安倍政権崩壊につながるかもしれない稲田政調会長の東京裁判発言

20150227日 天木直人のブログ

稲田朋美という政治家は、 政調会長になって舞い上がったのか、株の儲けで気が大きくなったのか、どうやら調子に乗り過ぎたようだ。
 
きのう2月26日の記者会見で東京裁判するかのごとき発言をしたらしい。きょうの各紙は一段の小さな記事でしか報じていないが、これは一面トップで取り上げられてもおかしくない重大な発言だ。
 
失言ではない。 記者会見で行われた公式な発言だ。しかも安倍政権の政策の最高責任者という立場にある政調会長の発言だ。で安倍談話問題で安倍首相の歴史認識に世界の目が集中している時だ。
 
中国や韓国との関係が悪化するだけではない。東京裁判の否定は戦後レジームの否定につながる。米国の占領に対するこれ以上ない挑戦だ。しかも、昭和天皇の戦争責任を否定して国体を護持した当時の日本の指導者層とマッカーサーが合作である戦後70年体制の否定である。
 
この稲田発言がメディアに大きく取り上げられ、世界のメディアが騒ぎ出すと、連休の安倍首相訪米さえ危うくなる。訪米が延期されることにでもなれば、安倍政権は終わる。野党が安倍政権を本気で倒すつもりなら、この稲田発言を追及しない手はない(了)
 

自民・稲田政調会長「安倍首相は歴史修正主義ではない」「東京裁判は法的に問題」 産経新聞 226 

自民党の稲田朋美政調会長は26日のBS朝日の番組収録で、先の大戦後に東条英機元首相らが裁かれた東京裁判(極東国際軍事裁判)について「指導者の個人的な責任は事後法だ。(裁判は)法律的に問題がある」との認識を示した。戦後に公布された東京裁判所条例に基づく裁きは、事後法にあたるとの考えだ。

 稲田氏は「東京裁判判決の主文は受け入れている」と述べる一方、「判決文に書かれている事実をすべて争えないとすれば(われわれは)反省できない。南京事件などは事実の検証が必要だ」とも指摘し、戦後70年を機会に改めて歴史を検証するよう求めた。

 歴史認識をめぐる安倍晋三首相の言動が中国や韓国から「歴史修正主義」と批判されていることには「歴史修正主義というのは、あったことをなかったと自己正当化することだ。本当にあったことをあったこととして認め、生かしていくのは決して歴史修正主義ではない」と述べた。 

「東京裁判の中身、私たち自身で検証を」 自民・稲田氏

朝日新聞2015226

 

稲田朋美自民党政調会長

 (東京裁判について)日本は東京裁判をサンフランシスコ平和条約11条で受け入れて、独立を果たした。


しかし、東京裁判については、裁判の冒頭で清瀬(一郎)弁護人が「この法廷に果たして管轄権があるのか」という動議を出された。侵略戦争については、1928年の不戦条約、指導者個人の責任を問うという法律は、当時ポツダム宣言を発し、受諾した時点では国際法の中に無かった。


この意味において、事後法という批判は国際法の学会等からも出ているところなので、法律的にはそういった疑問がある。

 

主文はもちろん受け入れて、その東京裁判が無効という意味ではないが、中に書かれている事実関係については、私はやはり当時の裁判の状況等からみて、きちんと私たち自身で検証する必要があると思っている。(自民党本部での記者会見で)