多くの重大な欠陥がある。中でも問題なのは、憲法が保障する国会の国政調査権行使に支障が出かねないことだ。法案は行政機関の長が国会に特定秘密を提供する場を非公開の秘密会に限定している。しかも「国の安全保障に著しい障害を及ぼす恐れがない」場合に限られ、「及ぼす恐れがある」と判断すれば提供を拒める。
提供するかどうかを決めるのはあくまでも行政の側だ。議員が秘密を漏らせば最高5年の懲役が科せられるため、特定秘密について党内で議論したり有識者の意見を聞いたりすることもできない。これでは国権の最高機関という国会の地位を脅かし、行政を監視することが難しくなってしまう。
刑事裁判で、検察側には特定秘密の提供を認める一方、被告や弁護士には認めていないのも問題だ。ある人が、特定秘密を入手はしなかったものの、漏えいをそそのかしたとして起訴された場合、被告・弁護側は秘密の内容を知らないまま争うことになる。憲法が保障する刑事裁判の適正手続きや裁判の公開に抵触し、被告の人権が守られない恐れがある。
特定秘密を扱う公務員や民間企業の従業員らに課される適性検査はプライバシーの侵害につながる。本人の犯罪歴や海外渡航歴、酒癖、借金の有無などが調べられ、家族や同居人にまで調査が及ぶからだ。こんな欠陥法案を3週間足らずの審議で衆院通過させるなど論外だ。
■反対の世論なぜ無視
法案に反対する世論は日増しに広がっている。各種世論調査では反対が賛成を大きく上回り、法曹界、有識者、ジャーナリスト、市民・労働団体なども相次いで批判の声を上げている。だが4党はこうした世論に聞く耳を持たないようだ。
法案は官僚による情報の独占を許し、中央官庁の権益拡大をもたらす。地方分権推進を掲げる維新の会にとっても、官僚支配打破が旗印のみんなの党にとっても、決して許してはならない法案のはずだ。安易な妥協で与党に採決の口実を与えるとすれば責任は重大で、与党の補完勢力と言われても仕方がない。野党としての筋を通すべきだ。
かつて自民党はもっと世論に敏感で、党内に多様な意見が存在していた。国会議員の手足を縛る法案に異論が出ないのは、自民党議員が思考停止に陥っているからではないか。公明党は当初、法案に慎重姿勢だった。「知る権利」などが法案に盛り込まれたことから賛成したが、その後の国会審議では知る権利が脅かされることがはっきりした。
いまの国のかたちを根本から変えてしまう悪法である。衆院採決を前に、4党の議員にはこの法律を本当に成立させていいのか、もう一度真剣に考えてほしい。
山本太郎を擁護した意外な面々 英BBC、ワシントン・ポスト、英・カトリックの聖職者
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131120-00000002-sasahi-soci
週刊朝日 2013年11月29日号
秋の園遊会で天皇陛下に手紙を手渡し、猛烈なバッシングを浴び、国会で「厳重注意」処分を受けた山本太郎参院議員(38)。だが、海外では意外な面々から、その行動を「日本のタブーに立ち向かった勇敢な政治家」と支持する声が相次いでいる。「まさか」の反応が海外で起こっている理由をジャーナリストの桐島瞬氏と瀬川牧子氏が探った。