「小沢排除」の流れがもたらした、都議選での自公圧勝 有権者は本当に賢いのでしょうか?

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2013-06-24  生き生き箕面通信より転載します

都議選では、自民、公明党が全員当選を果たし、圧勝したという結果となりました。このところ、地方の首長選挙で負けがこんでいた安倍首相としては、ほっと一安心。「この勢いで参院選も勝つ」と、ハイテンションになっているようです。事実、そうした流れが予想されています。
 
それにしても、どうしてこのような選挙結果がつくられたのでしょうか。日本の民主主義の根が著しくへたって来ているように見えます。 第一の要因は、「アベノミクス」という語に象徴される政治状況の空気です。政権与党は、「3本の矢」「異次元の金融緩和」「決め手の成長戦略」などのキャッチフレーズを繰り出し、一時的な円安・株高を実現できました。これによって、有権者の目をくらます「空気作り」にまんまと成功したのでした。
 
この「空気作り」には、「アベノミクス」をもてはやした大手のマスメディアが、大きな貢献をしました。マネーゲームばかりが盛んになり、実体経済は何一つ実績をあげていませんが、あたかも「デフレ脱却」が着々と進んでいるかのようなムードづくりに、”情報操作の実力”を発揮しました。 マスメディアが政権与党の広報機関に成り下がっっていることを見事に象徴しているアベノミクス礼賛ですが、これが都議選での政権与党勝利をもたらしたといえます。そして、このマスメディアのオール与党化(東京新聞など一部を除く)は、小沢氏排除の動きとともにとりわけ顕著になってきた傾向であり、日本の重い病です。
 
検察が小沢氏秘書の大久保隆規氏を逮捕する、いわゆる「西松事件」をでっち上げて以来、メディアは検察とタッグを組んで、メディアの暴走を始めました。このあと、水谷事件、陸山会事件と、検察はつぎつぎにターゲットを変えて、「小沢クロ」を証明しようと違法な捜査までして立件に総力をあげました。しかし、結果は検察の惨敗でした。裁判員裁判という手を使ってまで起訴に持ち込みましたが、結局、「無罪」でした。
 
この過程で、メディアは検察と”共犯関係”になり、結局、気がついてみると翼賛広報紙になっていました。そして、有権者をたぶらかす存在に落ちぶれていたのです。 つまり、小沢排除を、検察とメディアがタッグを組んで演出する過程で、メディアは民主主義の原点である人権尊重の根幹を打ち捨て、権力に擦り寄る存在に変質してしまいました。
 
読売新聞をはじめ、日経、サンケイはいうまでもなく、朝日、毎日新聞、さらにはNHKなど大手メディアは、大まかに言えば政権の広報機関化しました。そして日々、政権側の情報を垂れ流しています。そのメディアにやすやすとたぶらかされる有権者は、日本の民主主義史のなかでは、どんな存在として位置づけられるのでしょうか。建前では、「日本はれっきとした民主主義の国」のはずです。でも、「本当に民主主義の国」といえるのかどうか。
 
直面する重要課題は、憲法改定、原発再稼働、TPP(環太平洋経済連携協定)、普天間基地移設、消費税、国民番号制度、秘密保全法、尖閣・竹島をめぐる中韓との領有権問題など山積しています。処理のしようによっては、日本の国柄はガラッと変わり、少数の権力者勢力は恵まれるかもしれませんが、私たち庶民の暮らし向きはどうなるのでしょう。
 
参院選の公示まであとわずか10日ほどに迫りました。この参院選の結果次第では、惨憺たる日本をこれからの世代に残すことになります。