真実の報道神秘

権力の『おかしな政策』におかしいと報道しない日本で、一人でも『おかしい』と声を上げ、真実を追求して行きます。

2013年05月

いまに大ヤケドするゾ 甘利経済再生相 軽すぎる口先介入

2013年5月29日 日刊ゲンダイ

「まもなく乱気流抜ける」「甘利ライン」自画自賛

テレビニュースで映像を見た人は思わず笑っちゃったんじゃないか。甘利明経済再生相の28日の閣議後会見。株価の乱高下について自らを乱気流に突入した航空機の機長に見立てて、こんなアナウンスをしたのだ。〈航行上、当機の安全に問題はありません。落ち着いて席にお着き下さい。えー、当機はまもなく乱気流をー、抜ける予定でございます〉

23日の大暴落後も甘利は「うろたえる必要はない」と沈静化に躍起だった。安倍政権の高支持率を支えているのは上昇を続ける株価だけだから必死なのだろうが、機長アナウンスはちょっと軽薄すぎるし、何を根拠に株価が安定すると断言できるのか。

それでなくても甘利発言は、これまで度々マーケットを揺らしてきた。「過度の円安は国民生活に悪影響」(1月15日)で翌日2円近い円高を招いたり、「期末までには1万3000円を目指して頑張る気概を示すことが大事だ」(2月9日)と大口をたたいてみたり。経済閣僚の異例の目標株価設定に、市場関係者が「“甘利越え”なるか?」とはやし立て、実際に1万3000円を超えたものだから、イイ気になったのだろう。5月14日の公式ブログで「兜町では1万3000円を『甘利ライン』と呼んでいました。1万5000円を射程圏内に置いている今、第二の甘利ラインを指定してくれという声が多々あり……」なんて自画自賛していた。それから10日もしないうちにあの大暴落だから世話はない。

「きのうは甘利大臣が『乱気流を抜ける予定』と会見で発言したら、債券価格が大きく下落し、長期金利は0.9%台に上昇しました。『株価も上げたい。金利も抑えたい』というのが安倍政権ですが、そうはいかない。株が上がれば債券は売られるし、債券を買えば、株は売られる。『乱気流』発言で甘利さんが『株価』を優先したと見なされれば、債券は売られ、金利は上がるわけです。マーケットを混乱させるようなことは言わないで、静かにしておくべきです」
(東海東京証券チーフエコノミスト・斎藤満氏)

過去に2年間経産大臣をやっただけで、すっかり経済通気取りで振る舞っているが、甘利は慶応大法学部政治学科卒業。2年間ソニーの社員をやった後、父親(甘利正・元衆院議員)の秘書になった。金融はシロウトだ。知ったかぶりの口先介入はアブナすぎる。

金子勝慶応大学教授TPPの危険性を語る

みなさんにきちんと確認していただきたいことは、オバマ大統領と安倍総理の間で行なわれた日米合意の文章のどこにも農産物が敏感な問題であると書簡の中で出てくる以外は、実は何一つ譲歩は勝ち取れておりません。

民主党はマニフェストをどんどん投げ捨てるのに2年ほどかかったが、自民党の場合は3カ月で投げ捨ててしまった。ISD条項についても、国民皆保険についても、聖域なき関税撤廃についても、安全基準についても、政府調達や金融における日本の特殊性を考慮するも、あらゆる交渉参加の6原則が、いっさい書かれていないということなんですね。

 これほどの公約違反をしても、民主党がやればメディアはいっせいに叩くが、自民党がやるとTPP交渉に向かって頑張れというエールを送ってしまうという、もう殆どメディアが壊れてしまっている状況というのはいったいなんなのかと。TPPの中身の恐ろしさについて、ごく初歩的な報道もないというのに、私はこの国のメディアは北朝鮮メディアなのではないかという疑いを持ち始めています。

違いはただ一つ、アナウンサーが勇ましいか勇ましくないかだけの違いというそういう現実に愕然としているのは今の私です。はっきり言わせていただくが、政府調達が日米合意の中ではっきり書かれているにもかかわらず、政府の発表から漏れています。
いま一生懸命、国土強靭化で建設業者を潤しているが、政府調達で小さな町々は、小さな建設業者に優先的に町の事業を割り振る形で、 入札のような形を採りながらも実際には大手の業者に割り振りができないようなことをやってる町々が沢山あります。 しかしそういう町々は、入札条件が極めてアンフェアであるという形でどんどんプレッシャーがかかっていって、そういうことが許されなくなっていくでしょう。
 
もうひとつ抜けている政府発表の中で、急送便という問題があります。ここ(この会場)には日本郵政グループの労働組合のかたはいないようだが、もう終わりです。 国際速達便を通じて、これの中で、日本は政府系企業で優遇措置があるということに対して恐らく 激しいプレッシャーがかかってくるでしょう。 そういう中で競争条件をまた再び郵政民営化に逆戻りすれば、地方の小さな郵便局はやがて潰れていくことになっていくでしょう。 あるいは、保険の問題でも、かんぽのガン保険参入を自ら投げ捨てましたし、BSE絡みの牛肉輸入の20カ月以下という条件もやめてきたし、危険部位もOKになった。

さらに言えば、医療器械の審査基準の認可も、日本側が成長戦略としてどんどん譲っているが、大きな病院に行ってみるとわかると思うが、いま日本製の医療機器はどんどん米国製・ドイツ製に駆逐されつつあります。日本の競争は決して審査期間が長いからではなく開発やグローバルな戦略がないからなのであって、そこに殆どメスを入れないまま審査基準を米国並みに緩めていくということは、米国の機械がたくさん入ってくるということだと思います。

米国の数少ない競争産業は、医薬品と医療器械です。医薬品の知的所有権の問題も、実はこれを延長させて、米韓FTAでは保険の薬価の基準も、決めるときにも介入してくることが認められています。今までは、新薬が入ると、診療報酬改定のために落ちていく仕組みだったが、これが高止まりしていくことになります。そうすると、保険財政を圧迫することになるので、診療報酬を上げずに医療器械と医薬品の支払いのためにわが国の保険料が使われていくことになってくと思います。
 
多くの地方の小さな国民健康保険は、今でも財政が苦しい状況にあるが、これからもそういう状況で圧迫されていくことになるに違いありません。もし高額な医薬品や医療器械が大量に入ってくると、保険外診療が拡大します。診療報酬が上げられないと、民間の大手の病院、 あるいは、もし株式会社というものが入ってくれば、好んでこの保険外診療で収益を得るように動いていくと思われます。

王選手は、胃がんでも、最新の技術で取り除いて、今も暮らしていらっしゃいますが、私たちは、標準医療で早死ができるようになります。おそらく、これは恐ろしい影響を与えます。都市部の大きな民間病院にお金のある人はみんな入ってきます。地方には、標準診療で、しかも診療報酬が上がらないまま病院経営が圧迫されていくことになります。
 
中間層といわれる人々は、自分でお金を払ったら破綻するので医療保険に入らざるを得ません。この領域は、公的な医療保険のない米国でもっとも発達している産業の一つです。これらの保険、今でも既に医療保険分野では米国系の生命保険会社は圧倒的シェアを持っています。 この圧倒的シェアを持っている保険会社が儲けていくことになります。
 
医療器械も医薬品もありながら、知的所有権を長びかせながら、さらにこの医療保険分野の独占を許していくことになれば、私たちは、ある意味で実体的にもう既に、国民会保険制度を失うに等しい状態に追い込まれていくことになります。
 
安全基準の問題。NAFTAで、米国のいわゆる環境基準の低い所にある州に立地する企業がカナダで廃棄物を処理してそれを国外に持ち出そうとした際、カナダ政府は自国の基準に合わないとして差し止めて、これをISD条項でカナダ政府を訴えて、多額の賠償金を獲ったあげくに、カナダ政府はその安全基準を米国並みの、後進国並みの安全基準に落とさざるを得ませんでした。
 
農業者の皆さんはこの問題は消費者の問題だと勘違いしています。遺伝子組み換え食品や農薬の安全基準で私たちの生活が脅かされるということは確かだが、これは、ヘリコプターで農薬を撒き、遺伝子組み換えで徹底的にコストを下げる農産物が大量に入ってくることを意味します。 仮に、コメの関税が半分になったとしても、一俵3千円のカリフォルニア米は、それで十分に日本の中でやっていくことができるはずなんです。

もしこういう形で価格引下げの圧力が加わるならば、既に中小零細で安全ではあるけれども高齢化した担い手がコメで収益を 上げるだけの米価を獲得できないので、機械も更新できず、やめていかざるをえない農家が大量にあちこちで生まれてくることになります。 私たちがいま置かれている農業の実態は、いまテレビでも、池上彰さんでさえも、農業が過保護であるというとんでもないバカな嘘デタラメの情報、勘違いの情報に騙されております。

 ヨーロッパはなぜ多額の所得保障をしても自国の農業を守らなければいけないか、それは国の独立と安全のために自ら多額の補助金を出しても農業を維持しようとしているわけです。私たちの国は、ISDで、事実上、世界銀行の中にある裁判所で、米国の思うがままに我々の安全基準やその他のルールを決められてしまい、この国の国民のためにまずは優先しなければいけない法律が米国の投資家に訴えられないそういう法律作りに変わっていくわくです。

さらに言えば、この国は基地を依存しているだけでも、とてつもなく独立性が脅かされているが、さらには食糧を海外とりわけ米国に依存するようなことになれば、この国の外交の実勢?(聞きとれない)はありえないような状態に入っていくことになります。
 
思い起こして欲しい。2000年代に入って、小泉政権になって、株価が上がって、郵政民営化を含む様々な規制緩和政策を実施したことによって、3~4年の間われわれは何も気づかずにいたけれども、終わってみたら取り返しのつかないような事態になっていた。 いま30代40代の若者は人生で多くの機会をそれによって失った。

地方の町々は、シャッター商店街であり、雇用の機会がないため若い人はどんどん出て行き、少子高齢化で崩壊寸前の地域がたくさん生まれている。 いま、このTPPを、もう一度、みなさんが真実を伝える義務があります。

猪瀬知事 また夫婦で豪華海外出張 なぜ夫人の旅費を公費で出すのか
2013/5/23 日刊ゲンダイ 

ニューヨーク出張に公費で夫人を同伴させ、都民から「税金の無駄遣いだ」と批判を浴びた猪瀬直樹知事(66)。てっきり反省しているのかと思ったら、とんでもなかった。5月28日からのロシア出張にも公費で夫人を同行するつもりなのだ。

都庁の幹部は「奥さまには私費で行っていただいた方がいいですよ」とアドバイスしているそうだが、知事は「税金を使ってなにが悪い!」と言わんばかりだ。 「都庁の職員は、知事が夫人同伴を強く求めるので頭を抱えています。先方から招待された形にしようとしたり、招待されない時は、猪瀬夫妻が現地でホスト役になってレセプションを開くようにするなど、なんとか正当化しようと必死です。今年1月、夫婦でロンドンに行った時も、高級ホテルでの懇談会を設けた。この時、夫人の出張経費は144万円だったそうです」(都政関係者)

猪瀬知事がフザケているのは、副知事の頃から公費で夫人を海外に連れて行っていることだ。資料では、副知事時代、8回、海外出張に行き、分かっているだけでも4回夫人を伴っている。しかも経費がベラボーなのだ。 2012年8月、ロンドンに出掛けた時は、猪瀬副知事、夫人、都職員3人の、計5人で2618万円も使っている。単純計算で、夫人のために500万円も税金を費やしているのだから、許しがたい。

「猪瀬知事は、公務で海外に行く時は夫婦で行くのが普通だと言い張っていますが、関東地方の神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木県の知事は、誰ひとりとして公費で夫人を同伴していない。埼玉の上田知事は、同伴する時はポケットマネーで賄っています。猪瀬知事も自腹でいけばいい。なぜ、税金を使うのか」(政界関係者)

いったい、これまで猪瀬知事は、夫人の海外旅行のためにいくら税金を使っているのか。都庁に聞いた。 「たしかに副知事時代には8回海外に行っていますが、昔のことなので、資料は直近の2回分しか残っていません。2010年10月には台湾へ、2012年8月にはロンドンに出張しています。2回とも夫人を伴っています。ただ、夫人にいくらかかったか、個別経費は発表していません。先月、ニューヨークに出張した時の経費は、まだ精算が済んでいません。今月末のロシア行きも、予算が確定していない状態です」

夫人のために1000万円や2000万円の税金が浪費されていておかしくない。こうなったら都民全員で返還を求めた方がいいのではないか。

 

期待先行のアベノミクスに“崩壊の一の矢、二の矢” トドメの矢も近日襲来か 
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/b0258746acc493bbae782dda5b3448a3
2013年05月24日 世相を斬る あいば達也 より転載
 昨日の円安基調による、年換算10兆円の貿易赤字と云うコラムを書いたばかりだ。日銀が、国債市場を制御出来ず、ゆえに長期金利の乱高下も制御出来ないと云うアップアップ状態の話をした。この現象は、結構1カ月近く続いていたのだが、アベノミクス期待相場崩壊の「第一の矢」だったのだろう。そして、昨日23日木曜日に日経平均は1143円の大暴落に見舞われた。たしか、市場が開いてから、買い先行で300円上げていた筈だから、1日で1450円幅で乱高下が起きたことになる。この株価大暴落が、アベノミクス崩壊の「第二の矢」と云う位置づけになるのかもしれない。
 
そもそも、実績の伴わない期待感相場(バブル)だったのだから、安倍内閣や日本銀行の力量に疑念が生まれれば、バブルは早々に弾ける。昨年の11月中旬から上げ相場は、筆者の推測よりも長く続いた。8割も上げたのだから、下がるのは当然だ、と政府関係者は冷静を装っているが、内心はヒヤヒヤものである。今日24日に買い戻しが起きなければ、ズルズルと暴落の連鎖を目撃する事になるかもしれない。NYダウは前場で100ドル以上の下げを見せたが、プラスに転じる場面もあり、下げ渋っている。午前2時現在マイナス5ドルだ。
 
NYダウまで暴落したのでは、世界同時株高が同時株安に反転するわけだから、金融関係者としては、NYは堅調に推移した流れをつくりたいだろう。仮に、その試みが成功した場合は、アメリカのみが経済の堅調さを保っていると云うシグナルを世界に発信できるので、好都合だ。世界に一か所くらい株式市場が堅調に推移する状況がないと、ジャブジャブのマネーが行き場を失い、商品相場になだれ込むことになっていしまう。世界全体の経済から見れば、株式バブルの方が人間の生活に影響は少ない。商品相場の高騰は、相場に参加していない人種まで巻き込むのだから、最悪だ。
 
日経新聞が、投資家の弱気の虫を封じるように、先行きに明るい見通しの記事を書いている。一番うろたえている甘利大臣の「うろたえることはない」の発言に似た論調だが、最後の三菱UFJ投信の「期待先行で買われた局面は終わった。景気や業績でみて日本株は買えるという確信が再び広がらないと、相場の調整が数カ月単位と長引く可能性もある」と云う見解が最も妥当なようである。

≪ 株価回復、投資心理カギ 「割高」の見方は少数派
 23 日の日経平均株価の急落は、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の悪化ではなく、相場過熱を警戒する投資家の不安心理が引き起こしたという色彩が強い。超高速取引もかく乱要因となった。この先の株式相場はどう動くかを市場関係者に聞いたところ、日経平均の下値のメドは1万4000円前後で、調整は一時的なものにとどまるとの見方が多い。
 
この日の急落について、市場関係者は「これまでの上げが急だった反動が出た」(みずほ投信投資顧問の柏原延行執行役員)との分析でほぼ一致している。
 日経平均は昨年11月から22日まで8割上げた。特に大型連休明けの7日に1万4000円台に乗せてからは、ほぼ一本調子で上昇。株価指数先物や、業績の裏付けの乏しい個別株が買い上げられる状態を警戒するムードがあった。みずほ証券の山口正宏シニアストラテジストは「急落前は、買われる理由が見当たらない銘柄が急騰するなどマネーゲームの様相が強まっていた」と話す。
 
大幅な下げの後は、投資家心理の冷え込みや投資方針の見直しなどで積極的な買いが入りにくい。目先は値動きが荒っぽくなる懸念は残る。 ただアンケートの回答者は、今回の株価調整は一時的なものにとどまるとの見解でおおむね一致している。 支えになっているのは日本経済の堅調さだ。日銀の緩和による中長期的な円安の観測を追い風に、日本は世界の中でも景気や企業業績の回復期待がとりわけ強い。今後示される安倍晋三政権の成長戦略への期待もある。
 
急落後の株価水準をどう評価するかを聞いたところ、「ほぼ適正」が10人中5人と最多。「やや割安」も4人で、割高との見方は少数派だった。直前の相場は「やや過熱」との見方が多かったが、この日の下げで割高感は急速に薄れた。 実際、企業業績と株価の関係をみる代表的な指標のPER(株価収益率)は、日経平均ベースで16倍。世界平均の13~14倍に比べて突出して高いわけではなくなった。りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネージャーは「大きく調整したことで、今まで割高で手が出なかった銘柄も買いやすくなった」と話す。

 当面の日経平均の下値メドの予想で最も多いのは1万4000円。ちょうど大型連休明けの急騰の起点に当たり、ヘッジファンドやネット証券経由の個人など短期マネー主導で株価が押し上げられる前の水準だ。欧米年金や長期志向の個人、投資信託などが改めて買いを入れやすい。 アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之取締役は「海外投資家の日本株への姿勢に変化はないだろう。下がったところで買いたいという投資家は多い」とみる。
 
懸念されるのは、米国、ドイツと並んで世界の株高をけん引してきた日本の変調で、投資家心理への悪影響が広がることだ。三菱UFJ投信の石金淳シニアストラテジストは「期待先行で買われた局面は終わった。景気や業績でみて日本株は買えるという確信が再び広がらないと、相場の調整が数カ月単位と長引く可能性もある」と話す。≫(日経新聞)

 日経新聞に限らず、日経平均14000円台は盤石と云う論調は、多くのマスメディアに共通している。つまり、これだけ14000円台に固執するあたりが面白い。日本の景気が好調になっている現象は若干みられるが、8割も株価を上げるほどのものはない。12000~13000円台が安住な地点だろう。それなら、若干の期待値込みでもPER、PBRに妥当性がある。
 
ただ、債券市場にせよ、株式市場にせよ、荒っぽい値動きが目立ちすぎる。マネーの強欲さと、足の速さを認識させられる昨今だが、ヘッジファンドには、千分の1秒単位で売買注文を出す“高速売買プログラム”を有しているので、その恐怖を知っている連中が先回りで売りまくった事もあるかもしれない。筆者の記憶が正しければ、今週のはじめから、国内投信などが本格的に参入し始めたと云う情報があった。個人株主の多くは上昇中“塩漬け株”を売り抜けるのがやっとで、“やれやれ感”に胸を撫で下ろしていたのが実情だ。ネット証券への加入者が大幅に増加などと云う報道もあったが、小遣い稼ぎの財テクであり、株式相場全体に及ぼす影響などはない。
 
22日までの株価上昇の買いの主体は、間違いなく海外投資家やヘッジファンドだ。彼らが、どこかで売り抜けるのは判っている事だった。昨日は、中国製造業の芳しくない指数を受け、それが引き金になったのはたしかだが、いずれにせよ“売り時”を見定めていただけの話で、それが23日だったと云うことだ。問題は、おっとり刀で参入してきた国内機関投資家が、尻尾を巻いて逃げるか、買い支えるかの瀬戸際と云うことだろう。ただ、NY市場が堅調となると、東京市場離れが加速するリスクは拭えない。その時は、アベノミクス崩壊の第三の矢、二度目、三度目の株式暴落現象がみられるだろう。

 世の中とは、なんとも皮肉で面白いものである。マヤカシのアベノミクスで参議院選まで“このまま、このまま”を維持したかっただろうが、如何にもミニバブルで上げ過ぎてしまった。好事魔多しとは、まさにこのような事を言う。この日経平均1143円の大暴落は投資家に冷静さと失う恐怖を知らせるには充分な下げであった。今日も500円程度で下げるようなら、筆者の日経の安住地点である、12000円台になるものと思われる。個人的には、安倍晋三の泣きっ面が見たいので、一万円を切らせたいが、そこまでは下がらないだろう(笑)が、内閣支持率が20%近く下がる愉しみは出来た。

 

橋下「慰安婦」発言 自民党に飛び火

2013/5/23 日刊ゲンダイ 
野党が狙う極右閣僚

「慰安婦騒動」が飛び火しそうだ。日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)が、お得意の責任転嫁で自民党に怒りの矛先を向け始めた。

21日の大阪市議会で、自民党市議から「慰安婦は必要だった」という発言について問いただされた橋下は「本当は自民党が言わなきゃいけない」と逆ギレ。記者団にも「保守を旗印にしてきた閣僚たちも、口をつぐんでしまった」と不満をブチまけた。

もっとも、橋下の言い分には一理ある。例えば、「慰安婦制度は女性の人権に対する大変な侵害だ」と厳しく橋下発言を批判した稲田朋美行革相。彼女が昨年8月31日の産経新聞に寄稿した論文では、こんなことを書いているのだ。

〈「慰安婦」問題については、日本の政府や軍が強制連行した事実はない、と明確に主張しなければならない。問題の核心にある「強制連行」がなかったのだから、謝罪も補償も必要ではない。当時は「慰安婦」業は合法だった〉「戦後補償であれ「慰安婦」であれ、言うべきことを勇気をもって主張する外交へと方向を転換することである〉

橋下に対して「党を代表する人の発言ではない」と非難した下村博文文科相も、第1次安倍内閣の官房副長官だった07年、ラジオ番組で「従軍看護婦や従軍記者はいたが、従軍慰安婦はいなかった」「親が娘を売ったことはあったと思うが、日本軍が関与していたわけではない」などと発言して物議を醸した。翌日の記者会見で「個人的な見解」と釈明していた。

「安倍内閣には極右的な思想の閣僚が多い。昨年11月に米国の新聞に掲載された慰安婦問題を否定する意見広告には、安倍首相はじめ、稲田行革相、下村文科相、新藤総務相、古屋国家公安委員長の4閣僚が名を連ねています。この意見広告は『彼女たちは当時世界中のどこにでもある公娼制度の下で働いていた』などと主張するもの。この大臣たちの歴史認識について、国会で追及することも考えています」(民主党関係者)

自民党はいつまで知らん顔していられるか。

 

ついに彼は狂ったか とんだ虚妄安倍首相のやっていること

2013/5/20 日刊ゲンダイ 
安倍首相が財界人や学識経験者らの前でわざわざ発表した「成長戦略」の第2弾。安倍本人は「世界で勝って、家計が潤う」「行動なくして成長なし」と意気揚々に語っていたが、つぶさに中身を検証すれば「コイツの頭は大丈夫か?」と思わざるを得ない。
安倍が具体的にブチ上げた数値目標は、何から何まで夢物語に過ぎないからだ。

▼インフラ輸出(現状10兆円)→7年以内に3倍の30兆円 ▼農業・農村所得→10年以内に倍増 ▼農産物・食品の輸出(4500億円)→7年以内に1兆円 ▼民間設備投資(63兆円)→3年以内で70兆円 ▼世界大学トップ100入り(2校)→10年以内で10校 ▼訪日外国人旅行者(年間800万人)→将来2000万人に ▼放送コンテンツ輸出額(63億円)→5年以内に3倍増163億円……と「2倍、3倍は当たり前」と言わんばかりで、実現性に乏しい数値目標のオンパレードには「寝言は寝てから言え」と突っ込みたくなる。

第2弾の柱に掲げた「インフラ輸出3倍増」も、売り込む中心は原発だ。安倍はGWの中東歴訪のトップセールスで、トルコとアラブ首長国連邦を相手に協定調印を取り付けたことで鼻高々。「オレが先頭に立てば、すぐに話がまとまる」と思い込んでいるのかもしれないが、その誇大妄想ぶりが恐ろしいのだ。

法大教授の五十嵐敬喜氏(都市政策論)はこう言った。 「あれだけ未曽有の事故を起こした国が、高い売り上げ目標を掲げて原発を売り込めば、国際的な反発を招きかねません。また、日本の優れた防災・医療・新幹線などの技術を売るのにも限界があります。新興国に技術を提供すれば、すぐに学習されて、いずれは自国のインフラを自前で整備し、日本企業のライバルと化すのです。高い技術を誇る企業でも、中東諸国などの輸出では商慣行の違いに苦しんでいる現実もある。インフラ輸出は一筋縄ではいかず、『3倍増』は単なる願望でしかない。成長戦略と銘打つには“やりたいこと”と“やれること”の差が激しすぎます」

◆「オレにはできる」とうぬぼれるトランス状態
高支持率に浮かれ、一種の躁状態というか、トランス状態にあるのではないか。ハッタリ半分の選挙公約ならいざ知らず、一国の首相が「3本目の矢の柱」として、真顔で言っているのだから、怖くなる。政治評論家の森田実氏もこう言った。「安倍首相は最近、夜郎自大な振る舞いをエスカレートさせています。正常な判断力を失っているのではないか、と疑いたくなるほどです。政治日程を目いっぱい詰め込み、憑かれたように、あれもこれもと手を広げている。

毎週のように被災地を回り、かと思うと、しょっちゅう、南こうせつなどのライブ会場に駆けつけ、パフォーマンスに精を出す。自分は元気だということをアピールしたいんでしょうが、周辺も“やりすぎ”と心配している。パフォーマンスだけならいざ知らず、憲法改正にも手を広げ、さらには米韓を刺激してまで、拉致問題に突っ込んだ。揚げ句が今回の成長戦略で、大ボラ同然の中身をとうとうとまくし立てた。マトモな状態とはとても思えません」 安倍の側近議員は「国民栄誉賞の表彰も背番号96のユニホームまで着てやりすぎだった。自然体にしてりゃいいのに……」と嘆いている。

前回もあれこれ手を広げて、収拾がつかなくなって自滅した。もともと、誇大妄想的なのが、さらにエスカレートしている感じだ。
まさか、持病の潰瘍性大腸炎を和らげるために行っている「ラドン」治療の影響ではないだろうが、やたら高揚している出戻り首相を見ていると、かなり心配になってくる。トチ狂っていなけりゃ、こんな成長戦略はあり得ないのだ。

◆いい加減、政権トップの異常さに気づくべき
安倍が高らかに歌い上げた成長戦略には「世界に勝てる大学改革」や「意欲に富む学生が全員、海外留学できる仕組み」「攻めの農業」「クールジャパン戦略」などのキャッチフレーズが並んだ。全てが荒唐無稽の夢物語。よくもまあ、側近たちも言わせたものだ。こんなペーパーで、国民をだませると思っているのだとしたら、とんでもない官僚どもだ。普通ならば、「総理、それは無理です」とならなきゃおかしい。東大教授の鈴木宣弘氏(農政)はこう言う。

「農業・農村の所得倍増にしても具体的なプロセスは何も示そうとしない。選挙が近いから農村票目当てに美辞麗句を並べ立てただけです。農産物の輸出を増やせばバラ色の未来が待っているかのような印象を与えていますが、大間違い。現状は、輸出だけで生活できる農家はゼロに等しい。いくら輸出が倍になっても、農家の所得が即、増えるわけではないし、そこにTPPなんですからね。それでなくても、農業所得は90年の6兆円からほぼ半減している。そんな中、TPPに参加すれば、農林水産の生産額は3兆円も減るのですよ。安倍首相が言う『農家の所得倍増』はあまりにも農家を愚弄しています」

大学改革だってムチャクチャだ。

「安倍首相は『今後3年間に国立8大学の教員1500人程度を優秀な外国人に置き換える』と豪語しましたが、これも打ち上げ花火で、現実性がない。それだけの数の外国人を迎え入れて誰に何を教えるのでしょうか。今の大学生の語学力では英語の授業についていけない。それに教職員を外国人に置き換えれば1500人もの人材がクビになってしまう恐れがある。教育現場を無視したナンセンスな発想です」(教育ジャーナリスト・小林哲夫氏) 安倍が描いた成長戦略は一事が万事、この調子なのである。マトモに論評するのもアホらしくなる。

◆過剰な自信が引き寄せる危険な道
それなのに、ヤバイのは、こんな躁状態のパラノイア首相の支持率が高止まりしていることだ。これじゃあ、ますます、安倍はいい気になって、誇大妄想になってくる。どの組織でも始末に負えないのは、自分の愚かさ、非力さに気付かず、やけに自信を持っているやからだが、それがよりによって、首相なのだから、恐ろしい話だ。狂人首相に国はメチャクチャにされてしまう恐れがある。

「すでに危険な兆候はハッキリと表れています。アベノミクスの異次元緩和は長期金利の高騰と国債投げ売りを招きかねない展開だし、歪んだ歴史認識は、世界中から『ストロング・ナショナリスト』と危ぶまれている。それもこれも、すべての元凶は安倍首相の自信過剰なんです。株高に浮かれて舞い上がり、“オレにできないことはない”と調子に乗っている。市場も他国も異常な政権に『これはヘンだぞ、ヤバイぞ』と警戒心を抱いているんですよ。それなのに国民が気付いていない。これは大変なことですよ」(森田実氏=前出)
こんな成長戦略をまくし立てられて、何を黙っているのか、国民は。「アンタ、おかしいよ」と突き放さなければウソなのだ。

さいたま市長選も、安倍ツーショット候補敗れる 内閣・政党支持率はホンモノか?(
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/ec07f1d2dbf609426d1d510c0e1f0c3d
2013年05月20日 世相を斬る あいば達也 より転載

新聞各社の世論調査の内閣支持率は、ホントに本当に調査しているのだろうか。政党支持率も自民党がダントツだが、本当にホントだろうか?昨日のさいたま市長選も、自民公明推薦の無所属候補者が敗れた。東京都小平市、兵庫県宝塚市、青森市に続き、さいたま市長選も敗北だ。既に世論調査をみる限り、競う相手がいない程の内閣、政党支持率なのに、主たる市長選では敗北続き、なんとも理解し難い現象だと言える。まさか、マスメディアのすべてが、カネに目がくらんだ、と云うのも考えられない。
 
ただ、コンピュータ・ガイダンスの質問に、真面目に1,2,3をプッシュしている人々はどんな人なのか、逆に疑問に思う事もある。先日、生まれて初めて、RDD方式の世論調査の電話が鳴った。我が家は、セールス電話排除の必要上、常に留守録状態にしてあるが、ガイダンスのお姉さんは、留守録に構わず話しだした(笑)。出だしの2フレーズくらいで電話は切れたが、たしかに調査自体は実行しているようだ。しかし、あのような流れ作業のような質問に、真剣に応答する人々なんて居るのだろうか。不思議でならない。また、その質問に多くの人々が、丁々発止答えられるほど、政治に興味を持っているとも思えない。
 
まぁいずれにしても、昨日は安倍晋三様とツーショットの前県議・長沼氏は敗れたのだ。当選の清水氏が現職と云う強みがあったとしても、清水:171.876、長沼:118.362票と接戦と云うほどでもない。それでは、無党派が動いたのかと言えば、そう云うものでもない。投票率は37.98%に過ぎないのだから、理屈上は公明票と自民票で肉薄して然るべきなのだが、不思議だ。世論調査と、現実の主な市長選の結果との間に齟齬があるとしか思えない。こんな選挙結果と、先の衆議院選、同じ国の選挙か?と疑いたくなるほどだ。
 
たしかに、電話で無機質に質問され、番号を押してくれる親切な人々は、きっと当たり障りのない選択肢を選択する賢明さを備えているのだと思う。なんのキッカケで、俺の考えが漏れるかもしれない?まぁそこまで考えないとしても、世の中のすう勢に合わせた無難な回答をしておく智恵はあるのだろう。それでは、その肝心の世の中の趨勢をどこで知るのだろう。当然、近所隣りと政治談議するとも思えないので、テレビ新聞の論調に頼ることになる。つまり、マスメディアの論調が世論をつくると云うのは事実だろう。少なくとも、世論調査をすれば、マスメディアの論調が、世論調査の結果と傾向的に親和的なのは当然と云うことだろう。
 
現在、支持する政党は?と聞かれたら、政党らしいのが自民党だけなのだから、自民党と答える(笑)。日本維新の会は7割方崩壊したようだ。再生の余地は残っていないだろう。維新の橋下は在特会のヘイトスピーチを元気づけさせただけである。西村眞吾の韓国人の売春婦がうようよ発言まで誘発させたのは、橋下だ。流石に、みんなの党も選挙協力関係解消を明言した。渡辺喜美にすれば、渡りに船の橋下大放言だっただろう。江田憲司としても公に反旗を翻しづらい状況だ。それにしても、政党の存在感は、自民党、公明党以外、あまりにも不確かになってきた。
 
維新は落伍政党としてカウントするとして、それ以外はどうなっているのだ。民主党?みんなの党?共産党?みどりの風?社民党?生活の党?おそらく、嫌でも民主党がどうにかしないと選択の受け皿さえ用意できないわけだが、現実的には、TPP・改憲で党が割れているのだから、野党の旗を振る器量はないだろう。現時点の世論、たとえば共同の政党支持率を参考にすると、 ≪民主党が、0・1ポイント増の5・9%、日本維新は0・7ポイント減の4・8%。みんなの党4・4%、公明党3・2%、共産党 2・8%、みどりの風0・9%、社民党0・5%、生活の党0・4%、新党改革0・2%で、支持政党なしは27・2%だった。≫
 
以上の通りなのだから、生活の党の小沢一郎が前面に出て調整するのは、無理があるだろう。まさか「みどりの風」の後塵を拝すとは、考えてもいなかった(笑)。なんだかウソ臭い感じの調査結果だが、先ずは受けとめておくしかない。しかし、政党としてではなく、政治家として動くことは可能だろう。渡辺喜美、亀井静香、小沢一郎、細野豪志の四人が個人的情報交換会でもやらかして、マスメディアを騒乱させる。カオスの中で騒乱を起こす、そのくらいの覚悟で世間を目覚めさせる気概がないと、再び昨年の衆議院選デジャブをみることになるのではないのだろうか。
 
小沢も亀井も、センセーショナルさがなさ過ぎる。橋下や安倍の、あの恥もヘッタくれもないパフォーマンスに、完全に負けている。今や、良いとか悪いとかの問題ではない部分がある。現在の国民のレベルが、低俗である限り、お天道さまに任せきりでは拙いのではないだろうか?自ら道を拓く冒険が必要な時ではないのだろうか。誠心誠意が通じる世の中なら、なにも言わないが、嘘つきの方が好まれるような世の中であることも、政治を行う以上、胸におさめて欲しいものだ。筆者が望むのは、ここまで来たらヤケクソである、電撃中国訪問、「小沢一郎、習金平と会談!」程度の刺激がぜひ欲しい。そして、現在のマスメディアの世論調査が、大きく現実と乖離している事を、心から祈りたいものである。

アメリカが安倍政権のはしごを外す [慶大教授 金子勝の天下の逆襲]  

2013/5/14 日刊ゲンダイ 

相変わらず日本国内では、安倍内閣の支持率は高い。しかし、それは恥ずかしいことだという自覚が国民にないことが怖い。安倍首相は憲法を「改正」して「国防軍」創設を主張する一方で、戦前の日本軍について「侵略の定義は定まっていない」と、日本の侵略戦争を認めようとしない。

しかし「侵略の定義」は、国連決議に違反する他国への先制武力攻撃行使だと、1974年の国連総会決議があり、日本も賛成している。
ところが、安倍首相は、その決議も、安保理は「政治的に決まる。常任理事会は拒否権を持っている」と述べて「参考」にすぎないと言うのだ。自らが官房長官としてかかわった証拠なきイラク戦争参加をも正当化しようとしている。

安倍首相の国際的な評価は、右翼民族主義者、石原慎太郎にいたっては極右扱いだが、日本の大手メディアは正しく伝えようとしない。おかげで日本人だけが気づいていない。まるで戦前のようだ。

閣僚の靖国参拝についての発言や、首相の歴史認識に対して、中国や韓国だけでなく、欧米各国も顔をしかめている。アメリカの議会事務局までが「安倍首相の歴史認識はアメリカの国益を害する恐れがある」という報告書をまとめたほどだ。アメリカが尖閣諸島について、日米安保の対象に含まれると発言しているのも、アジア諸国と軋(あつ)轢(れき)を強める安倍首相の思想に共鳴しているからではない。在日米軍基地を正当化するためにすぎない。

安倍首相はそれをバックに、中国に対して勇ましい態度を取っているが、アメリカは、ただでさえイラク戦争で傷を負い、国を疲弊させてしまったのに、大国中国と全面対決することなど少しも考えていない。事実、米中両国で軍事演習したり、軍事対話を強めようとしているくらいである。だから安倍首相を諫(いさ)めるのだ。

安倍首相は、日米同盟を頼みにして、憲法「改正」や「国防軍」創設をもくろむが、もし本気で動きだしたら、アメリカはハシゴを外すのではないか。ちょうど、外国人投資家がアベノミクスを煽(あお)って株価を上げ、日本人投資家が高騰した株を買いはじめたら一斉に売ろうとしている構図に似ている。

経済専門家に聞く このバブルはどうなる

2013/5/13 日刊ゲンダイ 
◆円1ドル100円 株価高騰、国中が浮かれた20年前の同じ悲劇の繰り返しが始まっている
円が1ドル=101円台まで急落し、つられて株価もぐんぐん高騰している。先週の4営業日だけで一気に900円以上もハネ上がり、週末の終値は5年4カ月ぶりに1万4600円を超えた。けさ(13日)は外為市場で102円を付けている。株高の流れもさらに加速しそうだ。

この活況に日本中が浮かれているが、ハッキリしていることがある。これは政府によってつくられた“バブル”ということだ。この円安、株高は異次元金融緩和によって引き起こされた。ただでさえダブついている市場に、さらにマネーが追加されているのだ。資産バブルになるのは当然である。

資産がない庶民は大慌てだ。インフレ懸念から「値上がりする前に買っておけ」と、借金してでも株や車、マンションの購入を急ぐ。テレビCMでは「今でしょ!」なんてセリフが流行しているし、メディアも盛んに煽る。政府は、そうやって国中が余ったマネーに群がり、カネを借りて物を買い、投資に突っ込むのを意図的に狙っているのだ。まさに20年前の繰り返しである。

バブルを知らない世代は、「おいしい思いをした先輩がうらやましい」「オレたちもバブルを経験したい」なんて言う。いい気なものだ。バブルの本質を分かっていない。ディスコのお立ち台やランバダみたいな“狂乱の宴”しか見ていないのだ。金融ジャーナリストの小林佳樹氏が言う。

「当時は日本中が熱病に浮かされた状態でした。バブル前には見向きもされなかった、猫の額のような土地にもペンシルビルが乱立したし、使い道のない土地がゴルフ場になっていった。銀行がいくらでもカネを貸してくれたからです。

当時の銀行は不動産の売り手さえ見つけてくれば、いくらでも儲かった。売買時にそれぞれ手数料3%が入るし、土地を売った代金
を預けてもらえる。買い手にはカネを貸せる。1粒で4回もおいしかったのです。売買の際は、土地の売り手と買い手に加え、中間に入るブローカー3~4人を同じ席に呼び、その場で売買契約させた。書類を回しただけで土地の値段は2倍にも3倍にもなりました」

◆最後のババは弱者がつかまされる
人間の欲は恐ろしいもので、みんなが借金で資産を増やすと「借金をしないことが損」みたいに思ってしまう。バブル前、銀行の貸付額は担保評価の7掛けだったが、バブル期は120~150%になっていた。担保なんて後付けだから、崖のような資産価値のない土地でも担保になり、カネを借りることができた。それで株を買えば何倍にも膨らんだし、土地を転がし、濡れ手で粟のボロ儲けをしたバブル紳士も台頭して、日本中が投機に走ったのだ。

しかし、膨らんだバブルは当然、はじける。もともと、ロクな物件ではない不動産は二束三文になり、借金を返せなくなった持ち主は次々と破綻。銀行は大量の不良債権を抱え、最後は、税金で尻ぬぐいをさせられたのである。
ジャーナリストの須田慎一郎氏は言う。

「当時のバブルは、土地や絵画、ゴルフ会員権のような生活必需品以外のものが投機対象となり、どんどん高騰しました。しかし、その恩恵を受けたのは一部の人間で、まじめに働き、普通の暮らしをしていた庶民にはほとんどメリットがなかった。一時的にボーナスや就職口は増えたが、一生の夢であるマイホームも通勤に片道2時間かかるような物件しか買えなくなり、生活や家庭を破壊された人も多かった。にもかかわらず、バブルが崩壊すると、その余波は弱者に襲いかかりました。借りられたはずのカネを借りられなくなり、いきなり借金返済を迫られたり、リストラや給料、ボーナスカットに苦しめられた。バブルの最大の罪です」最後はババの押し付け合いになり、そのババは確実に国民がつかまされる。それが20年前の教訓なのである。

◆バブルとともにまじめに働く日本人の社会・経済基盤も崩壊
バブル崩壊後の日本経済がどうなったのかも、いま一度、振り返って確認する必要がある。 巨額の不良債権を抱えた金融機関は、生き残りのために貸し渋りや貸し剥がしを横行させた。中小・零細企業はバタバタと倒産し、庶民は借金苦やリストラ、賃下げ、住宅ローン地獄にあえいだ。内需は冷え込み、大企業は生産と販売の拠点を海外に移し、空洞化が加速していった。日本経済の足腰はガタガタになっていったのだ。

それだけじゃない。「大企業はバブル時代、楽して金儲けすることに慣れてしまいました。企業で最も重要視されたのは本業以外の取引で、実際、金融収支は莫大な金額になっていた。モノ作りの技術より“財テク”に長けた社員がもてはやされたのです。これでは、まじめに働くことがバカらしくなる。企業は地道な技術開発を怠り、銀行もプロジェクトの見極めができなくなった。これが今の電機業界などの惨状につながっているのです」(小林佳樹氏=前出)バブルだけは絶対に繰り返してはいけない。あの時、国民はそう誓ったはずなのに、今の市況はどうか。専門家の多くが「20年前の悲劇の繰り返しが始まっている」と口をそろえるのである。

◆株価暴落後にやってくる最悪のシナリオ
前出の須田慎一郎氏はこう言った。「株価や不動産が上がっていますが、実体経済の成長が伴っていません。このままいけば間違いなくバブルになる。すでに、その入り口に立っていると思います」 筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)もこう指摘する。「今の日本経済はすでにバブルに突入していて、1年後には崩壊しているだろうと思います。

今回のバブルは、参院選と消費増税のためだけにつくられた人為的なもの。今の株高を引っ張っている外国人や機関投資家もそれは百も承知だから、引き揚げるときは速いですよ。夏の参院選までに浮かれムードは最高潮に達し、選挙が終われば、しょぼしょぼになっていく。トドメは来年4月の消費税8%で、増税後は消費の先食いも終わり、景気は一気に冷え込む。そこでバブルは終わりです。倒産企業を再び税金で救済するケースも出て
きかねない。最後にババをつかまされるのは結局、国民なのです」 経済評論家の広瀬嘉夫氏が危惧する、バブル崩壊の“最悪のシナリオ”にはゾッとする。

「政府と日銀が掲げるインフレ目標2%を達成するか、それが確実な情勢になれば、株価は暴落するでしょう。いつまでも異次元緩和を続けるわけにはいかないから、金融政策の大転換が予想される。おそらく、日銀は毎月7兆円の国債購入をやめるか、購入金額を減らすことになる。そうなれば、国債価格も維持できなくなり、こちらも暴落です。770兆円の国債を抱える金融機関には破綻するところも出てくるでしょう。一方、国債の金利はハネ上がるから、財政危機も来る。日本はギリシャやスペインになりかねません」
バブルなんてロクなことにならない。よくよく冷静になった方がいい。

橋下暴言よりも深刻な高市発言  天木直人 

★「天木直人氏の視点ー(2013/05/14)」★  :本音言いまっせー! とうとう橋下徹大阪市長が致命的な暴言を吐いてしまった。
慰安婦制度に関するもろもろの発言のことである。

 
その一つ一つについての国民の受け止め方は人によって様々だろう。しかし、公職にある者があのような発言をしてはいけない。まして国政に進出しようとする政党の代表である。 これで橋下氏の参院選出馬は完全になくなった。 日本維新の会は終った。

 
しかし、橋下暴言よりももっと深刻な発言がある。それは高市早苗自民党政調会長の村山談話を否定する発言である。

 
すなわち高市氏は12日記者団に対しアジアへの植民地支配と侵略に反省とおわびを表明した村山談話について「しっくりきていない」などという言葉で疑義を呈した。 私が驚いたのは、高市氏が菅官房長官から注意を受けた後も「個人的見解は変わらない」と繰り返していることだ(5月14日朝日)。

すでに何度も指摘しているとおり、安倍政権の最大の弱点はその歴史認識にあり、ついに米国議会報告書から米国の国益を害するとまで言われるようになった。これは歴代の自民党政権ではじめての前代未聞の出来事だ。

その事はいくら強調しても強調し過ぎる事はない。外務省や安倍政権はことさらに冷静を装っているが、その裏で、あわてて歴史問題の幕引きを図ろうとしている(5月14日読売)。

国民栄誉賞授賞パフォーマンスで背番号96のユニフォームを着てまでして、みずから参院選の争点にすると公言した憲法96条改正さえも、あっさりと引っ込める情けなさだ。そんな必死の沈静化の中で、政調会長という要職にある高市氏が閣内不一致発言を繰り返しているのである。それを任命したのは安部首相である。本来ならば即刻、内閣総辞職だ。

しかしメディアが安倍政権を守ろうと躍起になっている。なんといっても安倍政権に変わる政権が見当たらない野党の体たらくだ。 このまま安倍政権は続いていくだろう。 ここに今の日本の政治の救い難さがある。それを許す国民ともども、日本はもはや米国だけでなく、世界中からあきれ返った目で見られているに違いない。

<歴史認識問題>高市氏発言、再び波紋
(毎日新聞 5月13日)

自民党の高市早苗政調会長が、第二次世界大戦後の極東国際軍事裁判(東京裁判)や、植民地支配と侵略へのおわびを表明した村山富市首相談話に疑問を呈したのを受け、政府と同党は13日、火消しに追われた。安倍晋三首相の歴史認識を巡る言動に中韓だけでなく米国にも懸念が広がり、菅義偉官房長官が10日の記者会見で村山談話の「全体を引き継ぐ」と収拾を図ったばかり。歴史認識問題は安倍政権の不安要因になりつつある。

【米国】安倍氏に懸念強め 歴史認識「米の利益損なう恐れ」 議会報告書で「国家主義者」

高市氏は12日のNHKの番組で、「国家観、歴史観については首相は(歴代内閣と)違った点もあるかと思う」と表明。村山談話についても「『国策を誤り』とあるが、それでは当時、資源封鎖され、まったく抵抗せずに日本が植民地となる道を選ぶのがベストだったのか」と強調した。

問題の発端は、首相が4月22日の参院予算委員会で村山談話を「安倍内閣としてそのまま継承しているというわけではない」と答弁したこと。翌23日には「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」と述べた。高市氏の発言は首相の意向に沿っているとも言える。

だが、国内外への影響を考慮し、政府は歴史認識論争に終止符を打とうとしていた。菅氏は13日の記者会見で「高市議員個人の見解だ。政府の見解は(10日に)明確に私が述べた通り」と釈明し、出張中の高市氏に電話で「政府の見解は首相の見解だ」とクギを刺した。政府高官は「歴史認識問題は先週末で終わりのはずだったのに」と不満を漏らした。

石破茂幹事長は13日の記者会見で、「歴史認識は積み重ねがあるテーマであり、あまり思いつきで物を言うべきではない国益全体を損なう情報発信の仕方は極めてよくない」と高市氏を批判。同日の役員会では、高村正彦副総裁が「順風満帆であるほど細心の注意を払うべきだ」と指摘した。

出張で役員会を欠席した高市氏は羽田空港で記者団に、「党に迷惑がかかったのならおわびする」としながらも、「私の考え方は変わらない」と言い切った。

一方、日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)は大阪市内で記者団に、「侵略の定義が学術上きちんとないのは首相の言う通り」と認めつつ、「日本は敗戦国だ。敗戦の結果として、侵略だとしっかりと受け止めなければいけない」と苦言を呈した。

民主党の海江田万里代表も記者会見で、「先の戦争でアジアの国々に日本が大きな被害を与えたことは事実だ」と語った。

民主党「公開大反省会」で露呈した小沢一郎と民主党の亀裂 天木直人


民主党がきのう5月11日に「公開大反省会」なるものを開いたらしい。しかし、大手メディアはそれを全く無視した。ひとり大きく取り上げたのは民主党批判の急先鋒である産経新聞である。そのことから見ても、その大反省会なるものが菅直人、枝野幸男
長妻昭などといった民主党崩壊の責任者たちの自己弁護と自己宣伝の場でしかないつまらないものであったことがわかる。

私が特に驚いたのは、三名がその場でさえも、なおそろって小沢批判を繰り返した事だ。「自分の権力が最大限の状態を維持したい人。自分の言うことを聞くのが良いというのが小沢さんの『権力最大の法則』。これほどひどいとは思わなかった」(菅直人)。「とにかくわからない人」(枝野幸男)。「私とはちょっと感覚が違う政治家」(長妻昭)。ちなみにきょう5月12日の日経新聞は「私の秘話」と題するコラムの中で野田前民主党代表の後見役を務めていた藤井裕久氏の次のような言葉を紹介している。

「・・・(消費税増税に反対した)小沢グループは野党ボケではなく政局屋だ。民主党から(追い)出したのは野田(首相)の功績だ。昨年の衆院選で負けてけしからんというのは俗論。負けても消費税増税を実現したというのが知性派の意見だ・・・」。
驚くべき発言だ。いまでも消費税増税が正しかったと言っている。安倍自民党政権と戦うべきところを今でも小沢たたきをしているような民主党では絶望的だ。安倍首相がつまらないパフォーマンスに明け暮れて調子に乗っているのもわかる。
 
日本の政治に希望を持てなくした最大の責任者は民主党の存在である。民主党は昨年12月の衆院選敗北の時より、さらに分裂、弱体化し、何よりも悪くなっている

ついに「安倍政権は米国の国益を害する」とまで言い出した米議会報告書  
ttp://www.amakiblog.com/archives/2013/05/09/
2013年05月09日 天木直人のブログ

きょう5月9日の東京新聞はワシントン発竹内洋一記者の次のような衝撃的なスクープを一面トップに掲げた。すなわち米議会調査局は5月1日付の報告書を米議会に提出したという。その報告書では安倍首相の歴史認識は「(東アジア)地域の国際関係を混乱させ、米国の国益を害する恐れがあるとの懸念を生じさせた」と書いているというのだ。
 
前代未聞の報告書である。戦後一貫して日米関係は最重要だと言い続け、そのために対米従属に終始してきた日本が、「米国の国益を害する」とまで言われる。こんなバカげたことがあるだろうか。そんな報告書を議会に書かれた安倍自民党政権は、これまでの歴代政権や日本国民にどう責任をとるというのか。どうやら安倍政権は緊急事態に突入したようだ・・・
 
首相 歴史認識 米が懸念 「東アジア混乱」「米国益害する」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013050990072042.html

2013年5月9日 07時20分 東京新聞
 
【ワシントン=竹内洋一】米議会調査局が日米関係の報告書をまとめ、旧日本軍慰安婦問題などをめぐる安倍晋三首相の歴史認識について「(東アジア)地域の国際関係を混乱させ、米国の国益を害する恐れがあるとの懸念を生じさせた」と指摘した。米有力紙にも首相の歴史認識を批判する社説が相次ぐなど、東アジアの不安定化要因として危惧する声が高まっている。
 
米議会調査局は、上下両院議員の立法活動を補佐するためその時々の国政の重要課題について専門スタッフが調査し、詳細な情報を公式報告書にまとめて議員に提供。議論に影響を及ぼしている。
 
今月一日付の日米関係の報告書は、首相が「強固な国粋主義者」として知られ、「帝国主義日本の侵略やアジアの犠牲を否定する歴史修正主義にくみしている」と指摘。慰安婦問題や靖国神社参拝をめぐる言動は、「米国や日本の近隣諸国から注意深く監視される」と強調した。
 
報告書は、植民地支配と侵略を認めた一九九五年の村山富市首相(当時)の談話について、安倍首相が今年四月の国会答弁で「そのまま継承しているわけではない」「侵略の定義は国際的にも定まっていない」と述べたことに触れ、米国が非公式に懸念を伝えたとの報道に言及した。
 
慰安婦問題では、報告書は旧日本軍の関与を認めた九三年の河野洋平官房長官(当時)による「河野談話」の見直しが安倍首相の持論であり、仮に見直せば日韓関係を悪化させるとしている。米国内の反応として、クリントン前国務長官が「慰安婦」でなく「(強制された)性的奴隷」という用語を使うよう国務省高官に指示したとの報道も引用した。さらに「首相は熱心な
国粋主義者を閣僚に選んだ」と指摘。複数の閣僚が靖国神社を参拝し、中韓両国が反発していると説明した。
 
米有力紙も、安倍首相について「歴史を直視していない」(ワシントン・ポスト)、「不必要なナショナリズム」(ニューヨーク・タイムズ)とする社説を掲載している。

◆首相 侵略の国連定義は「参考」 参院予算委
安倍首相の歴史認識に関する発言が波紋を広げている。村山談話や河野談話といった過去の政府談話をそのまま踏襲したくない首相の本音が見え隠れするからだ。中国、韓国の反発だけでなく、首相が同盟関係を重視する米国からも懸念が示され、事態の沈静化は遠い。
 
八日の参院予算委員会でも、過去の植民地支配と侵略を謝罪した村山談話が議論となった。首相は「侵略」を「他の国家の主権、領土保全、政治的独立に対する武力行使」などと定義した一九七四年の国連総会決議について「国連安全保障理事会が侵略行為を決定するためのいわば参考だ」と指摘。「学問的にさまざまな議論があり、絶対的な定義は決まっていないと(四月の国会で)申し上げた。政治家として立ち入ることはしない」と述べた。
 
村山談話をめぐっては、戦後七十年の節目となる二〇一五年に「未来志向」の新たな談話を発表する意向を表明している。その際、村山談話でアジア諸国に「多大の損害と苦痛を与えた」とした部分は、安倍内閣でも同じ立場だと言っている。
 
だが、村山談話の核心部分ともいえる日本の侵略を認めて謝罪した部分に関しては、内閣として引き継ぐとは明言しない。 首相は従軍慰安婦に関する河野談話についても、〇七年の第一次安倍内閣当時に、日本軍による強制連行の証拠は見当たらないとした答弁書を踏襲する考えを表明。慰安婦に対しては「お見舞いを申し上げたい気持ちは歴代内閣と変わりはない」と国会で答弁する一方で、強制性に関する認識などについては「外交問題に発展する」として、対応を菅義偉官房長官に委ねる姿勢を通している。
 
首相は八日の予算委で「日本は深刻な反省から戦後の歩みを始めた。安定的な平和を維持する努力もしてきた」と日本の立場に理解を求めていく考えを強調。菅氏も記者会見で「外交ルートを通じて理解をしてもらうに尽きる」と擁護するが、事態を好転させる打開策は何も示されていないのが現状だ。 

検察震撼!逮捕された元検事・前田恒彦氏がフェイスブックで陸山会事件の"闇"をバクロ 

2013/5/7 日刊ゲンダイ 
デッチ上げだった「石川議員自殺のおそれ」

フェイスブック(FB)の、ある書き込みに最高検が神経をとがらせているという。

前田恒彦氏のフェイスブック
http://www.facebook.com/#!/MaedaTsunehiko?fref=ts

投稿者は、郵便不正事件で証拠のフロッピーディスクの日付を改ざんし、証拠隠滅罪で懲役1年6月の実刑判決を食らった前田恒彦元検事(45)だ。

刑期を終えて昨年5月に出所以降、FBでつぶやき続けていたが、最近、自身も捜査に関わった事件について“重要証言”を立て続けに書き込み、検察関係者を震撼させているのである。

その事件とは、生活の党の小沢一郎代表の陸山会事件だ。前田元検事もこの事件の取り調べを担当した。その際、年も近いことから、よく話をしたのが田代政弘元検事(46)だった。ウソの捜査報告書を作成したとして、市民団体に虚偽有印公文書作成容疑で告発され、先日、東京第1検察審査会で「不起訴不当」の議決が出た問題検事だ。前田元検事は田代元検事から「驚くべき告白」を聞いたという。その内容をFBで暴露したのである。

それによると、田代元検事は元秘書の石川知裕衆院議員=政治資金規正法違反罪で1、2審有罪、上告中=の取り調べを担当。逮捕状を請求する際に作成した「捜査報告書」で、「自殺の恐れ」を強調した。しかし、これはデッチ上げで、田代元検事は〈『逮捕の必要性』を強調すべく、『自殺のおそれ』をうかがわせる言動などなかったのに、そうした言動があったかのように記載した〉と告白したというのだ。

当時、石川氏は国会議員だ。当然、逮捕は難しい。しかし、検察は踏み切った。その理由として、「自殺の恐れ」をデッチ上げたことになる。 「検察は虚偽の捜査報告書を作っただけではありません。当時、メディアにも石川氏の自殺の恐れが流れた。検察が逮捕を正当化するためにウソの情報で世論操作をしたのでしょう」(司法記者) 前田元検事は、この逮捕前の捜査報告書と、検察審査会で審査された逮捕後の捜査報告書の2つのウソについて、こう書いている。

〈両者は、供述者に内容確認やサインを求めず、捜査側の独断で作成可能な『捜査報告書』の性格を逆手に取ったという点で一致していた。組織が直面する困難な状況を『裏ワザ』で打破しようとの狙いも共通していた〉
供述者がチェックできない「捜査報告書」を偽造すれば、何でもできる。恐ろしいところだ、検察は。もちろん、田代元検事の“判断”ではなく、組織の決定だったのだろう。元検事の落合洋司弁護士はこう言う。

「明かされているのは、石川氏の逮捕前の捜査報告書の虚偽であり、問題となった逮捕後ではない。最高検は従来通り、『記憶の混同』で押し通すと思います。もっと早く暴露していれば、検察審の議決にも影響があったと思いますが……」
告発はまだまだ続きそうなだけに検察幹部は肝を冷やしているに違いない。

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