真実の報道神秘

権力の『おかしな政策』におかしいと報道しない日本で、一人でも『おかしい』と声を上げ、真実を追求して行きます。

2013年06月

「どうしてワタミを候補者にするんだ?」 過労死した社員の両親、自民党に抗議


「どうしてワタミを候補者にするんだ?」 過労死した社員の両親、自民党に抗議
http://tanakaryusaku.jp/2013/06/0007454
2013年6月28日 18:33 田中龍作ジャーナル

 社員に月141時間もの残業を強いるなどして過労死に追い込んだ居酒屋チェーン店「和民」。創業者で苛酷労働を賛美していた渡邊美樹元会長(53歳)が、参院選全国比例区に自民党公認候補として立候補する。
 
過労の末に自殺した元和民社員、森美菜さん(26歳)の両親がきょう、渡邊氏の立候補取り消しを求めて自民党本部を訪れた。両親は選挙対策の政治家との面談を求めていたのにもかかわらず、自民党は職員を出して対応した。それも門の外側で、だ。あまりにも不誠実な対応に父親の豪さん(65歳)は職員の胸ぐらをつかんで詰め寄った。「どうしてワタミを候補者にするんだ? 私たちは5年間、毎日毎日苦しんできたんだ…」。
 
母親の祐子さん(59歳)は、美菜さんの遺影を抱いて夫に寄り添った。「私たちは政治家に会いに来たんです」。もの静かな口調に深い怒りが込められていた。
 「門の外ではなくて党本部の中で(選挙対策の)政治家に会わせろ」。両親と支援者が中に入ろうとしたが、制服警察官がピケを張って入れさせまいとした。自民党本部の正門前は緊迫した雰囲気に包まれた。

母親の祐子さんは娘の遺影を抱いて抗議に訪れた。 週刊文春によると、渡邊氏はグループ全社員に配る社内文書で「365日24時間死ぬまで働け」「勤務時間にとらわれず仕事をしろ」と呼びかけている。森美菜さん(当時26歳)は、入社後2ヶ月余の2008年6月、抑うつ状態になり自殺。時間外労働が月141時間あったとして、2012年2月、過労による自殺と労災認定された。
 
NPO法人・労働相談センターによれば、「娘を死に至らしめたワタミの業務を知る会長、本社の社長、ワタミフードサービスの社長と直接話し合いたい」として、昨年9月ワタミ側に面談を申し入れたが、実現していない。参院選後、労働法制の大幅緩和を目指す安倍政権にとって、渡邊氏は是が非でも当選させたい候補だ。渡邊氏が当選すれば、「残業規制の撤廃」も「首切り自由化」も、国民から御墨付きを与えられたことになるからだ。
 
「法律違反を重ねて若者を過労死させた経営者が国会議員になる資格があるのか?」。父豪さんの抗議を安倍首相が聞いたとしても意に介さないだろうが、多くの有権者の心には重く響いたはずだ。


 

野党惨敗で進むか 小沢一郎 野党結集シナリオ

2013/6/25 日刊ゲンダイ 民主・細野が側近と接近

自民圧勝、低投票率の都議選結果で浮き彫りになったのは、「自公に対抗できる野党がない」「投票先がない」という有権者のしらけムードだ。今ごろになって野党各党は、自公への対立軸結集の重要性を思い知らされている。都議選の惨敗によって、ようやく野党が結集する可能性が出てきた。

これまで野党結集を最も強く訴えてきたのは、生活の党の小沢一郎代表だ。インタビューや講演で「野党の大同団結が必要」「野党がまとまれば勝てる」と言い続けてきた。事あるごとに、「野党第1党の民主党が軸になって他党に呼びかけ、国民の選択肢となる受け皿をつくらねばならない」と民主党にハッパを掛けていたが、これまで民主党は離党した小沢に冷ややかだった。

「輿石さんや海江田代表は小沢さんとの連携に前向きでしたが細野幹事長が消極的だった。党内の小沢嫌いの議員、とくに前原さんに気を使っていました」(民主党関係者)

ところが、細野の態度が微妙に変化してきたという。今月19日に生活の党の鈴木幹事長と会談し、参院選の福岡選挙区で選挙協力することを決定。民主党候補を生活の党も推すことで合意した。さらに、参院選後に連携を拡充する方針でも一致したという。

都議選でも変化の兆しはあった。生活の党が民主党候補を推薦した墨田区で、細野と生活の党の木村たけつか前衆院議員が一緒に遊説に立ったのだ。集まった支援者に細野は、「木村さんとは、また一緒にやれると思います」と演説していた。

民主党はみんなの党とも、参院の愛媛で選挙協力を決めている。みんなの渡辺代表は、もともと小沢と考え方が近く、野党共闘にも前向きだ。「小沢さんは、参院選で自民党が圧勝し、民主党が大敗したら、必ず野党再編が起きると思っているようです。民主党も、みんなの党も、維新も分裂してバラバラになり、新しい勢力が誕生すると確信しています」(政界関係者)

政治評論家の野上忠興氏はこう言う。

「参院選でも自公が圧勝し、マスコミが安倍政権に迎合する状況が続けば、政治の危機です。ただし、選挙のためだけに野党が結集するのでは、国民の支持は得られない。政策で自公との対立軸をつくって、民主、みんな、生活が大同団結すべきです。小沢さんが嫌いだからとか言ってる状況ではありません。まずは国民に選択肢を与えることが一番大事。富裕層や財界のためのアベノミクスに対抗して、弱者対策や社会保障を充実させる政策に焦点を定めるべきです」野党議員は腹をくくるしかない。

「小沢排除」の流れがもたらした、都議選での自公圧勝 有権者は本当に賢いのでしょうか?

http://blog.goo.ne.jp/ikiikimt/e/51636f69eba8529a5ce8b2735c7efe22
2013-06-24  生き生き箕面通信より転載します

都議選では、自民、公明党が全員当選を果たし、圧勝したという結果となりました。このところ、地方の首長選挙で負けがこんでいた安倍首相としては、ほっと一安心。「この勢いで参院選も勝つ」と、ハイテンションになっているようです。事実、そうした流れが予想されています。
 
それにしても、どうしてこのような選挙結果がつくられたのでしょうか。日本の民主主義の根が著しくへたって来ているように見えます。 第一の要因は、「アベノミクス」という語に象徴される政治状況の空気です。政権与党は、「3本の矢」「異次元の金融緩和」「決め手の成長戦略」などのキャッチフレーズを繰り出し、一時的な円安・株高を実現できました。これによって、有権者の目をくらます「空気作り」にまんまと成功したのでした。
 
この「空気作り」には、「アベノミクス」をもてはやした大手のマスメディアが、大きな貢献をしました。マネーゲームばかりが盛んになり、実体経済は何一つ実績をあげていませんが、あたかも「デフレ脱却」が着々と進んでいるかのようなムードづくりに、”情報操作の実力”を発揮しました。 マスメディアが政権与党の広報機関に成り下がっっていることを見事に象徴しているアベノミクス礼賛ですが、これが都議選での政権与党勝利をもたらしたといえます。そして、このマスメディアのオール与党化(東京新聞など一部を除く)は、小沢氏排除の動きとともにとりわけ顕著になってきた傾向であり、日本の重い病です。
 
検察が小沢氏秘書の大久保隆規氏を逮捕する、いわゆる「西松事件」をでっち上げて以来、メディアは検察とタッグを組んで、メディアの暴走を始めました。このあと、水谷事件、陸山会事件と、検察はつぎつぎにターゲットを変えて、「小沢クロ」を証明しようと違法な捜査までして立件に総力をあげました。しかし、結果は検察の惨敗でした。裁判員裁判という手を使ってまで起訴に持ち込みましたが、結局、「無罪」でした。
 
この過程で、メディアは検察と”共犯関係”になり、結局、気がついてみると翼賛広報紙になっていました。そして、有権者をたぶらかす存在に落ちぶれていたのです。 つまり、小沢排除を、検察とメディアがタッグを組んで演出する過程で、メディアは民主主義の原点である人権尊重の根幹を打ち捨て、権力に擦り寄る存在に変質してしまいました。
 
読売新聞をはじめ、日経、サンケイはいうまでもなく、朝日、毎日新聞、さらにはNHKなど大手メディアは、大まかに言えば政権の広報機関化しました。そして日々、政権側の情報を垂れ流しています。そのメディアにやすやすとたぶらかされる有権者は、日本の民主主義史のなかでは、どんな存在として位置づけられるのでしょうか。建前では、「日本はれっきとした民主主義の国」のはずです。でも、「本当に民主主義の国」といえるのかどうか。
 
直面する重要課題は、憲法改定、原発再稼働、TPP(環太平洋経済連携協定)、普天間基地移設、消費税、国民番号制度、秘密保全法、尖閣・竹島をめぐる中韓との領有権問題など山積しています。処理のしようによっては、日本の国柄はガラッと変わり、少数の権力者勢力は恵まれるかもしれませんが、私たち庶民の暮らし向きはどうなるのでしょう。
 
参院選の公示まであとわずか10日ほどに迫りました。この参院選の結果次第では、惨憺たる日本をこれからの世代に残すことになります。

民主党は小沢氏との連携に異を唱える似非・民主党議員を除名せよ。

http://km2295.iza.ne.jp/blog/entry/3111825/
2013/06/22 19:04 日々雑感 より転載します。

民主党の2009マニフェストには「消費増税」をするとは書かれていなかった。その限りでも「野合三党合意」を得て「消費増税」に走った民主党の国会議員は2009マニフェストによって民主党を支持した国民を裏切る似非・民主党議員だ。
 
今度小沢氏の生活党と民主党が連携するにあたって異を唱えるのは「消費増税」に突っ走った似非・民主党国会議員たちだ。海江田執行部は彼らの意向を気にする必要はなく、連携に反対する連中は遠慮会釈なく民主党を追放すべきだ。彼らは自公政権の補完勢力に過ぎず、官僚主導から政治主導へと掲げた民主党政治の針を逆回転させて自公政権へ投げ渡した裏切り者だ。

そうしたことも解らず、民主党の議員として議席を得ているだけで「味方だ」と海江田執行部が考えているとしたら飛んでもない愚かな執行部だというしかない。鳩山氏が普天間基地の移設先として「最低でも県外」と主張したのはルーピーな発言ではなく、沖縄県民の願望を成り代わって発言したに過ぎない。
 
それに対してバカだチョンだ、と闇雲に批判したマスメディアや民主党政治家たちこそが沖縄県民の声に耳を傾けないルーピーな連中だったことになる。時間の経過は真実を玉石混合の中から浮き上がらせるものだ。その真実の輝きに目を瞑る自民党こそが国民の代弁者たる政治家の資格を疑われる。彼らは国民に奉仕するのではなく、官僚と米国に奉仕する売国奴に過ぎない。

その実態は安倍氏の「年金基金の株式市場投資」発言に明確に表れている。国民から預かった年金基金を博奕の元手にして良いとは、どの法律にも書かれていない。だから特別立法してでも年金基金の投資運用割合を増やそうとしているのだ。本家本元の米国ですら基金の運用は固く固く行うべきだと定められている。日本もそうだったが、安倍政権で株式運用の規定率を変更してでも投資しようというのだ。安倍氏は常軌を逸していると思うのは私だけだろうか。

民主党が国民の信を失って茫然自失としているのは勝手だが、それにより国民に不利益がもたらされるとするなら由々しき問題だ。生活党の小沢氏と連携を組むのは当然の帰結であって、それに反対する者こそが民主党を大敗へと導いた民主党の内なる敵だ。彼らを党から追い出さない限り、民主党の復活はありえないし、日本の民主主義の再生もありえない。野合三党合意によって、日本の政治は無力化され官僚のやりたい放題になってしまうしかないだろう。

大手メディアが一切語らない辛坊ヨット遭難事故の「自己責任」  

http://www.amakiblog.com/archives/2013/06/23/
2013年06月23日 天木直人のブログ より転載
  
三流紙や雑誌、それに最近では特にネット上に流れる情報がそうであるが、それらによって盛んに流されるにもかかわらず、不思議と大手メディアが流さない事がある。その中に、この国のメディアの正体がある。権力側に都合のいいように国民の意識を操作する大手メディアの大罪がある。 これから書くこともそうだ。
 
日刊ゲンダイ6月24日号がニュースキャスターの辛坊治郎と盲目のセーラーのヨット遭難事故とその大規模な救難劇について書いていた。救助の燃料費だけで数百万円、人件費も含めばさらに多額に及び経費はすべて税金だと。

しかし問題はその後だ。本人の自己負担はあるのか、ないのか。 今度のヨット横断イベントのスポンサーは吉本グループの元社長などが背後についているというから本人の負担でないとしても、誰かが税金負担を肩代わりするのか。それともすべて海上保安庁や海上自衛隊が国の予算で負担するのか。その場合、その他の邦人事故の場合と自己負担はどう違うのか。
 
思い出すのがイラクで人質になった若者三人に浴びせかけられた「自己責任論」だ。当時辛坊氏は徹底的に小泉政権の肩を持つ発言を繰り返していた。その自己責任論者が自己責任を取らなくていいならこれほどの冗談はない。権力に歯向かう国民に厳しく、権力に迎合する国民に甘いというような差別が行なわれているとしたら大問題である。
 
ところがこのような誰もが抱く疑問について、大手メディアは一切語らない・・・

 

安倍政権 高い支持率維持のため「国民のカネ」に手をつけた

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130618-00000019-pseven-soci
週刊ポスト 2013年6月28日号

 参院選を前に「第2の株価大暴落」が起きれば、安倍政権の高い支持率も国民の期待も一気に弾ける。それを恐れた政府は、株価急落を食い止めるため、「国民のカネ」に手をつけた。株価が大暴落を続けていた6月7日、厚労省傘下の「年金積立金管理運用独立行政法人」が突然、株の買い増しを決めたのだ。
 
この組織はサラリーマンの厚生年金と自営業者の国民年金の積立金約120兆円を運用する「世界最大の年金ファンド」で、運用先は国債など国内債券が67%、国内株式11%、外国株式9%などと定められている。政府はその資産運用配分を見直し、国内債券の割合を60%に引き下げ、かわりに国内株式を12%に引き上げた。わずか1%でも金額にすれば1兆円を超える。
 
世界最大のファンドは市場を大きく動かした。この方針が伝わると300円近く下がっていた株価は一気に戻した。「株価PKO」と呼ばれる政府による事実上の市場介入だった。「年金博士」こと社会保険労務士の北村庄吾氏の指摘は厳しい。

「国民から預かっている公的年金の運用は手堅くすべきで、専門家の間にはリスクある株式での運用そのものに批判が強い。百歩譲って株を買うにしても、せめて株価が上昇を始めた今年1~2月までに決めるべきでした。それなのにわざわざ株価急落の真っ最中に買い増しを決めたのは、国民の財産を政権維持のために使っているも同然です。株価がさらに暴落したら、国民の年金資金を失うことになる。その責任を一体、誰が取るのか」

国民所得150万円増でも給料増えず 浜矩子氏「アホ」と一蹴
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130618-00000011-pseven-soci
週刊ポスト 2013年6月28日号

「10年間でみなさんの年収は150万円増えます」──安倍首相は街頭演説やテレビ出演で国民にそうバラ色の夢を振りまいている。 そんな言葉を真に受けたら馬鹿を見る。安倍首相の年収アップ論にはそもそも大きな誤魔化しがあるからだ。
 
52年前、時の池田勇人・首相は、「10年間で給料を2倍にする。できなければ政治家はやめる」と国民に約束し、高度成長期の波に乗ってそれは実現した。 だが、安倍政権が成長戦略で目標に掲げたのは、「年収」ではなく、「1人あたりの国民総所得」(GNI)を10年後に150万円増やすというもの。これは現実には、国民の収入増加を意味しない。

「アホノミクス」の命名者である、同志社大学大学院ビジネス研究科・浜矩子(のりこ)教授はその見え透いた騙し方が「アホ」だという。 「国民総所得は『国民の給与所得』とは全く別の指標で、企業の利益や政府の公共投資が含まれる。たとえば企業が社員のクビを切って海外に工場を移転し、そこで利益をあげれば国民総所得は増えるし、政府が増税で公共事業をバラ撒いても増える。安倍内閣がこの指標を持ち出して『給料が上がる』と説明していますが、それは間違いなのです」
 
もちろん、安倍首相が国民総所得と年収の違いを知らなかったわけではない。 「安倍総理は成長戦略を打ち出すにあたって池田勇人首相の所得倍増計画に匹敵する目標はないかと秘書官に指示し、150万円の数字が出てきた。前提となる実質2%、名目3%という成長目標を決めたのは財務省だ。安倍首相はレクチャーで国民総所得と年収の違いは説明を受けており、それでもいいと目標にした」(官邸関係者)
 
演説の変化を辿ると“確信犯”で間違えたことがわかる。安倍首相が最初に成長目標を掲げたのは6月5日の成長戦略発表スピーチでのこと。 「国内外の潜在市場を掘り起こし、一人あたりの売上を伸ばす。その果実を、賃金・所得として家計に還元します」と、国民総所得が賃金に反映されるためのメカニズムを正確に説明し、「1人あたりの国民総所得」を150万円増やすと語った。
 
表現を変えたのは8日の都議選の街頭演説からだ。1か所目の墨田区曳舟の駅前では、恐る恐る聴衆の反応を確かめるように「国民の平均の所得」と言い換え、2か所目の両国になると「収入が増える」、そして3か所目の江東区豊洲に来ると自信満々に「平均年収を150万円増やすことをお約束します」と開き直った。
 
そして翌日、NHKの日曜討論で間違いを指摘されるとこんな言い方をしたのである。 「国の貿易や特許料も含めた総収入の1人あたりですが、これが増えていかなければ国民の所得も増えないのは当然」 GNIが増えなければ所得は増えない。だが、GNIが増えれば国民の所得が必ず増えるわけではない。
 
実際、日本では小泉内閣の2003年から第1次安倍内閣の2007年までの5年間、「1人あたり国民所得」は約398万円から約414万円へと16万円アップしたが、サラリーマンの平均年収は443万円から437万円へと7万円減っているのである(国税庁「民間給与実態統計調査」)。

「国民総所得」が増えても企業が利益を社員に還元しなければ給料は上がらない。高度成長期の池田首相はあえて「給料を2倍に」と約束した。安倍首相が本気で企業に賃上げを求める気であれば、収入アップを成長目標にすることができたはずだ。お年寄りから子供まで「1人150万円増」なら4人世帯の年収は600万円増える。 平成の所得倍増をいわずに「経済指標」に逃げたことが国民への最大の誤魔化しなのだ。

小沢一郎、あなたの出番は必ず来る 腰を据え、政界における存在感堅持を

http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/f3c79ac6cfc74cfcb040f7e591c3591e
2013年06月16日 世相を斬る あいば達也 より転載します

久々に小沢ネタのコラムを書いてみる。日刊ゲンダイまでが、小沢の復活は無理だと言い出したのでは身も蓋もないのだが、現実、そのような記事を平気で書くようになってしまった。そんな記事に触発された部分もあるが、“待てば海路の日和あり”なのではないかと思っている。その時期は、小沢一郎の年齢を考えると3年後がベストだが、そう都合よく政治の流れが出来るとは思えない。おそらく、5~7年後になって小沢一郎の出番が来るような気がする。
 
小沢支持者の中のは、今年の都議選から小沢の反転攻勢を願う思いを語る人もいるが、そう簡単に小沢一郎の存在価値が、もう一度必要とされる状況は生まれないだろう。マスメディアや評論家中心に人為的に作られた「世代交代の波」は未だしばらく続く。また、既得権益勢力が寄ってたかって、合法、不法に「小沢潰し」をされた後遺症は、未だ健在と見るべきだ。政治の世界は、正論ではなく、現実だけが結果を見せるわけだから、ここ1,2年が小沢の出番であるわけがない。
 
小沢の出番は、小沢が七十代後半になって訪れる。その理由は、おいおい書くとするが、グローバル世界の副作用が、7割の中間層以下の国民に、身に沁みて理解されるには、その程度の時間は必要だと考えられる。放射能の内部被ばくではないが、5年後、10年後に、グローバル化社会の弊害、副作用は生活者に襲いかかる。一部の国民が痛みを感じただけでは駄目なのだ。その痛みはメジャーなかたちで国民生活を圧迫しなければならない。これから起きるであろうことを、色々と推理していくと、どうしても痛みが蔓延するのに5年、10年かかってしまうからだ。
 
物理的痛みに近い痛みを感じない限り、日本人と云う民族は、変わることが怖いのである。嫌いだとも言える(笑)。読売新聞の論説委員橋本が日本人の好例である。つまり、背に腹替えられなくなるまで、そのまま座して死を待つ風情なのが日本民族なのである。人間であれば、痛みが接近していることに気づいても、尚且つ動かない事実は解せないと云う人々もいるだろうが、事実動かないのが日本人だ。右巻きにも、左巻きにも、噴き上がっている人々は存在するが、絶対にメジャーにはならない。尻に火がつくまで、日本人は動かない。仮説でモノを考えるのが不得手、否、怖い、否嫌いなのだ(笑)。
 
ゆえに、日本人が火だるまになるまで、ジッと待つのが正しい。ここで言う“火だるま”がどんな炎なのか、それは敢えて考えないことにしている。他国からの謂われなき支配かもしれないし、衣食住も儘ならなく生活かもしれないし、夫や子供を戦場に送りだすことかもしれない。或いは遺伝子組み換え食品による人類死滅のシナリオが作動する現実かもしれない。日本中の再稼働した原発が大爆発を起こすのかもしれない。ただ、人類の文明や文化の進歩が行き過ぎ、限界が来ているのに、尚且つニトロ燃料でエンジンを駆動させるようなものが20世紀後半から、21世紀初頭と続いているのだから、必ず何らかの形で破綻するのだ。現在でも、破綻は予期出来るが、予防原則の理が通じない哲学なき日本では、ゆで蛙の鍋に塩や調味料が入れられ、箸で摘まれるまで喰われるとは思わないだろう。
 
直近の参院選の展望も、安倍自民の大圧勝を予言している。現実、その通りになるだろう。先の衆院選の時点よりも、安倍自民は有利な戦いを行っている。これは最大野党・民主党が四分五裂状態を解消できず、ぐずぐずしているのも原因だが、未だ“アベノミクス・プロパガンダ”が有効に作用している要因が強いと云うことだろう。安倍自身が国会等の言動で「実体経済も上向きだ」と都合の良い(捏造も含む)統計や指標を持ち出し、マスメディアが喧伝するメカニズムはまだまだ続く。日経平均が10,000円台を切るとか、90円を切る円高にでもなれば、“アベノミクス・プロパガンダ”が失効するだろうが、参院選までに、そのような事が起きるとは思えない。
 
逆に、そんな早い時期に安倍自民が壊れてしまうのは、小沢にとって良い状況とは言えない。前述のように、小沢一郎の出番が来るのは、日本の状況が歴然と悲惨なものにならなければならない。その間は、自民党政治が継続し、日本破壊に拍車がかかる方がベターだ。日本人が、「米国依存は当然だろう」と云う自明的マインドコントロールから抜け出さない限り、何をやっても、日本は変われないし、独立もやって来ない。二度目の敗戦を、アメリカ式グローバル傘下で、再度味わう必要がある。TPPと云うものが、その速度を早めてくれるのはたしかなので、悪い経験は早目に済ます方が幸運だ。
 
少々破滅論と裏表の小沢復活のシナリオだが、それほど日本の統治機能は腐りながらも頑強だし、国民が押し並べて、政治から痛みを感じてはいない以上、そのような悪条件が整う必要性がある。筆者の小沢復活の条件は、もう一つある。それは、小沢の「自立と共生」の理念に呼応する若い世代(20~30代)からの共鳴が起きること。その世代の中から、次代を担う人材が生まれること。このような、大衆受けする要素が加わらないと、残念ながら「米国依存は当然だろう」と云う自明的マインド覆すことはないように思われる。
 
国家の不幸を経てからなどと云う論が邪道なのは百も承知だが、そのようなシナリオでしか治癒し難い程、日本人の感じる力、考える力、怒る力、人を愛する力が衰退していると云うことだ。その意味で、TPPと云う毒薬は、日本の破壊を助長し、日本人が自らの足で立たなければ、自分達を助ける道はないと気づく早道とは、言いたくはないが、どうも事実だ。どれほど国家の山河が汚染され、日本人が疲弊しても、日本人が日本で生きている限り、再生は可能なのだ。正論は正論として常に主張する必要はあるが、正論を正論たらしめる為に、蛇の道を選択するのも、処方箋の一つだろう。今日のコラムは異論が出そうだな(笑)。

サミットでオバマ大統領に首脳会談を断られた安倍首相

http://www.amakiblog.com/archives/2013/06/16/
2013年06月16日 天木直人のブログ より転載
 
メディアはみな知っているのに安倍首相に悪いから書こうとしなかった。しかしとうとうきょう16日の産経新聞が、 「G8 日米首脳会談見送り」という見出しで、次のように書いた。
  
「・・・日米両政府は15日、(G8にあわせて行なう予定だった)安倍晋三首相とオバマ大統領の会談を見送る方針を固めた。13日の電話会談で対中政策などについて十分な意見交換が行なわれたことから、両首脳は実利を重視し、サミットでは他国との会談を優先させる方針だ・・・」
 
産経新聞はよく書いてくれた。しかし、それでも嘘がある。日本にとって日米首脳会談ほど重要な会談はない。他国の首脳との会談を優先するのはオバマ大統領であって、日本は首脳会談を頼み込んだに違いない。頼み込んだのに断られたのだ。
 
それをごまかして、他国との首脳会談を優先する事で日米両政府が「合意した」などと書いているのだ。もっとお笑いなのはその後に続く次のようなくだりだ。
 
「・・・正式な首脳会談を見送る代わりに、サミット会場内の移動時などに短時間対話する方向で最終調整している・・・」安倍首相がオバマ大統領との首脳会談に未練たらたらであることを白状しているようなものだ。最近では日本のお家芸になってしまった感のある「立ち話首脳会談」でもいいから格好をつけろと安倍首相が外務官僚にハッパをかけている姿が目に浮かぶ。
 
そりゃあそうだ。高支持率を誇る日本の首相がサミットで同盟国の米国の大統領と首脳会談できないとなると、世界に対しても、国内的にも、面目丸つぶれであるからだ。中国に馬鹿にされる。
 
日本にとってどうやら日米首脳会談の実現が今度のサミットの最大の問題になってしまった。前代未聞の不毛なサミットである。前代未聞の脆弱な日米関係である・・・

ドヤ顔で遊説予定の晋三君、株価暴落で気力喪失、街頭演説急遽キャンセル 

http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/1f1141e2a22b13004f4d81a6004700d6
2013年06月14日 世相を斬る あいば達也 より転載します

本当に安倍晋三の側近たちのスケジュール管理は子供染みていてオモシロい。株価が上がれば“ドヤ顔”でメディア露出を増やし、株価が下がれば、口から出まかせの経済政策をアナウンスする。これは殆どお笑いの世界の出来事ではないか、と錯覚を起こしてしまう。843円も日経平均が暴落したと云うのに、記者クラブを通じて、世界同時株安の一言で済ますよう言論統制が加わった感がある。

挙句に、もうクタクタで、薬と酸素で何とか体力維持をしている晋三君は、13日の木曜日の株価暴落で「ボクちゃん、金曜日の街頭演説はやめる!」とギブアップ宣言。サミットの準備で忙しい、と云うことで逃げおおせたようである。まぁマネタリストの言葉を真に受けて、おカネはジャブジャブ、徹底大企業優先に舵を切った以上、もう後戻りは出来ないのだから、堂々としていれば良いのに、生来の気の弱さが顔を出し、何とか心を鎮めようと、浜田に聞いたり、高橋に聞いたり、竹中に聞いたりしたが、イマイチぴんと来ない。そこで黒田に聞いてみたが、さぁその辺は市場に聞くのが一番ですし、浜田教授の御専門ですので…、なんて按配になっているのだろう。

株価も下がったところで、タイミング好くか悪くか、「経済財政運営と改革の基本方針(通称・骨太の方針)」と云うものを決定したようだ。14日には閣議決定するらしい。詳細の情報が乏しいので、分析のしようがないが、“骨太な嘘”を明確に語り閣議決定すると云うことだろう。このような骨太の方針などと云うものは、常に実現した試しはないので、気にする必要もないだろう。ただ、世界に向かって、経済成長だけではなく、財政規律もチャンと守る方針だとサミットの席上で発言する為の閣議決定である。クダラン!

≪ 経済成長と財政再建、両立=健全化目標は堅持-4年ぶり骨太方針・14日閣議決定 政府は13日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、「経済財政運営と改革の基本方針(通称・骨太の方針)」を決定した。方針には、経済成長と財政再建の両立を図る姿勢を明記。金融緩和、財政出動、成長戦略の「三本の矢」で日本経済をデフレから脱却させ、今後10年間の平均で国内総生産 (GDP)を名目で3%、実質で2%程度成長させることを目指す。骨太の方針の策定は約4年ぶり。

 安倍首相は会議のあいさつで「この方針では、停滞の20年を乗り越え、再生の10年を実現していく道筋が明確に示されている」と述べた上で、「諮問会議には政策を具体化していく役割を担ってもらいたい」と求めた。  12日に取りまとめた成長戦略に続き、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の全体像がこれで固まった。成長戦略とともに14日に閣議決定する。今後の焦点は、これらの政策が具体的に実行できるかどうかに移る。 政府は2015年度に国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字を対GDP比で10年度(6.6%)から半減させ、20年度に黒字化させるとのこれまでの財政健全化目標を堅持。その上で、目標達成に向けた具体的な道筋を示す中期財政計画を8月に取りまとめる。≫(時事通信)

成長戦略を本気で継続し、プライマリーバランス赤字を半減させるシナリオなど、あるわけないだろう。仮に、それを確実に実現する方法は一つしかない。社会保障費の大幅削減しかあり得ない。しかし、いくら参院選後、3年間は無風だからと言って、年金受給年齢70歳とか、高齢者医療窓口負担3割とか、死亡消費税とか、国民イジメに徹しようと云う訳にはいかないだろう。つまりは、壮大で骨太な嘘の表明と云うことになる。ただ、この国は「嘘も方便」として受け入れる文化的土壌もあるので、事なきを得るかもしれない。

案外、年内に合意する予定の「TPP」の批准に、自民党は希望を抱いているかもしれない。霞が関官僚が牛耳っている「統治機構」そのものが多国籍企業のパワーで破壊され、役人の権益の壁に風穴があけば、財政赤字がイイの悪いのと五月蠅いIMFや格付け機関の口封じと云う現象が起きるかもしれない。そうなれば、プライマリーバランスなんて関係ないし、経済成長の責任は企業側の責任に転嫁できる。最終的に、日本の国家像がどのようなものになるのか、それはTPP等々で、地球上を支配する多国籍企業に聞いてくれ。そんな世界が訪れるのかもしれない。

そう言えば、安倍晋三が訪米、オバマの謁見に浴しながら、恭しくも素直に「TPP入らせてください」と発言した言葉に、耳を疑ったそうである。まさか、あの阿呆の巣窟と言われた民主党でさえ、「TPPは、あまりにも我が国にとって不利」と言って返事を延び延びにしていたのだから、耳を疑うのは当然だ。正直、杓子定規な不平等条約のアジェンダだけが知らされているだけのTPPへの参加を、嬉々として申し出るのだから、安倍と云う日本の右翼に警戒心も持ったのは想像にかたくない。

…こんな調子で戦争を始める国なのだろう…、…危ない国家だ、やはり中国との繋がりを重視すべきだ…。そのようにオバマが思ったかどうか判らないが、TPPに関する情報は逐次中国政府に知らせることを約束したという。“メクラ蛇におじず”で参加の日本とは雲泥の差である。

 

心配は国民生活より明日の株価 これほど無責任な経済政策は初めて

2013/6/12 日刊ゲンダイ 
安倍首相が野党の追及から逃げまくっている。26日の国会会期末を控え、野党側は首相が出席する衆院予算委の集中審議の開催を再三要求しているが、与党側は応じようとしない。参院選前に、できるだけ失点は避けようと、“安倍隠し”に躍起なのだ。野党が求める集中審議のテーマは「アベノミクスの成長戦略」の成否だ。

なぜ安倍が自ら成長戦略の第3弾を発表した途端、株価が暴落したのか。乱高下を繰り返すマーケットをどう感じているのか。すでにアベノミクスは化けの皮がはがれたのではないか――。これらの疑問について、有権者の多くも国会審議を通じて、安倍自身の口から直接、聞いてみたいはずだ。

ところが、当の安倍本人ときたら、逃げの一手だ。党首討論はもちろん、予算委の出席すら拒否。「責任追及はご免」「国会中継で恥をかきたくない」とばかりに、サッサと国会の“店じまい”を急いでいる。

フザケるのも「いい加減にしろよ!」ではないか。上昇相場に気を良くして、4月の党首討論で「政治は結果がすべてだ」と大見得を切ったのは、どこのどいつだ。
あれだけ大口を叩いておきながら、株価が下落した途端に野党の追及から逃げまくるなんて虫が良すぎる。株価が好調の時だけでなく、悪くなった時だって「結果がすべて」ではないのか。

「与党側は『物理的に困難』と集中審議を拒んでいますが、会期末まで残り2週間。たっぷりと時間はある。しかも、首相は集中審議を避けながら、都議選の応援やメディア出演をこなしています。そこで何をしているかといえば、アベノミクスの成果の一方的なアピールです。そんなに成果を強調したいなら、堂々と集中審議に応じればいい。テレビ中継も入るし、街頭演説より、よほど国民にアピールできます。政策の問題点は国会論争を通じてこそ浮かび上がるもの。

そこから逃げるのは国会軽視であり、国民軽視にもつながります。ま、それだけアベノミクスが行き詰まっている証拠なのでしょう」(政治評論家・山口朝雄氏)

株価が絶好調の時だけ「オレ様のおかげ」と勝ち誇り、相場が悪くなった途端、頬かむり。デタラメご都合主義もいいところだ。つくづく、卑怯な男である。

◆軽はずみな金融政策で国民を振り回すな
いい加減といえば、安倍の経済ブレーンで内閣官房参与の浜田宏一・エール大名誉教授だってヒドイものだ。 浜田名誉教授は、大胆な金融緩和を通じてインフレ期待を高め、物価上昇や経済活性化を目指すリフレ派の重鎮だ。「アベノミクスの教祖」と呼ばれるほど、安倍にリフレ政策を実行するようハッパをかけた張本人である。なのに、アベノミクスの危うさが露呈し、乱高下を繰り返す市場の大混乱について、何と言ったか。

〈(株価は)変動があって当たり前なんです〉――。7日付の毎日新聞のインタビュー記事では、まるで他人事のように開き直っていた。 「そりゃ、株式市場に変動はつきものですが、これほど値幅の激しい乱高下は異常です」と、経済評論家の広瀬嘉夫氏は、こう続けた。

「今回の異次元レベルの乱高下は、明らかにアベノミクスのリフレ政策が招いたもの。黒田日銀に禁じ手の異次元緩和をけしかけ、外資中心のマネーゲームを煽(あお)って、バブル相場を演出した副作用です。実体経済の裏付けのないバクチ相場は、そう長続きはしない。いつ崩壊するのかと市場が疑心暗鬼に陥っている時、『売りシグナル』の決定打となったのが、中身スカスカの成長戦略第3弾です。つまり大混乱相場の元凶は、すべて安倍政権の金融政策がまいた種。そのブレーン役が〈変動があって当たり前〉とは、無責任すぎます」

同じインタビュー記事で、「壮大な実験といわれるアベノミクスが失敗に終わったら、どうしますか」と聞かれた浜田名誉教授は、語気を強めてこう言い放った。〈私たちが責任を問われるなら、今までリフレ政策に反対していた学者や経済評論家、デフレを放置した日銀幹部も総ざんげすべきです。経済を好転させられなかったのだから〉

これでは、維新の会の橋下共同代表と一緒だ。慰安婦発言で「日本だけが非難されるのはおかしい」と開き直ったのと同じヘリクツである。自分の責任をどう感じているのか。
「結局、安倍首相にも浜田氏にも一国の経済政策を担う責任感がないのです。こんな無責任で軽はずみな金融政策で国民生活を振り回すのは、もうやめにしてもらいたい」(広瀬嘉夫氏=前出)
◆今さら「マネーゲームではない」の厚顔無恥

株価が下落した途端、責任回避に走る安倍と浜田の見苦しい姿を見て、国民もいい加減、目を覚ますべきだ。 安倍の頭にあるのは、とにかく株高を維持して支持率を上げることだけ。実体経済や国民生活なんてどうだっていいのだ。

その証拠にムキになって株価上昇策を打ち出している。急きょ「秋に新たな成長戦略を策定する」と明言したり、年金基金の株式運用枠を増やしたり、となりふり構わずだ。要するに国民の年金資金を守るより、株価さえ上がればいい。国民生活より明日の株価を上げること。そのことばかり考えているのだ。こんな首相は、見たことない。筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)はこう言う。

「本来、国の経済政策は国民の暮らしを豊かにするためのものです。それなのに、この政権は目先の株価をツリ上げ、見せかけの景気回復ムードをつくり出すことしか考えていない。とにかく参院選まで乗り切れればいい。後は野となれ山となれ。そんな態度が露骨なのです」 成長戦略第3弾を発表した5日の講演で、安倍は「マネーゲームではなく、しっかりと実体経済を成長させる」と取ってつけたように語ったが、いまさら何を言っているのか。

「むしろ、自身の発言とは真逆の方向に政策の舵を切ろうとしています。“限定正社員制度”を打ち出し、参院選後は『クビ切り自由化法』を再び俎上に載せるつもりです。労働者は使い捨て、モノ扱いにするなんて『行き過ぎた市場主義』の極みです。これだけウソとゴマカシの経済政策がまかり通る無責任政権は史上初めてです」(小林弥六氏=前出)

いくらウソで塗り固めても株式市場の乱高下は止まらない。安倍のインチキも、もう限界を迎えている。

安倍「黒田君、話が違うじゃないか!」、 黒田「首相、浜田教授にお聞きください」 

http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/1b4f7b2fa61700fffa65a2423c241676
2013年06月13日 世相を斬る あいば達也 より転載します
 
光陰矢のごとしだが、アホノミクスの三本の矢は、ついにネタ切れとみえて、唯一の足がかりである株式相場を刺激できそうな材料出尽くしで、息も絶え絶えだ。しかし、いまだ安倍晋三には時が味方しているようで、永田町は選挙モードになってきている。明日14日金曜日は参議院選の前哨戦・東京都議選の告示日である。都議選の投票日は23日だが、そうなると7月21日投票の参議院選まで1カ月を切ることになる。

アホノミクスの生命線が「株価」である事は明明白白なので、安倍自民が大勝利するも、辛勝するも、この40日間の株価次第である。その株価に、更なる変調が加わったようだ。前日のNY市場が100ドル以上下げ、95円前後の円高になったのだから、幻想買いのアベ相場が持つわけがない。今日は前場で870円以上の下げをみた。13時半現在、幾らか戻してマイナス550円前後になっている。ニヤニヤしながら、これを書いている最中に、日銀の黒田と安倍首相が急遽会談を持ったようである。時事は以下のように伝えている。

≪ 黒田日銀総裁、安倍首相と会談 、 日銀の黒田東彦総裁は13日、安倍晋三首相と昼食を共にして会談するため、首相官邸を訪れた。黒田総裁は会談前、一部記者団に対し「主要国首脳会議(サ ミット)前に内外の経済情勢について一般的な意見交換をする」と述べた。株安・円高が進んでいる金融市場動向などについても意見交換するとみられる。黒田総裁が3月20日に就任後、個別に首相と会談するのは事実上初めてとみられる。≫(時事通信)

安倍晋三も、浜田宏一、黒田東彦、高橋洋一らマネタリストの論理が破綻傾向を見せている事実に気づいたのだろうか?まさ、気づく筈がない。おそらく、「総理、どうも相場は理屈通り動かないようです」とご注進したヤツがいるのだろう。 そもそも、景気の気は「気分の気」だと煽っていたのが、竹中や甘利だ。気分で上がった相場、その上げた張本人である、国際金融勢力であるヘッジファンド勢力の相場弄りに文句も言えない。彼らは上がると思えば、買いを仕掛け、下がると思えば、売りを仕掛ける。
 
大型コンピュータの威力は絶大だ。瞬時に、相場全体の状況を独自のプログラムで分析、判断、ミリ(1000分の1)秒単位で売買するのだから、人智の及ぶところではない。こんな連中に、政権維持の命運を託しているのが安倍自民党と云うのだから、言うべき言葉すら浮かばない。今、マイナスが再び激しくなってきた。700円に接近中。ファンドの狙いが、売りと判断すれば、下げは、筆者がキャハハハと叫ぶ1000円超の暴落だし、下値と読めば引け間際に300円ほど戻すかもしれない。
 
しかし、仮に株価が大暴落し、10,000円前後になり、為替も90円ギリギリになって、アホノミクスを評価すべきすべてが胡散霧消、内閣支持率が50%を切る事態になったとして、参院選で負けるだろうか。筆者は、各野党のテンデンバラバラ度をみる限り、最終的には自民党が勝つのだと思う。ただ、アホノミクスが神通力を失い、安倍が信頼を失い、石破か麻生が、次の後釜に座るのだろう。そろそろ、小沢一郎の問題も取り上げたいが、今日は急激な株・為替相場に目が向き、こんなコラムになってしまった(笑)。

 

浜矩子氏 株価暴落はアベノミクスのバブル破綻し始めた象徴
週刊ポスト 2013年6月21日号

昨年11月から続いてきた株高・円安の流れが逆流を始めた。果たしてこれはアベノミクスが限界を迎えたということなのか。同志社大学大学院ビジネス研究科長・教授の浜矩子(はま・のりこ)氏が解説する。
 * * *
今回の株価暴落ではっきりしたのは、アベノミクスの「効果」は、なかったということです。確かに、1~3月のGDPは前期比プラス0.9%で、年率換算で3.5%増のプラス成長でした。株価が上がり、上場会社の含み益も大きくなったことから、個人レベルでも消費の機運が高まったのでしょう。

富裕層ではない普通の市民のなかにも、超低金利の中で、おとなしい投資をしていたのでは収益が上がらない、この際、アベノミクス相場に乗ってみようかと投機に走った人も多かったはずです。が、その「夢」に浮かれていた矢先に、今回の株価暴落が起きました。「アベノミクスで株価が上がる」という声に押され、株に手を出した個人が痛めつけられた。これがアベノミクスの本質だと思います。 

そもそも、安倍首相らは、アベノミクスの目的を「デフレ脱却」だと説明していますが、これが誤りなのです。金融緩和や財政出動でデフレ脱却はできません。 指摘しておかねばならないのは、アベノミクスは、実はバブル経済を生みだすことで実態にそぐわない経済活況を作り出し、それでデフレから脱却させようとする政策だったということです。

しかし、バブルはあくまでバブル、いずれ弾けます。今回の株価暴落は、すでにバブルが破綻し始めたことの象徴です。その結果、普通の市民を含む多くの投資家が、痛手を負った。このことは、「アベノミクスの副作用」という向きもありますが、その見方は誤りで、これこそがアベノミクスの「本作用」なのです。

古賀茂明氏がバッサリ 「アベ成長戦略」の嘘
(2013年6月7日 日刊ゲンダイ)
 
安倍政権が満を持して発表した成長戦略は株の大暴落という洗礼を受けた。ハッタリの数字を並べて、「民間活力の爆発」とか息巻いても中身がないのだから、どうにもならない。元経産官僚の古賀茂明氏も「的外れだし、踏み込み不足」と切り捨てた。

「10年後、1人当たりの国民総所得を150万円以上増やす」「3年間で設備投資を10%増の70兆円に」「10年間で農村の所得を倍増」アベノミクスの3本目の矢、成長戦略にはこんな数字が躍ったが、市場は中身のなさに失望した。

「株式会社の農地取得や混合診療解禁は盛り込まれず、再生可能エネルギーの規制もガンジガラメのままです。薬のインターネット販売が大きく取り上げられていましたが、最高裁ではすでに規制に対する違法判決が出ている。市場ではアベノミクスのずっと前から自由にやっています。大手新聞は“民間活力の爆発”の大見出しを打っていましたが、こんなメニューでどこが爆発なのか。利益確定のために売り材料を待っていた市場が売り浴びせたのは当然です」

こう指摘する古賀氏は「安倍首相には大きな誤算だったのではないか」とこう続けた。「国民総所得150万円増などをぶち上げれば、評価が高まると思っていたのではないですか。実際、新聞は第3の矢に対し、好意的に書いた。しかし、市場はごまかせなかった、ということです。

国民総所得といっても、そこには企業が海外で稼いだ所得も含まれる。その伸びが国民の賃金にそのまま反映するわけではない。しかし、官僚にしてみれば、1人当たり150万円という数字を打ち出せればいいのです。10年後に国民総所得を150万円以上増やすには年3%程度の伸びが必要ですが、もともと2%の物価上昇を見込んでいるのですから、本当に物価が上がれば、達成できない数字ではない。現実的な目標でも何でもなくて、いろいろな条件が重なれば、達成できるかもしれない。

そんな数字が課長、局長と上がっていって、最後は官邸がパクッと飛びついたのでしょうが、市場に見透かされたのです。設備投資増も官僚が無理やり、ひねり出した数字でしょうね。

成長戦略で打ち出した以上、設備投資減税などを組み合わせるのでしょうが、企業が設備投資をしないのは金の問題ではなく、売り上げを伸ばす自信がないからです。経済が分かっている首相であれば、こうした官僚のレトリックに気づくはずですが、そのまま発表して、失望売りを招いた。安倍首相はあわてていると思います」

<3本の矢どころか第4の矢も折れる>

問題は、こんなメニューでも打ち出した以上、今後はそれを肉付けする予算措置が取られることだ。「農家の所得倍増のためにITで農家支援をしよう。そのために予算をつける。組織もつくる。天下りもさせる。こんなふうになりかねませんよ。成長戦略は効果がないだけでなく、無駄な予算と官僚の天下り先確保の根拠になってしまうのです」

参院選に勝てば、今度こそ、大胆な成長戦略メニューが出てくるのではないか、と期待するのも無駄だ。「安倍官邸は業界団体に気を使って、規制緩和を先送りしたのでしょう。選挙では業界団体の世話になった議員が当選してくる。彼らは恩返しを迫られる。選挙後はますます、改革をしにくくなります」

アベノミクスは万事休す。3本の矢はことごとく折れて、もう一度、財政出動をするしかなく、第4の矢といわれる財政再建もできないと見透かされた時が国債暴落の引き金になるかもしれない。安倍官邸は頭を抱えているはずである。

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