報じられない来年度予算案と安倍独裁制の静かな進行 

天木 直人のブログより

 官庁はとっくに御用収めに入っているはずなのに、来年度予算案が一向に報道されないのはどうしたことか。 これを疑問視する者は皆無だ。
 通例なら今ごろは各省の予算分捕り合戦が繰り返され、それが連日報じられ、そして大臣折衝のセレモニーを経て予算原案が出来て、それを各紙が一斉に書きたてて年が暮れる。
 
なぜ今年はそのような報道が一切なされないのか。その一方で、来年度の予算を伴う重要な政策がどんどん安倍政権の下で、何の歯止めもなく毎日のように決められている。
 
きょうの各紙が一斉に報じている。
法人税減税がついに政府決定されたと。 きょう12月29日の産経新聞は一面トップで書いている。 政府は28日、海上保安庁の巡視船3隻を新造する方針を固めたと。無理して景気押し上げをはかるために、3・5兆円の地方創生バラマキを行う決定は、すでにあっさり決められている。
 
防衛省関係の憲法違反の予算増大はとどまるところを知らない。
 いずれも今年度の補正予算で対応されるというのも異常だ。新年度予算案の議論が一切されず、重要な政策がすべて補正予算で処理される。
 
補正予算と言えば、もはや過去の予算の補正に過ぎないという印象でごまかされるが、これは新年度予算の先取りだ。緊急必要性があるからといって、まともな議論がなされないまま、すんなりと認められてしまう。
 
我々の税金や年金積立、社会・医療保障費が、安倍首相の長期政権の野望の道具として私物化されるということだ。気がついたら補正予算も、来年度予算も、出来上がった姿だけが報じられ、それを我々は追認させられるだけである。
 
人はこれを独裁制という・・・