真実の報道神秘

権力の『おかしな政策』におかしいと報道しない日本で、一人でも『おかしい』と声を上げ、真実を追求して行きます。

2013年08月

政府とグルの大新聞が伝えない真相 米の手先と世界が侮辱の首相の正体

2013/8/29 日刊ゲンダイ 
最も重要な中国、韓国との関係改善には全く動かず表向きは大歓待してくれ居心地の良さを求める弱虫首相外交の卑屈な現状ゴルフ漬けの夏休みを終えた安倍首相は、24日から中東とアフリカを歴訪している。訪問先はバーレーン、クウェート、カタール、ジブチの4カ国。官邸によると「地球儀俯瞰外交」と呼ぶそうだ。

バーレーンでは国王から勲章を授与されるなど、首相は訪問した先々で歓迎され、ゴキゲンだという。よほど外遊が楽しいのか、首相は「月に1回は外遊を入れていこう」と周囲に伝えているそうだ。実際、首相の外遊は異常なハイペース。昨年12月の就任以来、8回も外遊を重ね、訪問先は20カ国に達している。

驚くのは、その訪問先だ。なぜか中東と東南アジアに偏っている。東南アジアは、ベトナム、タイ、インドネシア、ミャンマー……など、ASEAN加盟10カ国のうち7カ国に行っている。中東も4~5月にアラブ首長国連邦とサウジアラビアを訪ねたばかり。短期間に2回も中東を訪ねるのは異例のことだ。

なぜ、中東と東南アジアにばかり行っているのか。答えは明らかだ。「行けば歓迎され、居心地がいいからです。ASEAN諸国にとって日本は、ODA支援してくれる大スポンサーだし、中東諸国にとっては原油を買ってくれるお得意さま。首相が足を運べば、下にも置かない扱いをします。友好国だから会談で関係が悪くなることもない。首相は王様気分でしょう」(政治評論家・山口朝雄氏)要するに、自分をヨイショしてくれる“優しい国”を選んで訪問しているということだ。首相は「東南アジアに行くと歓迎してくれるんだよ」とうれしそうに話しているそうだ。

◆なぜ中国、韓国との関係改善に乗り出さないのか
しかし、「地球儀俯瞰外交」だかなんだか知らないが、こんなもの外交と呼べるのか。本来、首脳外交は、国益が激しくぶつかっている国と行うべきものだろう。いま首相が向き合うべき相手は、中東や東南アジアではなく、国益がぶつかり関係が悪化している中国や韓国のはずだ。なのに、中、韓との対話から逃げているのだから、どうしようもない。

そりゃ、東南アジアの発展途上国に行ってカネをバラまけば歓迎してくれるだろうが、それを首脳外交と思っているとしたら大間違いだ。「外交は重要な国から手をつけるのが基本です。いま日本にとって一番の外交案件は、中国、韓国との関係です。隣国なのに首脳会談は1年半も開かれていない。これは異常なことだし危険なことです。日本は嫌でも中、韓と付き合っていかなければならないのだから、首相は大急ぎで関係改善に取り組むべきです。国益を考えると、このまま放置していたら、いいことはなにもない。とくに世界第2位の経済大国である中国との関係は、日本経済にとっても死活問題です。ところが、首相は動こうともしない。これでは無策と批判されても仕方ありません」(元外交官の天木直人氏)

首脳外交とは、時には命がけでやらねばならないものだ。困難でも、逃げずに取り組むことが求められる。冷戦時代、旧ソ連と対峙してきた歴代の首相や外相は「クレムリンに行ったら生きて戻れないかもしれない」と覚悟して首脳外交をしてきた。なのに、安倍首相は、中、韓との対話に背を向け、「東南アジアに行くと歓迎してくれるんだよ」とニタついているのだから、話にならない。

◆カネをバラまいている東南アジアも従わない
安倍首相が滑稽なのは、笑いものになっているとも知らず、自分は「戦略的外交」をしていると思っていることだ。東南アジアを集中的に訪問しているのは、ASEAN諸国を日本のシンパにし、中国を友好国で「包囲」するためらしい。しかし、本気で包囲網を敷けると考えているのなら、オメデタイにも程がある。たしかに、首相が行けば東南アジアは歓迎してくれるだろうが、ASEAN諸国は「カネをくれるのだからヨイショしておこう」「もらわなければ損だ」と、舌を出しているのが実態である。首相の考えに従うつもりなどサラサラない。

「東南アジアのなかで、日本とタッグを組んで中国と対抗しようと考えているのはフィリピンくらいのものです。他の国は日本より中国の影響力の方が強い。日本が自分たちの陣営に引き込むのは簡単じゃありません。象徴的なのは、ミャンマーです。安倍首相は5月、ミャンマーに対して、2000億円の対日債務を帳消しにすることを約束しています。ところが、8月に行われた国際空港建設の入札で、日本企業は敗退し、韓国企業に落札されてしまった。もし、経済援助することで日本の勢力圏に置けると考えているなら勘違いです」(天木直人氏=前出)しょせん、安倍首相のオツムでは、複雑な外交は手に負えないということだ。嫌なことから逃げ、自分を大事にしてくれる国としか付き合おうとしないのだから論外である。

◆世界中が「アメリカの属国」とバカにしている
このまま安倍首相に外交をやらせていたら、日本は国益を損ねるだけだ。中、韓との関係も一歩も前に進まないだろう。「戦略外交」をやっているつもりの安倍首相は、「いずれ中国はスリ寄ってくる」と大口を叩いているそうだが、中国がスリ寄ってくるとは考えにくい。

中国の対外広報メディアである「環球時報」はこう書いている。〈せいぜい安倍政権を踊らせておこう。我々はひまわりの種をつまみながらお茶を飲み、彼らが踊りに疲れて全身汗だらけになる様子を楽しめばよい>安倍外交はバカにされているのだ。これでは、いつまでたってもウィン・ウィンの関係にならない。

前出の山口朝雄氏が言う。「安倍外交が致命的なのは、世界中から『どうせ安倍首相は、アメリカの言いなりだろう』と見透かされていることです。中国もアメリカと話をつければいいと考えているフシがある。実際、安倍首相はアメリカに文句ひとつ言わず、従属している。危険なオスプレイを唯々諾々と受け入れ、アメリカの意向に従ってTPPに参加しようとしている。TPP交渉では、マレーシアやベトナムといった国でも、アメリカとケンカしているのに、首相は絶対に逆らわない。アメリカと対等な関係を築こうという気概はゼロです。これでは中東諸国も、ASEAN諸国も、日本を尊敬しませんよ」

安倍首相の外交は、あまりに品がない。なぜ、難問と真正面から対峙しようとしないのか。ただでさえ日本は経済力が落ちて国際社会での影響力が低下しているのに、首相が訪問先で税金をバラまいて浮かれているようでは、ますます世界からバカにされるだけだ。


 

マンション業界は確実に衰退する 20年後は9割減の市場縮小も…(ZAKZAK) 

人口が増えない限りは業界の将来は先細り

http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130825/ecn1308250733002-n1.htm
2013.08.25 本当は教えたくないマンション業界の秘密 榊淳司

不動産業界の人々の多くは、せいぜい2~3年先のことしか考えていない。末端の人間なら、目の前の物件を売ることで精いっぱいかもしれない。
 
しかし、もう少し先のことを考えてもバチはあたらない。見えなかったものが見えてきて、業界の風景が新鮮に映るかもしれない。現在、マンション購入の「適齢期」と呼ばれる30代と40代の人口は、約3490万人である。10年後は約2980万人にまで減る。減少率は15%。簡単に言えば、お客さんの絶対数が15%減る。これが20年後には2490万人になる。減少率は約29%だ。
 
「だったら、今の7割に事業を縮小すればいいじゃない」などと、能天気に考えてはいけない。マンションは、車のように10年ちょっとで壊してしまうワケにはいかない。造れば造るだけ、ストックとなって市場に蓄積されていく。
 それに今の建築技術で造られたマンションは、50年以上は確実に使えるだろう。もちろん「きちんとメンテナンスを行う」のが前提だが。
 
するとどうなるのか。実は、今でも日本の住宅は余っている。5年前の統計で、日本全国の空き家率は13%だった。それは田舎の話で、都会は住宅が足らないのでは? だから、都市圏では今後もマンション開発事業を続けられる…と考える人も業界内に多いかもしれない。でも、それも大きな間違い。東京の空き家率は11%超、大阪は14%台で推移している。
 
繰り返すが、これは5年前の統計だ。実は今年の後半、この数字が国土交通省によって更新されるはずで、全国平均で20%に迫るのではないかと予想する向きもいる。
 
そうなると、5戸に1戸は空き家という異常事態となる。これは近未来の話ではなく、現在の統計数字なのだ。少し前にここで書いたように、日本人は異様なほど「新築好き」だ。日本のマンション業界は、そういった日本人の特異性に支えられている面が大きい。しかし、その歪な構造はいつか崩壊する。これも書いた話だが、郊外の新築マンション価格は中古の2倍という現象が、今や当たり前になってきた。
 
数年前、「今の若者は車を買わなくなった」という社会現象が話題になった。私は、あと5年もしたら「今の若年層はマイホームにこだわらなくなった」という風潮が顕著になると予想する。10年後は、この傾向がさらにはっきりしているだろう。中古住宅の価格や賃料が、今ほど若年層の負担にならないレベルにまで下がっているはずだ。すると、多額のローンを組んで無理とリスクを背負いながら新築マンションを購入することに、多くの人は意味を見いだせなくなる。
 
そうなると、市場の縮小は人口減少率をはるかに上回る規模となる。10年後は今の半分、20年後は9割減でもおかしくない。つまり、マンション業界は確実に衰退することになる。

■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。不動産会社の注意情報や物件の価格評価の分析に定評がある(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。


 

すべて茶番 TPP参加交渉と消費税論議

2013/8/27 日刊ゲンダイ 
来年4月に予定通り消費税率を8%に引き上げるのか、それとも先送りするのか。消費税アップの是非について、安倍政権が計60人もの有識者から意見を聞く「集中点検会合」が、きのう(26日)から始まった。

さて、有識者からのヒアリングを終えて、安倍が消費税増税を凍結する可能性があるのかといえば、政府関係者の全員が「ノー」と言うだろう。逆に安倍が凍結したら、みんなが「じぇじぇじぇ」とのけぞってしまう。日銀の黒田総裁なんて腰を抜かして立ち上がれなくなるかも知れない。裏を返せば、それだけ消費税アップは揺るがないということだ。

それならば、どうして、こんな大掛かりな会合を開くのか。なぜ、大番頭として安倍を支える菅官房長官は「(増税を判断する)首相の気持ちは白紙」と繰り返し、大新聞も「首相の苦悩は秋に向け一段と深まりそうだ」などと書くのか。一連の動きはしょせん、「増税に向けて十分に検討しましたよ」というポーズに過ぎない。国民をだますための見え透いた演出である。

そんなことはメディアだって百も承知だ。しかし、大新聞の記者たちは、そう伝えようとしない。あたかも、安倍政権が本気で検討しているかのような記事を書く。こんなデタラメ報道を信じて、「消費税増税は先送りされるかも」と淡い期待を抱いている国民がいるとすれば、お気の毒だ。すべてが茶番。この国の政府とメディアは常にグルなのである。

◆財務省や米国を敵に回す覚悟なんてない
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏は「私自身は安易な増税には反対の立場です」と前置きした上で、こう言った。「残念ながら、この国の経済専門家で『安倍首相が消費税アップをひっくり返す』と思っている人は、ほぼ皆無です。異次元緩和で、黒田日銀が7割もの発行済み国債を引き受ける中、増税を引っ込めればどうなるのか。黒田日銀による国債の大量購入が、財政法で禁じられた『財政ファイナンス』と市場に受け取られてしまう。財政規律の歪みから、国債の暴落危機を迎える恐れがあります」だからこそ、黒田総裁は「脱デフレと消費増税は両立する」と発言し、前もって先送り論にクギを刺したのだ。

「消費税増税は、財務省のワナによって『国際公約』になってしまった経緯もある。数々の国際会議の裏方を仕切る官僚たちが、担当大臣に増税を公言させてきた。そうやって政権をガンジガラメにして後に引けないように仕向けたのです。なかでも最大の脅威が米国で、アメリカが日本政府の増税を強く望んでいるのです。財力のある政府の方が、利用価値は高まるからです。首相が増税をひっくり返せば、ヘッジファンドを通じて日本株の失望売りを仕掛けてくるでしょう。たちまち株価は大暴落です。財務省と米国の圧力をはね返すには、相当な覚悟が必要なのです。アリバイじみた有識者会合でお茶を濁す首相のやり方を見ていると、本気でこれらの圧力と戦う気概は感じられません」(斎藤満氏=前出)

安倍に霞が関や米国を敵に回す意思も度胸もないことを一番知っているのは誰か。「安倍の苦悩」なんて、チョーチン記事を書いている当の大新聞記者たちである。それなのに国民ダマシの記事を平気で書くなんて、つくづく罪つくりな連中だ。本気で「安倍ならば、消費税増税を先送りするかもしれない」と思っている記者がいるのならば、堂々と署名でそう書いて欲しいくらいだ。

◆庶民を欺き、何もかも奪いつくす既定路線
この国の政府とメディアがつるんだインチキ報道は、TPP交渉でも同じことだ。ブルネイで始まったTPPの交渉会合について、メディアはあたかも交渉が難航し、討議が山場を迎えているように伝えている。それで何を強調したいのかといえば、「聖域」である農産品の重要5項目(コメ、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖の原料)の関税率死守に向けて、政府は頑張っているという側面援護射撃である。

100人規模の大交渉団が合宿までして努力している。同じ釜のメシを食って国益のために奮闘している。スポ根物語みたいだが、これには「おいおい、ちょっと待てよ」と言いたくなる。自民党は昨年の総選挙でも先月の参院選でも、重要5項目の死守を公約に掲げてきた。それが守れなければ「TPPの交渉脱退も辞さない」と、安倍以下の幹部連中は公言してきたのである。いざ本格交渉に参加してみたら、何だ。今さら交渉は難航? しかも重要項目の死守は難しいだと? だったら、メディアは「さっさと交渉から脱退しろ!」と書かなければウソだろう。

それなのに、大新聞は「日本は重要5項目のうち何の関税を守るかの絞り込みを迫られる」などと平気で書く。メディアの方が進んで、交渉のハードルをどんどん引き下げているのだ。その目的は一体、何か。政権の国民への裏切りを糊塗するためだろう。交渉が難航する中で、これだけの「聖域」を守った。他国の圧力に屈せず成果を挙げたのは大したものだ、という演出である。

「TPPの真相は、日本の経済主権をまるごと米国に引き渡すことです。米国側は『参加したいなら、オレたちのルールに従え』という姿勢を一度も崩しておらず、重要5項目をどれだけ守れるかは不透明です。むしろ、米国との2国間交渉では日本郵政の全国2万カ所の販売網を米国に差し出し、軽自動車の優遇措置を撤廃するなど、何もかも米国に譲歩しまくっているのが現状ですよ」(経済アナリスト・菊池英博氏)

◆戦中から延々と続く国民ダマシの構造
しかもオバマ政権は年内決着を急ぎ、TPPの閣僚会合で年内決着を盛り込んだ共同声明を強引に採択させた。その理由は「来秋の中間選挙でTPPの成果を強調したい」という身勝手なものだ。前出の菊池英博氏はこう言った。

「そんな米国の尻馬に乗って年内決着の旗を振ったのが、日本の甘利TPP担当相です。交渉期間が短くなれば、日本はますます不利になるのは明白です。私の目には甘利大臣の振る舞いは“売国的”に見えますが、メディアはそう書かない。さらにTPP交渉は『守秘義務』を理由に、国民は具体的な中身を知ることができない。いくら危険な交渉の中身でも、何も知らない国民は反対の声を上げることすらできないのです。だから政府はやりたい放題。もちろん、メディアも交渉の中身は分からないので、交渉当事者の官僚たちに頼らざるを得ない。政府はメディアを自由にコントロールできるわけで、庶民をだますのはイチコロとでも思っているのではないでしょうか」

交渉が不利ならテーブルを蹴ってTPP撤回を突きつければいい。しかし、そんなことはやらないし、大マスコミもそうしろ、と書かない。これはなぜか。つまり、TPP参加も消費税増税同様、すでに決まっていることなのだ。何もかも米国に奪われることは既定路線で、それこそがTPPの本質だ。しかし、政府は逆らえない。だから国民をどうたぶらかすのか。そこでメディアとタッグを組む。どう書いて、あるいはどう書かせて国民を納得させるか。すべて政府とメディアが組んだ茶番劇だ。この国ではずっと、こんな“芝居”が繰り返されてきたのである。

「メディアが政府の片棒を担いで国民を欺く構図は、大本営発表の戦中から何も変わっていません。米国にシッポを振って支持を得られなければ、この国の政権は生き残れない。そんなブザマな真相を国民の目から遠ざけるのが、中央マスコミの役割です。そうやって政府に恩を売ることで便宜を受け続けてきた。癒着関係を維持するためなら、国民もだます。それが、この国の政治とメディアの現実の姿です」(政治評論家・森田実氏)

ひどいものだ。国民はとことんコケにされている。森田実氏は「今の大新聞は読むに堪えません。国民は不買運動を起こすべきです」とまで言った。ダマされ続ける国民は、そろそろ反撃すべきだ。

いかりや爆氏の毒独日記

http://blog.goo.ne.jp/ikariyax/e/509e3bfcab26277759151adcb61d1b87
JAXVN:「小沢氏敗北」の後に来る物

仰る通り、「小沢氏は敗北した」という事実を認めた上で「次」を考えなくてはいけない、と私も思います。並の政治家ならここまで攻撃を受ける事もなかったし、ここまで耐えられる、という事もありませんでした。

しかし、攻撃した方もただで済んではいません。平野貞夫氏が言う、「政治家小沢一郎謀殺した勢力」は一つではなく多数います。この多方面からの小沢氏への集中砲火は凄まじい物でした。振り返ってみると、戦艦大和の最後ともイメージがだぶるように見えます。そして、その集中放火の中には「原爆」に例えてもよい、「使ってはいけない兵器」も複数ありました。

現在「同士討ち」の火元となっている「検察審査会」とて、その「禁断の兵器」の中の一つでしかありません。「原爆」を使った米国がその事で十字架を背負うことになったのと同様 (米国はその事実からいまだに目を背けている、という部分は間違いなくあると思います。ストーン氏が自らのドキュメンタリーでその事も言いたかったのではないでしょうか)、

これから小沢氏を攻撃していた各勢力は、間違いなくこれからそのツケを払うことになります。ただ問題なのは、そのツケを払うのはその各勢力だけでなく、日本国民全体となってしまうかもしれない、という事です。他人のツケを払わなくてはならない、というのは理不尽ですが、その可能性は高いと思います。

ではどうすれば良いのか、という事はまだ私には分かりません。しかし、これからは誰かがやるのを待つのではなく、自分でできることを少しづつでもやっていかなくてはいけない、と今まで以上に強く思っています

いかりや:4年前の09年8月30日の選挙で、自民党に替わる政権が樹立したのは小沢氏の豪腕によるところが大きかった。だが、小沢氏が政権のトップに立つ暇を与えず、あっけなく瓦解した。
小沢氏のリベンジなるかどうか?? 

残念ながら難しいというのが私の結論です。彼には、年令という克服できない壁があります。例外はあるかもしれませんが、気力、体力、脳力の衰えは防ぎようがない、これは私の実体験に基くものです^^。

我々は、最高裁がまさか「犯罪行為」をやらかす卑しい集団とは思わなかった。

>「使ってはいけない兵器」、
>その「禁断の兵器

彼らには、責任をとらせなければならないのだが、とことんダンマリを決め込んで逃げまくっている。次はこの「禁断の兵器」はもう使えないと思いますが、問題は大手マスコミ(うじむし)です。蛆虫を退治する特効薬はいまのところない、国民一人一人が覚醒するしかない。

>これからは誰かがやるのを待つのではなく、自分でできることを少しづつでもやっていかなくてはいけない・・・
全く同感です。
蛇足:阿修羅に本件に関して次のようなコメントがありました。

18. 2013年8月26日 16:12:57 : dRQMRm83JA
●既に小沢一郎は日本の歴史に燦然と輝く不世出の政治家である。小沢一郎は既に日本の歴史を変えてしまった。民主党政権実現によって、これまで裏で画策していた利権集団がなるふりかまわず表にでてきて悪業を働いた。特に小沢一郎の総理大臣就任によって日本が変わることを妨害する者どもがあわてふためき不法行為を繰り返したのであった。

そのために次から次と醜悪な犯罪的所業が我々の眼前で展開されてきたのだ。そしてほんの2~3年前までは都市伝説のように扱われていた情報の多くが全て事実であることを知った。「事実は小説よりも奇なり」ということが納得できたことであった。

多くの国民にこの事実を認識させることの大変さは想像を絶するものであったが、「肉を切らせて骨を切る」形で小沢さんは我々にこの国の真の姿を見せてくれた。これだけの大事業が小沢一郎以外の誰にできるというか。ほんとうに命がいくつあっても足りぬほどの激闘を戦い抜いた小沢一郎は不世出の政治家である。ここからは目を覚ました国民が行動できるか否かが日本の将来を決めるのだ。

外国ではマスコミは政府と闘っている だがこの国の大新聞テレビはすべて痴呆政府のイヌかグルだ 

http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-9668.html
2013/8/26 日刊ゲンダイ 

誰も知らない80年前に逆戻りの歴史と真相

元CIA局員、エドワード・スノーデン氏が暴露した米国家安全保障局(NSA)の監視活動。スクープしたのは英紙・ガーディアンだが、その編集長、アラン・ラスブリッジャー氏が朝日新聞のインタビューに応じ、英当局を痛烈に批判していた。

「国家は、自分たちの情報がいかに監視されているかを市民が知ることを妨げられない。警察を使ったり、『テロ(対策)だ』と主張したり、報道の差し止め命令を課そうとしても、結局はうまくいかない」「私は政府に対し、何をしても報道を止めることはできないと伝えた」英当局は威信にかけて、スノーデンの告発を潰そうとした。しかし、ガーディアンはひるまず報じ、インタビューで編集長が答えたように「圧力には屈しない」姿勢を見せつけた。

つくづく彼我の差を感じるのは、彼らが対峙し、敵対している相手は、米英超大国であって、どこぞの島国ではないことだ。日本のメディアは安倍首相ごときにひるんでしまう。情けないったらありゃしない。スノーデン事件ではガーディアンのコラムニスト、グリーンワルド記者のパートナーが、ヒースロー空港で9時間にわたって拘束され、フロッピーなどを押収された。英政府はガーディアンに内部資料データの引き渡しか破壊を要請、専門家の監視の下、社内でパソコンを物理的に破壊させた。

「それだけじゃありませんよ。ガーディアンのコラムニストらがスノーデン氏と初めて香港で接触した際にはスパイ大作戦さながらの暗号が使われるなど、当局との攻防はすさまじいものがありました。それでも彼らはひるまず、報道する。ガーディアンだけでなく、ドイツのシュピーゲル、英インディペンデント、米ニューヨーク・タイムズなどもスクラムを組んで追及している。米国がスノーデン氏の身柄拘束を求めても、欧米メディアは彼は犯罪者ではない、という立場を貫き、報道を続けている。民主主義を守ろうという信念の強さ。それを強烈に感じますね」(早大客員教授で、ボーン・上田賞を受賞した春名幹男氏)

◆戦前から同じ体質を引きずっている
スノーデン事件に限らず、欧米メディアはウィキリークスが暴露した米国の外交公電をいっせいに報じたり、米兵のイラク人捕虜に対する拷問映像を流すなど、国家を揺るがすようなネタでもひるまず、伝える。スノーデン事件で、ガーディアンのコラムニストと一緒に活躍した映画監督、ローラ・ポイトラスさんは、イラク戦争取材などで40回も尋問された経験がある。根性が据わっているというか、筋金入りで、そうした性根はメディアのトップも共有している。

それに対して、日本では記者が勾留、逮捕されることなんてメッタにない。日米の沖縄密約情報で機密漏洩の教唆に問われ、逮捕された西山太吉事件くらいのものだ。しかし、このときも「不当逮捕」の声は一瞬にしてかき消され、西山の情事が暴露されると、メディアは一斉に西山非難へと転じた。かくて、この国のメディアは完全に牙を抜かれたわけだが、考えてみれば、もともと、日本の大メディアはそうなのだ。国際ジャーナリストの堀田佳男氏は「欧米のメディアがすごいんじゃなくて、日本のメディアが極めて特殊で、おかしいんです」と笑ったが、ホント、その通りなのだろう。

彼らは戦前から大本営発表をタレ流し、戦後になっても、その責任とケジメをつけずに、権力との事なかれ主義の体質を引きずってきた。こういう連中だから、平然と国民を裏切る。知る権利よりも、自分たちの都合や、国家の利益を優先させたりする。逮捕を恐れず、国家機密の悪事を暴こうなんて、これっぽっちも考えちゃいない。中にはそういう記者もいるだろうが、組織はそうなっていない。これじゃあ権力者は楽チンだ。ますます図に乗り、メディアはさらになびいていく。欧米メディアとの差は目も覆わんばかりになってしまった。

◆国家の悪事を暴露するどころかタイコ持ち
日本の大メディアがどうにもならないのは、よりによって、安倍政権に媚びていることだ。
首相動静を見ると、安倍はしょっちゅう、大メディアのトップとメシを食ったり、ゴルフをしている。で、出てくる記事はというと、国家機密の暴露どころか、チョーチン記事ばかりなのだから、ヒドイものだ。元外交官の天木直人氏はブログで、9月のG20で韓国、中国との首脳会談が見送られる公算が大になったのを、日経新聞があたかも、日本の自主的判断のように書いていたことを指摘、批判していたが、一事が万事だ。首脳会談を持ちかけても相手にされない安倍外交の真相は書かず、コブシを振り上げる安倍を応援する。そうやって、日本はどんどん孤立しているのにそれを書かない。書かないどころか、安倍を図に乗らせて、暴走列車を後押ししているのだから、どうにもならない。ジャーナリストの高野孟氏は「まさに80年前を見るようだ」とこう言った。

「集団的自衛権を行使するために内閣法制局長官をすげ替えたり、その集団的自衛権を行使する対象国を拡大するかのような動きは見過ごせません。もう、世界に向かって“どことでも戦争をやれる国にするぞ”と宣言しているのと同じだからです。しかし、大メディアはそうしたことをまったく書かない。想像力が欠如しているというか、勉強不足というか、ドンブリの中からしか物事を見ていないからです。ドンブリの中で、政治家、官僚からの説明を聞いて、それをタレ流している。なぜ、立ち止まって、これが真実なのかと突き詰めないのか。ドンブリの中にいるほうが楽だし、気持ちいいからですよ。ここが欧米メディアと決定的に違うところです。右傾化する安倍政権とメディアの体たらくを見ていると、忌まわしい戦争へと突き進んでいった時代とダブってきます」

◆極右の”不適格首相”に、なぜへつらうのか
80年前、1933年といえば、もう誰も知らないだろうが、国際連盟が日本軍に対し満州撤退勧告案を決議し、松岡洋右が席を立って、国際連盟を脱退した年だ。ドイツではナチス政権が誕生、小林多喜二が治安維持法で捕まったのもこの年である。こうして、日本は歯止めが利かなくなったのである。

まさしく、今の日本とダブってくるが、そんな日本を外国の知識人がどれだけ異端視しているか。今年8月、原水禁世界大会のために来日したオリバー・ストーン監督は「私は安倍首相を信じていません」と切り出し、「日本の改憲が日本が米国との軍事的協力関係を強化し、米国と軍事行動を共にすることを意味するのであれば、それはとても危険な道です」「日本の国民は米国の戦争に引き込まれたいと思っているのでしょうか」と語りかけた。

ずばり正鵠を射たスピーチだったが、もちろん、大メディアはてんで報じなかった。だから、多くの国民もまた、ドンブリの中しか見ていない。こういうところが恐ろしいのだ。まして、大メディアが心酔し、尻尾を振っている安倍は、どれだけの政治家なのか。成蹊大のオツムと、ささいなことでもカッとなり、噛み付く幼児性、胃腸に抱える難病と、要するに能力、識見、人間性、体力のすべてに疑問符がつく不適格首相なのである。

そんなのが再登板すること自体がおかしいのに、ダメ民主党の反動で選挙に勝つと、亜流ヒトラーよろしく、独裁者気取りで、浮かれている。欧米のマトモなメディアに日本のことをきちんと報じてもらわないと

TPP売国交渉 今度は「軽自動車」を米国に献上

http://gendai.net/articles/view/syakai/144204
2013年8月26日 日刊ゲンダイ

 ブルネイで開かれているTPP交渉会合。安倍政権は年内妥結を目指すというが、締結する前から、TPPに合わせた制度改正が着々と進んでいる。
 
日本郵政がアフラックとの業務提携を強化して、全国2万カ所の販売網を米国に差し出すのに続き、今度は現代人の「生活の足」として欠かせない軽自動車がターゲットになった。政府は軽自動車税を大幅に増やす方針を固めたのだ。
 
政府関係者は「15年にも廃止される自動車取得税の代わりの財源として、地方財政への影響を最小限にとどめるため」と説明するが、TPPに参加させてもらうため、米国の要望に合わせて大幅譲歩したのはミエミエだ。立教大教授の郭洋春氏(経済学)が言う。

「米国は、以前から日本独自の規格である軽自動車の優遇税制に強い不満を持っていました。TPP交渉と並行して行われている日米2国間協議でも議題に上がっている。日本でアメリカ車が売れないのは、軽自動車のせいだというのです。優遇政策は非関税障壁だと指摘する声もあり、場合によっては“廃止”を突きつけてくる可能性もあります」
 
そんなことになれば、日本は大混乱だ。交通網が発達していない地方では、軽自動車がなければ生活が成り立たない。特に、バスなどの公共交通機関が次々と廃止されている過疎地にとっては死活問題だ。
 
普通車と比べて安価な上に、税負担が軽く、維持費も安い軽自動車は庶民の味方。今では全自動車保有台数の35%以上を占めている。世帯当たりの普及台数で見れば50%以上。つまり、半数以上の家庭が軽自動車を愛用しているのだ。

<農道をキャデラックで走れというのか>
 国内の自動車販売を牽引しているのも軽自動車で、今年の年間販売台数は200万台を超え、過去最高を7年ぶりに更新する見通しだ。ガソリン価格の高騰で、燃費の良さが見直されている。

「道路幅の問題もあり、軽自動車は日本の生活習慣に合っている。狭い道を行き来する日本の農家にとっても、軽トラックは必需品です。価格だけの問題ではなく、軽自動車がなければキャデラックというワケにはいかないのです。国内需要を支える軽自動車が売れなくなれば、自動車メーカーはますます海外に拠点を移し、国内産業の空洞化も進む。雇用が失われ、地方経済は壊滅してしまう。軽自動車の狙い撃ちは地方切り捨てと庶民イジメ。それがTPPの正体ということです」(郭洋春氏=前出)
 

保険も自動車も明け渡し、米国にへつらう安倍政権。どこの国の政府なのかと言いたくなる。

≪ 朝日の記者武田氏のツイート

1、松江市教委が、中沢啓治さんの漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を市内の小中学校に求めていた問題で、現地に3日間出張した。たまたま、山陰中央新報が特報 した日、社会部内勤だったのが縁だ。結果的には松江総局の皆さんの頑張りで、私は足を引っ張っただけになったが、現地ならではの発見もあった。

2、現地で取材する前は、今回の問題は、市教委が外部の政治的圧力に屈してゲンの利用制限を決めたのかと、ぼんやり想像していた。しかし、限られた期間の取材でわかったのは、そうではなく、閲覧制限は、外部の圧力には踏みとどまった市教委が、独自の検討、独自の判断で導いた結果だったということだ。

3、少しややこしいが、市教委がはだしのゲンの利用制限を学校に求めた「発端」は、ゲンについて「誤った歴史認識を植えつける漫画であり、撤去すべき」と主張した男性の陳情だった。これがなければ始まらなかったのは、間違いない。しかし、経過を詳細に検証すると、単純な流れではなかった。


4、以下はわずか二、三日の出張中の取材結果であり、「真実」はその通りではないかもしれない。現時点までに関係者を直接取材し、入手した情報を踏まえた仮説に過ぎない。さらに取材が進めば別のストーリーになるかもしれない。そうした限界を踏まえたうえで、一つの記録として記しておきたい。

5、今回、はだしのゲンの利用制限の呼びかけを決めた市教委事務局のメンバーは、当時の教育長ら幹部五人だ。この五人は昨年のある時点までは、はだしのゲンを平和教材として無条件に高く評価し、ゲンを撤去せよという外部の要求については断固拒否ということで意見一致していた。ある時点までは…。

6、ある時点とは昨年10月、この五人が、陳情を審査した市議会対策として、はだしのゲンの全巻を読んだときだ。この五人には、ゲンを平和教材として授業で 使ったことのある元教諭も含まれるが、五巻までしか読んでなかった。そのほかの幹部も、ゲンを読んだことはあったが、途中の巻までだった。

7、全巻、具体的には10巻目を読んだとき、五人の心がガラリと変わったという。特に衝撃だったのは、旧日本軍兵士の性暴力の描写だったという。「これが、同じゲンかと思った」。取材に応じた幹部はこう明かした。別の幹部は記者に「あの描写をお子さんに見せられますか?」と問いかけてきた。


8、市教委事務局の五人は、10巻を読んだ段階で「子どもに見せるべきでない描写があり、何らか対策をとらないといけない」ということで一致したという。その五人の思いは、昨年12月初め、市議会が陳情を全会一致で不採択とした後も変わらなかったという。ここから、五人の「独断」が始まっていく。

9、五人は事実上の「密室」で二つの方針を決めた。まず、対応は、10巻だけでなく、全巻とすることだ。10巻だけを対象とすると、市教委事務局が検閲や墨塗りをしているという印象を与えかねないという意見が出たからだという。ある幹部は「ゼロか百の選択肢しかないと思った」と話した。

10、もう一つは、市教委が閉架を強制することになれば学校の自主性や図書館の自由を冒すことになるため、校長への「お願い」とすることだった。当時の幹部の一人は「これは図書の運用を変えるに過ぎず、自由の制限でないと考えていた」と話した。こうした軽い認識のもと、教育委員にも相談しなかった。

11、市教委は軽い認識だったが、昨年12月半ば、「お願い」を伝達された校長たちの受け止めは違った。1月、「現場の混乱を避けるため」という理由で、市教委 が二度目の「要請」を伝達すると、ゲンは一校を除いて子どもたちの目から「消えた」。多くの校長は市教委の要請を強制と受け止めたのた。


12、以上のように、今回の問題は市教委が外部圧力に屈して行ったという単純な構図ではないと思う(現時点での取材では、だが…)。外部の陳情があり、議会が審査し、その対策として市教委事務局が「勉強」する中で、独自に問題点を「発見」し、独自に対応し、結局、陳情者らの望む方向に進んでいた。

13、しかも、そこに重大なことをしているという自覚も乏しかった。私は、単純に政治的圧力に屈したという構図でなかったこの過程にこそ、より深刻さを感じる。 また、曖昧な基準と、一見柔らかな「お願い」で一つの作品を丸ごと子どもの目の前から遠ざけ、その権力性に無自覚なことに恐ろしさを感じる。

14、こうした経過から、いくつもの教訓が浮かび上がる。それは、今後記事を書く中でじっくり考えていきたい。できれば、いろんな方の意見も知りたい……そんな思いを胸に、泊まり勤務に就くため、大阪に戻ってきた。14終わり ≫(朝日新聞:朝日・武田肇ツイッター)

不都合の真実に蓋をするような行為に天の裁きか 「はだしのゲン」ベストセラーに  

8月25日 世相を斬る あいば達也より転載
 
松江市の教育委員会は委員会も開かず、教育長及び数人の幹部で合議のうえ、自らの思想信条を盾に、自分の意志を通そうと云う特定の人物の再三の陳情(要求)に屈し、「大変過激な文章や絵がこの漫画を占めている」という意見が出たとの理由で、図書館、各校長に学校での閉架を要請した、と云うのが表向きの話。この問題は同市議会においても採決され、不採用が決定していた。なぜこのような顛末が起きるのか、非常に不思議だ。迷彩服風の出で立ちの人物の陳情が功を奏したのか、いずれにせよ、松江市の各校長は全員が要請に過ぎない教育委員会の要請に従順に服従したらしい。
 
ところが、上記の顛末には続きがあった。この要請が世間のブーイングが激しさを増し、松江市や松江教育委員会に苦情が殺到、マスメディアの一部も、教育委員会の独断専行を厳しく指弾した。その結果、教育委員会の敢えなく独断専行要請を撤回、従前通り閲覧できるようになったそうである。時事通信は以下のように伝えているが、「閉架」措置を決定、校長らに要請した教育長は既に交代しており、別の人物が現在教育長になっている。

2012年12月に死去した漫画家中沢啓治さんが自身の被爆体験を基にした漫画「はだしのゲン」について、松江市教育委員会が同月、市内の小中学校に閲覧制限を要請していたが、要請の撤回を視野に再検討する方針を決めたことが、20日までに分かった。
 
市教委などによると12年8月、「はだしのゲンは間違った歴史認識を植え付ける」として学校図書館からの撤去を求める市民からの陳情が市議会にあったが、市議会は同年12月に全会一致で陳情を不採択としていた。しかし市教委は、作中にある女性への暴行場面や人の首を切る描写を問題視。同月中に市内の全小中学校に対し、作品を図書館の倉庫などにしまい、子どもから要望がない限りは自由に閲覧できない「閉架」措置とするよう要請した。要請は市の教育委員会会議で議論されずに、市教委の独断で2度にわたり行わ れていた。
 
清水伸夫松江市教育長は20日までの取材に、「手続き的にどうだったか調査する必要がある」と要請に至った過程の問題点を指摘。また、議会が陳情 を不採択としたことや、市内外から反発の声が多数寄せられていることを受け、「今後は撤回も視野に、委員会会議の意見を聴いて再度検討したい」と話した。22日には同会議が開かれ、閲覧制限が議題として取り上げられる予定。清水教育長は、「遅くとも月内に一定の結論を示したい」としている。≫(時事通信)
 
ことの発端と当時の教育長の暴走に、どのような因果関係があるか判然としないが、当時の教育長ら関わった5人の話がふるっている。この辺のことを、朝日の記者武田氏が詳しくツイートしているので読んでみよう。

 
まぁこの5人が≪全巻、具体的には10巻目を読んだとき、五人の心がガラリと変わったという。特に衝撃だったのは、旧日本軍兵士の性暴力の描写だったという。「これが、同じゲンかと思った」。取材に応じた幹部はこう明かした。別の幹部は記者に「あの描写をお子さんに見せられますか?」と問いかけてきた。≫、つまり自分達の情緒のなすがままに、独断暴走したと云うことで、特定市民の極めて執拗な陳情に屈したわけではない、と主張している。如何にも自分達の自発的行動だとしているが、仮にそうであれば、尚更問題なのである。言論表現の自由を、自分達の情緒に委ね、権力を行使したと云う認識が欠落した5人組が居たと云うことが問題なのだ。
 
安倍内閣では、本質的に最も右寄り政治家と言われている下村文部科学相は松江市教育委員会の校長らへの要請を「教育上好ましくないと考える人が出るのはあり得る」。子供の理解力に委ねるべきという意見に対しては、「その通りだと思うが、相当露骨なもの、子どもの発達段階においていかがなものか、という作品を(学校図書館に)入れてはいけない。教育上の配慮は要る」と、教育委員会の決定(教育委員会は公式決定かどうか、経緯の調査中)を支持した。菅義偉官房長官も、「教委の判断で学校に指示することは通常の権限の範囲内だ」と支持している。しかし、稲田朋美行政改革相は、「民主主義の基盤は自由な言論、表現の自由が確保されていることだ。そういう意味では、最大限に憲法的な自由は確保されるべきだ」と、松江市教委を批判している。流石に弁護士と云うことか?
 
ところが、この話が面白い方向に動きだしている。様々な立場で、様々な思惑で、「はだしのゲン」封殺を望んだ人々が“ほぞを噛んでいる”だろう事象が起きている。まぁ不都合な真実を脅しや、尤もらしい情緒を持ちこんで、短絡的に蓋をしようと企てた人々に、天の配剤が下されようとしているようだ。朝日が以下のように報じている。陳情した人物が「読みたければ、買えば良い」と言ったらしいが、今、まったく「はだしのゲン」など知らなかった人々が、「はだしのゲン」を買い求めていると云う。なんとも皮肉で愉快な話だ。

≪「はだしのゲン」、アマゾンでベスト10入り 増刷も

【宮野拓也】漫画「はだしのゲン」が、松江市教育委員会による閲覧制限問題を機に読み直されている。ネット通販大手「アマゾン」では、10巻セットがコミック部門で10位以内に入り、発行元が増刷を決めた。市内の図書館での貸し出しも好調だ。
 単行本を初めて発売した汐文(ちょうぶん)社(東京)。刊行するコミック版や愛蔵版全10巻セットの出荷数は、いつもの7、8月なら2千セットほどなのに、今年は7千セットになった。今も2千セットの増刷をかける。
 
例年、終戦の日の15日を過ぎると売れ行きは落ちるが、今年は、昨年末に作者の中沢啓治さんが亡くなったことに加え、閲覧制限が注目され、今も全国から注文が相次いでいる。「私も小学校で読んだ。娘にも読ませたい」「本の内容を後世に伝えられるように頑張って」などの激励も100件ほど寄せられているという。社長の政門(まさかど)一芳さん(57)は「閲覧制限がきっかけとは皮肉だが、中沢先生は一人でも多くの読者に読まれることを望んでいると思う」。文庫版全7巻を発行する中央公論新社(東京)でも、例年の倍の増刷をしているという。

島根県立図書館(松江市)では23日現在、所蔵する27冊すべてが貸し出し中。巻によっては最長6週間待ちだ。同館は「いつもなら子どもが手にしているが、(閲覧制限問題の)報道後は大人が読む姿を見かける」と話している。≫(朝日新聞)
 
筆者は中学時代に読んだのだが、性的描写が云々とか、暴力シーンがどうのこうの等とは全く感じなかった。ネット上でも10巻の問題の部分は読む見ることが可能だが、作者の中沢啓治が刺激的でない描き方をしている。文章をじっくり読めば、“こんなことまでしてしまう人が出てしまうのだな”と云う印象は持った。しかし、それこそが戦争だと云う事実認識が必要だと云う点で、子供であっても理解は可能である。戦争や原爆被害をモチーフにすれば、悲惨さや残虐さが出てくるのは当然で、避けて通ることは出来ない。嫌だとか、悲惨過ぎるとか、史実と異なるとか、現場を生中継することは出来ないのだから、嘘だと云う人もいれば、真実だと言う人もいる。嘘だと言い張る人は、戦争や原爆被害を“美しく”美談で美化し、それを訴える漫画を世に出せばいいのだろう。誰もとめたりしない。

 

必読の情報が満載されている 果たして可能かこの国の経済再生再建
(日刊ゲンダイ2013/8/23)

出版された「成長戦略のまやかし」が提起したこの国の重大な問題点とこれからの行方

「再編の必要な業界を国が公表し、国に再編計画を認められた企業は優遇税制を受けられる」「ベンチャーキャピタルに出資した企業は法人税を減税する」――。安倍首相の長い夏休みが明けた途端、政府が秋に打ち出す「成長戦略第2弾」の中身を連日、大新聞が報じている。今年6月に発表した成長戦略は期待倒れ。失望売りを招いて株価は暴落した。あの過ちを繰り返すまいと、安倍は「産業の新陳代謝策」など成長戦略の新たな柱づくりに躍起だが、ハッキリ言って無駄な努力だ。マトモな成長戦略など絶対に出てきやしない。

もちろん、安倍の無能ぶりも理由のひとつだが、最大の要因は別にある。安倍以外の政権与党の面々や、実際に戦略を書き上げる官僚たちが、誰ひとり決定的な過ちに気づいていないことだ。ズバリ、政府が打ち出す成長戦略では、経済は成長しないという事実である。この「失われた20年」の間、政権がコロコロと代わるたび、数多くの成長戦略が打ち出されてきた。竹中平蔵氏によれば、彼が政治家を辞めた後の7年間で、7つの成長戦略が打ち出されたという。そのたび、メディアや投資家は失望を繰り返してきた。成長戦略は、もはや失望されるために打ち出すようなものだ。なぜ、政府主導の成長戦略では成長できないのか。

◆デタラメ予測に基づくイカサマ成長戦略
その答えを明確に指摘しているのが、慶大准教授の小幡績氏の新著「成長戦略のまやかし」(PHP新書)である。この著書には、政府主導の成長戦略の根本的な過ちや、アベノミクスが完全に失敗している理由が語り尽くされている。この国の経済政策や国家運営の現実を知る上で必読の情報が満載だ。成長戦略の致命的な誤りについて、小幡氏はこう記す。

〈政府には、世界経済の将来を予測することはできない。それにもかかわらず、具体的な戦略を打ち出そうとする。成長産業に集中してカネを投下すると銘打たれた財政出動がなされる。しかし、将来の予測は正しくないから、この政策は必ず失敗する〉〈現在の世界経済の変化は激しく、将来は不透明であると同時にダイナミック、つまり、動的な変化が激しすぎて予測不可能である>〈だから、将来の予測に基づく政策は失敗する。これからは太陽光や電気自動車だ、あるいはミャンマーだ――そういった予測は無意味どころか、害のほうが大きい〉

いずれも、まさに今、安倍が犯している「過ち」である。小幡氏に話を聞いた。
「成長戦略第2弾の中身にある『再編が必要な業界』や『有力ベンチャー』が、どうして安倍政権に見抜けるのか。そこに不透明さを感じます。安倍首相は数々の有識者会議を立ち上げ、民間の知恵を借りています。政府に言われなくても、民間の方が再編の必要な業界を把握しているはず。どうせ、再編するなら業界全体で政府に優遇税制を求めよう。そんな陳情の結果、出てきた成長戦略ではないのか。そんな疑念すら湧いてきます」日本経済の将来が安倍に見通せるなら、誰も苦労しない。デタラメな予測に基づく経済政策はイカサマだ。安倍政権が打ち出す成長戦略の害毒は計り知れない。

◆利益誘導を助長して成長を重ねる有害政権
成長戦略がまき散らす害毒の最たるものが、政権と企業の癒着だ。安倍は成長戦略の要として「規制緩和」を掲げている。この言葉には、どこか既得権益を打破するようなイメージがあるが、本当は違う。規制緩和こそ癒着の温床なのだ。
小幡氏の著書にはこう書いてある。〈規制は、既存企業、既得権益の利害を優先してつくられる〉〈規制を緩和するとは、規制を残すということである。業界の秩序は保つということだ〉〈これは既存企業のメリットを強化するか、あるいは既存企業を弱め、新しく与党を支持するようになった企業を優先させるか、のどちらかということである〉

規制緩和のサジ加減ひとつで、時の政権は特定の企業に利権を誘導できるというのだ。利権を商売に利用しようと企む有象無象が確実に群がる。こうして癒着が生まれる。この構造を経済学では、レントシーキング(利益誘導的な政治活動)と呼ぶ。経済アナリストの菊池英博氏はこう言った。

「実は安倍政権の成長戦略はすべて、レントシーキングに毒されています。医薬品のネット販売解禁で、産業競争力会議の民間議員のひとり、楽天の三木谷会長が得をしたのが典型です。安倍政権が規制緩和の権限を振りかざせば、企業は利権をわがものにしようと安倍応援団と化す。ライバルに負けまいと、癒着競争にエネルギーを費やす企業も出てくる。その資金やマンパワーは、本来なら新規開発費用に振り向けられたものかもしれないのです。新たなビジネスチャンスが犠牲となりかねないし、政権の差配によっては淘汰されるべき企業が生き延びることだってあり得ます。これでは成長どころかマイナス効果しかない。百害あって一利なしです」

◆いい加減、昭和の発想から抜け出せ
どうして安倍の経済政策がダメなのか。その根本的な理由を小幡氏は〈経済活動の主役が企業と考えていること〉とズバリ書いている。
政府が特定の企業や産業、あるいは地区を指定し、そこに集中的に資源を投資して育てる。そのためには設備投資減税など、あらゆる企業優遇策も準備する。特定の企業が爆発的に発展すれば、新たな投資や需要が生まれる。投資が投資を呼んで経済全体が成長する――こうした安倍たちの発想そのものが、もはや時代遅れなのだという。改めて小幡氏が言う。

「かつての右肩上がりの時代には、投資が投資を呼ぶという高成長の好循環がありました。しかし、そんな時代はとっくに終わったのです。今の日本は基本的に設備過剰で、設備投資減税を打ち出せば余剰設備を増やすだけ。過剰生産によるデフレ要因にすらなり得ます。いつまでも“昭和の発想”を引きずっている場合ではない。アベノミクスの円安政策だってひどいもので、自動車業界など特定の企業を優遇するため、輸入物価高で消費者を苦しめている。為替のマジックで企業の利益は増えても、生産や雇用は増えないにもかかわらずです。今の時代に成長をもたらすのは企業ではない。新しいものを生み出す『人』です。安倍政権が企業優先の発想を切り替えない限り、この国に成長はありません」

この政権に経済再生再建を期待するだけムダだ。ほとんど絶望的な気持ちになってくる。

福島原発汚染水ダダ漏れで五輪招致絶望

http://gendai.net/articles/view/syakai/144170
2013年8月23日 日刊ゲンダイ

 海外の不安拡大 <IOC総会の安倍首相に世界が白い目>
 
汚染水がダダ漏れ状態の福島原発。東電の場当たり対応には不安が募る一方だが、この汚染水問題が、五輪招致にも影響を与えそうだ。来月7日、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれるIOC総会で、2020年夏季オリンピックの開催地が決定する。
 
猪瀬知事が招致に前のめりの都庁では、23日IOC総会に向けての出陣式と記者会見が行われる。出陣式には安倍首相も出席して、国を挙げてのバックアップをアピール。安倍はIOC総会にも乗り込み、自ら「復興五輪の招致」をダメ押しする予定だ。

「総理は、自分のスピーチで招致を勝ち取り、スポーツ立国・日本を立て直したいと、並々ならぬ意欲を見せていました。基礎票ではスペインに負けているが、総理が直々に復興を訴えれば、十分に逆転可能と踏んでいたのです。ところが、ここへきて流れが変わった。福島原発の汚染水問題がこれだけ深刻化すると、日本での開催は絶望的という見方が急速に広まっています」(官邸関係者)
 


実は、汚染水問題は、むしろ国際的な関心の方が高いくらいだ。日本国内で大きく報道されるようになったのは、ここ数日のことだが、海外では早くから詳細に報道されていた。
 
例えば、英BBC放送は先月23日、ロイヤルベビー誕生ニュースの次に、汚染水が地下を抜けて海に流出している可能性を東電が初めて認めた問題を詳しく伝えた。ロイヤルベビーに浮かれていたのは日本のテレビの方だったのだ。

<海外メディアは事故収束に懸念>
このところ、英インディペンデント紙やガーディアン紙、米ウォールストリート・ジャーナル紙、シカゴ・トリビューン紙なども「事故は収束できるのか?」と、相次いで懸念を表明している。
 
福島原発では1日400トンもの汚染水が発生し続けている。今の東電の技術では汚染水処理が追いつかず、貯蔵タンクは増える一方だ。その貯蔵タンクもあちこち破損して、汚染水が漏洩。3年後には耐用期限を迎えるタンクをどうするのか、方策は見つかっていない。つまり、日本の国土も海も汚染され続けるということだ。そんな場所でオリンピックなんて、国際世論が敬遠するのも当然だろう。

「本気で震災復興を考えているなら、7年後の復興五輪などと言っていないで、オリンピック関連で使えるカネを今すぐ福島原発の事故収束のために使った方がいい。汚染水対策は待ったなしで、費用もいくらかかるか分かりません。安倍首相も、原発を海外に売り込む前に、福島原発の汚染水問題に本腰を入れて取り組むべきですよ」(ジャーナリスト・横田一氏)
 
世界中がそう思っている。能天気にIOC総会に出席する安倍は針のムシロだ。

東京電力で滅亡するこの国 福島原発と間もなく心中必至
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-9640.html
2013/8/22 日刊ゲンダイ 

なぜこの深刻な問題から逃げているのか 安倍政権とグルの大新聞

福島原発の汚染水問題に対する安倍政権と東電のドロナワ対応を見ていると、絶望的な気分になってくる。一体いつになったら、原発事故は収束に向かうのか。ハッキリしているのは、東電に任せていたら、この事故は永遠に収束しないということだ。ここは国が腹をくくって乗り出すしかないのだが、安倍政権はこの問題から逃げ続けている。そればかりか、海外に原発を売り込もうと躍起になっているのだから度し難い。

政府や東電の発表を垂れ流す大手メディアも、コトの深刻さを本気で伝えようとしない。おそらく根本的な解決策はないのだ。だから、政府もメディアも、事故の現実から目をそらし、問題を先送りしている。我々は傍観するしか術がないのか。福島原発の収束には、この先100年、200年とかかるだろう。東電によって、日本の国土がむしばまれ、経済的にも破滅させられる。この国は、もう福島原発と心中するしかないのだろうか。

◆汚染水処理は永遠にできない
今回、貯蔵タンクから300トンもの高濃度汚染水が漏出していた事故で突きつけられたのは、原発の汚染水処理は絶望的な状況にあることだ。福島原発は今も、1~3号機の核燃料を冷やすために注水をつづけている。ただ、原発建屋は地震や津波によって穴が開き、水がどんどん漏れている。1日に約400トンもの汚染水が発生している状況だ。

「東電はあちこちに掘った井戸から汚染水をくみ上げ、敷地内に設置した約1060基の貯蔵タンクにためています。その総量はすでに約33万トンにも達しています」(科学ジャーナリスト)核燃料を冷やし続ける限り、汚染水は無限に発生する。その処理に欠かせない貯蔵タンクが事故からたった2年余りで壊れ、いまだに漏出箇所や詳しい原因すら分かっていないのだ。貯蔵タンクは、鋼材をボルトでつなぎ合わせて内側に止水材を施しただけの簡単な構造。使われているパッキングの耐用年数は5年しかない。つまり、寿命を迎えるまで残り3年。3年後には大幅な改修が必要になるが、敷地確保など、何ひとつメドが立っていない。

東電は貯蔵タンクを80万トンに増やす計画だが、いかにも場当たり的だ。「今後、福島原発の敷地は、放射性物質で汚染された沼のような状態になっていくでしょう。汚染水は増え続け、漏出も続く。もはや、できることをやるという以外に方策はありません」(京大原子炉実験所助教・小出裕章氏)永遠に増えつづける汚染水を完全に処理することなど、できっこないのだ。

◆放射能は漏れ続ける
汚染水漏出事故について、原子力規制委員会は、国際原子力事象評価尺度(INES)を「レベル3」(重大な異常事象)に引き上げた。事故から2年余り経った今も、現場では大量の放射能が漏れ続けている。今回、漏れた汚染水には、ベータ線を出す放射性ストロンチウムム90(法定基準は1リットル当たり30ベクレル)などが1リットル当たり8000万ベクレル含まれていた。規制委は、漏出量から放射性物質の総量は24兆ベクレルと推計。規模が大きすぎて実感がわかないが、その濃度は放出が認められている限度の数百万倍に達する。仮に1時間いれば、がん発生リスクが急上昇する値である。恐ろしいのは、こうした「超ホット・スポット」が敷地内のあちこちに出現している可能性があることだ。

「福島原発ではメルトスルーした核燃料がどこにあるかも分からない中で、大量の地下水が流れ、汚染されている。そんな高濃度汚染水が突然、あふれ出し、多くの放射性物質をまき散らせば、敷地内に立ち入ることもできなくなります」(ジャーナリスト・横田一氏)今回、汚染水が漏出した貯蔵タンクの近くも、放射線量が高く、作業員も長くいられない。その間に次々と貯蔵タンクが寿命を迎えれば、高濃度の汚染水がダダ漏れになる恐れだってあるのだ。

最後には、高濃度の汚染水が大量に海に流れ出すだろう。再び日本の国際的信用は地に落ちることになる。「福島原発は今、人類史上初の困難な状況に直面している。今後、作業員の環境はどんどん過酷になり、被曝のリスクも高くなっていきます」(小出裕章氏=前出)日本の空と海と大地は、どこまでも汚されつづけていく。

◆爆発した原発に修復対応策なし
汚染水問題は底ナシ。加えて、現場作業員の被曝線量は限界に近づき、人手不足も深刻化しつつある。廃炉作業は、進展どころか悪化する一方だ。19日付の毎日新聞に衝撃的な記事が載っていた。「解体先進国」の英国でも、原発の廃炉作業には90年を要するというのだ。福島より小規模で、正常に停止した原発でも、それだけの歳月がかかってしまう。爆発を起こしてグチャグチャの福島原発の場合、途方もない時間がかかるのは間違いない。

「汚染水問題を見れば分かるように、『冷やす、止める、封じ込める』という当初のスキームは完全に破綻しています。このままでは、40年で廃炉どころか、何十年と汚染水を海へ垂れ流し続けることになる。メルトダウンした1~3号機は、線量が高いため作業員が近づけず、いまだに原子炉内の様子は分からない。計器類も壊れていて、現状把握すらできないのです。チェルノブイリ原発は、たった1基の事故で、廃炉までに100年以上かかるとみられています。福島原発は破損箇所の特定もできず、メルトスルーした燃料を取り出す策もない。事故処理は今後、何世紀にもわたって、将来世代に負担を課すことになります」(横田一氏=前出)溶け出した燃料は、扱いを間違えれば再臨界の恐れもあるが、取り扱う技術はどこにもない。原発の「安全神話」を妄信してきたツケだ。もはや人間の手には負えない事態になってしまった。事故の深刻さの前に、呆然と立ち尽くすしかない。

◆東電は倒産している
このまま東電に任せていたら、100年経っても原発事故は処理できない。国民に迷惑ばかりかけている東電は、いますぐ倒産させるべきだ。実際、税金注入によって何とか生き延びているが、すでに東電は事実上、債務超過に陥っている。この先、生き返る可能性もない。東電は今期の経常黒字を目指しているが、フザけたことに柏崎刈羽原発の再稼働が黒字化の大前提だ。当然、地元・新潟の反発を買って安全審査の申請すらできないまま。黒字化を前提に国からの借金を返済するという救済策は、もう破綻したのだ。

すでに政府は東電に1兆円を出資して実質国有化したほか、原子力損害賠償支援機構を通じて累計約4兆円もの税金を貸し与えてきた。それでも賠償金や除染費用など、いくらカネがあっても足りない状態だ。独立行政法人「産業技術総合研究所」は先月、除染費用には約5兆円かかるとの試算を公表。当初の見込み額の4倍以上だ。そこに天文学的規模の廃炉費用が東電の経営にのしかかってくるのだ。どれだけ税金をブチ込んでも、東電は底が抜けたバケツのようなもの。いずれ倒産するのは避けられない。

慶大教授の金子勝氏(財政学)はこう言った。「今の危機的状況は、まともな国なら、とっくに政府が非常事態宣言を発令しているレベルです。実際、欧米メディアの方が日本のメディア以上に事故を深刻に伝えています。それなのに、東電という赤字企業に事故処理を任せ続けるのは異常です。安倍政権は90年代の不良債権処理問題と同じように、事故処理の深刻な事態を隠し、ツケの先送りを続ける気なのでしょうか」ツケの先送りを続ければ、確実に「失われた20年」をさらに長引かせることになる。

◆原発事故賠償はできない
東電の破綻処理を先送りすればするほど、ワリを食うのは福島の避難生活者たちだ。4・1兆円と試算された原発事故の賠償見込み額のうち、これまでに支払われたのは2・5兆円に過ぎない。安倍政権が後手後手の対応を続ければ、不自由な避難生活も長期化してしまう。先日も福島の被災者16世帯19人が国を相手取って訴訟を起こしたばかりだ。被災者支援の「原発事故子ども・被災者支援法」が成立して1年以上経つのに、具体的支援策を怠ってきた国の責任を問うためである。彼らは「個人の慰謝料が目的ではない」として賠償額を1円ずつにとどめた。

被災者の避難生活が長引けば、その分、賠償額は積み上がっていく。事実上、債務超過に陥っている東電には、もはや被災者に賠償する余力は残っていない。支払うつもりもなくなっているのが実態だ。「破綻処理を決めない限り、東電は生き残りのために福島への賠償費用を削るか、危険な原発を再稼働するか、電力料金を際限なく引き上げるかしかない。いずれも国民に犠牲を強いる最悪の選択です。東電任せでは、避難生活者はもちろん、国民も救われません」(金子勝氏=前出)東電の破綻処理は待ったナシのはずだ。

◆電気料金はドンドン値上げされる
実質的に破綻している東電は、昨年11月、10兆円規模の賠償と除染、廃炉費用を払いきれず、国に泣きついた。この先も必要な経費は増え続け、天文学的な数字になっくる。東電はこれまで福島原発の事故収束に約9600億円を投じたが、汚染水問題ひとつとっても、何も進展していない。最終的な廃炉費用は青天井だ。放射性物質は漏れ続け、除染費用もどこまで膨れるか分からない。海に漏れ出した汚染水の漁業補償もある。メルトダウンした燃料の回収にも、新たな研究開発費用がかかる。

「もちろん、東電に支払い能力はありません。しかし、国が全面的に負担すれば、無尽蔵に税金が使われることになり、国の原子力政策も批判を浴びることになる。東電を存続させたのは、電気料金で費用を回収する方法を残すためでもあります。そのため、廃炉費用を電気料金に上乗せできる制度改正が検討されています」(経産省関係者)税金投入か、電気料金値上げか。いずれにせよ国民負担だ。東電を生き永らえさせれば、そのツケはドンドン国民に押し付けられることになる。

◆首都の電力はどうなる
このままゾンビのように東京電力を生かしていても、福島原発の事故処理は進まず、電気料金が上がりつづけていくことは目に見えている。とっとと東電は破綻処理するしかない。問題は、東電を倒産させた後の首都圏の電力である。東京だけでも1000万人が暮らす大都会の電力需要をどうやって賄うのかだ。しかし、東電がなくなっても電力を供給するのは不可能じゃない。やり方はいくらでもある。

これまで日本は、北海道は北電、九州は九電と“地域独占体制”でやってきた。それぞれの既得権を守るためだ。まずは、この体制をブチ壊すことだ。すでに中部電力が、遠慮がちに東京に進出しはじめている。東北電力や北海道電力が次々に進出するようになれば、かなりの電力を賄えるだろう。「電力各社は“原発を再稼働しなければ電力不足に陥る”と国民を脅してきました。しかし、この猛暑でも足りている。電力供給はまだ工夫の余地がある。期待できるのは、新電力と呼ばれる電力小売事業者です。彼らは、企業の自家発電設備などから余剰電力を仕入れて、商業ビルや工場に販売している。自然エネルギーに熱心な業者も多い。でも、シェアは3・5%にとどまっている。送電網の利用料が高いからです。東電を解体して、新たに送電会社をつくり、新電力が安く利用できるようにすれば、新規参入も増え、もっと供給量は増えるはずです」(横田一氏=前出)

東電を残したままでは、利用者は永遠にバカ高い電気料金を払わされることになる。大新聞テレビは直視しようとしないが、福島原発事故は解決しない。100年後も深刻な事態がつづいているだろう。東電の責任は本当に大きい。

「捜査報告書はなぜ明るみに出たか」(EJ第3617号) 

http://electronic-journal.seesaa.net/article/372640553.html
2013年08月23日 Electronic Journal

田代政弘検事の取調べの一部始終を石川知裕氏が録音したのは2010年5月17日のことです。その取り調べのなかには捜査手法上問題になるところが多くあり、石川弁護団としては、この内容を精査し、2010年12月15日に録音の反訳書を証拠として採用するよう裁判所に求めたのです。

検察側が録音の反訳書の存在を知ったのはそのときがはじめてです。しかし、そのとき石川弁護団は、それに基づく捜査報告書があり、それが第5検察審査会に捜査資料として提出されていたことを知らなかったのです。ただ、録音反訳書の存在を知った検察があまりに驚愕したのを不思議に思っていたのです。
 
一方東京地検特捜部側は、「これはまずい」と思ったのです。田代政弘検事の捜査報告書とそれをベースとした斉藤隆博特捜部副部長の捜査報告書の内容を知っており、録音反訳書の中身と合致しない、すなわち虚偽部分があることを知っていたからです。
 
しかし、捜査報告書はこの時点では表に出ていないのです。捜査報告書は内部資料であり、公表する必要はないし、検察審査会は秘密裁判だから、その提出資料は公表されない──そう考えて検察はだんまり作戦でことを収めようとしたのです。
 
しかし、これは検察側の大誤算だったのです。それは、小沢氏が2011年1月31日に強制起訴され、小沢側弁護団が強制起訴の判断材料になった特捜部の第5検察審査会への提出資料の全面開示を求めたからです。
 
小沢弁護団は、強制起訴そのものが違法であると主張しておりその判断資料の開示を求めるのは当然のことです。まして小沢弁護団は弘中惇一郎弁護士を主任とする強力な弁護団であり、検察審査会へは何らかの捜査報告書が提出されているに違いないと見て、全資料の開示を求めたのです。
 
これに対して検察官役の指定弁護士は拒否しましたが、小沢弁護団は裁判所にそのことを強く訴えた結果、裁判所からの要請で指定弁護士は検察が検察審査会へ提出した全資料を開示せざるを得なかったのです。ここで、はじめて田代検事と斉藤副部長の捜査報告書の存在が明らかになったのです。
 
この場合、検察が起訴した裁判であったなら、裁判所に何をいわれても、捜査報告書は提出しなかったはずです。なぜなら、もし虚偽捜査報告書が明らかになれば大不祥事になり、検察が崩壊しかねなかったからです。しかし、小沢裁判は検察審査会による強制起訴であって、相手が検察官役の指定弁護士だったから、表に出てしまったのです。彼らが命がけで守らなければならないものではなかったからです。
 
捜査報告書が表に出ると、広がるのも早かったのです。田代捜査報告書などはネットを通じて広がり、私自身も全文手に入れています。さすがの新聞もこれを大きく伝えたので、検察がこういうデタラメな捜査報告書を作って罪のない人を犯罪人にしていることが分ってしまったのです。
 
当然法務・検察は防衛本能を発揮して、組織を守ろうと動き出したのです。2012年1月に法務大臣になった小川敏夫氏は、虚偽捜査報告書について、法務省の高官にそのことを聞いています。そのやり取りをご紹介します。
―――――――――――――――――――――――――――――
 
小川:捜査報告書と録音を比べてみれば、虚偽としか言えない んじゃないか。
 高官:ま、そこはいま検察のほうで、しっかりと検討している と思いますが。記憶違いと言っているものを嘘だと断定するのもなかなか難しいところがあると思います。
 
小川:それでは国民は納得しない。比べてみれば誰でも嘘だと思う。国民の理解を得られないと検察の信頼はますます地に落ちてしまう。
 

高官:検察も努力していると思いますが、大臣もおわかりのように、嘘だと完全に立証しなければ立件できません。

小川:国民に事実を明らかにして声を聞いてみたらどうか。
 高官:なにぶんにも捜査資料ですから、公表はちょっと。
 
小川:検察の信頼を回復するためには事実を明らかにすること が大切だ。田代検事だって正義感に燃えて検事になった んだろう。検察の使命を説いて説得すれば、話すんじゃないか。
 高官:そこがなかなか。
 
小川:裁判所の指摘も随分と厳しいし、週刊朝日が特報した記事(田代検事の虚偽捜査報告書と5通の捜査報告書について検察審査会の議決誘導疑惑を報じたもの)も的を射ているじゃないか。それが国民の受け止め方だと思う。
 高官:大臣の考えは、改めて検察に伝えておきます。
    
──小川敏夫著「指揮権発動/検察の正義は失われた」
                      朝日新聞出版刊

法務省高官は防戦一方です。田代捜査報告書にある「ヤクザの子分が親分をかばうなんて」といっておきながら、法務・検察全体がそれと同じことをして、田代検事には不起訴処分(検察審査会も捜査終了)を下す一方で、石川氏をはじめとする小沢3元秘書全員を有罪(石川氏のみ最高裁に上告)にしているのです。こんなことを許せるでしょうか。
 
官僚は組織を守るためには何でもするのです。ヤクザもそれは同じです。田代元検事がヤクザを例にとって表現したのは、自分たちがいつもやっていることを書いたまでです。ところで、田代氏はまた告発されたそうです。何回やっても結果は同じでしょう
が、これは国民が怒っていることのあらわれです。
 
官僚組織の広報紙に成り下がっている大メディアは、こういう検察の許されざる不正を糾弾しませんが、いずれ信用が失墜して経営不振になり、アマゾンあたりに買収されてしまうのではないでしょうか。いずれにせよ日本は官僚機構の大改革が必要ですが自民党では駄目です。    ── [自民党でいいのか/39]

譲渡に破産に縮小に…「マネーの虎」たち死屍累々  

http://gendai.net/news/view/110139
2013年08月22日 日刊ゲンダイ

大阪の不動産開発会社ZKR(旧全管連)が資金繰りに行き詰まって倒産した。民事再生法の適用を16日に申請、負債総額はグループ3社で少なくとも計167億円――と聞いてもピンと来ないかもしれないが、同社の上野健一社長(52)は、一世を風靡(ふうび)したテレビ番組「マネーの虎」(01年10月~04年3月放送)に投資する側の審査員として出演していた。
 
出資希望者の起業計画を散々コキ下ろしていた虎が自社を潰した。つまりは「ノーマネーでフィニッシュです」。シャレにならないが、似たような虎は他にもいる。「放送開始から終了まで最多出演した堀之内九一郎氏のリサイクルショップ『生活創庫』は業績が悪化し、今年2月、他社に譲渡されました」(調査会社関係者)

“元ホームレス社長”として脚光を浴びた堀之内氏は苦労人だけあって、なかなか出資しないことで有名だった。 同じくレギュラー出演していた安田久氏が代表を務めていた「エイチワイシステム」。“監獄レストラン”などで話題になったが、11年6月に破産申請。安田氏のHPによると、現在はイベントのプロデューサーなどをやっているようだ。

「出資希望者を〈アホンダラ〉と激しく叱責していた小林敬氏は、番組終了後に長崎で“食のテーマパーク”をプロデュースしたものの、05年に約20億円の負債を抱えて自己破産しました。その後レストランの雇われ社長もやっていましたが、長続きせず、今はコンサル業みたいですね」(マスコミ関係者)
 
豚骨ブームの火付け役と称された川原ひろし氏も常連の虎だったが、川原氏の博多ラーメン「なんでんかんでん」は昨年11月、環七で25年も続いた東京本店を閉店した。HPによると、現在は東京、神奈川、岡山、山口の4店舗。当時の勢いは失ったとはいえ、事業は続いている。

「宝石をじゃらじゃらとまとって『歩く100億円』といわれた吉川幸枝氏も続いています。美空ひばりの息子、加藤和也氏もそう。AVメーカー『ソフト・オン・デマンド』の高橋がなり氏は公言していた通り、05年に代表を退いて農業ビジネスに転身。そこそこ成功を収めています」(前出のマスコミ関係者)
 
そういえば、ピーチ・ジョンの野口美佳氏も出ていた時期がある。虎であり続けるのは難しいらしい。ちなみに司会だった吉田栄作は、妻でモデルの平子理沙が人気だ。

【PC遠隔操作事件】写真はiPhoneで撮られていた!
http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20130822-00027472/
2013年8月22日  ジャーナリスト江川 紹子

「真犯人」からメディアなどに送られたメールは、全部で4通目あるが、そのうち2通目の「自殺予告メール」に添付されていた写真は、iPhone3GSで撮影されていた。弁護人によれば、起訴されている片山祐輔氏が所持していたのは、富士通製のスマートフォンで、これまでiPhoneは使ったことがない、という。

■写真はどうやって撮ったのか
「自殺予告メール」に添付された写真

このメールが発信されたのは、昨年11月13日午後11時54分に発信された。次のような短い本文に、kubitsuri_rope.jpgというファイル名で右にある写真が添付されていた。〈ミスしました。ゲームは私の負けのようです。捕まるのが厭なので今から首吊り自殺します。楽しいゲームでした。さようなら。また来世ーーー〉

警視庁捜査分析センターが解析したところ、Exif情報から、撮影機種はiPhone3GSでiOSバージョン3.1.2もしくは3.1以前のものとみられる、という。

iPhone3gs
片山氏が、当時iPhoneを所持していたという証拠は、今のところ出ていないようだ。だとすると、なぜ彼がこのメールを送ったとすれば、別人に撮影を頼むか、誰かからiPhoneを借りて撮影したことになるが、それについても証拠も、現時点では出ていない、とのこと。8月22日に行われた第4回公判前整理手続きで、弁護側がこの点を追及したが、検察側は回答を避けた、という。

■神奈川新聞はどうやって入手?
この写真には、11月13日付の神奈川新聞が写っていた。「真犯人」は、4通目の「延長戦メール」にも、1月4日付神奈川新聞の上に猫に取り付けたのと同じSDカード付きのピンクの首輪を載せた写真を添付している。弁護側は、8月2日付書面で、片山氏がいつ、どこで、この神奈川新聞を入手したと主張するのか、釈明を求めたが、検察側からの回答はない。特に、昨年11月13日は平日(火曜日)で、日中は片山氏は派遣先で仕事をしており、同紙の入手は非常に困難だ、と弁護側は主張している。

■12月1日「頃」とは?
この書面では、全部で26項目の求釈明を行ったが、検察側が回答したのは2点のみ。そのうち1点は、雲取山の山頂にUSBメモリーを埋めた時期についての問いで、これに対し検察側は「平成24 年12 月1 日頃」と答えた。片山氏は、以前から12月1日に山に登ったことは述べているが、麓の駐車場の写真に片山氏の車が写っていたことなどから、それが裏付けられた、という。しかし、検察側がなぜ「12月1日」と断定せず、「頃」をつけたのか。

犯人が雲取山山頂にUSBメモリを埋めたのはいつなのか?

公判前整理手続きにおいて、弁護人が「12月1日以外に埋めた可能性もあるのか」と問いただすと、検察側は「そうだ」と答えたという。だが、他の日に片山氏が登った証拠が出されているわけではなく、なぜ、検察側が時期をあいまいにしたのか、よく分からない。弁護人は、「検察側が立証できているのは、片山さんがこの日に山に登ったことだけ。片山さんが写っている登山客の写真が証拠で出ているが、手にスコップなどを持っている様子もないし、山頂には他にも人がいて、三角点を掘ってUSBメモリを埋めるような不審なことをすれば目立つはずだ」と主張している。

警察が今年5月16日にUSBメモリを発見した時には、三角点の所を19センチ掘ったところから見つかった、という。素手で、これだけの深さを掘るのは、そう簡単ではないのではないか。ちなみに、USBメモリを埋めた場所をす写真を添付した「謹賀新年メール」には、「10月から仕込んでおいたのをようやくお披露目です」とあり、先に紹介した「ラストメッセージ」では、「紅葉のはじめの頃に行ったので快適でした」と書いている。検察側の「12月1日頃」が、この時期も含む、ということはないだろうが…。

■「ラストメッセージ」はなぜ伏せられていたのか
ところでこの「ラストメッセージ」について、検察官は第4回公判前整理手続で、「ラストメッセージをマスコミに配布したのか?」「それを判断したのは誰か?」などと詰問。「開示証拠の目的外使用だ」と論難した、という。この「ラストメッセージ」は、「真犯人」が作成した文章の中で、最も長文で情報量が多く、この事件や犯人について考える手がかりがたくさん含まれており、むしろ警察の方から公表し、国民に情報提供を呼びかけるべきだった。現に、警察はウェッブサイトやフェイスブックを使って、「犯行声明メール」や「自殺予告メール」などを公表し、情報提供を呼びかけていた。なのに、なぜ、
最も情報量が豊富な「ラストメッセージ」を隠していたのか。むしろ、そちらが問われなければならないのではないか。

検察側は以前、佐藤博史弁護士に対し、懲戒請求をちらつかせて「目的外使用」を牽制したことがある、という。
大阪では、すでに公判で取り調べられ、無罪判決の拠り所の一つとなったDVDをNHKに提供した弁護士が懲戒請求されているほか、再審無罪が確定した布川事件、再審請求中の袴田事件などでも証拠開示の際に、弁護側に「目的外使用」を強く牽制した。

本来は、関係者、とりわけ被害者のプライヴァシーが流出したり、名誉毀損につながることがないように作られた法律の条文を、検察側は被告人(あるいは再審請求人)に有利な証拠や検察の捜査の問題が明らかになる証拠が、人々に知られることを妨害するために使っている。

国民の「知る権利」を制約する行為でもあり、今後の検察の対応には注視が必要だ。【PC遠隔操作事件】「真犯人」からのラストメッセージ
http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20130810-00027167/ 

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