北海道東北に計600万kWの海底送電線 電力広域機関が50年まで計画 北本連系の8倍に


2023
329 北海道新聞

 

国の認可法人・電力広域的運営推進機関(東京、広域機関)は29日、2050年までの送電網整備の長期計画(広域連系系統マスタープラン)を公表した。洋上風力など再生可能エネルギーの増加を見据え、北海道から東北までの日本海側に400万キロワット、太平洋側に200万キロワットの海低送電線をそれぞれ新設する。
3.31.1

道内
本州間の送電容量は道南と青森県を結ぶ現在の北本連系線(90万キロワット)と比べ、600万キロワット上積みの約8倍に拡充され、道内の再エネ導入拡大にさらなる追い風となる。

 
長期計画は50年の総電力需要を1・2兆キロワット時程度とし、再エネ比率が現在の20%から47%に上昇すると想定。ベースシナリオでは、北海道
東北の日本海側と太平洋側で計600万キロワット、東北関東間にも計800万キロワットの海底送電線を新設するとした。北海道東北関東の新系統に必要な費用は計2・5兆~3・4兆円と試算。これとは別に、道内の送電網強化にも1・1兆円が必要とした。

 
計画ではこのほか九州
中国地方で280万キロワット、関東中部で270万キロワットの増強などを想定し、全国の必要投資額を計6兆~7兆円とした。洋上風力の普及が見込まれる道内・東北や関東の送電網強化のための投資が大半を占めた。これらの費用は全国の消費者が負担する再エネ賦課金などとして最終的に電気料金に上乗せされる見込み。

 
広域機関は今後、長期計画を元に個別の送電網整備を進めていく方針。一部は先行して計画が進んでおり、道内
東北の日本海ルートのうち200万キロワット分は30年度までの整備を目指して具体的な検討に入っている。このほか北本連系線も27年度末までに30万キロワット増強し120万キロワットとなることが決まっている。

 
マスタープランの策定にあたっては、経済産業省資源エネルギー庁との共同事務局が検討委員会を設置し、20年8月から23回、審議を重ねてきた。