安倍首相の馬鹿さ加減を浮き彫りにした英FT紙の論説記事

(天木直人氏) 28th Jan 2017 


まず、次の文章を黙ってお読みいただきたい。

 
「中国の習近平国家主席は1月17日、世界経済フォーラム年次総会で、グローバル化について米大統領が話すと期待されるような内容の講演をした。

トランプ米大統領は就任式で、貿易について米大統領なら絶対に言うとは思えない発言をした。

このコントラストは衝撃的だ」 これは英国の看板紙であるファイナンシャル・タイムズ紙の1月25日の紙面で論説主幹のマーティン・ウルフ氏が書いた論評の書き出しである。
 
安倍首相がこの記事を読めば激怒するだろう。米国が中国に逆転されたと勘違いするからだ。
 
対米従属で中国嫌いの安倍首相にとって、米中逆転はとうてい容認できないことだからだ。
 
しかし、もし安倍首相がこの記事を読んで激怒するようだと、我々はあらためて安倍首相の馬鹿さ加減を思い知らされるだろう。
 
ウルフ氏はその論評で決して習近平主席を褒めているわけではない。
米国と中国の逆転を歓迎しているわけではない。トランプ氏の誤りを危惧しているのだ。
 
このままトランプ氏が間違った政策を強行するなら、世界は崩壊し、それは、米国はもちろん、どの国のためにもならないと、トランプ氏に反省を求めているのだ。
 
それは、そのまま、トランプ大統領の米国を世界に先駆けて無条件で支持して同盟関係を強化しようとしている安倍首相に対する痛烈な批判でもある。
 
トランプ氏との緊密な関係構築ばかりを求め、中国包囲網しか念頭にない安倍首相の馬鹿さ加減を浮き彫りにした、ファイナンシャル・タイムズ紙のウルフ論説主幹の記事である。