安保関連法制、「答弁ぶり」めぐり大荒れの展開に

 

海外での自衛隊の活動を拡大する新しい安全保障法制をめぐる特別委員会の審議。2日目の28日は、安倍総理大臣ら政府側の答弁ぶりをめぐって、冒頭から大荒れの展開になりました。
 

28日の審議は委員長の異例のひと言から始まりました。
「国民にわかりやすい簡潔な答弁をされるよう、お願いを申し上げます」(浜田靖一衆議院特別委委員長)

27日の安倍総理の答弁について、民主党が「聞かれてもいないことに長々と答える」と抗議したためです。そして、中谷防衛大臣も・・・

「昨日の柿沢議員に対する私の発言は大変不適切なものでございました」(中谷元防衛相)

27日の質疑で、「武力行使と武器の使用の違いが分からないと議論ができない」などと突っぱねたことに野党側が猛反発し、陳謝に追い込まれました。

野党側は28日も中谷大臣を追及します。
「中谷大臣です。中谷大臣です。中谷大臣です」(民主党・辻元清美衆院議員)

連呼するのは民主党の辻元議員。辻元議員と言えば・・・
「ソーリ、ソーリ、ソーリ、ソーリ」(2001年5月、衆院予算委)

14年前、当時の小泉総理に執拗に答弁を迫った姿が今でも印象的ですが・・・、28日は中谷大臣の代わりに答弁に立とうとする安倍総理を制止します。

「委員長に指名を頂きましたので、答弁させていただきます」(安倍首相)「だめです、だめ」(辻元議員)

「そのうえで、いやだめじゃなくて」(安倍首相)
「総理、指名してないです」(辻元議員)

そして、午後の審議で苛立ちはピークに。

「戦争というのはリアクションがあるんです。ちょっとだけよといって、いつも大きな戦争に広がってきているわけです。ですから、総理、こうもおっしゃってますよ・・・」(民主党・辻元清美衆院議員)
 「

早く質問しろよ」(安倍首相)
安倍総理が答弁席からやじを飛ばし、審議がストップ。


「答弁が長い、そして当ててもないのに答弁に立つ。そして今は何ですか、『質問しろよ』と。反省の弁を求めたいと思います」(民主党・緒方林太郎衆院議員)
 

「自説を述べて、私に質問をしないというのは答弁をする機会を与えないということですから、『早く質問したらどうだ』と言ったわけでありますが、言葉が少し強かったとすれば、それはおわび申し上げたい」(安倍首相)

こうした安倍総理の姿勢を民主党は強く批判します。
「総理大臣としてあるまじきことが、全国民注視の下で起きた」(民主党・枝野幸男幹事長)

「中身よりも、どうもそういう(やじ)ことの方が議論になっているのかなと思います」(菅義偉官房長官)

菅官房長官は、「丁寧に説明すれば時間もかかる」と総理を擁護しますが、28日の審議では重要な法案の中身よりも乱戦ぶりが際だった格好です。