戦後70年の節目の今年こそ、国民一人ひとりが本当に民主主義を身につけるべきではないかと思っています  小沢一郎代表


①今年は戦後70年という節目の年です。戦後、アメリカ占領軍の下で形の上での民主主義は日本に導入されましたが、いまの日本は依然として戦後を脱し切れず、政治、経済、社会のあらゆる面において民主主義を本当に理解している国であるとはとうてい思えないのです。
 
②日本を取り戻すことは悪くないですが、間違った日本を取り戻しても仕方ありません。戦前の問題を検証しないと、単なる反動的あるいは懐古的な思いから戦後政治・社会を否定することになります。その結果、国際社会の中で日本は非常に不安定な国になる心配があります。
 
③昭和初期に大飢饉があり農村では子供を身売りしなくては生活できないという現象が見られました。今の社会構造は当時と似てきています。ひとたび世界規模の経済恐慌に襲われたら、国民は相当動揺します。しかし民主主義が根づいていれば、知恵を出し合い困難を解決することができます。
 
④民主主義の土壌がないと、5.15や2.26事件のように「政党政治はだめだ」「民主主義は無力だ」と国民が極端な行動に走る懸念があります。歴史の過ちを繰り返さないためにも政権交代ある政党政治を確立し民主主義を定着させれば、どんなことが起きても日本は乗り越えていけます。
 
国民が一人ひとり自分の頭で考え投票し、自分たちの政権をつくる。自分たちが選んだ政権がおかしいとなれば、もう一方の政権を選び直す。この仕組みを確立する中で政党も国民もお互いに力を合わせていけば、今後どんなことが起きても、それを乗り越えていくことができると思います。
 
⑥ここで日本人はいま一度、胸に手を当てて戦前の歴史に思いを馳せ、今日の日本の状況をしっかりと見つめ、考え抜き、そして自分の結論に基づいて行動すべきです。私は戦後70年の節目の今年こそ、国民一人ひとりが本当に民主主義を身につけるべきではないかと思っています。