真実の報道神秘

権力の『おかしな政策』におかしいと報道しない日本で、一人でも『おかしい』と声を上げ、真実を追求して行きます。

2012年05月

朝日新聞特報部の久木良太記者が「小沢氏事件 証拠こそ裁判のすべて」と明快に正論を述べている

朝日新聞が5月18日付け朝刊「オピニオン面」(12面)の「記者有論」欄で、特別報道部の久木良太記者が事件・裁判取材者の立場から「小沢氏事件 証拠こそ裁判のすべて」とタイトルで、「暗黒人民裁判」に対する見解を述べている。あくまでも、「刑事事件の裁判」のあり方を厳密に捉えた実に明快な文章であり、感心する。
 
「刑事事件」というのは、刑法が規定している指導形相としての犯罪構成要件に照らして、客観的な証拠を付き合わせて、犯罪事実を証明することが求められている。そこに、被告人に対する個人的感情をさし挟んではならない。久木良太記者は、ここのところをしっかりと踏まえたうえで、見解を述べていて、正しい。以下、肝心な部分を引用しておこう。

「『民意』による起訴であっても、刑事裁判は証拠がすべてであり、無罪という結果は尊重すべきだ。道義的・政治的な責任は国会の場やメディアが追及すれば足り、刑事責任と混同してはならない。控訴に踏み切った指定弁護士が今後、小沢氏本人に結びつく新たな動機を立証できなければ、控訴審でも有罪判決を得るのは難しいと思う」

つまり、小沢一郎元代表を嫌う政治家、大半のマスメディア、あるいは、物事を好き嫌いで判断する一般国民は、久木良太記者が述べているように、刑事事件と道義的、政治的な責任を混同している。言い方は下品だが、「ミソクソ一緒に」してはならないということだ。

そうでなければ、フランス革命の時に民衆が、適正な手続きによる公正な裁判にもかけずに、王党派をギロチンにかけていった悪夢をこの日本で再現することになる。検察審査会制度は、そんな危険性を孕んでいる。

しかし、それでも、法務省、最高検が、元東京地検特捜部の田代政弘検事(法務総合研究所教官)を嫌疑不十分で不起訴処分にした場合、「民意」を反映させる検察審査会の出番だ。虚偽の捜査報告書を作成し、東京第5検察審査会の審査員をまんまと騙した田代政弘検事を虚偽有印公文書作成・同行使容疑で告発した市民団体は、迷うことなく即時に、東京検察審査会に不起訴処分を不服として審査を申立て、東京検察審査会は、「強制起訴」議決すべきである。

というのは、検事が虚偽の捜査報告書を作成したという事実は、「検察の冤罪体質」を証明するものに他ならないからである。無実を叫びながら、死刑台に送られて、絞首刑を執行された「冤罪被害者」は、ごまんといると言われている。そのことに思いを致すなら、田代政弘検事を公開法廷に引きずり出して、「検察の冤罪体質」を徹底解明し、弾劾することは絶対に必要である。
 
田代政弘検事の上司だった佐久間達哉検事(元東京地検特捜部長、現・法務総合研究所)ら数人の検事も、やはり市民団体に告発されており、不起訴処分が決まったならば、こちらも即時、不起訴処分を不服として審査を申立て、東京検察審査会は、「強制起訴」議決すべきである。この刑事裁判では、「検察官一体の原則」に基づく「検察の組織犯罪」を暴くべきである。こうした国家の犯罪を弾劾するには、検察審査会は、極めて有効である。

「信じられぬ事態が今日本で起こっている。本日八木啓代様の話を聞く機会があったので、それを踏まえ書く。
 
(1)小沢事件は先ず、検察が起訴出来ない問題として、起訴しなかった問題である(つまり、裁判を実施しても有罪にはならないという判断)
 
(2)ここで検察審査会なるものが起訴をした。この検察審査会なるものの構成など様々な疑惑があるが、もっとも重要な点は検察が起訴へ誘導したことである。
 
(3)本来、検察審査会は検察決定に疑問を持ち、これの検討である.当然検察の任務は検察審査会に対して何故不起訴にしたかを説明する義務がある。しかし、検察の説明は全く逆に有罪にするために、意識的に説明したことにある。
 
(4)直近、ロシアのサイトから出てきた文書は鄕原氏等が本物と認定している。それを前提にして述べれば、秘書の発言とは全く違う検察が作成した、こうした捏造といえる物を基礎に検察は小沢氏が有罪の印象を検察が意識的に作り上げた。基本的には検察審査会のメンバーは素人である。この素人(つまり専門家である検察の説明に対して充分に反論する能力がないとみられる集団)に対し意識的に有罪の印象を持たせる動きを検察が行ったことは由々しきことである。
 
(5)そもそも小沢問題は民主党政権の有様と大きく関係する。
 
(6)戦後の歴史をみれば、芦田均、岸信介、田中角栄、細川、鳩山由起夫等、米軍縮小や中国との関係改善に動いた首相はことごとく潰されている(7月刊行予定『戦後史の正体』で言及)。そしてその追い落としには、芦田均、田中角栄の時には検察の異常関与がある
 
(7)今回小沢起訴を工作の中心は佐久間特捜部長。Wikiによれば佐久間氏は在米大使館一等書記官を経験。現検察中、最も米国と関係ノ深い人物。
 
(8)この問題は単に小沢氏一個人の問題でない。米国の指示と異なる方向を目指した鳩山・小沢路線を潰すことに一番大きい意義。それに特捜部部長深く関与。鳩山・小沢の路線が潰された後の日本の政治は?安全保障面での属米強化、TPP参加,増税、米国望む政策ひたすら追求
 
(9)露骨な介入。新資料で絶対有罪に出来ない性質のものを控訴し、小沢という政治家の動きを封じ込めるこの日本社会の腐敗は極めて深刻」

この国を不幸の奈落に突き落とした3弁護士の控訴決定  天木直人 

この国を不幸の奈落に突き落とした3弁護士の控訴決定 ( 天木直人のブログ )
今回の3弁護士の控訴決定のニュースを知って、私は驚き、怒り、そして、あらためて司法官僚の罪深さを知った。
 
司法官僚の支配から逃れられない3人の弁護士に同情はするがその誤りを激しく糾弾する。
小沢事件について何も知らない、関心すらない者たちが、テレビの前で小沢一郎は悪者だと言っているようなレベルは論外であるが、たとえ小沢事件を知ってそれなりの知識と考えを持っている国民の大部分は、いや政治家たちすら、この問題の真実を知らないだろう。
 
小沢強制起訴の背後にあるのは米国の影響とか権力闘争とか色々言われているが、直接手を下したのは司法官僚なのだ。税理士が国税庁の官僚支配から逃れられないように、医者が厚生官僚の支配から逃れられないように犯罪人が警察官僚支配から逃れられないように弁護士もまた司法官僚から逃れられない。
この国の国民生活はあらゆる意味でそれを所轄する官僚支配から逃れられないのだ。
 
その支配は直接支配ではない。この国の法や政策を決定し、それを自由に解釈してこの国の国民を、そして本来は官僚の上に立つ政治家さえも面従腹背して支配する官僚による目に見えない間接支配である。
 
見ているがいい。この小沢控訴のドサクサにまぎれて、消費税増税も原発再稼動も、東電救済も電力価格の引き上げも、米軍再編への協力も、沖縄問題もすべて官僚任せで反国民的政策が進められていくことになるだろう。
 
本来ならば政治が官僚支配を排除すべきなのに、見事に小沢強制起訴によって政治が官僚に屈服させられた。小沢裁判が長引く事によってこの国の国民はもとより、日本の政治が得るものは何もない。
 
野田政権も野党の政治家も、小沢一郎に対する溜飲は下げられても得るものは何もない。いま日本は戦後政治の最大の曲がり角に差し掛かっている。日本の命運そのものが大きな転機に差し掛かっている。
 
小沢一郎という政治家の適否や好悪を超えて、小沢一郎を含めたあらゆる政治家が日本の行く末を論じ合い、競い合って日本のための最善の道を模索しなければならない時なのだ。
 
小沢問題にこれ以上エネルギーを費やしている場合ではないのである。しかし再び小沢裁判が振り出しにもどった。この絶望感は測りしれない。3弁護士の控訴決定の罪は計り知れないほど深く、大きい・・・

とうとう最高検が乗り出さざるを得なくなった 「陸山会事件」の捏造報告書問題本気かパフォーマンスか (日刊ゲンダイ) 

最高検がついに重い腰を上げた。陸山会事件で捜査報告書を捏造し、市民団体から「虚偽公文書作成・同行使容疑」で告発されていた田代政弘検事(45)の捜査に乗り出したのだ。当初は告発状を東京地検に丸投げしてウヤムヤにしようとしていたが、ネットに流出した「捜査報告書」などで“組織ぐるみ”のインチキが発覚、頬かむり出来なくなったのである。

「今月初め、市民団体に最高検から受理の連絡が入ったのです。遅きに失した感は否めないが、本気になっているポーズを示さないと、収まらない。

それほど検察はダメージを受けています。田代検事は、地検の調べに対して『報告書が審査会に提出されるとは思わなかった』と弁明していますが、流出した反訳書には『今日の調書は検審も見るわけですよね』と尋ねる石川議員に、田代検事が『見るよ。だってそのために取るわけだから』と答える場面が出てくる。

ウソは明らかで、ゴマカせなくなったのです」(司法ジャーナリスト) 田代検事は昨年12月の小沢裁判で、弁護側から捏造報告書について問われた際、「石川(知裕)議員の著書で言っていることが記憶にあり、混同して書いた」と証言した。これもウソだったことは明白だ。石川議員の本が出版されたのは、報告書作成日から3カ月以上も後。「記憶の混同」はあり得ないからだ。

「虚偽公文書作成・同行使罪」は決して軽くない。7日には、横浜地裁で自転車盗難事件をデッチ上げた元警官が「虚偽有印公文書作成・同行使罪」で懲役2年6月、執行猶予3年を言い渡されている。裁判長は判決理由で、「捜査全体の信頼が損なわれ、社会的影響は大きい」と指摘していた。田代の捏造報告書が与えた社会的、政治的影響もハンパじゃないのだ。もっとも、最高検が乗り出してきても、インチキの全容が明らかになる公算は小さい。

元東京地検検事の落合洋司弁護士はこう言う。「問題を解明するほど、自分たち(検察)が困る。決して良いことではありませんが、やはり、適当なところで打ち切って田代検事を『不起訴処分』にする。その上で『戒告』などで済ませるつもりでしょう。検察としては反省のポーズを取りつつ、玉虫色の決着を図る考えだとみています」本当にそうなったら、検察なんて組織は、この国に不要だ。

 

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