この国を不幸の奈落に突き落とした3弁護士の控訴決定  天木直人 

この国を不幸の奈落に突き落とした3弁護士の控訴決定 ( 天木直人のブログ )
今回の3弁護士の控訴決定のニュースを知って、私は驚き、怒り、そして、あらためて司法官僚の罪深さを知った。
 
司法官僚の支配から逃れられない3人の弁護士に同情はするがその誤りを激しく糾弾する。
小沢事件について何も知らない、関心すらない者たちが、テレビの前で小沢一郎は悪者だと言っているようなレベルは論外であるが、たとえ小沢事件を知ってそれなりの知識と考えを持っている国民の大部分は、いや政治家たちすら、この問題の真実を知らないだろう。
 
小沢強制起訴の背後にあるのは米国の影響とか権力闘争とか色々言われているが、直接手を下したのは司法官僚なのだ。税理士が国税庁の官僚支配から逃れられないように、医者が厚生官僚の支配から逃れられないように犯罪人が警察官僚支配から逃れられないように弁護士もまた司法官僚から逃れられない。
この国の国民生活はあらゆる意味でそれを所轄する官僚支配から逃れられないのだ。
 
その支配は直接支配ではない。この国の法や政策を決定し、それを自由に解釈してこの国の国民を、そして本来は官僚の上に立つ政治家さえも面従腹背して支配する官僚による目に見えない間接支配である。
 
見ているがいい。この小沢控訴のドサクサにまぎれて、消費税増税も原発再稼動も、東電救済も電力価格の引き上げも、米軍再編への協力も、沖縄問題もすべて官僚任せで反国民的政策が進められていくことになるだろう。
 
本来ならば政治が官僚支配を排除すべきなのに、見事に小沢強制起訴によって政治が官僚に屈服させられた。小沢裁判が長引く事によってこの国の国民はもとより、日本の政治が得るものは何もない。
 
野田政権も野党の政治家も、小沢一郎に対する溜飲は下げられても得るものは何もない。いま日本は戦後政治の最大の曲がり角に差し掛かっている。日本の命運そのものが大きな転機に差し掛かっている。
 
小沢一郎という政治家の適否や好悪を超えて、小沢一郎を含めたあらゆる政治家が日本の行く末を論じ合い、競い合って日本のための最善の道を模索しなければならない時なのだ。
 
小沢問題にこれ以上エネルギーを費やしている場合ではないのである。しかし再び小沢裁判が振り出しにもどった。この絶望感は測りしれない。3弁護士の控訴決定の罪は計り知れないほど深く、大きい・・・